( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`) 〜( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです 第五話『悪英雄』〜

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213 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/16(木) 21:44:39.99 ID:Tyw9yLgi0
第五話『悪英雄』


('A`)「そいつからオマエにって、CD-Rで勘弁してくれってさ」

ドクオが差し出したCD-Rを、如何わしいといった目で見ながらもプギャーは受け取る。
裏表をチラチラと見てみるが、当然何のデータかなど分かりはしない。

( ^Д^)「……これには何のデータが?」

('A`)「つよきすっていうエロゲだ」

( ^Д^)「……」

プギャーの手が震え、ピキッとCDケースにひびが入る。
それまでの悪魔染みた笑いではなく、怒りを露にした苦笑いが彼の顔に張り付いていた。

(#^Д^)「てめ……バカにしてんのか?」

('A`)「頼まれた事をそのまま伝えただけだ」

プギャーは震えきっていた。
今までに加え、憤りはとうとう最高潮に達した。


214 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/16(木) 21:46:37.05 ID:Tyw9yLgi0
   パンッ

そこで突如の発砲音、プギャーはしっかりと避けて、怒りの矛先をそちらに向けた。

(#^Д^)「あまり賢明な行為とは思えないが……」

( ゚∀゚)「常識に縛られない性質でね」

(#^Д^)「……ピキピキ」

ドクオを守るように発砲したジョルジュは、目でクーに合図する。
そして彼は両手に銃を持つと構えた。

   パンパンッ

銃を同時に放つが、それを避けながらプギャーはジョルジュに接近する。
既に目の前だ。
しかしジョルジュの動作も負けじと速い。

   パンッ

( ^Д^)「当たんねーよ」

プギャーの目の前で銃を撃たれるが、それを体を捻って避けるとそのまま回転蹴りをジョルジュに仕掛ける。


219 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/16(木) 21:48:38.21 ID:Tyw9yLgi0
ジョルジュは銃を逆手に持ち、トンファーのように手首の横に銃口を持ってきてプギャーの攻撃を守る。
相手は魔女だ、体を堅くも出来るし衝撃を倍増も出来る。
その攻撃を生身の肉体で受ける事は無謀だ。

相手の攻撃を銃身で受け止めると、もう片方の手に持つ銃でさらに相手を撃つ。
数十センチとしか離れていないにも拘らず、当然のように相手は避けた。

(;゚∀゚)「これも避けるか……前のヤツは掠ってくれたんだが……」

( ^Д^)「モナーか? 人間に負けるとは魔女が聞いて呆れるぜ、あんな奴と一緒にしてくれるな」

ジョルジュは銃をくるりと回転させて再び順手に構えると、相手に向かって発砲した。


   バァンッ!!


( ゚∀゚)「ッ!!」


その銃の強烈なほどの衝撃に、トリガーをひいた瞬間ジョルジュは後方に体を浮かした。
痺れる手から銃は離れ、尻餅をつく。


221 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/16(木) 21:50:10.64 ID:Tyw9yLgi0
川;゚ -゚)「ジョルジュ!!」

慌てて近寄ろうとするクーを、ジョルジュは片手を挙げて制止させる。

(;゚∀゚)「ちくしょう……銃が暴発か? こんな時に……ッ!!」

( ^Д^)「残念だな、運が無い」

(;゚∀゚)「まだだ!」


   バァンッ!!


さらにもう一つの銃も発砲と同時に鈍い炸裂音を轟かせる。
ジョルジュの片腕は銃に弾かれ、体はその手に引きずられるように一瞬浮いた。

(;゚∀゚)「くっつぁぁ!」

人形のようにジョルジュの体は勝手に暴れ、そしてその場に伏した。

(;゚∀゚)「オマエ……」

( ^Д^)「銃の火薬の爆発を強くしただけだ、銃自体がそれに耐えれなかったみたいだな」

(;゚∀゚)「……ッ」


222 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/16(木) 21:52:10.88 ID:Tyw9yLgi0
銃の爆発の衝撃で肩が痛む。
手は痺れきっていて感覚など無い。

銃が避けられるというだけで、人間など対抗出来ないに等しいというのに……
銃を使う事すら認めてもらえないのだ。

目の前の魔女はジョルジュの前に歩いてくると、膝を曲げて屈んだ。
目線を合わせると、威嚇しながら聞く。

( ^Д^)「さて、それで……オマエがモナーを殺したのか?」

(;゚∀゚)「……ああ、少なくともとどめを刺したのは確かに俺だ」

( ^Д^)「そうか……先でもそうだが、魔女相手に生身でここまで戦えるとは素晴らしいな。
   オマエが魔女だったら相当な力だっただろうが……」

プギャーは言いながらジョルジュの頭を平手打ちで弾くと、すぐに顔を踏んづけた。

(;゚∀゚)「つがぁッ!」

( ^Д^)「所詮……ただの人間だ」

足に力を入れると、ジョルジュは顔を顰めて暴れようとする。
プギャーは「暴れるな」と言う代わりに、更に足に力を入れた。


223 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/16(木) 21:53:33.89 ID:Tyw9yLgi0
川;゚ -゚)「おい、ジョルジュを放せ」

( ^Д^)「!!」


再び銃声がその場に響くが、プギャーはジョルジュを踏んづけたままで器用に避ける。
意表は突かれたか、しかしただそれだけだ。

そんなもので人間は魔女に勝てやしない。


   パンッ


( ^Д^)「!!」

そこで更に突然の発砲音、一段落したプギャーにとってあまりに意外で心が急いた。

一体誰が。
目の前の女性はまったく行動を起こしていない、ならばもう一人の男か。


プギャーはすぐに目線をドクオに向けたが、彼はこちらを傍観しているだけだった。
そこでようやく彼は、発砲した犯人に気付いたのだ。


224 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/16(木) 21:55:30.07 ID:Tyw9yLgi0
咄嗟に避けようと試みるも、期せぬ攻撃は避けきれずに肩を貫通した。

(;^Д^)「つぁっ!!」

(;゚∀゚)「ざまーみろって」

軽く言い放つと、顔に載せられている足を振り払い転げて距離をとるジョルジュ。
まだ若干手は痺れているものの、十分に対抗できる。

そのまま休む暇なく銃を数発発砲する。

(;^Д^)「このヤロゥ!!」
   『衝撃の増強』

大きな音を立てて、プギャーは一瞬で建物の上へとジャンプして距離をとった。
ここで緊張が解け、改めて肩の痛みが彼を襲う。
昼に撃たれた場所とほとんど同じ位置だ。

(;^Д^)「くっ……油断したな。反応は出来たがまさかオマエが撃つか……避け切れなかったな……」

( ゚∀゚)「銃は複数常備していてね、伊達に魔女を一匹倒せてないぜ?」

(;^Д^)「あんなヤツとオレを同等視してもらっては……大変不快だ」

プギャーは思い直す、相手はかなりのやり手だ。
事実モナーが格下とはいえ、人間が魔女を倒せるなど普通ではあり得ない事なのだ。
それをこの男はやってのけたのだ。


225 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/16(木) 21:56:54.55 ID:Tyw9yLgi0
( ^Д^)(これはのんきに遊んでいる場合でもないな……)

( ゚∀゚)「さて、それじゃぁ仕切り直し――」


瞬間ジョルジュの体はふっ飛ばされた。
それまでジョルジュのいたところには相手の姿が。
巻き起こる砂埃、後れたような衝撃音。


川;゚ -゚)「ジョルジュ!!」


すぐにクーは目線をジョルジュに向けようとするが、その視線から逃げるように彼は吹っ飛ばされていった。

壊れた人形のようにコンクリートの地面で二度三度と跳ね、転がってようやく勢いがおさまる。
倒れてピクリとも動かない。


226 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/16(木) 21:58:24.47 ID:Tyw9yLgi0
 ^Д^)「ふぅ……単純なタックルだが、まさかそれくらいで終わったりはしないよな?」

川;゚ -゚)「オマエーッ!!」

咄嗟にクーは何発か銃を撃つが相手は気にも留めない。

( ^Д^)『衝撃の増強』

また目にも見えない速さで移動し、銃弾は空を掠めた。

( ^Д^)「……残念だな、オマエも死ぬか?」

川;゚ -゚)「!!」

後ろからの声、慌てて振り返ろうとするがそれすら遅い。
プギャーの拳がクーに向かって振られた。



228 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/16(木) 22:00:06.98 ID:Tyw9yLgi0
突如の世界が振動するかのような衝撃音。
一体何の音だと疑いたくなるような……恐ろしく大きな音が響いた。


その音の余韻の中、無感情のドクオとてその光景に驚きを隠せないでいた。


死を覚悟したクーは、体に衝撃がないと分かると怖くなった。

死んだのではないのか。
痛みもなく死ねたのか、それならば本望だ。

同時、相手がすぐにいる気がして目を開けることを一瞬渋った。
だめだ、目を見開かなくては……始まらない。



川;゚ -゚)「……」


(´・ω・`)「やあ、間一髪だったね」


230 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/16(木) 22:02:08.11 ID:Tyw9yLgi0
そこにはショボンがいた。
プギャーの拳が振り落とされるだろう刹那……
彼は相手の魔女をも超えるスピードでタックルを仕返し、ふっ飛ばしたのだ。

相手の魔女は建物にでも突っ込んだのか、すぐ近くには瓦礫の山があった。
界隈はいっそう煙っぽくなり、出し抜けにその場に静寂が戻った。

安心すると同時、ぺたんと力無く座り込むクー。
腰が抜けたとはこういう状況のことなのか、安心したと同時に一気に脱力した。

(´・ω・`)「とりあえず後は僕に任せてほしい。
   ああ、ドクオ君、ジョルジュを介抱してくれるかい?」

('A`)「……はい、わかりました」

ドクオは思わず敬語となってしまった。
無表情だが、少なからず驚いていることはその震える声からも分かった。
感情が無くても人間は当然驚く、咄嗟の事に驚かない人間などこの世にはいない。


233 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/16(木) 22:03:43.91 ID:Tyw9yLgi0
ショボンは肩と首をゆっくりと回しながら大きくふっ飛んだ相手に向かう。

(´・ω・`)「しかし流石だね、寸前に自分の堅さを高めていなかったら死んでいたよ?」

その直線上、崩れた瓦礫から姿を表したプギャーは比較的ピンピンとしていた。
若干ダメージはあったのだろう、顔は辛そうにしているがそれでも体は然程問題無さそうだ。

(#^Д^)「……テメェ、もしかしなくても……魔女だな?」

(´・ω・`)「うん、そうだよ」

('A`)「!!」

ドクオはまさかの事態に驚く。
そんな事聞いていない、狩るべき相手の魔女が……仲間にいた?

ジョルジュを介抱しながらも頭が高速で回転し、様々な考えが過った。
一方クーは知っていたのか、そしてその上で信頼しているのだろう。
ショボンの登場と同時に安堵の息を漏らしていた。

川 ゚ -゚)「遅いですよショボンさん……」

(´・ω・`)「悪いね、ヒーローみたいな登場だったね。
   ダークヒーローで申し訳ない」



234 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/16(木) 22:05:28.21 ID:Tyw9yLgi0
(#^Д^)「おう、オレを前にして随分と余裕そうじゃないか……」

(´・ω・`)「残念、余裕なんて無いよ」

そう言って対峙する二人の間には、異空間ともいえる特異さが漂っていた。
普通の人間が絶対に踏み込む事の出来ない……そんな領域だ。

( ゚∀゚)「驚いたか?」

ジョルジュは元より意識があったようで、困惑気味のドクオに声を掛ける。
一瞬の出来事ではあったが、ちゃんと自分の体を守っていたようだ。
擦り傷がかなりあるが、本人は杞憂なほど平気な顔をしている。

('A`)「ショボンさんが……ですか?」

( ゚∀゚)「ああ、まさか味方に魔女がいるなんて……ってな」

('A`)「驚かないわけないですよ」

そう言いながらドクオは気持ちを落ち着けた。
無感情で引き篭もりの彼は、常日頃驚く事が少ない。
久しぶりに驚くとなんとも不健康な気分になる。

心音が鳴るのが早い。
……嫌な感覚だった。



235 名前: ( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです [] 投稿日:2006/11/16(木) 22:06:51.63 ID:Tyw9yLgi0
(´・ω・`)「さて、それじゃぁ僕がコイツを相手するからクーもジョルジュの所へ行ってもらえるかい?」

川 ゚ -゚)「はい、ショボンさんも頑張って下さい」

(´・ω・`)「そうだね、頑張るよ」

そう言って軽く手を振ると、相手に向いた。
突然攻撃されただけに留まらず、クーと話してばかりで蔑ろに扱われたプギャーは顔を真っ赤にしていた。

(#^Д^)「オレの名はプギャーだ、オマエは……ショボンといったか?」

(´・ω・`)「名乗る手間が省けたよ、よろしく」

(#^Д^)「ふざけたヤロウだぜ……俺への攻撃、高くつくぜ?」

そして二人は構えた。
魔女同士の戦いが今……始まった。




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