( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`) 〜( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです 第三話『違乱者』〜

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74 名前:( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです[] 投稿日:2006/11/15(水) 22:16:50.72 ID:ckO98Afy0
第三話『違乱者』


川´ー`)「プギャーくんは人形遊びが本当に好きね」

小さい頃からそうだった。
暇があれば人形を手にして弄っていた。

親や保母さんも、毎日そんな自分を微笑ましく見てくれていた。


   パキッ


そこに言い知れぬ喜びを感じていたとも知らずに。


川´ー`)「あららー、また折っちゃったね。
   あまり強く曲げるといけないよ?」


昔からずっとそうだった。
人形の関節を逆に曲げる事が好きな子供だった。
それこそが最高に愉悦な瞬間だった。


76 名前:( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです[] 投稿日:2006/11/15(水) 22:18:58.34 ID:ckO98Afy0
( ^Д^)「あー、すっきりしねぇ」

肩は自己治癒の力を増幅させた、包帯を巻いておいたから明日には痛みはひくだろう。
体全体の僅かな切り傷は既に治りかけていた、恐ろしいほどの治癒力だ。

(*゚ー゚)「まったく……油断しているといけないわよ?
   銃だって避けれても、当たれば死ぬんだから」

( ^Д^)「うっせーな、別に包帯巻いてくれたからって礼は言わないからな!」

(*゚ー゚)(ツンデレ……)

叫んでプギャーは部屋から出て行った。

そして怒りの吐き場所を求め、物置に行く。
ドアを大袈裟なほど勢いよく蹴り開けると、一つの段ボール箱の蓋を開ける。
暗闇の中、手探りで人形を取り出した。

それの関節を逆に曲げる。

( ^Д^)「ふっ……ふふっ……!」

肘と膝を全て逆方向に曲げると言い知れぬ快感があった。
その格好の人形が好きだった。

その壊れた姿が。


77 名前:( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです[] 投稿日:2006/11/15(水) 22:20:10.40 ID:ckO98Afy0
彼の精通は小学校三年の頃だ。
相手は全ての関節を逆に曲げられた人形だった。
その壊れた様に魅了されたのだ。

彼の性欲はかなり歪んでいた。
全裸の女性が前にいようと彼は興味を示さない、体の柔らかい女性が好きだった。


彼は15の時に体操をやっていた女性と性行為に及んだ。
体の柔らかさに惹かれたのだ。

そして行為の後、腕を骨折した女性が病院に運ばれた。


( ^Д^)(人間は……折れない……)


人間は固かった。
肘の一つを逆に曲げるだけでも相当な苦労があった。


( ^Д^)(人間を簡単に折れるような……力が欲しい)


彼は力を欲しがった。
力があれば思いの自由に人を曲げれるのに……元より彼の目的はそこにしかなかったのだ。



79 名前:( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです[] 投稿日:2006/11/15(水) 22:21:26.04 ID:ckO98Afy0
ξ゚听)ξ「あ、また人形遊びしてる……ギコが呼んでるよ」

( ^Д^)「……うるさいな」

自分を呼ぶ声、一気に現実に引き戻され、やり切れぬ怒りがこみ上げてきた。
少女は部屋の入り口から再び話し掛ける。

ξ゚听)ξ「せっかく呼びに来てやったのにひどい言い草じゃない、根暗が」

( ^Д^)「恋人との憩いの一時を邪魔されたんだ、怒って当然だろ」

ξ゚听)ξ「キメェwwww」

人形を箱に戻すと、プギャーはツンを小突いて物置を出た。
そしてギコの元へと向かう。

( ^Д^)(まーた何言いやがるのか……面倒くせえ。
   ガミガミガミガミ、オマエはオレのお袋かっての)

グチグチ言いながら行くと、そこには魔女が揃っていた。

( ´_ゝ`)「プギャー、もうニュースになっていてネットは大騒ぎだぞ」

(´< _`)「死者8人か……地味の極みだな」

( ^Д^)「うるせーな、邪魔が入ったんだよ」


80 名前:( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです[] 投稿日:2006/11/15(水) 22:22:53.97 ID:ckO98Afy0
広い倉庫、思い思いの場所に魔女は座り込んでいた。
統率の無さはこれを見ただけで一目瞭然だ。

(,,゚Д゚)「邪魔なんてどうでもいいが、ちょっと勝手が過ぎるなゴルァ」

(*゚ー゚)「もうちょっとさ、慎重に行こうとか思わないの?
   モナーもやられちゃったのに驕慢過ぎる……」

( ^Д^)「モナーなんかと一緒にすんじゃねーって。
   オレは今日の一件でかなりムカついてんだ、明日にはもう一回町に行くぜ?」

(,,゚Д゚)「勝手な事するなゴルァ、見切り発車でそんな……」

( ^Д^)「うるせーな、オレはオマエ達の民族の仇とかそんなのどうでもいいんだよ。
   勝手で結構、もう休むから行くぜ?」

(,,゚Д゚)「……」

一方的に別れを言うと、プギャーはそこを離れた。
彼自身自分勝手は承知だが、他の奴等のように敵討ちなんかに興味が無いのだから仕方ない。
自分には関係ないから勝手にやってくれと。



82 名前:( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです[] 投稿日:2006/11/15(水) 22:24:10.20 ID:ckO98Afy0
そのまま倉庫を出ようとすると、さっきの少女が前に立った。

ξ゚听)ξ「あんたホント自分勝手ね、精神的な自立が出来てないんじゃない?」

魔女はそれぞれが動くにしても、プギャーの行動はまったく独りよがりなものだった。
統率が取れている必要は無い、それでも最低限の秩序と目途を統一する必要はあった。

それら全てにおいて彼は非協力的であり、足並みを揃えようとはしなかった。

( ^Д^)「うるせーなガキが……どうせオマエなんて人間一人も殺せないだろ」

ξ#゚听)ξ「失礼ね、私だってその気になれば討伐隊のやつらなんて簡単にやっつけれるわよ!!」

( ^Д^)「分かったからさっさとおやつの時間にしてろ、ションベン臭ぇガキが……」

ξ#゚听)ξ「……!!」

彼は常に突っ掛かりながら話をし、煽るだけ煽ってはすぐに去っていく。
魔女の中でも厄介者だった。


84 名前:( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです[] 投稿日:2006/11/15(水) 22:25:23.76 ID:ckO98Afy0


その日は初めて魔女との接触を果たしたブーンはただただ恐れていた。
こんなことならしっかりと働けばよかった、もっとちゃんと親孝行すればよかった。
後悔しても遅い、既に自分は魔女と戦わざるを得ない立場にいるんだ。

生きる価値がないことは百も承知だったが、それ以上に恐ろしかった。

川 ゚ -゚)「あれが魔女だ、運がよかったな。
   ただ次はないと思え、次は相手を殺すか殺されるかだ」

( ゚∀゚)「今日のところはゆっくりと休んでおけ、精神的に疲れただろう?」

そう言われ、準備された部屋にドクオと一緒に入った。


しばらくは信じられない気持ちと信じたくない気持ちがいっぱいで、独り言を言いながら頭を掻き毟っていた。

ようやく落ち着いても、やはり納得いかない。
ブーンはずっとボケーッとしているドクオに尋ねた。

(;^ω^)「ドクオは……怖くないのかお?」

ブーンは先般の魔女との戦いから今までずっと、体が震えて止まなかった。
刻み付けられた『恐怖』。

('A`)「ん、俺か?」



86 名前:( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです[] 投稿日:2006/11/15(水) 22:26:47.25 ID:ckO98Afy0
(;^ω^)「だってドクオは冷静だったお」

('A`)「あー、魔女は怖いが、怖いからといってうろたえてもどうしようもないだろ」


彼は冷め切っていた。
感情はあるが、それですら彼をコントロールできないのだ。

冷静であり、同時にすべてに屈していた。


( ^ω^)「正直僕はむかつくお、何もしていないのにいきなりこんな場所に入れられて……桎梏されて……
        間違いなくここの人間は自分たちを餌に魔女を倒そうとしているんだお。
        既に魔女が猛威を振るってかなり経つお、だからそろそろ贖罪として
        僕たちを使って何とか仕留めよと画策しているんだお」


('A`)「俺たちが餌か……光栄だな。
   食べた魔女は食中毒で苦しむんじゃないか?」

( ^ω^)「でも餌は誰も覚えていないお、気にも留められないお。
        釣った魚のことしか誰も気にしないんだお、
        餌はただその魚の価値を上げるためにしか存在しないんだお」

('A`)「つまりこの魚を釣り上げるため高級な餌をこれだけ使いました、この魚にはそれだけの価値があります。
   魔女を捕獲するのに〜人の犠牲を出しました、それを捕まえた我々はそれだけに値するヒーローですってことか?」

( ^ω^)「そうそう、相変わらずドクオは解釈が早くて的確だお」



87 名前:( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです[] 投稿日:2006/11/15(水) 22:28:12.35 ID:ckO98Afy0
ドクオとブーンは二人きりになるといつもこうやって真面目な話ばかりをした。
ほかの人と一緒の時は絶対にこんな姿を見せない、気が合い意見を言い合える仲だからこそだ。
そして互いに以外の人間に見せることの無意味さを知っているのだ。

自分たちは社会的に価値のない存在だから、誰も耳を傾けてなどくれないと。


そしてドクオは考えが卓越していた。
馬鹿と天才が紙一重なら、間違いなくその紙一重の間に位置する存在だ。

もっとも前述通り、ブーン以外の前ではこんな姿を見せなかったが。

('A`)「でもいいんじゃないか? 仕方ないだろう、俺たちはそういう存在なんだから実際。
   餌としてしか使い物にならない、いや普通なら餌にも使えないような存在なんだ。
   事実魔女相手なんて放っておいても死者が増えるだけ、意識を逸らせる為贖罪を作る考えは分からなくも無い」

あえて言う必要は無いかもしれないが、この二人とて当然『魔女』については予てから知っていた。
魔女が闊歩し人間が日々襲われ、恐怖政治染みているこの世の中だ、引き篭もりでも知らない方がおかしい。

それでも彼らは知らない振りをしたのだ、『真面目さを見せる無意味さ』を知っているから。



88 名前:( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです[] 投稿日:2006/11/15(水) 22:29:18.15 ID:ckO98Afy0
( ^ω^)「……ドクオは本当勿体無いお。
        どうしてそこまで分かっていながらそういった考えした出来ないのかお?」

('A`)「弁えてんだよ、身分相応だ。だからこそ協力してやる義理も無いがな」

たとえ賛美されようとも、ドクオは鼻にかける事もせずに自嘲するばかりだ。

( ^ω^)「ブーンは絶対納得いかないお、今すぐにも逃げ出したいお」

('A`)「普通はそうだろうな、逃げればいいんじゃね?」

その言葉は決して突き放したものではなかった、ドクオという人間の言い方なのだ。
そして同時に自分は一緒には逃げないと言いたかったのだ。

ブーンはもう彼の言い方には慣れている、その言葉の意味をちゃんと理解すると覚悟を決めた。

( ^ω^)「ドクオ、僕は今晩逃げ出そうと思うお。たかだか僕たち以外は3人……
       これならどうにか逃げられると思うお。
        それで、これを……」

('A`) 「?」

ブーンはドクオに一枚のCD-ROMを渡した。


90 名前:( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです[] 投稿日:2006/11/15(水) 22:30:26.80 ID:ckO98Afy0
('A`) 「これは?」

( ^ω^)「つよきすだお、もし今日の魔女に会ったら渡しておいてほしいお。
  それまでは僕だと思って大切にしてほしいお。
  ちなみに僕のオススメは乙女先輩だお」

(;'A`) 「突っ込みは苦手なんだが……」

そんなドクオを放っておいて、ブーンは今晩逃げるために今は寝ることにした。
ドクオはため息をつくと、彼もまた眠りに入った。

今日は色々とあってもう疲れた、体をゆっくりと休める事に専念した。


92 名前:( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです[] 投稿日:2006/11/15(水) 22:31:37.59 ID:ckO98Afy0


そして夜も更けようとしていたか、暗い町に再び影を落とす男がいた。


欲求が満たせないのだ。
まだまだ足りないのだ。


結果的に逃げてきたとしかとれないだろう昼の行動に、彼はストレスを感じきっていた。

( ^Д^)「とりあえず……昼の二倍だな。15人殺すか」

15人を殺す。
殺した人間は自分らしく間接を逆に曲げてやろう。

……そう考えたら笑いが止まらなくなった。

ξ゚听)ξ「アンタ……また勝手に行動する気?」

( ^Д^)「……オマエに見つかるとは心外だな」

ξ゚听)ξ「こっちこそそんな言われ方されるなんて心外よ」

ツンはプギャーの前に立つが、プギャーは足を止めることなくその場を去ろうとする。



106 名前:( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです[] 投稿日:2006/11/15(水) 22:42:17.26 ID:ckO98Afy0
ξ#゚听)ξ「ちょっと、何無視してんのよ」

( ^Д^)「……オマエは羨ましいんだろ?
  自由に動く俺が、人間を怖いと思わず殺せる俺が。
  一族の復讐やら何かに縛られているだけの自分が惨めに見えてくるのが嫌なだけだろう?」

そう言いながらプギャーがツンに差し出しす手、何かを企んでいる様な卑下た笑い。

それがあまりに怖かった。
一瞬昔がフラッシュバックするその瞬間……一気に脱力して彼女はへなへなと座りこんでしまった。

( ^Д^)「魔女のくせに人間が怖いか……情けない野郎だ」

そう言ってプギャーはその場を後にし、暗闇の町に消えていった。



ξ;凵G)ξ「……くそぉ……ばか、ばか……」


そして一人たたずむツンを、後ろからギコはこっそりと眺めていた。


(,,゚Д゚)(……プギャーか、これ以上野放しには出来ないな……)




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