142 名前:VIP足軽i[] 投稿日:2006/11/25(土) 19:32:55.05 ID:Lv2MJJzl0
第四話、衝撃! 友の裏切り
今日は日曜日。
先日は色々ありすぎて、かなり久々の日曜日な気がする……。
寝起き眼のままプリキュアを拝見し、またベッドに戻る。
( ´ω`)「うぅ……」
さっきのプリキュアの内容なんだったっけ?
3歩歩いて忘れてしまったブーンは、シーツを首元まで上げて眠りにつく。
クーが監督としての初作品となった
『冷静と情熱の間にコーヒーを注げば、左半分が冷たくて右半分が温かくなるかな?』
は、総動員数100万人を超え、今も右肩上がりだ。
(第三話の前半あたりが映画の撮影だったのです)
143 名前:VIP足軽i[] 投稿日:2006/11/25(土) 19:36:09.75 ID:Lv2MJJzl0
( ´ω`)「あぅあぅあぅ……」
今頃……異次元に放られた相棒は何処へ?
思いっきりため息を吐くが、それは外の大雨にかき消されるようだった。
『ピンポーン。織田信長』
( ´ω`)「こんな朝早くに誰だお?」
母親が出てくれるだろうと思ったが、そういえば両親は二人して出かけていた。
144 名前:VIP足軽i[] 投稿日:2006/11/25(土) 19:37:12.70 ID:Lv2MJJzl0
( ´ω`)「仕方ないお」
ゆっくり起き上がって階段を下りていく。
その間にもピンポンは連射され、ブーンの苛立ちを募らせていった。
( ´ω`)「こんな朝早くに誰だお!!」
勢いよくドアを開ければ、自分と同じ歳ほどの女の子がいた。
(*゚ー゚)「こんにちは。私は魔法協会の者です」
( ´ω`)「……コレ、どこのエロゲ?」
145 名前:VIP足軽i[] 投稿日:2006/11/25(土) 19:40:32.92 ID:Lv2MJJzl0
とりあえず何らかのフラグが立ったのかもしれないと、ブーンは女の子を家の中に入れた。
( ^ω^)「どどどどど、どうぞですお」
(*゚ー゚)「ありがとうございます」
こんなシーンに慣れていないブーンは、適当に入れたコーヒーを出す。
( ^ω^)(うぉおお! こんな可愛い子が訪ねてくるなんて、人生捨てたもんじゃないお!)
喜ぶブーン。
(;^ω^)(でも、これからどうすればいいんだお?
コーヒーに媚薬は仕込んだし、後はアッチから乱れてくれれば
作戦は次の段階へ行けるお)
犯罪です。やめましょう。
147 名前:VIP足軽i[] 投稿日:2006/11/25(土) 19:44:06.77 ID:Lv2MJJzl0
(*゚ー゚)「早速で悪いのですが、お話があります」
( ^ω^)「お? お話しですかお? その前にコーヒーどうですかお?」
(*゚ー゚)「私、コーヒー嫌いなんです」
(;^ω^)「そ、そうですか」
作戦の失敗を悟ったブーンは、仕方なくしぃという少女の話を聞くことにした。
(*゚ー゚)「本当は一般人にこういう事を話すというのは禁止なんです。
でも、アナタの場合は例外なんです」
( ^ω^)「??? いきなり言われても意味不明だお」
(*゚ー゚)「あぁ、ごめんなさい。私、話すの苦手で」
人差し指で頬を掻くしぃの姿は可愛らしく、ブーンは欲情をMAXまで上げた。
しかし、それを表すモノが消失しまっている今では、どうしようもできない。
今頃思い出して、ブーンは思いっきりため息を吐いた。
148 名前:VIP足軽i[] 投稿日:2006/11/25(土) 19:47:00.37 ID:Lv2MJJzl0
(*゚ー゚)「えと……それでですね」
( ^ω^)「はいはい」
(*゚ー゚)「以前……えっと、つい最近の事なんですが、
私達『魔法協会』の秘宝である杖が紛失したんです」
( ^ω^)「杖ですかお?」
ブーンの脳内では、杖=炎とか出せる武器として『杖』という代物が記憶されている。
(*゚ー゚) 「それで、その杖が一匹の犬の手に落ちたらしいのです」
( ^ω^)「犬ですかお?」
(*゚ー゚)「紛失したのは我々の不手際なんですが……。
その杖は所持したものに何らかの影響を与えてしまうのです」
( ^ω^)「ほうほう」
女の子と仲良くなるには『話に合わせるべし』と前に本で読んだブーンは、
単純な相づちを返すだけだった。
これでも話に合わせているつもりなのだろう。
149 名前:VIP足軽i[] 投稿日:2006/11/25(土) 19:50:19.76 ID:Lv2MJJzl0
(*゚ー゚)「それで、先週あたりにその杖が使用された波動が察知されました」
( ^ω^)「ほえ〜それはどえらい事ですお」
童話を聞くような態度で、ブーンは笑顔を見せたままだ。
(*゚ー゚)「ココからそれが感知されたんです」
( ^ω^)「おお〜! それは凄いですお!」
(;^ω^)「お……?」
流石のブーンでも、しぃの言いたい事が分かり、
それがヤツに繋がるという事も直感できた。
150 名前:VIP足軽i[] 投稿日:2006/11/25(土) 19:52:52.00 ID:Lv2MJJzl0
(*゚ー゚)「今、杖を所持しているのはアナタの飼い犬です」
( ゜ω゜)「なんだってぇぇい!!!!」
ご近所に響くほどの大声を上げ、ブーンは唖然とその場に呆けた。
( ゚∀゚)「おいブーン。大丈夫か!?」
( ^ω^)「ハ……ジョルジュにショボン。何でここにいるんだお?」
(´・ω・`)「君の事が気になってね。
自殺でもするんじゃないかと思って来てみれば叫び声が聞こえたんだ」
(;^ω^)「こんな体のまま死にたくないお。
『チンコが無くなったから死ぬ』なんて間抜けすぎるお」
こんな大雨の中やって来てくれた友に感謝しつつ、ブーンはしぃに目を向けた。
151 名前:VIP足軽i[] 投稿日:2006/11/25(土) 19:55:40.19 ID:Lv2MJJzl0
(*゚ー゚)「彼らも事情を知ってるんですね」
( ^ω^)「そうだお」
(*゚ー゚)「そう……ですか」
仕方がないが、ジョルジュ達にも内容は説明しなければならない。
しぃは先程の説明を行うと、フゥと一息ついた。
( ゚∀゚)「魔法か……信じられないけど、犬が喋るって事実があるしな」
(´・ω・`)「で、僕達にそれを取り返せと?」
(*゚ー゚)「お願いします」
姿勢正しく頭を下げた少女を前にすれば、男三人は無視するわけにはいかなかった。
152 名前:VIP足軽i[] 投稿日:2006/11/25(土) 19:57:57.25 ID:Lv2MJJzl0
( ^ω^)「じゃあ、探しに行くお! このままツルペタなんて嫌だお」
( ゚∀゚)「よっしゃ! 俺達も協力するぜ!」
(´・ω・`)「…………」
張り切って玄関へ向かうブーン達。
しかし、ショボンは乗り気じゃなかった。
このままブーンが元通りになるのはおもしろくなかったが、
(´・ω・`)「ブーンの萎れた顔は見たくないし……いいか」
そこにあったコーヒーを飲み干して背中を追った。
153 名前:VIP足軽j[] 投稿日:2006/11/25(土) 20:01:31.94 ID:Lv2MJJzl0
(*゚ー゚)「あの、探しに行くって……心当たりはあるんですか?」
玄関で靴を履くブーン。そういえば、まだパジャマ姿のままだ。
( ^ω^)「……あるお」
しかしそれはスルーして、ブーンは哀しい表情を浮かべた。
( ^ω^)「一緒によく散歩に行った場所があるんだお……僕達の思い出の場所が」
その表情から、しぃは人間と犬を超えた絆を感じていた。
( ^ω^)「さぁ、行くお!」
ブーンはバンッ! と勢いよくドアを開けた。
155 名前:VIP足軽j[] 投稿日:2006/11/25(土) 20:06:09.01 ID:Lv2MJJzl0
川 ゚ -゚)「…………」
( ^ω^)「…………」
そこには、自分の家の前をウロウロしているクーがいた。
( ゚∀゚)「お? 須名さんじゃん」
(´・ω・`)「奇遇……じゃ、なさそうだね」
川 ゚ -゚)「そうだ。君達が行動を起こすのをずっと待っていた」
堂々と言ってみせたクーに、頼りがいさえ感じてくる。
(*゚ー゚)「あの、彼女は?」
しぃがブーンの横顔を覗き込みながら言った。
(;^ω^)「そ、それは……」
ブーンは答えることができない。
156 名前:VIP足軽j[] 投稿日:2006/11/25(土) 20:08:15.66 ID:Lv2MJJzl0
自分にはクーという女性がいるのに、こんな少女を惚れさせてしまったと考えていたのだ。
どうしようかと悶絶している間に、しぃはクーにも説明をしている。
( ^ω^)(僕は最低の男だお。こんな美少女二人を恋の嵐に巻き込んでしまったお)
完全なる勘違いだったが、クーを含めた5人は『思い出の場所』に向かった。
( ^ω^)「ここだお」
( ゚∀゚)「ここって……」
(´・ω・`)「ゲーセンだね」
こんな所が思い出の場所……。本当にいるのか?
とブーンを除く全員が思ったが、彼は早々に中へ入っていった。
一同も中に入ってドクオを探してみる。
157 名前:VIP足軽j[] 投稿日:2006/11/25(土) 20:14:30.43 ID:Lv2MJJzl0
『負けちゃった〜。いいよ、脱がせて……』
(*'A`)「フヒ……フヒヒヒヒ」
川 ゚ -゚)「あ、いた」
クーの声が示す方を見てみると、
自分が麻雀のルールが分からないからといって、
他人がやっている脱衣麻雀を覗いているドクオがいた。
158 名前:VIP足軽j[] 投稿日:2006/11/25(土) 20:19:17.47 ID:Lv2MJJzl0
(*'A`)「フヒヒヒヒ」
(*^ω^)「おっおっお」
二人は並んで脱衣麻雀を覗く。
やっているお兄さんは、直立二足歩行をしている犬に驚いたが、
気にせずにプレイを続けた。
『わぁ〜い。勝った〜』
その時、次はスカートを脱ぐはずだった対戦に、お兄さんが負けてしまった。
159 名前:VIP足軽j[] 投稿日:2006/11/25(土) 20:21:07.42 ID:Lv2MJJzl0
(♯゜ω゜)「きっさまぁ―――!!」
(♯'A`)「ゆ、許さん!」
二人は見事なコンビネーションアタックを見せ、
お兄さんをお姉さんに変えてしまいました。
(*゚ー゚)「あ、あれは!!」
( ゚∀゚)「例の魔法の杖か!」
ブーンが羽交い絞めをし、ドクオがスターロッドでお兄さんをキュポニングした光景。
川 ゚ -゚)「あれじゃあ、ブーン君も同罪だな」
お兄さん……いや、お姉さんは泣きながらゲーセンを出て行き、第二の人生を始めました。
160 名前:VIP足軽j[] 投稿日:2006/11/25(土) 20:23:49.77 ID:Lv2MJJzl0
( ,,゚Д゚)「な、なぁカーチャン」
J( 'ー`)し「ん? どうしたんだい?」
家に帰ったお兄さんだった人は、早速お母さんに話しかけました。
( ,,゚Д゚)「女の子、欲しいと思ったことあるか?」
J( 'ー`)し「そりゃあ、あるわ。アンタにも可愛い妹を作ってあげたかったけどねぇ」
( ,,゚Д゚)「オレ……オレ、女になっちまったんだ」
J( 'ー`)し「…………」
161 名前:VIP足軽j[] 投稿日:2006/11/25(土) 20:26:30.09 ID:Lv2MJJzl0
J( ゜Д゜)し「アンギャ――――――!!!」
あまりに驚いたカーチャンは、ギコに女としての喜びを指導しましたとさ。
162 名前:VIP足軽j[] 投稿日:2006/11/25(土) 20:28:34.78 ID:Lv2MJJzl0
('A`)「フン。よく来たな……今度は大勢の仲間連れか」
( ^ω^)「今度こそ……今度こそ相棒を返してもらうお!」
('A`)「まぁいいだろう。じゃあ、かかって来い!」
( ゚∀゚)「ってか、こんな所で対決したら迷惑だろ。外行こうぜ」
(;'A`)「え? 絶対ヤダ」
ドクオは震えながらゲーム台にしがみつく。
( ^ω^)「ホラ! ドクオ、さっさと行くお!」
(;'A`)「ヤダヤダヤダ――!」
ブーンとジョルジュに引っ張られながら外に出されたドクオ。
163 名前:VIP足軽j[] 投稿日:2006/11/25(土) 20:30:54.81 ID:Lv2MJJzl0
大雨の雫が体に降りかかり、その一滴が鼻先を濡らす。
その時、ドクオに変化があった。
('A`)「ウ……ウォオオオオオ!!」
漆黒のオーラが渦巻き、牙が剥かれ、白目を剥くドクオ。
(;^ω^)「あっ、コイツが狂犬病だって忘れてたお!」
川 ゚ -゚)「狂犬病にかかると水を嫌がるらしいな」
(;゚∀゚)「チョ、お前飼い主として失格!」
このまま誰かに噛みつきでもすれば、ブーンが訴えられてしまう。
165 名前:VIP足軽ktkr[] 投稿日:2006/11/25(土) 21:00:43.52 ID:Lv2MJJzl0
(*゚ー゚)「違います! これは、杖がワンちゃんの自我を吸い取ってるんです!」
川 ゚ -゚)「いや、明らかに狂犬病だ。撃ち殺すか?」
( ^ω^)「手伝いますぜ、旦那」
元も子もないのでやめてください。
( ゚∀゚)「それで、自我を吸い取るってどゆこと?」
(*゚ー゚)「杖は魔力を所持者から吸い取ります。
しかし、魔法に教養がない人物(雑種犬:雄)が杖を所持していれば、
変わりに本人の何かを吸い取ってしまうんです」
( ^ω^)「アーンビリーバボー」
川 ゚ -゚)「抑える方法はないのか?」
(*゚ー゚)「仕方がありません。私の魔法を使います」
しぃは自分の杖を出現させて、ドクオに近づく。
166 名前:VIP足軽ktkr[] 投稿日:2006/11/25(土) 21:05:36.37 ID:Lv2MJJzl0
すると、腰を軽く落として、
(*゚ー゚)「牙突・零式!!」
('A`)「オゲッ……○×□△☆▽!!!!!!!」
( ^ω^)「魔法じゃねえ!!!!!」
牙突・零式はドクオの股間に直撃した。
男としての究極の痛み、ブーンとジョルジュは自分の股間を咄嗟に抑えた。
('A`)「ピクピクピク……」
ドクオは口から泡を吹きながら、その場に倒れこんだ。
167 名前:VIP足軽ktkr[] 投稿日:2006/11/25(土) 21:08:01.16 ID:Lv2MJJzl0
一同は彼を担いで、そこら辺のマンガ喫茶に入る。
(;'A`)「いや、ですからね……。
勝手に散歩に行って野外プレイをしているカップルを一通り眺めた後、
この杖を拾ったって訳で」
(♯^ω^)「テメェ、ご主人様に内緒で何やってんだお!」
2・3人用の小部屋に6人がギュウギュウになる。
ドクオは観念したのか素直に真相を話した。
(*゚ー゚)「では返してもらえますね」
('A`)「はい……」
ドクオは渋々杖を渡そうとした。
169 名前:VIP足軽ktkr[] 投稿日:2006/11/25(土) 21:10:37.51 ID:Lv2MJJzl0
( ゚∀゚)「一件落着。これでブーンのアソコも元通り。やったな、ショボン」
(´・ω・`)「…………」
( ゚∀゚)「ショボン?」
ブーンの家を出てからショボンの様子がおかしかった。
それが、今になって強調される。
(´・ω・`)「うぅ……ウ……」
小刻みに体を震えさせ、瞳も正気をなくしていく。
(´゜ω゜`)「アアアアアアアアア!!!!」
突然だった。彼の体をドクオと同じ漆黒のオーラが渦巻く。
決して狂犬病ではない。
170 名前:VIP足軽ktkr[] 投稿日:2006/11/25(土) 21:12:31.26 ID:Lv2MJJzl0
(;'A`)「なんだコイツ。キメェ……あ!」
('∀`)「ハ〜ハッハッハ! やっと目覚めたな、我が同士よ!」
思いついたようにドクオが高らかに笑う。
( ^ω^)「ゼッテーウソだろ?」
('A`)「……メンゴ」
第四話、おーわり(サブタイトルの突っ走りには謝ります)
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一気読み
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第二話 -
第三話
-
第四話 -
最終話