1 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 16:24:56.86 ID:MYV0IQPB0
PM11:00
日付が変わろうとしていた。
そんな中でも、オフィス街のビルには明かりがともっている。
そして、その一室に彼はいた。
( ^ω^)「やっと仕事が片付いたお……」
内藤ホライゾン26歳彼女いない暦=年齢=童貞。
Fランク大学を卒業し、奇跡的に入社できたこの会社で、
朝は八時から、いつもこんな時間、日付が変わる直前まで仕事をしている。
誰もいないオフィスをこれ幸いと思うと、禁煙にもかかわらずタバコに火をつける。
灰皿はコーヒーの空き缶を利用した。
( ^ω^)「もう十一時かお……はやく会社でないと終電だお。
終電に間に合わなかったら……」
終電は十二時だ。間に合わなかったら家に帰れない。
しかし、そんなことは彼にとって大した問題じゃなかった。
帰れなかったら会社に泊まればいいだけのこと。
本質的な問題は、別のところにあった。
2 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 16:37:21.01 ID:MYV0IQPB0
( ^ω^)「家に帰れなかったら……深夜アニメが見れないお」
そう。彼は大のアニオタであった
。一週間の楽しみはアニメ。そんな男だ。
しかも、今日は今期一番楽しみにしているアニメ『素敵☆お兄たま』の放映日なのだ。
『素敵☆お兄たま』とは、中二病の主人公が四人の妹とともに世界の平和を取り戻すという、
今アニオタに大人気の萌え系ファンタジースペクタクル大作なのだ。
今度ハリウッドでも実写化されるらしい。
ブーンはそのアニメの大ファンだった。
全話リアルタイムで目にしてるし、DVDに録画している。
既製品のDVDが市販されたら間違いなく買うつもりだ。
さらに、リアルタイムで目にしないと一週間生きていけない。
それほどまでに、彼は『素敵☆お兄たま』を愛していた。
3 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 16:40:19.06 ID:MYV0IQPB0
( ^ω^)「しかも今日は予約録画を忘れていたお……なんとしても家に帰らなければ!!」
タバコを思いっきり吸い込んで気合をいれた。
もうもうと立ち込めた煙が室内に充満する。
時計をみた。時間は11時10分。『素敵☆お兄たま』はAM2:00から。
家までは電車と徒歩で一時間半だから、余裕で間に合う。
( ^ω^)「うはwwww余裕余裕wwwwタバコもう一本すっちゃうおwwwwwwww
ついでにムカつく部長の席にうんこしちゃうおwwwwwwwwww」
そうやって、タバコを口にくわえながらズボンをずり下げ、
肛門からうんこをひねり出そうとしたそのときだった。
そのときから、ブーンの家までの長い道のりが始まった。
6 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 16:48:07.81 ID:MYV0IQPB0
ジリリリリリリ――――――――!!
(;゚ω゚)「ななんあなんあ! いったいなんだお!?」
突如、オフィス内にけたたましいベルが鳴り響いた。
同時に天井に備え付けられた防火装置から水が噴出す。
あまりのびっくりさに、ブーンは見事に部長の席にうんこをひねり出した。
( ゚ω゚)「……すっきりしたお!」
肛門を天井に高々と上げ、スプリンクラーの水をウォシュレット代わりに肛門を綺麗にする。
肛門を洗い流す水の冷たさが、ブーンの混乱した頭を冷静にしてくれた。
7 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 16:51:47.52 ID:MYV0IQPB0
(;゚ω゚)「しまった! タバコの煙に反応したのかお!? これはいかんお!」
大変なことになってしまった。オフィスはびちゃびちゃ。パソコンはおしゃか。
しかし、そんなことよりももっと大変なことがある。
(;゚ω゚)「このままだと、大騒ぎになって家に帰れないお!」
そうなるとアニメが見れない。それが何よりも大変だ。
どうする? どうするのよブーン?
そのとき、オフィスの扉をぶち破って、警備員が入ってきた。
10 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 16:57:23.00 ID:MYV0IQPB0
<;ヽ`∀´>「何事ですか二ダー」
(;゚ω゚)「まずいお!」
とっさにブーンは部長の席の下に隠れた。
警備員はスプリンクラーを止めて、徐々に近くにやってくる。
<ヽ`∀´>「ぺロ……これはうんこ!」
警備員は部長の席、つまりブーンのすぐ目の前までやってくると、
机の上にあったうんこを舐めて、推理を始める。
13 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 17:01:20.20 ID:MYV0IQPB0
<ヽ`∀´>「ここにうんこ……そしてスプリンクラーの水……
犯人はきっと、うんこを漏らしてしまって、それを洗い流すためにスプリンクラーを
作動させたにちがいない二ダー!!」
( ゚ω゚)「(……なんて名推理だお)」
机の下、つまり警備員の足元で、ブーンは恐れをなした。
この警備員を野放しにしていたらすぐに自分が犯人だとわかってしまう。
そしたら、アニメが見れない。
こうなったら、殺すしかなかった。
18 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 17:08:10.82 ID:MYV0IQPB0
(;゚ω゚)「うああああああああああ! 死ねやおんどりゃああああああああああ!!」
<;ヽ`∀´>「アイゴ――――――!!」
ブーンは机の下から飛び出すと、自慢の石頭で警備員のちんこに強烈な頭突きをかました。
悶絶し、床に倒れこむ警備員。その股間をこれでもかというくらいまでけり続けていたら、
いつしか警備員は死んでいた。
( ^ω^)「おkおk。後は、こいつの遺書を書いてと……
えーと……こいつの口癖なんだっけ? まあ適当でいいや。
『我輩、部長殿が好きだったでござる。
しかし、部長殿は我輩の愛にこたえてくれなかったでござる
だから最後にうんこをして、オフィスを水浸しにして、
ちんこ潰して死ぬでござる。天国で、部長殿と結ばれるように
by <;ヽ`∀´>(はぁーと)』っと。
これでばっちぐーだおwwwwwwwwwwwwwwwww」
こうして、ブーンは無事、会社を出ることに成功した。
20 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 17:11:47.66 ID:MYV0IQPB0
外に出て、時計を見た。
時間はなんと、十一時四十分だった。
(;゚ω゚)「まずい……終電に間に合わないお!!」
駅までは歩いて二十分。走らなきゃ間に合わない。
ブーンは走る。夜の町をひたすらに走る。
そのときだった。町の片隅から女性の悲鳴が聞こえてきた。
23 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 17:19:04.82 ID:MYV0IQPB0
川 ゚ -゚)「わー。たすけてくれー」
<ヽ`∀´>「ぐへへ〜。ウリにおとなしく襲われる二ダー〜」
ブーンが現場に急行すると、さきほどの警備員が女性を襲っていた。
(;゚ω゚)「バカな……あいつは確かに殺したはず!!」
そこでブーンはすぐに気付く。
( ゚ω゚)「なぞはすべて解けた! 貴様、韓国人だな!?」
韓国人はみんな同じような顔をしているから、今女性を襲っている強姦魔も韓国人にちがいない。
あの警備員とこの強姦魔は韓国人だけに『ウリ』二つ。
うまい。ブーンは自分をまた一つすきになれた。
25 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 17:25:43.06 ID:MYV0IQPB0
川 ゚ -゚)「どうでもいいから助けてくれ」
( ^ω^)「あ、こりゃ失礼。いまから助けますお!」
<ヽ`∀´>「なんだと? 貴様がウリを倒せるとでも思っているのか二ダー?」
強姦魔は飛び掛ってきた。ブーンは勝利を確信した。
なぜなら、『飛び掛る』という強姦魔の行動はアニメじゃ雑魚キャラが死ぬ王道パターンだからだ。
( ゚ω゚)「死ね! お兄たまパーンチ」
<;ヽ`∀´>「アイゴ――――――!!」
ブーンの愛するアニメ『素敵☆お兄たま』のお兄たまの必殺技をブーンは繰り出した。
それは偶然強姦魔の股間に炸裂し、強姦魔は倒れた。
26 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 17:30:19.21 ID:MYV0IQPB0
川 ゚ -゚)「助けてくれてありがとう」
(;^ω^)「いえいえ、では私はこれで……」
ブーンはあせっていた。いま、11時50分。このままでは終電に間に合わない。
ブーンは立ち去ろうとした。
川 ゚ -゚)「あの、良ければ後日お礼をしたいので、電話番号を教えてもらえませんか?」
( ゚ω゚)「!?」
よく見ると、その女は美人だった。芸能人で言うと香椎由宇に似ていた。
ブーンはときめいた。しかし、言った。
( ^ω^)「すいません。アニメを見なきゃいけないので失礼しますお」
川 ゚ -゚)「待ってくれー」
そして、ブーンは駅を目指して走った。
27 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 17:33:32.41 ID:MYV0IQPB0
駅に着いたとき、時間は十一時五十九分だった。
ブーンは定期券を駅員に見せながら、自動改札をハードルのように飛び越えた。
(;゚ω゚)「うおおおおおおおお!!」
ブーンは階段を駆け上がり、ホームに着いた。
しかし、終電は無情にも行ってしまった。
29 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 17:35:29.08 ID:MYV0IQPB0
( ;ω;)「ちくしょう! ちくしょう!!」
ブーンは泣いた。自分の力の無さに泣いた。
自分はアニメ一つ見る力も無いのかと、ただただ泣いた。
( ;ω;)「こうなったらタクシーだお!」
ブーンは財布の中身を見た。
10円しかなかった。
30 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 17:38:00.37 ID:MYV0IQPB0
( ;ω;)「どうしよう……どうしよう!」
ブーンは駅のホームでうなだれ、泣いた。
すると、線路の向こう側に光が見えた。
( ;ω;)「貨物列車だお!」
猛スピードでホームに迫ってくる貨物列車。
気がつくと、ブーンはそれに飛びついていた。
33 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 17:42:11.09 ID:MYV0IQPB0
( ^ω^)「おっおっお。これは速いお」
貨物列車は猛スピードで止まることなく各駅を通過していく。
やがて、ブーンの家の最寄の駅が見えた。
ブーンはそのホームに向けて飛び降りた。
( ゚ω゚)「うおおおおおおおおおお!!」
ブーンは駅のホームに着地した。
体操選手もびっくりの三回転宙返りに一回ひねりを加えた見事な着地だった。
その光景を目撃した駅員は、ただ『10点満点』と叫ぶことしか出来なかった。
34 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 17:45:12.35 ID:MYV0IQPB0
駅の時計を見ると、時刻は一時となっていた。
( ^ω^)「これは余裕だお」
家までは駅から20分。これでアニメが見れる。
ブーンは改札を抜け、自転車に乗った。
その途中だった。
('A`)「ぐわー」
男の叫び声が聞こえた。
37 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 17:48:10.16 ID:MYV0IQPB0
( ゚ω゚)「どうしたんですかお!?」
ブーンがその声のもとへと駆け寄ると、
スーツを着たガリガリの男が、ネオンでキラキラの立て看板に潰されてうめいていた。
( ゚ω゚)「大丈夫ですかお!? お怪我はありませんかお!?」
ブーンは立て看板をどけて男を助けてあげた。
('A`)「いやいや、この看板重くてね。自分の力だけじゃ持ち上がらなかったんだ。
あなたのおかげで助かった。本当にありがとうございます」
男はそう言って丁寧にお辞儀をした。
38 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 17:52:13.51 ID:MYV0IQPB0
( ^ω^)「それはよかった。怪我が無くてよかったお」
('A`)「あなたはいい人だ。ぜひお礼がしたい」
男は看板を指差して言った。
('A`)「実は私、この店のオーナーなんです。
どうですか? 私の店で遊んでいきませんか? 無料サービスさせていただきます」
その看板には
『ファッションヘルス・松井秀樹 〜今夜、あなたのチンポでホームラン〜 』
と書かれていた。
40 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 17:58:13.27 ID:MYV0IQPB0
('∀`)「いかがですか? 店で一番いい娘を無料でサービスさせていただきますよ?」
( ^ω^)「……」
ブーンは彼女いない暦=年齢=童貞。
つまり、チェリーボーイだ。
('∀`)「しかも、あなたは私を助けてくれましたから、本番だってOKです!」
男はニヤニヤと笑いながら言う。
ブーンは言った。
( ^ω^)「申し出は大変ありがたいのですが、アニメ見なきゃいけないので失礼します」
('A`)「そんなバカな!」
ブーンはその場を後にした。
41 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 18:03:03.54 ID:MYV0IQPB0
自転車に乗り、ブーンは快調に夜の町を進む。
すると、警官に声をかけられた。
( ´∀`)「すみません。ちょっと自転車の防犯登録番号を確認させてください」
(;^ω^)「……はぁ」
ブーンはしぶしぶ自転車を降りる。
警官のチェックが終わったのは一時二十分だった。
( ´∀`)「ご協力ありがとうございましたー」
( ^ω^)「いえいえ、ご苦労様ですお
(ちっ……無駄な時間をくったお。国家の犬め、死ねばいいのに)」
ブーンはその場を後にした。
43 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 18:06:35.52 ID:MYV0IQPB0
さらにブーンは自転車で夜の道を進む。
すると、道の真ん中で女が横たわっていた。
(;゚ω゚)「だ……大丈夫ですかお!?」
ξ゚听)ξ「うーん……きもちわるい……」
女は寝ゲロを吐いていた。
しかし、よく見るその女はブーンの初恋の相手だった。
46 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 18:10:40.43 ID:MYV0IQPB0
ブーンの淡い青春の思い出がよみがえる。
中学生の頃、ブーンは彼女を体育館裏に呼び出した。
ξ゚听)ξ「どうしたの? 内藤君」
(;^ω^)「ツンさん……僕は……僕はあなたが好きですお! 付き合ってください!!」
ξ゚听)ξ「絶対にいや」
( ^ω^)「参ったねこりゃ」
こうしてブーンはフラれた。
49 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 18:18:34.70 ID:MYV0IQPB0
その彼女が、道端で寝ゲロしていた。
ブーンは彼女を抱き起こした。
( ^ω^)「ツンさん。起きるお」
ξ゚听)ξ「あなた……内藤君じゃない」
( ^ω^)「大丈夫かお?立てるかお?」
ξ*゚听)ξ「(こいつ……こんなにかっこよくなってたんだ……中学生の頃はあんなにガキだったのに)」
( ^ω^)「ん?どうしたお?僕の顔に何かついているかお?」
ξ*゚听)ξ「い、いや、それより……立てない……かな?」
( ^ω^)「それは大変だお。タクシー呼ぶかお?」
ξ*゚听)ξ「い、いや、どうせなら……あそこに行きたいな……」
ツンが指差したのはラブホテルだった。
51 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 18:24:55.60 ID:MYV0IQPB0
ξ*゚听)ξ「もし内藤君がいやじゃないなら…一緒に…どうかな?」
( ^ω^)「……」
ツンは自分の美貌に自信を持っていた。ふられたことなど無かった。
ブーンもいただきますできると確信した上でのお誘いだった。
ブーンは言った。
( ^ω^)「悪いけど、アニメ見なきゃいけないから失礼するお」
ξ゚听)ξ「なんてこったい」
ブーンはその場を後にした。
58 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 18:31:38.78 ID:MYV0IQPB0
三度自転車に乗って、ブーンは夜道を進む。
時計を見ると、一時三十分だった。
( ^ω^)「あの三次元メス豚肉便器のせいで時間をくってしまったお」
三次元女のバカさを嘆き、
改めて二次元萌え妹の素晴らしさを噛みしめながらにこやかに進んでいると、
道の先に何かが落ちていた。
それを拾ってみた。財布だった。
( ^ω^)「落とした人は困っているはずだお。警察に届けるお」
最寄の交番にたどり着いたブーン。
( ^ω^)「財布落ちてましたお」
( ´∀`)「これはこれは。わざわざすみません」
さっきの警官だった。
( ^ω^)「うわ。またお前かよ」
( ´∀`)「ごめんなさい」
64 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 18:35:04.49 ID:MYV0IQPB0
( ´∀`)「それでは財布をお預かりします。お手数ですが、この書類に記入をお願いします」
(;^ω^)「……はぁ」
ブーンはすばやく記入を終えた。
時刻は一時三十五分だった。
( ^ω^)「それじゃ、これで失礼しますお」
( ´∀`)「わざわざすみませんでした。ご協力感謝します」
そういって立ち去ろうとしたときだった。
交番に一人の老人がやってきた。
66 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 18:40:53.02 ID:MYV0IQPB0
/ ,' 3「すみません。財布を落としたのですが」
( ´∀`)「あ。もしかしてこれですか?」
警官はブーンが拾った財布を老人に見せた。
老人はほっと胸をなでおろしながら言う。
/ ,' 3「それです!いや助かった。
この中には上限額1億円のゴールドクレジットカードが入っているのです。
見つからなかったら大変なことになるところでした。あなたが拾ってくれたのですか?」
( ^ω^)「はい。そうです。見つかってよかったですねクソジジイ。それでは僕は失礼します」
/ ,' 3「ちょっと待ってください。ぜひお礼がしたい。
現金は無いので、こちらの小切手に好きな金額を書いてくださいませんか?」
そう言って、老人は胸の内ポケットから小切手を取り出した。
68 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 18:44:32.39 ID:MYV0IQPB0
(;゚ω゚)「……」
ブーンは小切手を前にあせった。
アニメまであと二十五分しかないのだ。
いまは小切手よりアニメが先決だ。ブーンは言った。
( ^ω^)「お礼なんて結構です。僕は人として当たり前のことをしただけですから」
そして、ブーンは交番を立ち去ろうとした。
その手を、老人が握り締める。
71 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 18:51:18.62 ID:MYV0IQPB0
/ ,' 3「気に入った!君を是非、私の孫娘の婿にしたい!
私はあの荒巻インダストリーの社長だ。どうだい?悪い話じゃないだろう?」
( ´∀`)「荒巻インダストリー!?あのすごい企業の社長さんなのですか?」
警官がびっくりして腰を抜かしてしまった。
しかし、ブーンは『素敵☆お兄たま』に出てくる四人の妹たちのことで頭が一杯だった。
ブーンは言う。
( ^ω^)「申し出は大変ありがたいのですが、
僕には心に決めた四人の妹がいるんですお。すみませんが失礼します」
/ ,' 3「そうか……残念だ」
( ´∀`)「なら僕が婿になります」
/ ,' 3「わかった」
ブーンは交番を後にした。
74 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 18:59:48.65 ID:MYV0IQPB0
ブーンは夜の道を行く。
時刻は一時四十分になっていた。
( ^ω^)「あのクソジジイのせいで偉い目にあったお」
すると、目の前の電柱の隅で幼女が泣いていた。
('e')「えーん。ママー」
( ^ω^)「どうしたんだお?不細工なお嬢ちゃん?」
('e')「ママとはぐれたよー」
( ^ω^)「それはいけないお。こんなところに深夜にいたら、
悪い韓国人に襲われちゃうからおじさんといいところに行こうね」
ブーンは幼女を連れて歩き出した。
75 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 19:05:09.96 ID:MYV0IQPB0
ブーンが幼女を連れて歩いていたら、後ろから声をかけられた。
( ´∀`)「おい、ちょっと君」
( ^ω^)「はい、なんでしょうか?」
( ´∀`)「うわ。またお前かよ」
( ^ω^)「ごめんなさい」
ブーンと幼女は交番に連れて行かれた。
時計は一時四十五分を指している。
( ´∀`)「で、こんな深夜に幼女と何してたの?うらやましいから逮捕する」
( ^ω^)「勘弁してくれよとっつぁ〜ん」
そのとき、交番に一人の女がやってきた。
79 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 19:10:58.57 ID:MYV0IQPB0
从'ー'从「すみません……迷子を捜しているのですが……」
('e')「ママー」
从'ー'从「セントジョーンズちゃん!よかった無事だったのね!」
母子は感動の対面を果たした。
从'ー'从「あなたが見つけてくれたのですか?」
( ^ω^)「はい。決していやらしいことをしようだなんてかけらも思っていませんでしたお」
( ´∀`)「うっそだー」
( ^ω^)「えへー。ばれた?」
( ´∀`)「ばればれだよー。警察に言いつけるぞー?」
( ^ω^)「警察はお前だろうが」
83 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 19:17:06.27 ID:MYV0IQPB0
从'ー'从「本当にありがとうございます!」
( ^ω^)「いえいえ。本当に気にしないでください。それでは私はこれで」
从'ー'从「待ってください!」
すると、奥さんは服を脱いで全裸になった。
从'ー'从「私にはこんなことしか出来ませんが……お礼に私を抱いてください!」
( ^ω^)「……」
ブーンは時計を見た。一時四十八分だった。
ブーンは全裸の人妻をみて、言った。
( ^ω^)「申し訳ないのですが、アニメがもうすぐ始まるので失礼しますお」
( ´∀`)「そのかわり、僕があなたをいただきます」
从'ー'从「あ〜れ〜」
ブーンは交番を後にした。
89 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 19:21:50.23 ID:MYV0IQPB0
アニメが始まるまで時間が無い。
しかし、家まであと二分だ。余裕だ。
ブーンは家のすぐ前のコンビニに寄って、
ぺヤングソース焼きそば大盛りとキムチおにぎりを買おうとした。
すると、コンビニに叫び声が響き渡った。
<ヽ`∀´>「金を出す二ダー!」
また韓国人だった。
92 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 19:27:10.46 ID:MYV0IQPB0
(´・ω・`)「ああん?てめぇ、誰に向かってそんなこと言ってんの?」
コンビニの店員は筋肉ムキムキの大男だった。
店員は服を脱いで、豊満なバストをピクピクさせると、
幽門果敢に韓国人へと立ち向かっていった。
(´・ω・`)「死ねやこら!」
<ヽ`∀´>「バキューン」
(´・ω・`)「ぐわー。銃を持っているなんて想定の範囲外だったー」
コンビニ店員は死んでしまった。
94 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 19:34:08.92 ID:MYV0IQPB0
<ヽ`∀´>「ホルホルホルwwwwこれでコンビニの金はウリのものだ二ダーwwww
この店にいる客は口封じに殺す二ダー。覚悟する二ダー」
(;゚ω゚)「クソ! とんでもないところに出くわしてしまったお!!」
ブーンはコンビニの時計を見た。
一時五十三分。これはやばい。このままではアニメの時間に間に合わない。
ブーンは手にしていたキムチおにぎりを目の前に掲げると、韓国人に向けて突進した。
( ゚ω゚)「うおおおおおおおおおおおおおお!」
<;ヽ`∀´>「しまった!キムチは撃てないニダ!!」
韓国人はキムチを前に銃の引き金を引くのを躊躇してしまった。
ブーンは韓国人の股間に強烈な頭突きをかました。
こうして無事ブーンは三人目の韓国人を倒すことに成功した。
96 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 19:39:44.32 ID:MYV0IQPB0
そのときだった。店の自動ドアをぶち破って、警官が入ってきた。
( ´∀`)「コンビニ強盗め!私が来たからにはもう覚悟しなさい!!」
( ^ω^)「またお前かよ。もういいよ」
( ´∀`)「うわ。お前いたのかよ。最悪」
警官は床に悶絶する韓国人に手錠をかける。
そして、ブーンに言う。
( ´∀`)「悪いけど、事情聴取に付き合ってもらいます」
( ^ω^)「そりゃないぜとっつぁ〜ん。あと5分でアニメ始まるんだお」
( ´∀`)「なら、このコンビニ強盗は僕がやっつけたことにしていい?」
( ^ω^)「うん。いいよ」
( ´∀`)「やったー」
ブーンはコンビニを後にした。
99 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 19:45:31.31 ID:MYV0IQPB0
そして、ブーンは急いだ。
アパートの駐輪場に自転車を止め、鍵をかける。
時間は一時五十八分。
( ゚ω゚)「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
ブーンは階段を駆け上がり、部屋の前に着いた。
カバンから鍵を取り出す。慌てすぎて落としてしまった。
それを拾っているうちに、時計は一時五十九分を指す。
(;゚ω゚)「はやく開けなきゃ!はやく開けなきゃ!!」
時計の針はちゃくちゃくと進む。
扉が開いた。時計は一時五十九分四十秒を指す。
リモコンを拾い、電源を入れる。
( ゚ω゚)「うおおおおおおおおお!スイッチオ――――ン!!」
テレビのブラウン管に、明かりがともった。
102 名前:( ^ω^)はお家に帰りたいようです[] 投稿日:2007/05/04(金) 19:50:49.88 ID:MYV0IQPB0
テレビ『それでは、ニュースをお送りします』
(;^ω^)「……はい?」
時計は確かに二時丁度を指している。
それなのに、テレビはなぜかニュースをやっている。
チャンネルを確認したが、間違いは無い。
(;^ω^)「どういうことだお?」
しばらく呆然とテレビの前に立ちすくむブーン。
すると、テレビ画面の上部にテロップが走った。
テロップ『本日は野球中継の延長のため、三十分番組を繰り下げてお送りしています』
( ^ω^)「……」
ブーンは冷蔵庫からビールを取り出して、テレビの前に再び座る。
そして、言った。
( ^ω^)「こういう日もある」
こうして三十分後、無事ブーンは番組を見ることが出来た。
おわり
http://wwwww.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1178263496/