( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`) 〜( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです 第十八話『無関心』〜

( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`)

( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`)更新情報


TOP ( ^ω^) ('A`) ( ´_ゝ`) (´・ω・`) 川 ゚ -゚) (*゚ー゚) ξ゚听)ξ




当サイトはブーン系小説の完結作品集 です。 読み物系は嫌いって方はご退場ください


下記からブーン系小説のジャンルを選択してください
ギャグ系:
戦闘系:
五十音別:
感動系:
カオス系:
作品一覧:
下ネタ系:
未分類:
その他:
3 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/28(火) 21:50:14.98 ID:uSrYtDpF0
登場人物の紹介(第十八話)


討伐隊side

( ^ω^):ブーン
  ニートでピザ、あまりに堕落しすぎた生活のため、討伐隊へと引き抜かれる。

('A`):ドクオ
  ニートだが、らしからぬ思考を持つ異端児。ブーンとは親友。

(´・ω・`):ショボン
  討伐隊の長にして魔女、力も強く頼れるが、ギコと関係が……?

( ゚∀゚):ジョルジュ(逝去)
  気のいい討伐隊員、それでいて銃の腕から格闘技と極めて多彩多優。

川 ゚ -゚):クー
  討伐隊員で生真面目、銃の腕はピカ一だが不真面目を放っておけない面も。

ξ゚听)ξ:ツン
  魔女の力もまだ未熟な少女。魔女側から討伐隊へ。


4 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/28(火) 21:51:56.74 ID:uSrYtDpF0
魔女side

( ´∀`):モナー(逝去)
  討伐隊に初めに倒された魔女、能力は強くなかったらしい。

( ^Д^):プギャー(逝去)
  ブーンが始めて出会った魔女、唯我独尊で動いていて他の魔女からも疎まれている。

( ´_ゝ`):兄者
(´< _`):弟者
  魔女界きっての最強兄弟。その力はギコやショボンをも凌ぐ。

(*゚ー゚):しぃ(逝去)
  他の魔女の事を気遣ってやれる女性魔女。

(,,゚Д゚):ギコ
  魔女側の大将的存在か、全体を指揮している。


5 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/28(火) 21:53:39.10 ID:uSrYtDpF0
前回までのあらすじ(第十八話)


ブーンとドクオはニートで日々を自堕落に過ごしていたが、ひょんなことから討伐隊へと参加させられる。
運がいいのか悪いのか、その日に魔女と出会うこととなり、その異常な強さに唖然とするしかなかった……。

ショボンの活躍により魔女を半壊させる事に成功した討伐隊。
さらに行く先を失った魔女、ツンが討伐隊と供に行動し、とうとう戦いの終結が近付いたかに見えた。
そんな中、いよいよ魔女界でも最強と名高い流石兄弟が始動する。

討伐隊に現れた兄者に弟者、弟者はショボンと戦うが、
今まで相手の魔女を諸共しなかったショボンですらまったく歯が立たない。
そして兄者は残りの討伐隊と戦い、ジョルジュを仕留めた。
仲間の死に悲しみ暮れるクーだったが、ショボンの言葉により再び兄者と戦う事を決するのだった。


7 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/28(火) 21:55:22.07 ID:uSrYtDpF0
第十八話『無関心』


クーは両手に銃を構え、まだ咽ているその顔をいつものように持ち直した。

川 ゚ -゚)(いつもなら……冷静で率直ないつもの私なら……)

体と心に鞭打って自戒すると、彼女は構えた。
ジョルジュが残したもの……彼女は二丁の銃を兄者に向ける。
彼女自身の体に刻まれた、彼を鑑みたスキルこそ彼が残してくれたものだ。

涙で滲んだ視界。
僅かに震える手……そう簡単に心が割り切れるわけなんて無い。

( ´_ゝ`)「震えているが……そんな中途半端な気持ちで俺と渡り合えるつもりか?」

川 ゚ -゚)「うるさい、私だって……いつまでも好きな人に頼っているばかりじゃないんだ!」

( ´_ゝ`)「OKOK、あまりヒートアップするなよ」

川 ゚ -゚)「……」

相手の言うとおりだ、改めて気持ちを落ち着けるよう努めた。


10 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/28(火) 21:57:08.18 ID:uSrYtDpF0
( ´_ゝ`)「して女、銃で俺とやろうと言うからにはちゃんと考えがあるんだろうな?」

川 ゚ -゚)「敢えてそれを公言する必要も無いだろう」

( ´_ゝ`)「いいな……クールな女は好みだ」

川 ゚ -゚)「簡単に人を殺す男は、どう頑張っても好きになれそうに無い」

( ´_ゝ`)「実に残念だ」

直後二発の銃声。
しかし兄者はノートパソコンを盾に、一歩も動く必要が無かった。

カランと音を立てて落ちる銃弾。

( ´_ゝ`)「オマエは先ほどの男には数段劣るか?」

川 ゚ -゚)「ジョルジュは私の目標だから当然だ」

( ´_ゝ`)「そうか……楽しませてくれるかと期待したんだがな」

そう言う兄者に、クーは銃口を向けた。

川 ゚ -゚)「しかしそれは……私がお前に劣る理由には、何一つなっていない」


12 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/28(火) 21:58:50.83 ID:uSrYtDpF0
しばらくの沈黙……クーはその引き金を中々ひこうとしない。
そう、相手に引く瞬間を悟られてはいけないんだ。
以前のように銃を暴発させられてはいけない、だからこそ
一発一発を慎重に撃たねばならない。

無言で向き合う二人、クーは一気に引き金を引いた。


今まで以上に大きく乾いた発砲音。

螺旋回転しながら銃弾は兄者へ一直線へ軌跡を作る。

(;´_ゝ`)「!!」

さっきまでとは比べ物にならない程のスピードで向かってくる銃弾。
思考が一瞬飛び、兄者は固まった。

人間は恐怖に対面すると筋肉が硬直し、思考も停止する。
その一瞬は魔女の唯一の隙と言ってもいい、人間が魔女に対抗する事の出来るその刹那。

(;´_ゝ`)(ツンか、どうやってタイミングを合わせた……くそッ!)

兄者は何とか体を反らして銃弾を避けるが、それをクーは逃さない。

再び銃を構えると軽くステップを踏み、更に銃声を響かせた。


14 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/28(火) 22:00:52.77 ID:uSrYtDpF0
(;´_ゝ`)「……ッ!!」

ジョルジュの時と同じだ、銃弾を避けた瞬間を追撃する。
いくら魔女でも死角の物を見ることは出来ない、それを利用したのだ。

一際大きな音を響かせ、兄者は銃弾を避けて壁際へと移動していた。
ジョルジュに撃ち抜かれた片足が、やはり痛む。

銃弾は何に当たる事もなく、壁へと穴を空けた。

( ´_ゝ`)「……ツンか」

兄者の向いた方向にはクーとツンが。
『ツン程度』の魔女の力で銃の威力を強めてどうにかしようなどとは、実にくだらない。
しかしそれに兄者が引いてしまった事も事実だった。

壁を背にして、改めて相手を見る。
銃をこちらに構えるクーに睨みを利かせるツン、端で脅えるブーンに
感情の無い目線を自分に向けるドクオ。

男どもは……使い物にならないのか?
当然といえば当然、元ニートなのだから。


兄者は「引いた」事実を包み隠すように、余裕ある表情で口を開く。


15 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/28(火) 22:02:53.17 ID:uSrYtDpF0
( ´_ゝ`)「クーとかいったか、それとツン……
        そしてそこのやる気無い男がドクオで、余りの一人はブーンか。
        オマエ達は参戦しないのか?」

(;^ω^)「僕かおっ?」

名指しにされ、ビクッと驚くブーン。
ジョルジュが死んだ時でさえまるで自分は関係ないかのようにずっと蹲っていた。
ドクオは至って表情を変えなかった、銃声が大きく響いた時に少し驚いたくらいか。

('A`)「オレは……はっきり言ってどうでもいい、この戦いは戦争みたいなもんだろ?
   オレらが勝とうとオマエ達が勝とうと関係ない、
   この戦いの首謀者達はここにはいないのだから。
   戦う理由やそいつらの考えは知りたいが、戦いたいとは思わないね」

( ´_ゝ`)「自分が死ぬのに……か?」

('A`)「どうせいつか寿命で死ぬんだ、死に方や死んだ日付けが変わろうと、死んだ先は一緒だ。
   一年長く生きたから、この戦いで勝って幸せになったから……
   そんな事は死んだ人間には無意味なんだよ」

演技かとも思ったが、それにしては淡々とし過ぎている。
感情の起伏の無い言葉……これが演技なんかで出来るわけが無い。
この男は本気でそう考えているのだ。


16 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/28(火) 22:04:38.72 ID:uSrYtDpF0
兄者は焦りと戸惑いを隠しきれなかった。
そう、ドクオは自分の母親が殺されたと分かった時も眉一つ動かさずに『傍観者』でいた。
まさにテレビのニュースでも聞いているかのように、自分とは無縁の出来事として捕らえていた。

どうしてそんなことが出来るのだ。

ドクオという男は一体どういう神経で、どういう考えで『今この場』にいるのだ。

(;´_ゝ`)「オマエは、一体今までの戦いをどう考えて見ていたんだ?」

('A`)「今までか……
   少なくともジョルジュさんが死んだ時に、クーさんも死んだらどうだとは思ったな」

クーがキッと睨む。
やはり……演技なんかではない、クーという女性は隙だらけになりながらドクオを睨んでいた。
そして本気で怒りを感じているのが目に見えて分かった。

('A`)「どうせ死ぬのに、どうして悲しんでまで生きようとするのか、その神経が理解できない。
   楽しむ事は無意味な事だ、死んだら感情も無くなり、
   何も残らないのだから生きている一時の自己満足に過ぎない。
   ただ悲しむという行為はそれ以上に無意味だと思わないか?」

(;´_ゝ`)「……」

('A`)「人間の終着駅の『死』には悲しみも喜びも無い、唯一無二であり絶対の存在。
   終着駅までの道のりを長々と遠回りしているんだよ、
   そして悲しいこと苦しいことにオレらは遭遇しているだけなんだ。
   オレは無意味だから喜怒哀楽はしない、それだけだ」


19 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/28(火) 22:06:20.82 ID:uSrYtDpF0

「無意味だから」。


それだけで感情を捨て去れるわけが無い、普通の人間なら絶対に口だけだ。

だが……ドクオは違った。
本気でそう思っているからこそ、感情が動かないんだ。
本気で無意味なものだと思っているから。


兄者の頬を汗が伝った。
理解できない、そういった思考は、魔女にとってはある種の恐怖だった。

(;´_ゝ`)「あ……だな、その……。
   ここでオレらに勝ったら……この戦いの目的が分かるかもしれんのだぞ?
   お前は知りたいと思わないのか、魔女と人間の戦いの背景を!?」

('A`)「ああ、戦う目的は知りたいと思うけど死んだら全てが無くなるって言っただろ。
   生きているから知りたいのであって死ぬなら死ぬでオレはそれを受け止める。
   生きている今の自己満足だ、分かるよな?
   あまり同じ事ばかりいうのは好きじゃないんだ」

魔女が相手だとうのに気圧される様子も無く、考えを流暢に紡ぐ。

この男が元ニートだというのか?
どんな神経をしているんだ、どうしてそんな風に考える事が出来るんだ。

ドクオという男の神経が理解できない。
この考え方が、鳥肌が立つほど気味が悪い。


20 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/28(火) 22:08:12.62 ID:uSrYtDpF0
(;´_ゝ`)(落ち着け、落ち着け……)

兄者の心拍が上がっていく。
心臓の音が耳まで届く、大きく抑動する。

(;´_ゝ`)(焦っているのか? あんな人間風情たかだか一匹に、何を焦るんだ……。
   落ち着け、何も恐れる事は無い、恐れる必要は無い……。
   異端なだけだ、無表情を装うのが格好いいと思っているガキだ、相手にするな……)

( ^ω^)「ドクオ……僕は戦うお。何が出来るか分からないけど、戦うお」

(;´_ゝ`)(!!)

まるでそのドクオの言葉を聞いたことで決意を固めたといわんばかりにブーンが言う。
ドクオの話を聞いて理解していたのか?
彼が戦わない理由を聞いて、どうしてそれを発端として戦う気を出すんだ?

('A`)「ああ……そうしろ。ただ……死んでくれるなよ?」

( ^ω^)「イエスとは返し難い質問だお」

(;´_ゝ`)「……」


23 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/28(火) 22:09:53.87 ID:uSrYtDpF0
その二人のやり取りに周りは絶句した。
ドクオの否定に感化されたブーン、そしてドクオの「死ぬな」発言……
この二人の頭では会話できているのだろう。


コイツらは何なんだ?


ただのニートじゃないのか?


(;´_ゝ`)「オマエはどうなんだ? 死ぬんだぞ、怖くないのか!?」

( ^ω^)「怖いお、でもこのままいても変わらないお、結局は死ぬだけだお」

(;´_ゝ`)「そうだ、お前だけ生かしてやる。どうだ、それでも戦うか?」

何を言っているんだろうと兄者は自問した。
どうして生かす必要があるんだ、どうして交換条件を持ち出す必要があるんだ。
人間が相手に増えるくらい何も怖く無いだろう。

何が自分を脅えさせるんだ。

( ^ω^)「それでも結果は一緒だお、戦うお」

そのブーンの言葉に、ドクオはふっと笑った。


27 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/28(火) 22:11:35.30 ID:uSrYtDpF0
兄者の困惑は止まらない。
不可解な二人に向かって、大声をあげた。

(;´_ゝ`)「オマエ達ふざけるな! なにが死ぬのが怖くないだ、ふざけるな!」

(´< _` )「兄者、時に落ち着け」

隣で戦っている弟者の呼び声で、はっと平生を取り戻す兄者。
息を軽く乱している。

(;´_ゝ`)「……スマンスマン、少しどうにかしていたようだ」

(´< _` )「兄者、魔女が心を乱すとはかえないな。
   こちらも伝説の魔女ことショボン相手は中々骨が折れる、兄者の補助なくしては危険なんだ」

(;´_ゝ`)「分かっているとも、スマンかった」

ξ;゚听)ξ(……兄者が心を乱している、これはチャンス?)

ツンは思う、兄者を倒すなら今だ、今しか無い。
正当な勝負では到底及ばないだろうが、兄者が焦りを見せている今ならどうにかなるかもしれない。

そう、これまでのやり取りを見ていても冷静な弟者に対し、兄者は心を乱し易く思う。


29 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/28(火) 22:13:25.56 ID:uSrYtDpF0
ξ;゚听)ξ(私たちが勝たないと……)

弟者の方を軽く見ると、ボロボロに倒れるショボンの姿があった。
それでもヨロヨロと立ち上がる。

額や唇からは血を流し、体中は痣だらけ。
それでも余裕そうな表情は変化を見せない。

(メ´・ω・`)「やれやれ……僕のことは無視かい?」

(´< _` )「ああ悪い、油断していた」

魔女同士の戦いは油断したほうが負ける、分かっていながら弟者はそう皮肉を言った。
実際その目を見れば「油断」などしていないことは一目瞭然でもあった。

(メ´・ω・`)「それにしてもキミ達みたいな強い魔女がまだ残っていたなんてね……」

(´< _` )「褒めの言葉として受け取っておこう」

(メ´・ω・`)「ああ」

ショボンは腰を低く構えた。

(メ´・ω・`)「これは僕も、いよいよもって本気を出さないとね。
         君を倒すため……悪いけど使わせてもらうよ」


32 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/28(火) 22:15:41.30 ID:uSrYtDpF0
(´< _` )「?」

(メ´・ω・`)「キミ達は魔女が何たるかをしっかりと理解していないだろう?
         魔女の力、そして……それを最大限に使用する事」

(´< _` )「……興味深いな」

(メ´・ω・`)「ああ、魔女の力……それを君はなんだと思っている?
         神か、天使か、はたまた悪魔か、妖精か?」

ショボンは弟者に向かって少し感情的に話を入れた。
初めて……感情を見せ始めた。

(メ´・ω・`)「それを僕は開拓して、そして未踏の境地へ踏み込んだんだ……
         この戦いで僕が勝つならこれを冥土の土産に、君が勝つならば
         死ぬ前に僕の持っているものを全て授けよう。
         少し話を聞いてくれるかい? 君ほどの魔女なら理解できるはずだ」

(´< _` )「……いいだろう」

弟者とて興味ないわけではない、魔女という存在の在処。
ショボンが伝説とまで謳われる所以はそこにあるのだろうか。

静かに耳を傾けた。




【関連】
一気読み
第一話 - 第二話 - 第三話 - 第四話 - 第五話 - 第六話 - 第七話 - 第八話 - 第九話 - 第十話
第十一話 - 第十二話 - 第十三話 - 第十四話 - 第十五話 - 第十六話 - 第十七話 - 第十八話
第十九話


ブログパーツ ブログパーツ
inserted by FC2 system