545 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 02:59:10.51 ID:RnvUhdNeO
世界は混沌としていた
いままで均衡を保っていたニュー速国と狼国が
遂に戦争状態へと突入したのだ
先に引き金を引いたのはニュー速だった
戦闘機により相手国の空母を撃墜
まさに電撃のような攻撃だった
国は勝利に湧いた
しかし
ニュー速は物資に乏しかった
547 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:01:06.63 ID:RnvUhdNeO
もともと外国からの輸入に頼っていたのだが
先日に行った電撃作戦が各国から非難を受け
海外からの輸入をストップされてしまった
そうなるとニュー速は苦しかった
そしていよいよニュー速の敗戦ムードが
濃くなってきた
この物語は
その最中に
狼国領海にあるvip島で
行われた戦闘で
儚く散っていった
生命たちの物語だ……
548 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:02:10.90 ID:RnvUhdNeO
物資も底を突き
敗戦色が濃くなってきた
ニュー速であったが
軍部は降伏をよしとせず
今日もまた
寺社の鐘が鉄砲の弾となり
若い命が国の玉となった
そしてまた新たな命が
散っていこうとしていた
( ^ω^)「僕の名前は内藤ホライズンだお。
ブーンと呼んでくれお!!」
( 'A`)「オレはドクオ。
別にあだ名なんて無かったから好きに呼びな」
ここはvip島に向かう船の中
550 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:03:59.05 ID:RnvUhdNeO
vip島は開戦当初に奪った島だ
狼国まで戦闘機で給油なしに相手本国を
攻撃できることから
重要拠点としてニュー速軍に重宝されていた
しかしそんな、vip島も
ニュー速の連戦連敗により遂に相手の砲火に晒されることとなった
( ^ω^)「vipにいる兵力だけじゃたりないのかお?」
( 'A`)「足りないからの増援なんだろ
まったくこっちはまだ何にも教わってない学徒兵だってのに……相当状況はやばそうだな」
553 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:06:58.01 ID:RnvUhdNeO
ブーンもドクオも17歳
つまりまだ学生なのだ。
しかしニュー速は物資、兵力の圧倒的不足により
下は高校生から上は老人まで
色々な年齢層の人が徴兵された
/ ,' 3「ワシ等が行くところがどこか知っとるか?」
突然横から老人が話し掛けてきた
この老人には
老荘ではなく老獪という言葉がぴったり合う
( 'A`)「おいおい爺さん、ボケちまったのか?」
( ^ω^)「vip島だおwww」
556 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:08:07.04 ID:RnvUhdNeO
/ ,' 3「……いや、ワシらが向かってるのは
地 獄 じ ゃ よ……」
生暖かな風がその場を吹き抜けた
558 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:09:17.46 ID:RnvUhdNeO
なんだろう、この静けさは……
場の雰囲気が一変した
それまで談笑を続ける者達もみな話を止めこちらを見ていた
(; ^ω^)「地獄って……さすがにそこまでじゃ……」
ブーンはドクオに同意を求めるように顔を見た
( 'A`)「あぁ、さすがのそれは言いすぎだぜ。
第一、お偉いさんは相手もそんなに猛攻をかけては来ないだろうといってた」
560 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:11:39.87 ID:RnvUhdNeO
周りの者もみな一様に頷いた
/ ,' 3「……いや、vip島は直に陥落する。
ニュー速は捨てたんだ」
(; ^ω^)「ちょっと待つお!!
じゃあ僕たちは何のための増援だお!!」
確かにそうだ
陥落する島に兵を送り込んでも
それは意味の無いことだ
/ ,' 3「……兵を逃がさないためだ」
( 'A`)「どういうことだ?」
563 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:13:09.80 ID:RnvUhdNeO
/ ,' 3「vipはすぐに陥落する。しかしそれほどすぐに落ちて貰っても困る」
老人は静かに語った
/ ,' 3「ここは重要に成りすぎてしまった。
軍部のお偉いさんや大切な機密が多すぎる」
/ ,' 3「しかし、それを全て島から脱出させるのにはそれなりの時間が掛かる」
語る声に感情は感じられなかった
/ ,' 3「その為には誰かが戦わねばならない
しかも、下馬評はこちらの圧倒的不利
567 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:16:03.74 ID:RnvUhdNeO
増援を望む声が多かった」
みなは、押し黙りこの老人の話に耳を傾けていた
/ ,' 3「増援が来なければ士気が下がり余計に不利になる
それどころか
そんな中、お偉い方が機密と一緒にドロンしたとなったら」
そうだ、そんなことになれば……
/ ,' 3「誰がこの島に残る?
誰も残らない……
そこで選ばれたのが我々だ
周りを見回してみろ」
569 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:18:29.27 ID:RnvUhdNeO
ブーンとドクオは言われるがまま辺りを見た
まだ若い十代の男の子や
もうろくに歩けない老人など
やはり多種多様な年齢層の………いや、いない
二十代、三十代など一番頼りになる年齢の人たちがまったくいないのだ
(; ^ω^(; 'A`)「……」
/ ,' 3「分かったか?
ワシらは戦いに行くのではない
死にに行くんだ……」
一人の青年が声を上げた
572 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:20:52.56 ID:RnvUhdNeO
青年「んなのわからないじゃないか!!」
純粋そうな青年の目
その目をじっと見つめる老人
そして老人はやれやれとまた話した
/ ,' 3「……あそこに偉そうにつったってる男
アイツを見てみろ
見るところ尉官クラスじゃ
この作戦についても熟知しとるじゃろ
575 名前:( ^ω^)は散るようです[ここまで一話です] 投稿日:2007/05/17(木) 03:24:34.42 ID:RnvUhdNeO
アイツが胸元に大事そうに抱えてる白い紙は
遺 書 だ ……」
みなが押し黙った……
沈黙がその場を支配する
やがて一つの声がそれを破った
『島が見えたぞ!!!』
577 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:26:04.91 ID:RnvUhdNeO
そこは薄暗く、ひどく冷たい感じの島だった
( ^ω^)「……着いたみたいだお」
( 'A`)「……」
/ ,' 3「まぁ、どちらにしてもここの機密情報を相手さん方にやるわけにはいかん」
老人はなにか決意したような目をしていた
/ ,' 3「ここを取られれば逆にニュー速が本土攻撃に曝される
本土に残してる家族が心配ならここで一日でも長く食い止めるぞ」
( ^ω^( 'A`)「……」
579 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:27:35.47 ID:RnvUhdNeO
その島で過ごす初めての夜は更けていった
―――翌朝―――
( ・∀・)「全員直ちに集合!!」
隊員達が一斉に集まってくる
( ・∀・)「皇帝のいるニュー速に向け敬礼」
一同「ゞゞゞ……ゞゞゞ」
( ^ω^)(何が皇帝だお?糞食らえだお
ボクは本土で待つツンに敬礼するおwww)
581 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:29:31.86 ID:RnvUhdNeO
( ・∀・)「今から班分けを発表する
一緒になる奴らは暫らく寝るのも食うのもいっしょだ
もめ事はおこしてくれるなよ」
死ぬのもだろ
誰かが呟いた……
(; ^ω^)「……なんか聞こえたお」
( 'A`)「あぁ、昨日の爺さんとのやりとりで相当参った奴もいるみたいだな」
気が付くと隣に不健康そうな顔をした男が立っていた
583 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:31:44.48 ID:RnvUhdNeO
( ^ω^)「あっ!!ドクオ!!何班だったお?」
( 'A`)「んあ?オレは14班だな」
(* ^ω^)「すっごい偶然だお!!
ボクも14班だお!!」
ブーンは、はしゃぎ回った
(; 'A`)「んな喜ぶことか?どうせ攻められたら班なんて散々になっちまうぜ?」
( ^ω^)「それでもドクオと一緒なら色々心強いお!!」
ブーンは目を輝かせながらドクオに言った
587 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:37:56.67 ID:RnvUhdNeO
( 'A`)「そんなもんかね」
照れているのか後ろ髪を頻繁にいじくっている
ブーンに頼りにされて万更でも無さそうだ
「偶然てわけでもなさそうじゃよ」
(;^ω^);'A`)「……」
/ ,' 3「そう嫌な顔をするな
これから墓場まで一緒の仲間じゃぞ」
( ^ω^)「ブーンだお。よろしくですお」
/ ,' 3「スカルチノフじゃ、よろしくな
……おい、そこの根暗!」
590 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:39:58.26 ID:RnvUhdNeO
( 'A`)「……ドクオだ」
/ ,' 3「よろしく」
( ´∀`)「ここにいる人たちは14班かモナ?」
そこには柔和な笑みを浮かべた気の弱そうな男が立っていた
( ^ω^)「そうですお!!」
(;´∀`)「良かったモナ
なかなか見付からなくて焦ったモナ」
これで四人が揃った
班は四人一組に一人の上官がつく
( 'A`)「……あとはお偉いさんだけか」
594 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:43:11.79 ID:RnvUhdNeO
( ,,゚Д゚)「待たせたなぁ!!」
一同が振り返るとそこには直立不動の姿勢でやたら筋肉質な男がいた
/ ,' 3 ^ω^) 'A`) ´∀`)「よろしくお願いします!!」
( ,,゚Д゚)「まぁそう堅くなるな
取り敢えず自己紹介でもしていこうか」
( ^ω^)「内藤ホライズンですお
ブーンと呼んで下さい」
( ´∀`)「モナーですモナ
よろしくモナ!!」
597 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:45:22.26 ID:RnvUhdNeO
/ ,' 3「スカルチノフじゃ、よろしく」
( 'A`)「……ドクオです。よろしく」
( ,,゚Д゚)「ギコだ!!
この際、オレの階級などどうでも良い。
苦しい戦いになるだろうが祖国の為、全力でこの島を死守しよう」
一同「ゞゞゞゞ」
それからは楽しい日々だった
任務は辛く苦しかった
まぁ任務といっても身を隠す穴を掘ったりだとか
格好良いものでは無かったのだが
603 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:48:57.13 ID:RnvUhdNeO
班のみんなとは直ぐに打ち解けた
スカルチノフさんにはお孫さんがいるらしい
ひどく可愛がっているようで
普段冷たい色をした瞳が
孫の話になると輝きだす
それがおかしかった
造船所の近く住んでいるらしくひどく本土爆撃を心配していた
モナーさんは家庭を持っていないらしい
生まれた時から母親しかいなかったらしく苦労してきたそうだ
606 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:50:34.10 ID:RnvUhdNeO
『母さんの味噌汁、美味しいモナ』と寝言で言った時は一日中笑いのタネにされていたwww
(#´∀`)「なにをにやけてるモナ!!
さてはまた寝言のことモナね」
被害妄想の激しい人だwww
ドクオは家族は誰もいないらしい、いわゆる孤児という奴だ
根暗な性格の為か友達もいなかったらしい
……っと言うことはボクが一番最初の友達か
悪い気はしない
608 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:52:44.42 ID:RnvUhdNeO
( 'A`)「なにをニヤケてんだ?
このピザが」
(# ω)ビキビキ
あぁー、これはもう
殺んなきゃなんないかもわからんね
ギコさんは嫁さんがいるらしい
大層な美人らしく他の上官の人達にからかわれてた
(*゚Д゚)「んなことはないぞゴルァ」
はいはい、池面は氏ね
610 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:53:41.66 ID:RnvUhdNeO
( ,,゚Д゚)「あぁ!?ブーン、なんか言ったか?」
(;^ω^)「何もないですお」
マジで恐ぇえよOTL
みんなそれぞれ死ねない理由を持っている
もちろんボクもだ
ツンを置いて死ぬことは出来ない
しかしここで逃げて本土を危機に晒すことも出来ない
戦うしかない……
――――そしてその日がやってきた―――――
614 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:56:11.89 ID:RnvUhdNeO
(兵´Д`)「ギコ!!集合が掛かった!!」
( ,,゚Д゚)「遂にきやがったか!!」
平和で笑いの絶えなかった日々はその日で終わった
( ,,゚Д゚)「敵が来たぞ!!」
(;^ω^)「遂にきたのかお!?」
みんな一様に不安げな顔をしていた
( ,,゚Д゚)「vip島沖には明日の夜着くが攻めてくるのは明後日だろう
各自、自分の武装を確認しておけ!!」
617 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:57:59.64 ID:RnvUhdNeO
(;´∀`)「遂にきたモナ」
( 'A`)「分かってたことじゃないっすか」
ドクオは至って冷静だった
『ガサガサ、ゴソゴソ』
( 'A`)「あれ?あそこにいるのってギコさんじゃ……」
(兵´Д`)「ギコ!!お前一体どういう…」
( ,,゚Д゚)「何度も言ってるだろ、オレは行かない。
ここに残る」
618 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 03:59:25.93 ID:RnvUhdNeO
(兵´Д`)「何故だ!?ここはもうダメだ
相手はこちらの10倍の戦力だぞ!!」
( ,,゚Д゚)「誰かがやらなきゃどうにもならない!!
……無理だと分かっていてもやらなきゃならないことがあるんだ!!
それにこの島でも守りたいものを見つけた……
オレは死ぬために残るんじゃない!!守るために残るんだ!!」
( 'A`)「……ギコさん……守りたいものか……」
―――その日の晩―――
621 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 04:03:07.93 ID:RnvUhdNeO
『おいっ!!早く突っ込め!!行くぞ!!積み残しはないな!?』
(兵´Д`)(ギコは結局来なかったか……)
(兵´Д`)(んっ!!あれは!?)
島の先に人影が見えた
あれは……ギコだ……
( ,,゚Д゚)ゞ
(兵;Д;)ゞ
静かに夜は過ぎていった
622 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 04:05:26.43 ID:RnvUhdNeO
翌日、起床し海を眺めたとき一同は言葉を失った
(;^ω^)「……」
何倍だ?いや、何十倍いるんだ……
無理だ……ボク達は今日……死ぬ……
――正午丁度に攻撃が開始された――
船が砂浜に付けられそこからおびただしい数の兵士が現われた
僕達は島の中央の森に陣取っている
623 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 04:10:00.45 ID:RnvUhdNeO
相手の動きは早かった、上陸してすぐにこちらに向け前進してきた
『ダメだ!!これ以上近づいてくると……』
『ダァーン!!!!』
砂浜に仕掛けておいた地雷が炸裂した
兵士たちはバラバラに弾け飛んだ
それを見てボクは吐いた……
相手の軍が戸惑っているところに一斉掃射をしかけた
626 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 04:12:07.23 ID:RnvUhdNeO
相手は成すすべなく倒れていく
自分の弾丸が相手の命を奪うたびに胸が痛んだ
しかし仲間を、そしてツンを守るためと思えば躊躇わなかった
そうしてボク達は一度目の攻撃を退けた
僕達は抱き合い喜んだ
『いける!!』自信さえ湧いてきた
しかしその日の夜、そんな淡いボク達の期待は脆くも崩れ去った
627 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 04:14:00.78 ID:RnvUhdNeO
ボク達は銃声によって起こされた
耳を澄ます
敵が上陸してしまったようだ
しかしどうして?
理由はすぐに分かった
ここから沖に見える船が全てでは無かったのだ
相手は反対側から森に隠れながら静かに行軍してきたようだ
630 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 04:15:48.27 ID:RnvUhdNeO
ボク達は逃げるしかなかった
ただひたすら逃げた
ただひたすら生にしがみ付いた
気付けば夜が明けていた
辺りを見渡すと馴染みのある顔があった
( 'A`)「……」
/ ,' 3「……」
( ∀ )「……」
みな一様に暗い……
( ^ω^)「……ギコさんはどうしたお?」
全員首を横に振った
633 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 04:18:15.26 ID:RnvUhdNeO
( ω )「……そうかお」
後ろから足音と銃声が聞こえてきた……
ボク達はまた走り出した
いや、一人そこで止まったまま動かない奴がいた……
( ^ω^)「早く走るお!!モナー!!」
( ∀ )「もう無理モナ……どうにもならないモナ……」
/ ,' 3「……なにを言ってるんじゃ!!
母さんの味噌汁を飲むんじゃろ!?
諦めるんじゃない!!」
635 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 04:19:51.69 ID:RnvUhdNeO
( 'A`)「……急がないと追い付かれるぞ」
(#`ω´)「モナァァァ!!」
( ∀ )「僕は!!絶対に此処を動かないモナァァァ!!
早くドクオ!!ソイツを連れて逃げるモナァ!!」
ドクオは悟った。ここでコイツは散るのだと、オレ達の為に……
(# 'A`)「ブーン!!いくぞぉ!!生きるんだ!!」
( ω)「……いやだいやだいやだいやだいやだ……」
639 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 04:21:55.69 ID:RnvUhdNeO
ドクオはブーンを無理矢理連れていった
( ∀)「それでいいモナ……」
もう、足音はすぐそこまで迫っている
( ∀)「お前等の、お前等の、お前等のせいで母さんの味噌汁が飲めないじゃないかぁァァ!!!!!」
モナーは持っていた自動小銃を乱射した
足音が止み、地面に身体が崩れる音が聞こえた
しかし返ってきたのは、モナーが放ったものの百倍はあろうかという弾丸の嵐だった……
640 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 04:23:58.78 ID:RnvUhdNeO
( ∀)「みん…なぁ生きて…くれモ……ナァ」
( ∀)「母さんの味噌汁の……」
言い終わる前に一発の弾丸がモナーを貫いた
ドクオ達はひたすら走っていた
( 'A`)「はぁ、はぁ……」
突然スカルチノフが止まった
/ ,' 3「……おい、あれって……?」
そこにいたのは息絶え絶えで、突っ伏していたギコだった
687 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 11:45:34.19 ID:RnvUhdNeO
( ^ω^)「ギコさん!!」
( ,,゚Д゚)「おぉ、みんな無事だったかゴルァ」
( 'A`)「モナーが……」
沈黙が流れた……
( ,,゚Д゚)「そうか……」
( ´ω`)「モナーは生きたかったんだお
それなのにボク達の身代わりになって……」
/ ,' 3「そう責めるんじゃない、モナーは怨んでなんかない」
( ,,゚Д゚)「その通りだ
モナ( ^ω^)「ギコさん!!」
( ,,゚Д゚)「おぉ、みんな無事だったかゴルァ」
689 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 11:55:32.34 ID:RnvUhdNeO
またあの音が迫ってきた
( ,,゚Д゚)「走るぞ!!」
何時間走ったんだろう
足が悲鳴を上げている
止まってくれと
休ませてくれと
しかし、そんなわけにはいかない
このまま生き延びれば道は
『バタッ!!』
倒れていたのはスカルチノフさんだった……
ピクリとも動かない……
690 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 11:58:19.05 ID:RnvUhdNeO
ギコさんが一瞥し
「走るぞ」
またボク達は救えなかった……
もう大分追い付かれてしまった
どうすることも出来ない
絶望する
足が止まる
死が迫る
(; 'A`)「……先に行ってください」
691 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 12:01:04.42 ID:RnvUhdNeO
( ω)「なんでみんなブーンを仲間外れにするお……ボクも残るお!!
ドクオを一人になんてさせないお!!
あんまりだお!!
生まれた時も一人で死ぬときも一人なんて……」
( 'A`)「いいや、お前は生きるんだ!!
どんなに格好悪くても生きるんだ!!」
ドクオが感情をむき出しに吠えた
( 'A`)「オレは嬉しかったよ
お前と友達になれて
オレの無色の日々にお前が色を付けてくれた」
だ か ら
( 'A´)「オレがお前を守る!!」
693 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 12:09:38.49 ID:RnvUhdNeO
ドクオが元きた道に走りだした
( ;ω;)「ドクオォォォ……!!」
ドクオの目が敵を捉えた
( 'A`)「すごい人数だな……」
ドクオは腰の辺りを探りパイナップルのような形をしたものを取り出した
( 'A`)「……さぁ、いくか」
まだ敵は気付いていない
まだ、まだだ!!、気付かれた!!
もう遅かった
( 'A´)「オレが一番綺麗に散ってやるぜ!!!!」
694 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 12:15:22.18 ID:RnvUhdNeO
『ドゴォーン!!!!』
( ,,Д) ω)『・・・』
二人は何も話さなかった
ただ、ひたすらに走り続けた
この道がどこに続いてるかなんて考えていなかった
そして二人は断崖絶壁にたどり着いた
( ,,-Д-)「……どうやらここまでか……」
静寂が支配している
696 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 12:21:37.38 ID:RnvUhdNeO
そしてまたあの足音が聞こえてきた
( ω)「……ギコさんはこれで満足かお?」
( ,,゚Д゚)「あぁ?」
( ω)「ここで捕まって殺されて、それで満足かお?」
( ,,゚Д゚)「なに言って…」
ギコは気付いた
ブーンが崖の下を真っすぐ見つめていることを
( ,,Д)「……いいや、満足なんてできない」
( ,,゚Д゚)「椎を抱かずに死ねるかゴルァ!!」
698 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 12:29:17.29 ID:RnvUhdNeO
風が吹いた 追い風だ
( `ω´)「いくお!!!!」
二人は思いっきり助走を付け……そして飛んだ……
699 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 12:31:38.96 ID:RnvUhdNeO
気が付くと森のなかにいた
/ ,' 3「ワシはどうしたんじゃ?」
あんなにいた敵兵の姿が見当たらない
いつのまにか夜になっていた
/ ,' 3「……みんな死んでしもたのか?」
辺りにはまったく人影が無い
/ ,' 3「……あっ、あそこは!!」
そこは司令部の通信基地だった
中に入ってもやはり人はいない
700 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 12:42:39.34 ID:RnvUhdNeO
通信機らしきものが置いてあった
その受話器に手を掛け静かに彼は話しだした
/ ,' 3「今、戦闘が、いや虐殺が終わった
vipは陥落した」
通信機が動いてようと壊れてようと彼にはどうでも良かった
/ ,' 3「何故こんな事になったんじゃ?
何がいけなかった?
ワシらが何をした?」
/ ,' 3「モナーがなにをした?
ブーンがなにをした?
ドクオがなにをした?
ギコがなにをした?
701 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 12:47:45.40 ID:RnvUhdNeO
母の味噌汁を恋しがったからか?
愛しい人と逢いたがったからか?
自分には価値が無いと思ったからか?
……孫を抱き締めたいと思ったからか?」
彼は泣いていた
/ ,' 3「絶対に間違っとる
こんな事は二度とあってはならん
こんな悲劇を繰り返してはならんのだ」
/ ,' 3「みんな散っていった
愛するものの為に
国の為に……」
ワシは散れなかった……
702 名前:( ^ω^)は散るようです[] 投稿日:2007/05/17(木) 12:50:53.20 ID:RnvUhdNeO
いや、まだ間に合う
皆が仲間の為に散ったならワシは平和の為に散ろう
足音が聞こえてきた
おそらく味方のものではないだろう
/ ,' 3ゞ「一命を賭して神に、願う
どうか、この世再び平和の光が訪れんことを……」
『バァンッ』
fin