1 名前:ぶん ◆YkpwaPEbXM [sage] 投稿日:2007/01/13(土) 18:07:36.49 ID:3KUoSH0X0
だいいちわ ゆめ
舞台は公園。
その公園の砂場で二人の子供が仲良く遊んでいる。
男の子と女の子。
その男の子に僕は見覚えがあった。
これは・・・・・・小さい頃の僕・・・・・?
( ^ω^)「今日はお砂のお城を作ろうお!」
(*゚ー゚)「お城♪お城♪」
それはとても懐かしい光景だった。
確か幼稚園のときだったっけな。
よく近所に住んでいたしぃちゃんと遊んでいた。
毎日毎日飽きもせず公園や川、山で遊んでいたな。
男の子、もとい小さい時の僕が公園にある時計をみた。
2 名前:ぶん ◆YkpwaPEbXM [sage] 投稿日:2007/01/13(土) 18:08:40.09 ID:3KUoSH0X0
( ^ω^)「もう4時だお」
(*゚ー゚)「そろそろ帰らないとお母さんが怒っちゃう」
( ^ω^)「続きはまた明日にしようお」
(*゚ー゚)「うん!」
二人の子供は元気よく公園から出て行った。
本当に楽しそうな顔をして。
あの頃はなにをしても楽しかったな。
しばらくその二人を見届けていたらこの世界が歪んでいく。
3 名前:ぶん ◆YkpwaPEbXM [sage] 投稿日:2007/01/13(土) 18:09:26.24 ID:3KUoSH0X0
(;^ω^)「・・・・・・・っは!!・・・・はぁ・・・・はぁ・・・」
いつも通りの僕の部屋。
無機質に時計の針が動く音が聞こえてくる。時刻は朝の7時。
着ていた寝巻きが汗によってびっしょりと濡れていた。
(;^ω^)「・・・・・・夢・・・・・かお・・・・」
4 名前:ぶん ◆YkpwaPEbXM [sage] 投稿日:2007/01/13(土) 18:10:37.72 ID:3KUoSH0X0
あれは夢だったのか。
夢にしては妙にリアルに覚えている。
あの公園の雰囲気。
小さい頃の僕。
そして仲の良かったしぃちゃん。
懐かしすぎて存在を忘れていた。
近所に住んでいたしぃちゃん。
いつのまにかしぃちゃんは僕の前から消えていた。
どこに行ったんだっけか・・・・?
しぃちゃん・・・・・。
5 名前:ぶん ◆YkpwaPEbXM [] 投稿日:2007/01/13(土) 18:12:26.72 ID:3KUoSH0X0
(;^ω^)「とりあえずシャワーでも浴びるお・・・」
びっしょり濡れてる寝巻きを洗濯機の中に放り込む。
朝のシャワーは気持ちいい。
朝のけだるさをすべて消し飛んでくれる。
風呂から出た僕はいつも通りパンを焼き、マーガリンを塗って食べる。
なんの変哲もないマーガリンパンだけどおいしかった。
これを食べないと朝をむかえたという感じがしなかった。
6 名前:ぶん ◆YkpwaPEbXM [sage] 投稿日:2007/01/13(土) 18:13:49.97 ID:3KUoSH0X0
食べ終わり、大学に行くために外用の服を着る。
愛用の鞄を持ち、原チャリの鍵を取る。
( ^ω^)「行ってきますお!」
返事はない。
それは至極当然のことだった。
このアパートには僕しか住んでいないのだから。
しかしこれを言わないとなんだかすっきりしない、そういう単純な理由で毎日僕は言っていた。
7 名前:ぶん ◆YkpwaPEbXM [sage] 投稿日:2007/01/13(土) 18:15:55.59 ID:3KUoSH0X0
原チャリで飛ばしていると僕が通っている大学が見えてくる。
駐輪場に愛車のゴリラを止め、大学の中に入る。
教室に向かうとき、後ろから声をかけられた。
川 ゚ -゚)「ブーン、おはよう」
( ^ω^)「おはようだお、クー」
彼女の名前はクー。
背が高く、とても綺麗で不思議なオーラを出している。
ブサメンでピザな僕とはどう考えてもつりあう人間ではないが、ひょんなことから仲良くなっていた。
8 名前:ぶん ◆YkpwaPEbXM [sage] 投稿日:2007/01/13(土) 18:18:23.76 ID:3KUoSH0X0
川 ゚ -゚)「ブーンもショボンの講義を受けるのか?」
( ^ω^)「そうだお」
川 ゚ -゚)「私も受けようとしていたところだ。一緒に受けようじゃないか」
( ^ω^)「把握したお」
9 名前:ぶん ◆YkpwaPEbXM [] 投稿日:2007/01/13(土) 18:19:47.73 ID:3KUoSH0X0
教室に入ると一斉にクーに視線が集まる。
彼女はもはやこの大学でアイドル的存在だった。なんでも彼女のファンクラブまであるらしい。
次に僕に視線が集まる。
なんで彼女がこんなピザと一緒にいるんだ?というような視線。
毎回毎回この視線が痛い。
川 ゚ -゚)「どうしたブーン?汗が大量に出て気持ち悪いぞ」
(;^ω^)「テラヒドスwwwwwそれよりはやく席につこうお!」
こうして今日も一日が過ぎていく。
10 名前:ぶん ◆YkpwaPEbXM [sage] 投稿日:2007/01/13(土) 18:27:54.29 ID:3KUoSH0X0
あれから数日が経った。
あの夢のことはすっかり忘れていた。が、また観ることになってしまった。
舞台はまた公園。
今度はブランコで遊んでいた。
(*゚ー゚)「ブーン君って・・・・」
しぃちゃんの顔はどことなく赤くなっていた。
12 名前:ぶん ◆YkpwaPEbXM [sage] 投稿日:2007/01/13(土) 18:29:30.81 ID:3KUoSH0X0
( ^ω^)「どうしたんだお・・・・?」
この間に数秒時間が経つ。
(*゚ー゚)「ブーン君って・・・・・好きな人・・・・いるの・・・・?」
( ^ω^)「好きな人いるお」
彼女は驚きの表情を隠せなく、涙目になっていた。
( ^ω^)「それはしぃちゃんだお」
幼い頃の僕が衝撃的発言を言う。
しぃちゃんは涙を拭いたあと、僕に向かいこう言った。
20 名前:ぶん ◆YkpwaPEbXM [] 投稿日:2007/01/13(土) 21:34:27.64 ID:3KUoSH0X0
(*゚ー゚)「じゃあ・・・・両思いなんだね!!」
その笑顔はとても可愛かった。
とてもとても純粋な笑顔。
僕は久しぶりにそんな笑顔を見たような気がした。
そんな光景をしばらく観ているとまた空間が歪んでいく。
21 名前:ぶん ◆YkpwaPEbXM [sage] 投稿日:2007/01/13(土) 21:35:57.97 ID:3KUoSH0X0
( ^ω^)「・・・・・・またあの夢かお・・・・・」
まさかまたあの懐かしい気持ちになる夢を観れるなんて思わなかった。
僕は2度あることならもしかしてまたあの夢を観れるかも・・・・と思っていた。
そして、当然のごとくその数日後にまたあの夢がやってきた。
次の舞台は公園ではなく近所の川であった。
22 名前:ぶん ◆YkpwaPEbXM [sage] 投稿日:2007/01/13(土) 21:37:02.79 ID:3KUoSH0X0
(*゚ー゚)「ブーン君、川冷たくて、気持ちいいよ〜」
しぃちゃんがそう言った後、僕も川のそばまで行く。
( ^ω^)「本当だお。冷たくて気持ちいいお!」
しばらく川の水を触っていたら、しぃちゃんが僕にむかい水をかけてきた。
(*゚ー゚)「ブーン君びしょぬれ〜〜〜www」
( ^ω^)「やったなこの〜〜〜www!!」
23 名前:ぶん ◆YkpwaPEbXM [sage] 投稿日:2007/01/13(土) 21:39:39.30 ID:3KUoSH0X0
僕もつられてしぃちゃんにむかい水をかける。
しかし、そのときに悲劇が起きてしまった。
水をよけようとしたしぃちゃんがバランスを崩し、川に落ちてしまったのだ。
(*;゚ー゚)「ぶ・・・・・ブーン君・・・・あ・・ぁ・・・助・・・・けて・・・」
しぃちゃんが力ない声で僕にそう呼びかける。
(;^ω^)「待ってるお!!今助けを呼んでくるお!!」
僕がそう言ったあと、空間が歪んだ。
24 名前:ぶん ◆YkpwaPEbXM [sage] 投稿日:2007/01/13(土) 21:41:26.68 ID:3KUoSH0X0
(; ゚ ω゚)「はぁっ!!・・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・・」
嫌な汗がシャツを濡らしていた。
ここで僕は嫌な想像をする。
しぃちゃんは行ってしまったのではなく、逝ってしまったのではないのか・・・・?
なぜかこの時の記憶がまったくといっていいほど覚えていない。
当時の僕はまだ幼稚園だったからというのもあるのだけど・・・・・
両親に聞きたいが僕の本能が「やめとけ」と忠告していた。
この先のことが聞きたいのだけど・・・・・怖い。
かつてない恐怖心が僕を満たしていた。
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