1 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/15(水) 05:42:37.51 ID:wP3gN4Mz0
私は猫である。名前はつん。我輩とその兄弟はもちろん母猫から生まれたが
どこぞの人間せいで我輩の兄弟達は皆どこかの家に貰われて行き、新天地での
生活へと移って行った。
―――最後に残されたのが私であった。
他の兄弟のことはわからぬが、楽しく暮らしていることであろう。
この私のように。
いまでこそ楽しい日々を送っていた私と飼い主ことぶーんだが
出会いは散々なものであった。
…少し昔話をしよう、私とぶーんが出合った時の話だ。
それはそう、今から9年も前のことだ―。
2 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/15(水) 05:43:45.86 ID:wP3gN4Mz0
某日、1時半。
ぴぴるぴるぴるー!ぴぴるぴるぴるー!ぴぴるぴるぴるー!
よく言えば整理された、悪く言えば何も無い部屋に突如着信音がけたたましく鳴り響く
( ^ω^)「お、ぶーむ。何やってるお?待ってるのに」
( ^ω^)「…え、お昼?もうソーメン食べちゃったお」
( ^ω^)「…冬なのにそーめんなんてきがくるっとる?そんなことはないお」
( ^ω^)「…ソーメンチャンプルーなんて邪道だお、冷たいソーメンに限るお」
( ^ω^)「…あと10分かお…早くしてくれお、待ち遠しいお」
( ^ω^)「…ふひひwwwそれじゃ待ってるおwww」
そう言うと電話を切り、ぶーんはソーメンが入っていたと思われる皿を洗い始める。
( ^ω^)「ついに…一緒に住めるんだお…」
5 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/15(水) 05:48:17.43 ID:wP3gN4Mz0
事の始まりは、今から三ヶ月前に遡る。
―大学のとある教室―。
( ^ω^)「おいすー、なにやってるお?」
| ^o^ |「いいところに きたね」
( ^ω^)「お?ノート貸して欲しいのかお?」
| ^o^ |「ちがう ばか。 ぶーんは ねこはすき?」
(*^ω^)「猫耳は大好きだおwww」
| ^o^ |「きが くるっとる」
( ^ω^)「さーせんwwwそれで、猫は好きだけど、それがどうかしたかお?」
| ^o^ |「うちのねこが こづくりしてしまった もらいてを さがしてる
ぶーんのあぱーとは ぺっとだいじょうぶ?」
( ^ω^)「多分大丈夫のはずだお」
| ^o^ |「もらってやっては くれないか」
6 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/15(水) 05:52:37.73 ID:wP3gN4Mz0
( ^ω^)「うーん…写真とかあるのかお?」
| ^o^ |「ほら これ」
そういうと写真を渡す。
(*^ω^)「うはwwwダンボールの中に6匹固まってててら萌えすwww」
| ^o^ |「てのひらサイズで かわいいです」
( ^ω^)「うーん…どの子も可愛いお…」
写真をじっと見つめる。
( ^ω^)「…この黒い猫、片目の周りだけ白くてなんか可愛いおwww」
| ^o^ |「それじゃあ もらってくれるか?」
( ^ω^)「…わかった、おkだお。いつごろ貰えるんだお?」
| ^o^ |「せいごさんかげつぐらいは おやねこといっしょに
いないとだめらしいからあとでめーるするよ」
( ^ω^)「わかったお、wktkして待ってるおwww」
| ^o^ |「それじゃあ またね」
8 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/15(水) 05:57:08.85 ID:wP3gN4Mz0
それから数ヵ月後、ぶーむから
| ^o^ |「あした ねことどける 1じには いくよ」
とメールが来たのであった。
( ^ω^)「猫かお…子どもの頃は親に反対されて飼えなかったんだっけ…懐かしいお」
皿洗いも終わり、テレビでもつけようかと思ったその時チャイムが鳴る
「ぴんぽーん」
( ^ω^)「お、やっと来たお…今開けるおー」
ドアをあけると帽子や手袋をつけたぶーむが小さめのダンボールを抱えて立っていた
| ^o^ |「おくれて わるかったね」
( ^ω^)「まぁいいお、取りあえず中に入れお」
| ^o^ |「えろいこと するなよ」
( ^ω^)「しねーおwww」
9 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/15(水) 06:01:58.28 ID:wP3gN4Mz0
互いに冗談を言いつつ部屋に入り、ぶーんはお茶をくみ、ぶーむはコタツに入る
( ^ω^)「はい、お茶。猫はそのダンボールの中かお?」
| ^o^ |「ありがとう そうだよ」
( ^ω^)「…あけても良いかお?」
| ^o^ |「まあ まてよ そうろう」
そういうとぶーむはお茶を一口飲み、部屋の片隅にダンボールを持っていく
隅にダンボールを置き、ゆっくりと貼っておいたガムテを外し、そっとコタツに戻る
| ^o^ |「いきなりさわると おどろくから まずほおっておいて
へやになれさせるんだ」
( ^ω^)「ふぅん…そんなもんかお」
| ^o^ |「ねこがへやになれるまで これでもよんでまってて」
そういうとコートのポケットから一冊の本を出し、ぶーんに渡す
(;^ω^)「『馬鹿でもわかる猫の飼い方』…も、もうちょっと他の本も
あったんじゃないかお?」
| ^o^ |「ぶーんには それがおにあいです それじゃあ かえるよ」
( ^ω^)「把握、いろいろdだお」
| ^o^ |「それじゃ またね」
お茶を一口で飲み干し、立ち上がり、部屋から出て行く
10 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/15(水) 06:04:14.35 ID:wP3gN4Mz0
―30分後。
( ^ω^)「確かにわかりやすかったお…お?」
ふと気付けばダンボールの蓋がかすかに開いており、そこから猫が顔を出して
ぶーんをじっと見ている
( ^ω^)「………」
ゆっくりと、猫を刺激しないようにコタツから出る
ゆっくりと、だが着実にダンボールに近寄り、1mほど離れたところで止まる
そこでうつ伏せになり、ダンボールにゆっくりと指を近づけていく
するとその指が気になるのか、猫も恐る恐る顔を出し、ぶーんの指の匂いをかぐ
( ^ω^)「可愛いおwww」
こいつはくせぇぇぇぇぇぇぇぇ!ゲロ以下の匂いがするぜぇぇぇぇぇぇぇぇ!
( ^ω^)「お、鳴いたおwwwニャーンとか萌えすwwwwwww」
指くせぇよお前!さわんなよ!
( ^ω^)「これからよろしくだおwww後で一緒に遊ぼうおwww」
だが断る!頭なでるな!死ね、氏ねじゃなくて死ね!
11 名前:愛のVIP戦士[Tabが省略されて欝] 投稿日:2007/02/15(水) 06:05:38.56 ID:wP3gN4Mz0
このように、散々なものだった。
あの時の指の臭さは今も覚えている。
でも、今はぶーんと出会えて本当に幸せだと心から思える。
本当に、心から―。
…そろそろ時間が無くなって来たみたい。
別れのときは、近い。
目を覚まそう、最後の挨拶をしよう。
13 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/15(水) 06:08:57.94 ID:wP3gN4Mz0
( ;ω;)「…つん」
…ぶーん、あんた目の周りが赤いわよ。
( ;ω;)「つん…嫌だお…もっと生きてお…」
ねぇ、ぶーん。もっと、触ってよ。
もっと、抱きしめてよ。
15 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/15(水) 06:10:39.24 ID:wP3gN4Mz0
ある日を境に、体がだるく感じるようになった。
…こんなの、寝てれば治るわよ…。
だが治ることは無く、日に日につんは衰弱していった。
ぶーんが異変に気がついたのは、それから一週間後のことだった。
( ^ω^)「…なんか最近元気がないし、餌もちゃんと食べてない…それに寝てばっかりだお…」
( ^ω^)「今日は土曜…まだ病院やってるお」
そう言うとすばやくつんを洗濯ネットの中に入れ、車を病院へと走らせる。
17 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/15(水) 06:12:17.40 ID:wP3gN4Mz0
―ひろゆき動物病院―。
(;^ω^)「…消化管型リンパ腫…?」
('A`)「はい…この病気は治療が難しく、化学療法も副作用が強いもので…もう…」
( ;ω;)「…そんな…!…嘘だお…!…」
こんなに悲しそうなぶーんの顔、はじめて見たわよ…。
('A`)「…取りあえず、入院させましょう。手はつくします…」
( ;ω;)「…わかりましたお…」
ねぇ、ぶーん、なんで私を置いていくの?
私はここにいるよ?ねぇ、ぶーん…。
一緒に、いてよ…
18 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/15(水) 06:14:18.75 ID:wP3gN4Mz0
それから科学治療が始まったが、副作用がきつく、つんは毎晩独りで鳴き続けた
ねぇ、ぶーん。なんであんたがいないのよ!
私は、あんたにいて欲しいのよ!
ねぇ、ぶーん。お願いだから、そばにいてよ…!
辛い時に、なんであんたがいないのよ…!
毎日、鳴いて、鳴いて、鳴き続けた。
ねぇ、ぶーん…はやく、ここにきてよ…。
19 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/15(水) 06:15:47.08 ID:wP3gN4Mz0
そのときぶーんはというと、つんが入院している間祈り続けていた。
普段は飲まない酒を毎日煽り、ただただ祈り続けていた。
( ;ω;)「うぅ…お願いだお神様…つんを…治してくれお…」
そんなとき、ぶーんの携帯に医者から電話が入った
( ;ω;)「ぐすっ…はい、なんですかお?」
('A`)「あぁ、お忙しいところすいません。ひろゆき動物病院の毒男です。
…今よろしいでしょうか」
( ;ω;)「…はい…」
電話の内容は、もうツンは長くないというものであった。
20 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/15(水) 06:17:38.75 ID:wP3gN4Mz0
('A`)「…正直、これ以上治療を続けても治る見込みは薄いかと…どうしますか?」
( ;ω;)「…どうしますかって…どうすればいいんですかお?」
('A`)「…安楽死、という手もあります。」
( ;ω;)「!!!」
('A`)「…明日また電話します、その時までに答えを決めて置いてください」
( ;ω;)「…わかりましたお…」
電話を切ると、そのまま携帯を強く強く握り締める
( ;ω;)「…そんなの…絶対嫌だお…でも…どうすればいいんだお…」
ぶーんの声が部屋に寂しげに響いた
21 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/15(水) 06:19:03.95 ID:wP3gN4Mz0
―次の日。
('A`)「はい、こちらひろゆき―あぁ、ぶーんさんですか」
( ;ω;)「…つんの…うちの猫の安楽死をお願いしますお…」
('A`)「…本当によろしいんですか?後悔、しませんか?」
( ;ω;)「…多分、後悔しますお。でも、ツンが辛いなら、
それから開放してやりたいんですお…」
('A`)「…わかりました、それでは今日の20時に病院にお越しください、
お待ちしております」
( ;ω;)「…わかりましたお…」
同日、20時―。
23 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/15(水) 06:21:14.34 ID:wP3gN4Mz0
( ;ω:)「…つん、久しぶりだお…」
べ、別にあんたのことなんて……待ってたわよ。
( ;ω;)「…つん、ごめんお…ごめんお…」
なんでぶーんが謝るのよ…ぶーんは悪く無いじゃない!
なんでそんなに、泣いてるのよ。
なんでそんなに、悲しそうなのよ。
笑ってよ、ねぇ…。
( ;ω;)「…さよなら、だお…」
24 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/15(水) 06:22:57.27 ID:wP3gN4Mz0
('A`)「…まず、睡眠薬で眠らせ、それから別の薬で心臓を
停止させます…本当に、よろしいですか?」
( ;ω;)「………はい…」
('A`)「…わかりました。」
…あれ…なんだか急に眠くなったわよ…?
…私はぶーんと…家に帰るのよ……
…ぶーん…そんなに泣かないでよ…
…叫ばないでよ…うるさいわよ……
…みっともない…わね…
…あぁ…もう…。
…ばいばい、ぶーん…。
26 名前:愛のVIP戦士[sage] 投稿日:2007/02/15(水) 06:25:36.56 ID:wP3gN4Mz0
中途半端かもしれませんが、これでおしまいです。
半分ぐらい実話でした
猫は可愛いし、賢いです
喜びます、悲しみます、怒ります
ご飯を食べたらうみゃいうみゃい言います
寝言も言います
猫の賢さは人間で言うと4歳児ぐらいらしいです
でもやっぱり生き物ですから、どうしてもお別れはくるわけです
眠れないから書いた、反省はしていない
下手でしたが、読んでくれた人ありがとうございました