( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`) 〜( ^ω^)が空を行くようです 第十四話 「CAUSION」〜

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4 名前:VIP村人y[sage] 投稿日:2006/12/05(火) 02:04:51.94 ID:8LHSoyTZ0
第十四話 「CAUSION」

(;^ω^)「ちょwww今日中に『VIP』に戻れだなんて不可能ですお!!」
/ ,' 3「ツベコベ言わずに、お前は黙って運転に集中せんかい!!」

行きの飛行とは打って変わって協力的になった荒巻。
そんな彼にせかされて
ブーンは二日がかりでたどった道のりを一日で戻らされる羽目になっていた。
いったい、ぐうたらジジイのこの豹変振りはどういうことなんだろう?
そんなことを考えながらも、ブーンは「VIP」への道のりをただただ急いだ。

5 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/05(火) 02:05:51.91 ID:8LHSoyTZ0

やがて東の空が茜色に染まる夜明けが来て、
ようやく少年の目の前に、見慣れた艦影が朝日に照らされて姿を現すのが見えた。
その甲板に向けて、二人を乗せた飛行機械は矢のように飛び込んでいく。
  _
( ゚∀●)「……こんな朝っぱらに帰ってくるなんて聞いてねぇぞ?」

ぼやきながらも、キッチリと着艦時の整備班の仕事をこなすジョルジュ。
そんな彼に向かって、着艦した荒巻は大声を上げて叫んだ。

/ ,' 3「艦長と副艦長をたたき起こして来い!今すぐじゃ!!」

6 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/05(火) 02:07:23.89 ID:8LHSoyTZ0


(´・ω・`)「ぶち殺すぞ?こんな朝早くに起こしやがって……」

パジャマ姿のまま、半分眠っている様子で甲板に姿を現したショボン艦長。
その隣には、いつものようにスーツとネクタイでビシッと決めたミルナ副艦長の姿。
ミルナは朝に弱い艦長の変わりに荒巻に尋ねる。

( ゚д゚ )「遺跡で何があった?」
/ ,' 3「『エデン』の地図の在り処がわかった」
  _
( ゚∀●) ( ゚д゚ ) (´・ω・`)「「「!!」」」

その言葉に、一気に眼が覚めた様子のショボン。
待っていましたと言わんばかりの表情のジョルジュ。
そんな二人に視線を配りながら、荒巻は続けた。

/ ,' 3「どうやらそれはブーンとお嬢ちゃんの家にあるようなんじゃ」


7 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/05(火) 02:08:35.85 ID:8LHSoyTZ0

その言葉に、周囲の視線がブーンに集まる。

( ゚д゚ )「スロウライダー……なぜそれがお前の家に?」
(;^ω^)「お……父ちゃんたちが残した写真の中にあったんだお。
     ……だけど、黙っていたわけじゃないんだお!!
     まさかそれが『エデン』の地図だなんて思わなかったんだお……」

誰も聞いていないのに弁解を繰り広げるブーン。
そんな彼の言葉をさえぎって、荒巻は話を続ける。

/ ,' 3「じゃがのぅ、悪いことにそれを『黄豹』と『ネコ耳』に聞かれたようじゃ」
  _
(#゚∀●) ( ゚д゚ ) (´・ω・`)「「「!!」」」

8 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/05(火) 02:10:00.38 ID:8LHSoyTZ0

一瞬にして表情を変えた三人。
ミルナはすぐさま艦内の通信機の傍に駆け寄ると、それに向かって大声を上げた。

( ゚д゚ )「総員、緊急事態宣言!
    至急『ニューソク国』の『ツダンニ』へと進路を取れ!!」

ミルナの大声に艦内があわただしく動きだす。
ショボンとミルナは小走りで、そして荒巻は転がりながらブリッジへと向かっていく。
そんな喧騒の中、ただ一人甲板に残ってうつむいているジョルジュに向かってブーンは尋ねる。

(;^ω^)「長岡さん……緊急事態ってどういうことなんだお?」

その言葉に顔を上げたジョルジュの表情に、ブーンは思わず後ずさる。
  _
(#゚∀●)「わりぃ……他の奴に聞いてくれ」

そう呟いてどこかへ消えていくジョルジュの表情は、
いつもの彼からはとても考えられないような凶悪な顔をしていた。

9 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/05(火) 02:11:51.55 ID:8LHSoyTZ0

数十分後。
ブリッジでは緊急の幹部会が開かれていた。   
艦長のショボンに副艦長のミルナ。
整備長の毒男に副整備長のジョルジュ。
飛行機械部隊隊長のモナーに副隊長のクー。
その他、荒巻や艦内の重要部分を任される者達。
そんなそうそうたるメンバーの中に呼ばれた、
場違いに階級の低い新米パイロットであるブーンとツン。
しばらく二人がブリッジの隅っこで小さくなっていると、副艦長のミルナが口を開いた。

( ゚д゚ ) 「諸君、緊急事態宣言を発令したのは他でもない。
     我々の目標である『エデン』の地図が見つかった」
一同「「「……」」」

そんな朗報にもかかわらず、幹部達はうれしそうな表情を見せない。
彼らの関心は、そんな朗報をも超える緊急事態宣言の方にあった。


10 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/05(火) 02:12:55.05 ID:8LHSoyTZ0

( ゚д゚ )「本来ならばこれは宴会を開くほどに喜ばしい出来事だ。
    しかし、それ以上にマズイことが起こった。荒巻教授……」
/ ,' 3「うむ」

ミルナの言葉に地面に転がっていた荒巻が起き上がる。

/ ,' 3「『エデン』の地図の写しは『ツダンニ』のブーンとお嬢ちゃんの家にある。
   そのためこの艦は現在『ニューソク国』へと向かっているわけじゃが、緊急事態じゃ。
   この話を、同じく遺跡に調査に来ていた『黄豹』と『ネコ耳』に聞かれた」
一同「「「!!」」」

その言葉にあたりが騒然となる。

川 ゚ -゚)「『黄豹』か……メンヘラのラウンジ艦隊が動き出すな」


13 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/05(火) 02:16:02.03 ID:8LHSoyTZ0

呟いたクーの声で、周囲の喧騒が一気に静まりかえる。
室内がしんとした空気に包まれる中、ブーンはおずおずと手を上げた。

( ゚д゚ )「どうした、スロウライダー?」
(;^ω^)「『黄豹』と『ネコ耳』って、ギコさんとしぃさんのことですかお?」
( ゚д゚ )「そうだが?」
  _
(#゚∀●)「てめぇ!!奴らと知り合いなのか!?」

怒鳴り声を上げてブーンをにらみつけるジョルジュ。
そんな彼を、隣に座る毒男が静かに制した。
いつもと明らかに違うジョルジュに怯えながらも、ブーンは続ける。

(;^ω^)「あうあう……
     そ、それより、荒巻さんは話を聞かれたって言ったけど、そんなこと無いんですお!
     僕達が話をしている上空をギコさんたちの飛行機械が飛んで行っただけで……
     エンジン音や飛行音にまぎれて、僕達の話はギコさんたちには聞こえてないはずなんですお!!」

14 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/05(火) 02:17:01.84 ID:8LHSoyTZ0

一見もっともな彼の言葉に、幹部達は一斉にため息をついた。

(;^ω^)「お……なんでみんな呆れているんだお?」
('A`;)「ブーンちゃん……『ネコ耳のしぃ』って名前、聞いたこと無い?」
(;^ω^)「……ないですお」

少年の言葉に、彼の教官であるクーとモナーは再びのため息をつく。

('A`)「いい?『ネコ耳のしぃ』ってね、超人的な聴覚の持ち主なのよ。
   聞こうと思えば、どんな雑音の中の小さな声でも聞き分けられるらしいわ」
(;^ω^)「……」
('A`)「さらに『黄豹』ギコ。
   黄色の飛行機械を華麗に駆るその姿が、
   空を駆ける豹のように見えたことからその名がつけられたわ。
   あたし達のメンバーの中にも、彼に落とされた者が……」

15 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/05(火) 02:18:25.34 ID:8LHSoyTZ0
  _
(#゚∀●)「黙れ!!」

途端、毒男の隣に座るジョルジュがテーブルを叩いて立ち上がった。
そんな彼を悲しそうな顔で見上げて、毒男は続けた。

('A`)「そんな実力者である『黄豹』に聞かれたってことは、
   間違いなく彼は動き出すだろうし、
   あなたの家にある『エデン』の地図を回収することはかなり厳しいことになるわ。
   もちろん、彼の所属するラウンジ艦隊も動き出すでしょうし……」

その言葉を、副艦長のミルナが引き継いだ。

( ゚д゚ )「というわけだ。
    残念だが、スロウライダーにツン、お前達には危険な任務についてもらう。
    これは『ファイブA』どころの騒ぎではないぞ。
    お前達には、おそらく展開しているであろうラウンジ艦隊の包囲網をかいくぐり
    自宅からエデンの地図を回収してもらう」
(;^ω^)ξ;゚听)ξ「「……」」
( ゚д゚ )「彼らの援護役には……」

16 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/05(火) 02:20:01.22 ID:8LHSoyTZ0
  _
(#゚∀●)「俺が行く」

そう叫んで立ち上がったのは眼帯の男、ジョルジュ長岡。
何かに煮えたぎっているような瞳の彼を見て、ミルナは続けた。

( ゚д゚ )「いいだろう。
    あとは毒男、お前達二人に援護役を頼む。
    お前達二人はカーゴに乗ってスロウライダー達とともに二人の家へと潜入し、
    二人が『エデン』の地図を回収する援護をしてくれ」
  _
(#゚∀●) ('A`)「「了解!!」」
( ゚д゚ )「おそらく、ラウンジ艦隊の連中も他国である『ニューソク』の領島内で
    大規模な戦闘行為はしないとは思うが……
    一応、飛行機械部隊はいつでも飛べるように待機していてくれ」
( ´∀`) 川 ゚ -゚)「「了解」」
(´・ω・`)「作戦は以上だよ。総員、全力を尽くしてね」

ショボンの言葉に、幹部達は一斉に立ち上がり敬礼した。
そんな荘厳な雰囲気に、あっけに取られていたブーンとツンもあわてて同じ動作を繰り返した。


17 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/05(火) 02:22:43.86 ID:8LHSoyTZ0

やがて、「VIP」は『ニューソク国』の『ツダンニ』上空へ到達した。
下部甲板では、カーゴ(荷物運搬用の中型の飛行機械)の扉から
顔を出すジョルジュとオカマ、そしていつもの飛行機械に乗ったブーンとツンの姿。
彼らの目の前には、『ツダンニ』の町の様子と、
その上空にそびえ立つ様にして浮かぶラウンジ艦隊の旗艦「ジュウシマツ」の艦影。
  _
( ゚∀●)「妙だな……」

目の前の光景を見つめて呟くジョルジュ。


18 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/05(火) 02:23:05.88 ID:8LHSoyTZ0

('A`;)「……そうね。ラウンジ艦隊の飛行機械の姿が一機も見当たらないわ」

不安げに呟くオカマの視線の先には、
彼らが長年親しんだ、いつもと変わらない静かな『ツダンニ』の空が広がっている。
  _
( ゚∀●)「大方、ブーン達の家がわからないから手の出しようが無いんだろう。
     ……ということは……」
('A`;)「あたしたちが出たら、ラウンジの飛行機械部隊も一気に出てくるでしょうね。
   それもエースクラスの飛行機械が……」

オカマの言葉に眼を細めたジョルジュ長岡。
彼は、カーゴの前に待機するブーンに向かって叫んだ。

21 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/05(火) 02:25:30.03 ID:8LHSoyTZ0
  _
( ゚∀●)「いいか、ブーン!俺達が出たら、奴らは一気に飛行機械で攻めてくるぞ!」
(;^ω^)「おおおおおお、おk!!」
  _
( ゚∀●)「だけど、お前たちはそいつらのことは気にせずに一直線に自宅へと向かえ!
     一瞬でも躊躇したら、即、落とされるものと思えよ!!」
(;^ω^)「うぇうぇうぇうぇ、ウェルチ!!」
  _
( ゚∀●)b「自宅に着陸したらすぐにエデンの地図を取りに走れ!
      俺達もすぐに後を追うから安心しろ!!」
('A`)b「ぶほほほほwwwwwそういうことよブーンちゃん!!」

怯えるブーンの視線の席で、二人は親指を立ててニコッと笑った。
その笑みに安心したブーンの身体から緊張が嘘のように引いていく。
少年は後ろを見た。
後部座席のツンもまったく同じ気持ちのようで、彼女はブーンに向かってコクリと頷いた。

頼れる仲間と幼馴染。

少年は前を向くと、飛行用のゴーグルを下ろして言った。

22 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/05(火) 02:26:22.62 ID:8LHSoyTZ0



( ^ω^)「赤い彗星のアナル、いっきまーす!!」


もはや突っ込むものは誰も無く、
一機の飛行機械とカーゴは、彼らを乗せて『ツダンニ』上空へと飛び立った。

第十四話 おしまい




【関連】
一気読み - プロローグ
第一話 「スロウライダー」 - 第二話 「晴れの空下」 - 第三話 「STROBOLIGHTS」
第四話 「空中レジスター」 - 第五話 「黄色いバカンス」 - 第六話 「Boys on the run」
第七話 「VISTA」 - 第八話 「風に乗る船」 - 第九話 「FEEL」
第十話 「人が夢を見るといふ事」 - 第十一話 「ハレ晴レユカイ」 - 第十二話 「ウグイス」
第十三話 「P M A」 - 第十四話 「CAUSION」 - 第十五話 「修羅場」


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