( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`) 〜( ^ω^)ブーンが半年病のようです 第3話〜

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150 名前: 鉱夫(愛知県)[] 投稿日:2007/03/14(水) 13:52:35.32 ID:sHzD4bnL0

( ^ω^)「本当なんだお……」

一言だけ告げるブーン。
二人は診断書を見ても本物としか思えない。
またブーンの顔を見ても本当のようにしか見えない。

沈黙が支配する中ブーンが話し始める。

( ^ω^)「僕は半年病にかかったお。
      発覚したのはドクオを無視した日だお。
      いままで、連絡しなかったのは申し訳ない。
      でも、自分が死ぬなんてなかなか受け入れられなかったんだお。」


152 名前: 鉱夫(愛知県)[] 投稿日:2007/03/14(水) 13:56:55.65 ID:sHzD4bnL0

ドクオとショボンは黙って話を聞き続ける。

( ^ω^)「僕は死ぬんだお。間違いないお。
      でも時間はまだあるお。その時間を使って夢を叶えたいんだお。
      けど僕は叶えられないお。だって今度の鳥コンは半年以上先だお。
      僕はその時もう、ここにはいないお。
      だからといって諦めるたくないんだお。やってみたいんだお。
      二人にお願いするお。一緒に僕の夢をかなえてくれお。」

淡々と話すブーン。
人はこういった話に弱い。条件反射的に涙を流す。
ショボンはもう泣いていた。

(´;ω;`)「わかったよ、手伝うよ。
     ブーンの夢をかなえるよ。」


153 名前: 鉱夫(愛知県)[] 投稿日:2007/03/14(水) 13:59:18.93 ID:sHzD4bnL0

簡単に同意するショボン。
泣いているショボンに対し冷静なドクオが話す。

('A`)  「あー、ブーン。
     お前それが脅迫に近い行為ってわかってる?」

いつも冷めているドクオが、この日はより冷たい口調で言った。

(´;ω;`)「ドクオ、そんな言い方はないよ。」

('A`)  「いや、お前はちょっと黙ってろ。
     普通そんなもん見せられちゃ断れねぇだろ
     今のショボンみたいによ。
     そのへんがわかってんのか、って聞きたいんだよ。」


154 名前: 鉱夫(愛知県)[] 投稿日:2007/03/14(水) 14:02:02.97 ID:sHzD4bnL0

その通りだった。
半年病の診断書を見せるのは、黄門様の印籠を見せるのと同じ効果だ。
ドクオの言葉にブーンは自分の言葉をぶつける。

( ^ω^)「わかってるお。
      これさえ見せれば大概の人は僕のわがままを聞いてくれるお。
      だって死にいく人の頼みなんて断れないお。
      でも、僕は別にドクオが断ってもかまわないお。
      半年病じゃなかったら多分ドクオは断ってるお。
      だから僕に遠慮する必要はないお。」

半年病と発覚したときとは較べものにならないくらいの意見を言うブーン。


156 名前: 鉱夫(愛知県)[] 投稿日:2007/03/14(水) 14:04:12.58 ID:sHzD4bnL0
ドクオはそれを聞いてから話し出した。

('A`)  「いや、それがわかってりゃいいんだよ。
     チーム組んでからことあるごとに
     半年病を理由にわがまま言われちゃなにもできなくなるからな。」

(´;ω;`)「ドックンそれじゃ…」

('∀`)  「ああ、面白そうじゃねぇか。
     実は俺こういうのに憧れてたんだ。
     でも、いつも斜に構えてっとなんだか自分からやろうって
     言い出せなかったんだ。」

二人の了解が取れる。
ブーンはまず第一段階を登ったと感じた。


158 名前: 鉱夫(愛知県)[] 投稿日:2007/03/14(水) 14:07:54.51 ID:sHzD4bnL0

('A`)  「あと、もう少し言うとあれだかんな、今、俺笑ったけどな
     ブーンが半年病に罹ってくれて嬉しいってワケじゃないんだ。
     半年病はきっかけに過ぎない。
     自分じゃ言い出せなかった、こんなチャンスくれたことが嬉しいんだ。
     ありがとなブーン。」

照れくさそうに言うドクオ。
チームがここに結成され、喜ぶブーンとショボン。
ただドクオがある部分に突っ込む。

('A`)  「ところで金はどうするんだ。とりあえず金がなくちゃ話にならんだろ。」


159 名前: 鉱夫(愛知県)[] 投稿日:2007/03/14(水) 14:11:30.34 ID:sHzD4bnL0

当然の話、お金がなければ何も買えない。
お金がなくて買えるのは同情ぐらい。
しかし、お金に関して心配はなかった。
トーチャンがブーンに二百万円を渡していた。

( ^ω^)「それは心配ないお。トーチャンが好きに使えって、くれたお金があるお。
       二百万円あるから多分大丈夫だお。」

('A`)  「そうか、ま、十分だろうなそれだけありゃ。
     それともう一つ。機体の名前それで行くのか。」

ブーンが描いた絵についてドクオが聞く。

( ^ω^)「そうだお。ホライゾン、希望って意味だお。」

(;'A`)  「直球過ぎてなんか微妙だろそれ。」

ドクオが個人的な感想をつげる。

(;^ω^)「だめかお?」


160 名前: 鉱夫(愛知県)[] 投稿日:2007/03/14(水) 14:12:54.17 ID:sHzD4bnL0

死にゆくブーンにとってこの名前はあまり変えたくなかった。
なぜなら、死が確定しているブーンの、心の支えであり希望だから。
そこへ、会話に入ってこなかったショボンがペンを持ってきて
ホライゾンと書いてある左に、文字を付け足す。




内藤ホライゾン



そのシュールさにブーンとドクオが爆笑する。

('∀`)  「なんだよこれ
     意味わかんねぇよ。」

( ^ω^)「おっおっおっ
      でもなんか語呂がいいお、気に入ったお。」

(´・ω・`)「何で笑うの?
     かっこいいのに。」

こうしてブーン達がはその日、夜遅くまで今後どうするかを語りあった。


170 名前: 鉱夫(愛知県)[] 投稿日:2007/03/14(水) 15:10:35.07 ID:sHzD4bnL0

数日前、ブーン家。

クーからのOKサインが出てからブーンはトーチャンにある頼み事をした。
それは、お金をくれということ。
ブーンが夢をかなえるのにはまとまったお金が必要だ。
だが、学生であるブーンにはそれほど蓄えはない。
親に迷惑をかけたくないブーンだったが、クーに諭されお金をせびる事にした。

( ^ω^)「トーチャン話があるお。」

新聞を読んでいたトーチャンがブーンのほうを見て話す。

(`・ω・´)「ん、なんだい。」

もじもじしながらブーンがお願い事をする。

( ^ω^)「あの、いいにくいんだけど…
      お金が欲しいお。
      クーさんと話し合って、ある夢を叶えたくなったお。
      でもそのためにはお金が必要だお。
      僕んちにどれだけ余裕があるか知らないけど
      よかったら少し僕にくれないかお。」


171 名前: 鉱夫(愛知県)[] 投稿日:2007/03/14(水) 15:12:33.09 ID:sHzD4bnL0

ストレートに切り出す。
だがトーチャンは顔色を変えず席を立っていった。
カーチャンは何も言わず食器を洗っている。
ブーンは言い方をまずったかなと思うと同時に
親孝行もしていないのにお金をせびる自分がみっともなくなった。

1、2分後、トーチャンが分厚い封筒を持ってきた。

(`・ω・´)「この中に二百万ある。
      私と母さんの老後を考えても余分と思える
      我が家の貯金がこの中に入っている。
      私の条件を聞いてくれたらこれをあげよう。」

こうゆうときが来るのを予想してトーチャンが用意していたようだ。
ただブーンは条件というのが気になった。
しかしトーチャンが難癖をつけて渡さないという考えはなかった。



172 名前: 鉱夫(愛知県)[] 投稿日:2007/03/14(水) 15:16:08.06 ID:sHzD4bnL0

( ^ω^)「条件って何だお?」

(`・ω・´)「条件というのは簡単だ。約束すること、それだけだ。
      一つ、人に奢ったりしないこと
      二百万は学生にとっては大金だろう。
      ブーンが心細いのをいい事にたかり始めるかしれん。
      また、お前が、病気だからといって
      人に媚びるような人間にはなって欲しくない。」

(`・ω・´)「二つ、私にその夢を聞かせること。
     その夢がなんでもいいが、やっぱり気になるじゃないか。
     笑ったりしないから教えておくれ。」

簡単な条件だった。一つ目はブーンがしっかりしていればそれでいい。
ブーンは自信があった。トーチャンの言うように人に媚びないという自信が。
それにカウンセリングの効果もあり、だいぶ落ち着いてしっかりとしてきたブーンは
トーチャンの言いたいことがよくわかった。
自分が半年病だということをよく理解していた。

二つ目は親に話すのは恥ずかしかったがクーに言ったことをそのまんま伝えた。
それを聞いたトーチャンは微笑んで封筒をブーンに渡した。
ブーンが喜んで部屋へと戻る。どうやら計画を練るようだ。


173 名前: 鉱夫(愛知県)[] 投稿日:2007/03/14(水) 15:17:38.71 ID:sHzD4bnL0

カーチャンと二人きりになったリビングでトーチャンが話し出した。

(`・ω・´)「聞いてたかカーさん。
      小さい頃と変わってなかったなあ。」

J( 'ー`)し 「そうね、でもあの子らしいじゃないの。」

(`・ω・´)「そうなんだがなあ。
      どうも少し青臭いような気もするんだがなあ。
      感動を与えるんだ、って。」

J( 'ー`)し 「あら、そんなこと言って。あなたがブーンより
      3、4歳上のときにこう言ったの覚えてる?
      俺はこの仕事で、俺に関わる人を皆幸せにするんだ、って。
      ブーンのこと少し青臭いっているなら、
      あの頃のあなたはどれくらい青臭いんでしたっけねぇ。」

トーチャンが思い出したくない過去を振り返り恥ずかしげな顔をしている。

(;`・ω・´)「いやまあそんなことも言ったけど、それは若気の至りというものじゃないか。」

J( 'ー`)し 「あらあら、顔がまっかですよ。
      でも、あなたその時頑張ってたじゃないですか。
      あたしはそこに惹かれたんですけどもね。」

いきなりの言葉にお茶をむせ返させるトーチャン。


175 名前: 鉱夫(愛知県)[] 投稿日:2007/03/14(水) 15:19:31.06 ID:sHzD4bnL0
そして誰に言うわけでもなく喋り始めた。

(`・ω・´)「そういえば、いつからかなあ。
     そんな青臭い夢を忘れたのって。
     なつかしいな。でももうあの頃にはもどれないんだよなあ。」

J( 'ー`)し 「いまからでも青臭くなればいいじゃないですか。
      やってみなけりゃ何も始まりませんよ。
      あの二百万円だって本当はハーレー買うつもりだったんでしょ。
      青春を取り戻す気満々じゃない。」

(;`・ω・´)「なんで知ってんの?黙ってたのに。」

J( 'ー`)し   「だってあなたいつも車からバイクが見えると
         ものほしそうな目してたじゃないですか。
          誰でもわかりますよ。」

そういってブーン家の夜は更けていった。
トーチャンは翌日カーチャンからニヤニヤされっぱなしだったのをブーンは見ていた。




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