( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`) 〜( ^ω^)ブーンの世界では雪が武器なようです〜

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15 名前:愛のVIP戦士[sage] 投稿日:2007/02/27(火) 15:55:19.44 ID:Qf3JZg/R0





空から落ちてきた水の結晶で、そのような現象が発生しているときの天気、地上に積もった堆積物をも指す。
現象のみを表す場合は『降雪』、地表面に雪が堆積している状態やその雪を『積雪』という。


雪師

未だ解明の進まぬ人種たち。
見かけも、内包している臓器も人間と変わらぬものであるものの、一つだけ異なる部分がある。
原理は不明だが、雪を自らの思うままの形を作ることができるという。
古代において、彼らの軍事転用が図られたが、詳細は不明。



16 名前:愛のVIP戦士[sage] 投稿日:2007/02/27(火) 15:58:07.28 ID:Qf3JZg/R0

雲すら見当たらない澄み切った空の下

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ブーンと呼ばれる少年、内藤は友達であるドクオと共にVIP学園へ通っていた。

内藤の心は躍っていた。一面を染める白の冷気によってである。
昨日から降り続いた雪は、背の高い草までも飲み込み、辺りを停滞の冷気に包んでいた。

もしあなたがこの場所を歩くことができたとしたら、一歩踏み出した瞬間に膝まで雪に食われる。
その程度だと思っていただければいい。

南国で暮らす人間達には、もはや苦痛としてしか捉えることができない冷気でも、彼にとっては体を動かす燃料となりえた。

それは、横を歩くドクオも同様である。
さくさくと靴裏を雪にめり込ませ、コンクリートの路面を歩くのと変わらぬ速さで歩いていく。
彼の心もまた躍っていた。肌を刺す冷気は、脳に歓喜を呼び起こす感情として伝えられる。

寒さのほかにも、雪に囲まれていることで、子宮中のような胎児のような心持になる。
不思議と安らいでいた。

彼らが学園へと足を運ぶのは、この時期にこの地方で行われる行事のためであった。


19 名前:愛のVIP戦士[sage] 投稿日:2007/02/27(火) 16:16:25.90 ID:Qf3JZg/R0

スノーウォーズ。
遠い昔の雪師と呼ばれる者たちが行っていた、戦いの模倣。
昔には白を真紅に染めることも珍しくは無かったようだが、今は違う。

ルールは単純。
互いに壁と呼ばれる雪の塔に隠れながら、手に持つ雪玉をぶつけあう。
一度でもぶつけられた雪玉は、体に張り付いた雪が雪を呼び、あっという間に雪に埋もれてしまう。
どちらかのの兵が全滅するまで続けられるという、至極簡単なものであった。

日本という国にも似たようなものがあるというが、詳細は分からない。


( ^ω^)「やっと学園だお!今日は楽しみだお!」

('∀`)「スノーウォーズは雪師の楽しみだからな」

雪師の末裔が、門をくぐり抜けた。



校庭にはすでに、百を越す人であふれていた。
白銀の中、人々は各々、誰に言われるでもなく、雪の塔を作ったり、せっせと雪玉を固めたりしている。

指先が触れるたび塔が立ち、手のひらで包むたび、雪玉が生まれるその光景は、知らぬものが見たら肝を潰すだろう。
もっとも、光景を手に取ろうと、一歩踏み出した瞬間に、腰まで埋もれてしまうほどの雪があることは、人間には分からない。


20 名前:愛のVIP戦士[sage] 投稿日:2007/02/27(火) 16:29:29.61 ID:Qf3JZg/R0

雪が彼らを受け入れるのだ。
不可思議というより、神秘だとも言っていい。

( ^ω^)「あ、ツンだお。おいすー」
雪に足跡を付けることなく、赤いマフラーをした少女に近寄っていく。
頬を紅に染めた少女は、ブーンの姿を確認するや否や、頬を膨らませて怒り出した。

ξ#゚听)ξ「遅い!十分と二十三秒の遅刻よ!マフラーだって取りに行ってないんでしょ!」
そういうと少女は、赤いマフラーをポケットから取り出し、ブーンの目の前で忙しなく振る。

ξ////)ξ「べ・・・別にブーンの・・・あんたのために取ってきたわけじゃないんだからね!」
耳までも朱に染め、少女は強く言い放つ。まるで羞恥の心を押さえつけようとでもするかのように。

それが恋愛感情の表面であることは、周知の事実である。
むしろ、分からないものなどいるのであろうか。

( ^ω^)「おっおっおっ。ありがとうお」
軽い感謝の言葉をかけ、何を思うでもなく少女の好意を受け取った。
分かっていないものが、ここに居た。

('A`)「ツン、俺のは?」

ξ゚听)ξ「知らない。取ってくれば?」
炎と氷が入れ替わる。
肩を落としたドクオに、後ろから抱きしめるものが居た。


23 名前:愛のVIP戦士[sage] 投稿日:2007/02/27(火) 16:39:17.14 ID:Qf3JZg/R0

川 ゚ -゚)「君のマフラーなら私が確保してある。白色のマフラーをな」
そう言うと、まるでそこに収まるのが当然とでも言わんばかりの動作で、ドクオの首にマフラーをかける。
豊かな乳房が、服の上からでも分かるほど、ドクオの背中で形を変える。
年齢に相応しくない大きさのものであった。

(;'A`)「そんなにくっつくなよ・・・クー・・・」
嫌悪の念ではなく、体裁を守る理性からの言葉が放たれる。
何かを隠そうとするかのように、前かがみになりながら、同じほどの背丈の少女から離れる。
彼も男の端くれであった。情念が湧かぬはずが無い。

川 ゚ -゚)「性欲が湧いたのか?遠慮せずに私に言うといい。一度も使ってないが、君を受け入れるくらいはできるぞ」
豊かな黒髪をふりながら、少女が平然といい放つ。
周りに居るものが、何故か自らを恥じるような声の音を持っていた。

ξ;゚听)ξ「そこのバカップルたち、そろそろ始まるわよ」
その声を皮切りに、ブーンとツン、ドクオとクーは、マフラーの色が表したチームに分かれていく。



雪の音を聞きながら、開始の合図を待つ。
白銀の音色が、空をも支配し、辺りに降り注ぐ。
太陽が雪を焼き、下の子供達が、表面をゆっくりと凍らせていった。

ブーンがごくりと唾を飲み込んだとき、雪大砲の轟音が、静寂を取り払う。


スノーウォーズの幕開けだった。


25 名前:愛のVIP戦士[sage] 投稿日:2007/02/27(火) 16:51:21.71 ID:Qf3JZg/R0

血の踊る叫び声が、静寂に取って代わり辺りを支配する。
女も男も、老人も子供も、関係なく皆声を出す。

太古からの本能が、そうさせるのであろうか。
それとも、雪の子宮から生まれるときの産声だろうか。

ただ一つ分かっているのは、皆が笑顔だということだった。

(#^ω^)「一人!二人!そこだお!」
歴代の猛将すらも寒気を覚える勢いが、ブーンの体から放たれていた。
彼より身長の高い大人たちが、的確に胸にぶつけられリタイアしていく様は、爽快感を覚える。

ξ;゚听)ξ「あれほどいた大人たちが・・・・・・もう八人も・・・・・・」
雪の塔を断ち割り、的確に雪玉で射抜くブーンが、鬼神に見えるほどの迫力であった。


だが、対する白組も負けてはいない。


26 名前:愛のVIP戦士[sage] 投稿日:2007/02/27(火) 16:52:13.84 ID:Qf3JZg/R0

川#゚ -゚)「遅い!そんな動きで、私を仕留められると思うな!」

('A`)「もうちょっと楽しもうよ・・・・・・」
頼りない男と、悪鬼のような女のコンビは、釣り合わぬかと思われていたが、彼らの戦いぶりを見ていれば、そうでもないことが分かるだろう。

クーが両抱えもある雪玉を勢いよく敵の中心に放り投げる。
それに対して、周りの敵を、ドクオが静かに討ち取っていくのである。

そればかりではない。女の雪玉が底を付くと、的確なタイミングで男が雪玉を作り上げている。
女はそれを持ち、さらに敵を打ち倒していくのだ。

裏方に徹する男と、表に立ち、敵に向かっていく女。
まるで、生まれてきたときから一つであったとでも言わんばかりの動きであった。


27 名前:愛のVIP戦士[sage] 投稿日:2007/02/27(火) 17:05:47.50 ID:Qf3JZg/R0

立ち上る炎気のような少年ブーンと、触れただけで皮膚をこそげ取るような冷たさを持つ少女クーが、出会った。
ここに来るまでにお互い二十人ほど打ち倒してきた。
準備運動は十分といわんばかりの湯気を、お互い体のてっぺんから立ち上らせている。

連射するかのように息を吐く。白い息は、お互いの間の空気をより強い熱気で囲んでいった。
だれも立ち入らせぬ熱気であった。

その中に存在しているのは、ブーンとツン、クーとドクオの四人だけである。
四人の手の中で、力を感じてか、雪玉が軽く歪んだ。


( ^ω^)「一昨年はブーンの勝ち。去年はクーの勝ち。今年こそはブーンが勝たせてもらうお」

川 ゚ -゚)「今年も私が勝つ。君が勝つことは無いと思ってもらおう」

ξ;゚听)ξ「去年薄ら笑いの顔に雪玉を埋めこまれたくせに・・・・・・」

(;'A`)「一昨年鼻に雪玉ぶち当てられて、雪の中を泣きじゃくってたやつがよくそんな台詞を・・・・・・」
お互いのライバルと、己のペアにそれぞれ言い放つと、さっと雪玉を構える。

ブーンは両手に持った軽量の雪玉を、クーは一抱えもある雪玉を頭上に掲げた。

相棒は、雪の塔に隠れ、パートナーを援護する用意をしているようだ。

ツンは小型の雪玉を数珠繋ぎにし、ドクオは大玉をやすやすと積み上げていく。


ξ#゚听)ξ( #^ω^)川#゚ -゚)(#'A`)「「「「行くぞっっっっ!!!!!!!!」」」」
雪が爆ぜた。


28 名前:愛のVIP戦士[sage] 投稿日:2007/02/27(火) 17:12:58.80 ID:Qf3JZg/R0

始まりの合図とばかりに、クーが雪玉を振り下ろす。
ブーンは後ろに跳び雪玉をやり過ごすと、交互に腕を振り、雪玉で空気を貫く。
雪玉は、クーが居た場所を所在なさげに漂い落ちた。

両者の手から雪玉が離れた時点で、パートナーからそれぞれの雪玉が投げられる。
ツンは雪玉を二個放り、ドクオは雪玉を抱え、先ほど居たと思わしきところより、やや右側に投げる。
完璧なタイミングで、雪玉が補充された。


この間、約一秒ほどである。


大して怯みもせず、むしろこの程度で終わってはつまらないとばかりに、二人の表情に不敵な笑みがこびり付く。

ブーンが足元の雪を思い切り蹴り上げる。粉末となった雪は、クーへと真っ直ぐ降り注いだ。

川#゚ -゚)「手から投げられた雪じゃなければ無効ということを忘れたか。ブーン!!」
雪玉を落とし、手を交差させて粉塵へと突っ込んでいく。
煙幕を抜ける寸前に、腕を振り下ろし中ほどの雪玉を作り出す。
重さが頼りなげだが、急ごしらえだと己を納得させる。

煙を後ろに引き、クーが白銀の目隠しを抜ける。それと同時に雪玉を投げようとした。


30 名前:愛のVIP戦士[sage] 投稿日:2007/02/27(火) 17:25:00.07 ID:Qf3JZg/R0

川;゚ -゚)「い・・・・・・居ない?」

(;'A`)「クー、左だ!」
煙幕に隠れていたのではない。視界を奪い、おおよそ予想の付かぬ場所まで移動できればよかったのだ。


説明をすれば、ブーンは雪を蹴り上げたと同時にもう片方の足で己の体を跳ね上げていただけなのだが。

( ^ω^)「おいすー」
クーの反応が体を動かす前に、ブーンが遠慮なく雪玉を放つ。一昨年と同じ、鼻へのコースだ。
ブーンが直撃を確信し、高笑いをあげようとしたときだった。

目の前を、巨大な質量の雪が埋め尽くす。
瞬間にしてそびえ立ったそれは、雪の体温を、風に乗せて振りまいた。

( ;^ω^)「おっおっ・・・・・・おっ?」

川 ゚ -゚)「塔を作って防ぐくらい、分からなかったわけではあるまい?」
そう言いながら、雪の塔に掌を合わせる。体温に抵抗するかのように、塔が震えだした。


33 名前:愛のVIP戦士[sage] 投稿日:2007/02/27(火) 17:34:59.88 ID:Qf3JZg/R0

川 ゚ー゚)「手から放たれればいいんだ。君も蹴り上げるんじゃなくて、殴るんだったな」
クーが軽く塔を押すと、次の瞬間、塔は無数の雪玉の破片となって四散していた。
散弾のような勢いを持つそれは、地面を穿ち、周りの塔に深々と食い込んだ。
ついでに、他の参加者もいくらか吹き飛ばす。

塔が弾けると同時にクーが駆け出す。ヒントは与えてあるのだ。行わないわけがあるまい。


もうもうと立ち上る白煙が晴れたとき、それは姿を現した。
先ほどクーが行った行動を繰り返したわけである。すなわち、雪の塔を作り出すということを。

間髪いれずに雪の塔に触れる。掌から、雪の鼓動が伝わった気がした。

川 ゚ー゚)「とどめ!!」
雪を封じたかのような純白の指が、塔に吸い込まれていった。
二度目の爆発が、辺りに響く――


――はずだった。雪の冷たさを指先に感じた瞬間に、すでに塔は形を成していなかった。


34 名前:愛のVIP戦士[sage] 投稿日:2007/02/27(火) 17:46:11.52 ID:Qf3JZg/R0

( ^ω^)「雪師は雪で形を作れるんだお。そして、それを壊すこともできるんだお」
クーの指先を、粉雪が舞い落ちていく。

( ^ω^)「氷が熱くなっちゃ駄目だお」
ブーンは、手に持つ雪玉をクーの鼻先に貼り付けてやる。
鼻腔の中を、雪の持つ冷ややかな香りが満たしていった。

川;゚ -゚)「え・・・・・・?」

( ^ω^)「クーの負けだお」

川 ; -;)「あ・・・・・・うわああああぁぁぁぁぁん!!!!」
瞬く間に、クーが雪へと包み込まれていく。それを見て、ブーンは満足そうに頷いた。



まだまだスノーウォーズは続く。
かつて白銀を真紅に染めた彼らから、このような遊びが生まれるとは、誰が思っていたであろうか。
今は忌み嫌われているものでも、将来は喜びの感情を生み出す土壌に変じているかもしれない。
そう思いたい。

雪の中無邪気に駆け回り笑う人々を、空を光で包む太陽だけが見守っていた。


35 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/27(火) 17:51:52.48 ID:Qf3JZg/R0
おーしまいっと!

というわけで終りです。
どろどろのバトルものを期待していた人申し訳ないです。
蝋燭、樹海ときて明るいものを書いてみたくなりました。


('∀`)<終わったー

『ブーンも塔を爆発させればよかったんじゃね?』

('A`)

終り


45 名前:愛のVIP戦士[sage] 投稿日:2007/02/27(火) 18:36:29.21 ID:Qf3JZg/R0
  |l、{   j} /,,ィ//|     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ     | あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
  |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |     < 『おれはスレを乗っ取ったと思ったら、
  fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人.    |  いつのまにか>>1になっていた』
 ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ   | な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
  ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉.   | おれも何を見たのかわからなかった…
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