104 名前:( ^ω^)ブーンが無職貧乏のようです[] 投稿日:2007/02/23(金) 19:45:01.30 ID:4mnvhcCc0
( ^ω^)「はぁ、今日も仕事見つからなかったお・・・」
川 ゚ -゚)「・・・」
( ^ω^)「おお、クー。ただいまだお」
川 ゚ -゚)「おか・・・えり・・・」
( ^ω^)「ごめんお、今日も仕事見つからなかったお・・・」
川 ゚ -゚)「だい、じょう、ぶ」
( ^ω^)「すまんお、仕事が見つかったらクーを元気にさせてやれるのにお・・・」
川 ゚ -゚)「気に、しない、で」
( ^ω^)(クー・・・)
105 名前:( ^ω^)ブーンが無職貧乏のようです[] 投稿日:2007/02/23(金) 19:46:06.59 ID:4mnvhcCc0
( ´ω`)「今日の飯はパンの耳一切れだお・・・これはひどい」
川 ゚ -゚)「・・・」
( ´ω`)「全然、食べた気がしないお」
川 ゚ -゚)(ゴソゴソ)
( ´ω`)「いや、クーだって同じだお・・・弱音はいてごめんお、クー。・・・クー?」
川 ゚ -゚)「ん!」
( ^ω^)「これ・・・キノコかお?」
川 ゚ -゚)「そこに、生えてた」
( ^ω^)「あ、ありがとうだお(いや、しかし見るからに怪しいお・・・」
106 名前:( ^ω^)ブーンが無職貧乏のようです[] 投稿日:2007/02/23(金) 19:47:14.51 ID:4mnvhcCc0
川 ゚ -゚)「・・・」
(;^ω^)(すごい見てるお。ここは食べるしかないお)
( ^ω^)「ムグムグ。おいしいお!」
川 ゚ -゚)「ほん、と? ・・・よかった、クー、嬉しい」
( ^ω^)(か、体の中で何かが変化しているお・・・!!)
モクモク・・・
(;^ω^)「なんだか体が大きくなっちゃったお」
川 ゚ -゚)(すーぱー、きのこ?)
107 名前:( ^ω^)ブーンが無職貧乏のようです[] 投稿日:2007/02/23(金) 19:48:20.16 ID:4mnvhcCc0
( ^ω^)「履歴書が書けないお。長所なんて無いお・・・」
川 ゚ -゚)「ぶーん」
( ^ω^)「なんだお?」
川 ゚ -゚)「ぶーん、いいとこ、ある」
( ^ω^)「お?」
川 ゚ -゚)「クーのこと、拾って、くれた」
( ^ω^)「クー…」
川 ゚ -゚)「クーが、すいせんしょ、かく。それで、おしごと、見つかる!」
( ^ω^)「…」
川 ゚ -゚)「えっと、ぶーんは、やさしい人です。がんばりやさん、です。それから・・・」
( ;ω;)(…クー、ありがとうだお)
( ^ω^)(まだまだ頑張れるお!)
109 名前:( ^ω^)ブーンが無職貧乏のようです[] 投稿日:2007/02/23(金) 19:49:25.82 ID:4mnvhcCc0
( ^ω^)「クー、今日の分のエネルギーボトルだお」
川 ゚ -゚)「…いら、ない」
(;^ω^)「な、なんでだお? もうすぐエネルギー切れるお?」
川 ゚ -゚)「いらない!」
( ^ω^)「クー?」
川 ゚ -゚)「…だって、ぶーん、びんぼう。それ、買うのに、お金、いる」
( ^ω^)「…」
113 名前:( ^ω^)ブーンが無職貧乏のようです[] 投稿日:2007/02/23(金) 19:50:31.80 ID:4mnvhcCc0
川 ゚ -゚)「だから、クー、いらない。おかね、ぶーん使う」
( ^ω^)「…ダメだお」
川 ゚ -゚)「どう、して?」
( ^ω^)「クーが停止・・・動かなくなっちゃったら、僕は嫌なんだお。
クーは、もう僕の家族なんだお。だから、そんなことは言っちゃダメだお」
川 ゚ -゚)「…ごめん」
( ^ω^)「クーは優しい子だお。大丈夫、お仕事なんて、すぐに見つけるお!」
川 ゚ -゚)「・・・うん!」
114 名前:( ^ω^)ブーンが無職貧乏のようです[1分ごとに投下] 投稿日:2007/02/23(金) 19:52:31.69 ID:4mnvhcCc0
「それじゃあ、明日からさっそくお願いします」
( ^ω^)「はい! 精一杯頑張りますお!」
( ^ω^)(ついにお仕事ゲットだお! 今日はお祝いに高めのエネルギーボトル買うお!)
( ^ω^)「クー! やったお! ブーン、お仕事見つけてきたお!」
川 ゚ -゚)「・・・」
( ^ω^)「クー? どうしたんだお? 嬉しくないのか・・・お?」
川 ゚ -゚)「・・・」
( ^ω^)「クー? 何か、僕、怒らせることしたかお?」
川 ゚ -゚)「・・・」
(;^ω^)「――クー? クー!! どうしたんだお! 返事するお!」
115 名前:( ^ω^)ブーンが無職貧乏のようです[] 投稿日:2007/02/23(金) 19:53:37.34 ID:4mnvhcCc0
――ロボット病院
( ^ω^)「先生、クーは大丈夫なんですかお!?」
/ ,' 3「ふむ、ずいぶん知識回線が老朽化してるのぉ」
川 ゚ -゚)「・・・」
/ ,' 3「この回線を取り替えれば、ちゃんと動くはずじゃ」
( ^ω^)「本当ですかお! じゃあ、さっそく直してほしいお!」
/ ,' 3「ただ、知識回線じゃから、ちと値段が高くなるが、このロボットの保険証はあるのかね?」
(;^ω^)「それは・・・」
/ ,' 3「なんじゃ? なくしてしまったのなら、メーカーの方に連絡して」
(;^ω^)「違うんですお。実は・・・」
116 名前:( ^ω^)ブーンが無職貧乏のようです[] 投稿日:2007/02/23(金) 19:54:43.46 ID:4mnvhcCc0
――――
――
/ ,' 3「なるほどな。捨てられていたこの子を拾ったと。」
( ^ω^)「…はいですお」
/ ,' 3「それが本当なら、君の行為はロボット法に違反している。
残念だが、それなりの罰になってしまうが」
( ^ω^)「わかってますお。それでも、僕はクーを拾ってしまったんですお」
( ^ω^)「だけど、僕は後悔してないですお」
/ ,' 3「?」
( ^ω^)「クーと一緒にすごして、本当に楽しかったんだお。
貧乏だけど、何度も挫けそうになったけど、クーが支えてくれたんだお」
( ^ω^)「だから、お願いしますお! 僕はどうなっても構わないけど、クーを、クーを治してほしいお!」
/ ,' 3「・・・」
( ^ω^)「…そして、できれば優しい主人に引き取って貰ってほしいお。
それだけが、僕の望みですお」
118 名前:( ^ω^)ブーンが無職貧乏のようです[] 投稿日:2007/02/23(金) 19:57:08.44 ID:4mnvhcCc0
/ ,' 3「わかった。この子のことは私がなんとかしよう。
君は控え室で待ってなさい。・・・君の処置は、それからでもいいだろう」
( ^ω^)「ありがとうございますお! クーをお願いしますお」
そう言い終えると、僕は控え室へ向かった。
これで、いいんだ。
僕は法を破ってしまったんだから、しかるべき罰は受けなければならない。
ごめん、カーチャン。僕は悪い子だお。
・・・それでも、僕は、自分のしたことに後悔してないお
119 名前:( ^ω^)ブーンが無職貧乏のようです[] 投稿日:2007/02/23(金) 19:58:06.15 ID:4mnvhcCc0
何時間待っただろうか?
2時間、3時間・・・?
いや、もっと待った気がする。
僕ができることは、ただただクーの回復を祈ることだった。
やがて、時計が12時の鐘を鳴らしたとき、ドアが開いた。
( ・∀・) 「あなたが、ブーンさんですね?」
( ^ω^)「・・・はいですお」
( ・∀・) 「VIP署から来ました。モララーと申します。
同行をお願いできますか?」
( ^ω^)「クーは…クーは回復したんですかお?」
( ・∀・) 「ええ、Dr荒巻がきちんと直したそうです。ご安心を」
( ^ω^)「・・・よかったお。それがわかったら、もういいですお。
行きましょうお」
( ・∀・) 「では、こちらへ」
120 名前:( ^ω^)ブーンが無職貧乏のようです[] 投稿日:2007/02/23(金) 19:59:14.60 ID:4mnvhcCc0
クー、よかったお。
もう会うことができないのが、ちょっと残念だお。
新しい主人の下で幸せに暮らすお。
きっと、いい人が見つかるお
( ・∀・)「では、降りてください」
( ^ω^)「・・・役所? 警察署に行くんじゃないんですかお?」
( ・∀・)「警察署? 何を言ってるんですか。ささ、早く早く」
(;^ω^)「おっお?」
121 名前:( ^ω^)ブーンが無職貧乏のようです[] 投稿日:2007/02/23(金) 20:00:15.54 ID:4mnvhcCc0
( ・∀・)「さ、ここに住所等を登録してください」
( ^ω^)「これって…」
そこにあったのは、ロボット所持登録パネル。
( ・∀・)「Dr荒巻の推薦で、放棄ロボット所持権改正法に下づき
あなたにロボット所持権が与えられたのですよ」
( ^ω^)「荒巻先生が・・・」
僕は、少しの沈黙の後、ゆっくりとパネルを操作する。
本当に、本当にもう一度、クーと会えるのか?
そう、頭の中を過ぎった時だった。
123 名前:( ^ω^)ブーンが無職貧乏のようです[] 投稿日:2007/02/23(金) 20:00:53.40 ID:4mnvhcCc0
川 ゚ -゚)「ぶーん・・・」
( ^ω^)「!!」
振り返った先にいたのは、紛れも無い、クーの姿。
僕の、大切な、家族。
大切な・・・
( ;ω;)「クー!!」
僕は、クーの体をしっかりと抱きしめた。
一緒に暮らすんだ。いままでのように。
そして、これからも・・・
/ ,' 3(ブーン君、君以上にクー君を幸せにできる主人はいないのじゃよ?ほっほっほ)
おしまい