( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`) 〜( ^ω^)ブーンが星降る夜に成長するようです〜

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1 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/03/10(土) 05:44:05.89 ID:MidHpfqM0
ここはVIP市の、ある病院の一室。
そこで右足にギプスをつけたピザ気味の少年が暇をもてあましながらジュースを飲んでいた。
懐かしい紙パックのジュース。少年のゴミ箱には、いちごオーレ、フルーツオーレ、カフ
ェオレ、ヨーグルトオーレなど病院独特のチョイスによる微妙なジュースの空パックがあ
った。
病院の自販機にそれだけしか売っていないのだ。
それでもちょっと多すぎるぐらいの空きパックがゴミ箱の中にあったがそんなことは気に
もせず少年は独り言を言った。

( ^ω^)「おっおっ、退屈だお。なんか面白いことないかお?」




  ( ^ω^)ブーンが星降る夜に成長するようです


4 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/03/10(土) 05:45:37.51 ID:MidHpfqM0
入院して1週間が過ぎていた。原因は教師にいたずらしようとしていたところを
見つかり、あわてて逃げていたら階段から足を踏み外して骨折したのだ。

(;^ω^)「なんで、あの時あんなに慌てていたんだお」

見つかったら叱られる。そんな思いが少年の冷静さを失わせていた。
そこを思い出すたび、なんてドジなんだろうと、自分の慌てものさに少し反省していた。
少年は退屈なので、暇つぶしになればとテレビをつけた。
午後4時のニュースがやっていた。
普段ニュースなんか見向きもしないのだが、あまりの退屈さについ見入ってしまった。
内容は汚職、殺人、窃盗と犯罪ばかりだ。

( ^ω^)「wwっうぇwwっうぇ。下界は実に醜いお。ここはじつに安全な場所だお」

そう思っても、こんな退屈よりかは下界のほうがまだマシだなと考えていた。
そんなことを考えているうちにテレビからは新しいニュースが出てくる。


5 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/03/10(土) 05:47:17.92 ID:MidHpfqM0
从'ー'从「次のニュースです。本日VIP市に珍しい現象が起こります。
    午後10時前後に東の空にて流星群が見られます。この現象は
彗星が地球の近くをとおる際に見られるもので、この現象は約
10年周期でみられるものです。」

そのニュースを見た少年はとても残念そうな顔をしてテレビを消した。
少年は自分が流星群を見れないことを知っていた。
病院の消灯は九時であり、カーテンが強制的に閉まる。
当然のごとく外出なんてできるわけがない。


6 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/03/10(土) 05:49:28.14 ID:MidHpfqM0
気を落とした少年は談話室へとジュースを買いに行った。
しかし本当はジュースを買いにいくのが目的ではなく、ツンに会いに行くのが目的だった。
よく談話室で本を呼んでいる同年代の娘で、少年がジュースを買いにいくのはツンに会うための口実だ。

談話室に少年が姿を見せるとそこにはやっぱり、ツンがいた。

ξ゚听)ξ  「あらブーン、またジュース買いに来たの?そんなんばっか飲んでるとピザになるわよ」

( ^ω^) 「フヒヒwwサーセンwwwww」

ツンも右足にギプスをつけていた。


7 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/03/10(土) 05:51:03.90 ID:MidHpfqM0
知り合ったきっかけは4日前、談話室でボーっとしていたブーンに話しかけてきたのがツ
ンだった。
ブーンはただすることがないからボーっとしていたのだが、そんなブーンを見てツンも暇
だったのか、あるいは同じ箇所を怪我したもの同士特有の親近感か、暇なら談話室に置い
てあるオセロをしないかと声をかけたのだ。
二人はオセロをしながら初対面同士にありがちなギクシャクとした会話をしていた。
しかしそんな空気でも無理にしゃべらずともオセロをしていればそれほど気まずい空気で
もなかった。
そうやって時間をつぶしているうちに、同年代ということもあり二人の気まずさは徐々に
消えていき、普通の友達と呼べるような仲になった。


8 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/03/10(土) 05:52:39.97 ID:MidHpfqM0
ジュースを買ったブーンにツンが声をかける。

ξ゚听)ξ  「どうせ私が勝つけど、暇ならまたオセロでもする?」

ツンはいつもこんな挑発的な喋り方をしている。
本人もそれを自覚しているらしく、喋ったあと少し自分の言動に後悔しているような表情をする。
ブーンはそんなツンの表情と性格に少し惹かれていた。

( ^ω^) 「おっおっ、いいお。でも勝つのは僕のほうだお」

二人は十何回目かのオセロをしながら、雑談をしていた。
オセロをやりながらだと相手の顔を見なくてもいい。
女性としてツンを意識しているブーンには面と向かってツンと話すのが苦手になっている
のでオセロがとてもありがたかった。

雑談しているうちに、ブーンは今日の流星群の話をした。
このVIP市で見れるのだと。その話を聞いてツンは少し涙目になった。
しかし盤上を見ているブーンはそのことに気づかない。


10 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/03/10(土) 05:56:32.97 ID:MidHpfqM0
三戦してブーンが二勝した。ツンは無表情を装っているが実際は相当悔しいらしく、悔し
いがそれを悟られると余計に悔しいので必死で悟られまいと努力している顔をしていた。
その顔を見て少しびびるブーンだが、時間はちょうど六時で、夕飯の時間となるので二人
は談話室を後にした。

夕飯を食べ終えたブーンは食後のジュースを買いに談話室に向かった。当然ツンがいることを期待して。

自販機にお金を入れた瞬間に、ツンがやってきた。


11 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/03/10(土) 05:59:58.36 ID:MidHpfqM0
ξ゚听)ξ  「あらブーン、またジュース買いに来たの?そんなんばっか飲んでるとピザになるわよ」

( ^ω^)「フヒヒwwサーセンwwwww」

毎回話しかける言葉は同じだが、そんな状況をブーンは結構気に入っていた。
ブーンは自分からオセロに誘おうとするが、なんて言おうと考えていたらツンのほうから
話しかけてきた。

ξ゚听)ξ  「どうせ私が勝つけど、暇ならまたオセロでもする?」

さっき負けた癖にとニヤニヤしつつブーンはツンの対面に座った。

何分か時が過ぎ、黒と白が程よく混ざった盤上を見つめながらツンがつぶやいた。

ξ゚听)ξ  「流星群見たかったな。」

すでに過去形なのは、見れないことを知っているから。
ブーンも流星群を見れないことを知っていたので、それに同意する。


12 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/03/10(土) 06:08:46.74 ID:MidHpfqM0
そうこうしているうちに、時間は午後八時。
そろそろ病室に戻ろうと席を立ったブーンにツンが話しかける。
ツンの目が少し涙目だったので、ブーンは一体どうしたのかと戸惑った。
自分が何かしたかと考えるブーンにツンは椅子に座るように促した。
椅子に座りおろおろするブーン。
ツンは少し震える声で話しかけた。

ξ゚听)ξ 「あのね、流星群が見たいの。だから外に出るのに協力してくれない。」

少しわがままな発言だった。
なぜなら病院ではある種の秩序がある。
その一つが病院外に出てはいけないというものだ。
理由は簡単。怪我の度合いがひどい者もいれば軽い者もいる。
その中で歩けるからといって、外に自由に行き来していたら入院という意味がなくなる。
また外で怪我をした場合病院側に責任が問われる。
だから病院側は外に出ることを固く禁じている。
破ったりすれば場合により強制退院ということにもなりかねない。
患者たちはそのことを知っているので、外に出たいとは思っても行動はしない。


13 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/03/10(土) 06:14:29.62 ID:MidHpfqM0
ブーンは何で病院を抜けてまで見たいかと尋ねると、ツンは少し考えたような表情をして
窓の外を見ながら話し始めた。

内容はこうだった。

今自分はおばさんの家に厄介になっていること。
自分の両親がもう事故で他界していること。
そして、その命日が十年前に流星群が見えた日だったこと。
その日、両親からこの世で一番綺麗なものを見せてやると言われたこと
そのことをすごく楽しみにしていたこと。
その日に両親のプロポーズの話を聞いたこと。
それがさらに十年前流星群が見えた日だったこと。
長い間付き合っていて、お互い新しい関係を築くのが怖かったが、その日にプロポーズしたこと。
プロポーズした直後に流星群が見え自分たちを祝福しているかのように見えたと聞いたこと

両親がこの世で一番綺麗だといったものを見てみたいと。

その話を聞いたブーンは、なんと言おうか迷っていた。

ツンが話を続けた


15 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/03/10(土) 06:21:49.78 ID:MidHpfqM0
両親が一番綺麗だからといっても、自分にとって一番綺麗だとは限らない。
でも、それでも大好きだった両親が一番綺麗だといったものを見て見たいと。
早くに亡くなった両親と分かり合えなかったから、少しでも両親の気持ちを知りたいと。

そんな話を淡々とするツンの表情を見たブーンは、その瞬間ツン対して何か特異な感情がわいた。
ブーンにとって初めての感情だった。しかし初めてにも関わらず、感じたことは妙にはっきりしていた。

自分はツンのために何かしてあげたいと。
自分はツンの喜んだ表情が見たいと。

そう感じたら言うことは一つしかないとブーンは悟った。

( ^ω^)「おっおっおっおっ、じゃあ病院脱出作戦を考えるお」


18 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/03/10(土) 06:29:15.80 ID:MidHpfqM0
少しふざけて言ったのは、誰かのために尽くすのは恥ずかしいと考えていた、ブーンの照
れ隠しだった。

ツンは微笑んで簡単なお礼の言葉を言ったが
それはブーンにとってはとても大きなお礼だった。

二人は作戦を練り始めたが、作戦といってもとても単純なものだ。
屋上の鍵をナースセンターから拝借して見回りの看護婦の目に止まらぬよう移動するだけ。
屋上ぐらいなら見つかっても強制退院にはならないだろうと考えたからだ。

ブーンとツンは片足がギプスで固定されているが、階段を上ったり、歩くことぐらいならできた。
しかし、とっさのときに素早く動くことができないので、
看護婦の動きを先読みして動かなければならない。
そのことに気をつければ後は簡単なことだ。

話し合った結果、作戦決行は9時30分。
看護婦が病室の見回りをすぎてから、ナースセンターに戻る間に屋上の鍵を拝借する。
その際ブーンの病室から看護婦が訪れ、ツンの病室が後のほうなのでブーンが鍵を拝借すること。
見回りは2時間に一回なのでその間にすべてを終わらすこと。

流星群を見るのに時間はたっぷりある。
簡単な打ち合わせをしてから、二人は病室に戻る。時間は8時50分になっていた。


19 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/03/10(土) 06:35:35.22 ID:MidHpfqM0
9時丁度に、院内の照明が消えた。
残っている証明は豆電球のような薄暗い明かりをはなっている。

どきどきしながら看護婦が来るのを待っていたブーンはベッドの中で何回もシミュレーシ
ョンをしていた。

9時30分、看護婦が懐中電灯を点けながらベッドを一つ一つ確認していく。
ブーンのベッドの周りのカーテンを少し開け、中にいることを確認する看護婦。
看護婦が病室を出て行ってから少し間を空け、ブーンは静かにベッドから出た。

ナースセンターに行き鍵を拝借したブーン。
首尾は上々だった。そろそろツンの病室に見回りが来る頃。
ブーンは左足をかばいながらナースセンターを出ようとしていた。
だが、そのとき廊下に明かりが見えた。看護婦が持っている懐中電灯の明かりだ。
鍵を探すのに時間がかかったため看護婦が戻ってきたのだ。
まだナースセンターにいるブーンは、あせっていた。
このままじゃ見つかってしまい、ツンに流星群を見せてあげられないと。
ツンの喜ぶ顔が見れないと。


20 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/03/10(土) 06:42:31.37 ID:MidHpfqM0
自分の好きな人に何もできないという気持ちが沸き、絶望感がブーンを襲った。
そして、少し前もこんなことあったなと思い出す。

(;^ω^)「あの時はあわてたから見つかったんだお。今度は冷静になるお」

動悸が激しくなりながらも必死で打開策を考えるブーン。
思いついたのはある作戦。
それは看護婦が戻ってきても動かず隠れて、看護婦がナースセンターの
奥に行ったら音を立てずに外に出る。

作戦というほどでもないが、ブーンはこれぐらいしか思いつかなかった。
だが思いのほか、うまくことが運び看護婦はナースセンターの奥に歩いていった。
そこからなら、屈んでいけば看護婦からは死角になる。
ブーンは足を折ったときのように、慌てて行動をしないようゆっくりゆっくりと進んでい
った。


21 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/03/10(土) 06:48:28.23 ID:MidHpfqM0
ブーンはナースセンターの外に出てから
あまり音を気にすることなくうきうきとした気持ちで歩いていった。
ツンの喜ぶ顔が見れる。
そのためだけに今こうしているのだと思うと、ブーンは少し照れくさくなった。

階段を上り、屋上への扉の前にたどり着いたブーン。
待機していたツンの表情は少し不安げだったが、ブーンを見ると急に笑顔になった。
それを見たブーンはそれだけで、すでに十分だった。
ツンがちょっと悪態をつきながらも早くあけてとブーンをせかす。

屋上に出るブーンとツン。流星群はまだ見えない。

二人は屋上の真ん中に座り夜空を見上げた。
ブーンは何か話しかけようかとも思ったが
ツンの空を見上げる真剣な表情を見て自分も
空を見続けた。


22 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/03/10(土) 06:53:27.29 ID:MidHpfqM0
何分かすると少し青色が混じったような暗い空を、流れ星が一つ流れた。

そして、それをきっかけに急に大量の光の筋が満遍なく、暗い夜空を飾った。

とても綺麗な光景だった。
ブーンにとっては今まで見た中で一番綺麗なものだと思えた。


ツンが隣にいるから。

二人は黙ってその光景を見続けた。


23 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/03/10(土) 06:57:44.44 ID:MidHpfqM0
二人は黙ってその光景を見続けた。
流星群が去り、どちらともなく病室に戻ろうとした。

ブーンが先に立ち上がり、立つのに少し戸惑っているツンに手を貸した。

ブーンがツンに尋ねた。

( ^ω^)「両親の気持ちはわかったかお?」


ξ゚ー゚)ξ 「すこしね」

ツンははにかみながら言った。

ブーンはその表情を見て考えた。
今告白してもいいかなと。
今なら、OKと言ってくれる状況がそろっているんじゃないかと。


24 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/03/10(土) 07:02:57.10 ID:MidHpfqM0
けど、言うのをやめた。
今告白してしまったら、ツンと両親の思い出の日を壊してしまうように感じたから。

ブーンがそう考えているときに、ツンが口を開いた。

ξ゚听)ξ  「今日はありがとねブーン。ブーンのおかげでパパとママが世界一綺麗だって言ったワケが少しはわかったよ。」

( ^ω^) 「どういたしましてだお。」

お礼の言葉に対し返事をするブーン。
しかしツンの言葉が少し気になり、ブーンは尋ねてみた。

( ^ω^) 「ところで世界一綺麗だって言うワケはなんだったお?」

またツンは口元をはにかませ答えた。

ξ゚ー゚)ξ   「それは内緒」

そう言ってから、二人は屋上を後にした。
そこから二人は何もしゃべらなかった。しかし満足そうな顔をしながら。


25 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/03/10(土) 07:10:07.92 ID:MidHpfqM0
屋上の鍵を閉め、鍵を返しにナースセンターへよっていった。
さっきと比べて、それはあっけないくらい簡単に終わった。


そして、ツンとブーンはおやすみと言いあい、自分の病室へと戻っていった。

ブーンは明日ジュースを買いに行くのを想像して楽しみながら眠りについた。



                ( ^ω^)ブーンが星降る夜に成長するようです 終




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