( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`) 〜('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです 一気読み〜

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1 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 19:10:20.04 ID:tghCsRz10
( ゚∀゚)「アハハハハハハハハハハハハハ!」


校舎の片隅にある『写真部』と扉に掲げられた、暗くて狭い部屋。
写真部とは名ばかりで、全校生徒が何かしらの部活に所属することが
強制されているこの高校では、帰宅部の連中が名前だけ登録するために存在していた。
何時でも、この教室にいるのは机を挟んだ向こうの椅子に座り、
笑いながらクルクル回っているこいつと俺だけだった。


('A`)「いつまで笑ってんだよ! 余計に悲しくなるだろ…」

( ゚∀゚)「だってお前wwwクーさんに告白とか馬鹿だろwww
     エロゲのやりすぎだよwww」


事の発端は今日の朝早く、クラス委員のクーさんと俺しかいない教室でだった。
俺は意を決してクーさんに告白しのだ。そのために今日はこんなに早く来たのだから。


('A`)『クーさん、ちょっといい?』

川 ゚ -゚)『…なんだい?』

('A`)『あの…良かったら…お、俺と付き合ってくださいッ!!』

川 ゚ -゚)『……すまない』


2 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 19:12:47.45 ID:tghCsRz10
( ゚∀゚)「ギャハハハハハハハハハ!」

(#'A`)「ジョルジュ…」

( ゚∀゚)「あぁ、すまねぇなw しかし羨ましくもあるよ、お前の姿勢は。
     駄目だとわかってるのに告白なんか、俺には出来ねェよ。」

('A`)「でもなんで駄目なんだろうな…」

( ゚∀゚)「キモいからだろwww 女と付き合うなんて俺等にゃ無理だよwww」

('A`)「でもよ、なんでDQNは彼女が出来るんだ? 同じぐらいキモいと思うのに。
    ウチのクラスのDQNのアイツなんかさ、ツンさんと付き合ってるんだぜ?」

( ゚∀゚)「……そうだよなぁ、なんでなんだろうなぁ。」



3 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 19:14:46.29 ID:tghCsRz10
椅子を回すのをやめ、机に頭を乗せ初めて俺の目を見て
ニヤニヤしながらジョルジュは言う。


( ゚∀゚)「知りたくないか? あのツンお嬢様と、内藤がなんで付き合ってるのか。
     それによ、あのDQNに彼女がいるのは悔しいよな…」

( ゚∀゚)「俺に彼女が出来るなんて思っちゃいねェが、あのDQNが俺等のもっていないモノを
     もっているのは癪だよな」

それは――

( ゚∀゚)「…出来ればアイツ等別れさせてェな。」

――それは、


     面 白 そ う だ


('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです・前編


6 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 19:17:54.22 ID:tghCsRz10
     *     *     *

ドクオが思った以上に乗り気なのが驚きだった。
アイツはまだ青臭くて色々なことを割り切れていないからな。
クーさんに告白したことだってそうだ。
『告白することに意味がある』なんてことでも思っているのだろうか。
だからこそ、誰かの邪魔をすることにこれほど乗り気なのが驚きだ。
まあコイツもこの底辺ライフをエンジョイするつもりになったのだろうか。


( ゚∀゚)「まずよ、お前アイツと喧嘩して勝てそうか?」

('A`)「どうだろうな。昔柔道やってたけどもうずっとやってないからな。
    でも、1対1ならそう負ける気はしないな。」

( ゚∀゚)「そうか。俺も前は空手やってたからな。アイツが喧嘩慣れしてなきゃ楽勝だな。」

('A`)「喧嘩慣れか……どうなんだろな」

( ゚∀゚)「明日あたり確かめてみるか?」

('A`)「そんなこと出来るのか?」

( ゚∀゚)「まあ、な。」


7 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 19:19:46.59 ID:tghCsRz10
     *     *     *

キーンコーンカーンコーン

翌日、俺とジョルジュは内藤の後をつけ回していた。


('A`)「なかなか1人にならないな…」

( ゚∀゚)「最悪1人にならなくても出来るが、保険を掛けるなら1人の時じゃねぇと。」


内藤が、普段ツルんでいる2人と何時までも一緒にいるせいで、行動を起こせないでいた。


( ^ω^)「おっおっ、次の授業何だっけかお?」

( ФωФ)「たしか現国だっけ? めんどくせぇwww」

( ^ω^)「おっおっ、じゃあ僕はちょっとトイレ言ってくるお。先行っててくれお。」

<ヽ`∀´>「わかったニダー」


9 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 19:22:45.88 ID:tghCsRz10
内藤がトイレに行くためにニダーと杉浦から離れる。


( ゚∀゚)「よっしゃ、行ってくる!」


そう言うと、ジョルジュは内藤に向かって早足で迫って行く。
ぶつかりそうになるのを察してか、内藤が避けようとするが、
ジョルジュが強引に肩をぶつけていった。


(#゚∀゚)「痛ェーな馬鹿野郎! 何処見て歩いてんだ!!」


ジョルジュが内藤の胸倉を掴む。


(;^ω^)「おっ…………」


あまりに急なことに声の出ない内藤から手を離し、
「次ぶつかったらぶっ殺すぞ!」と言って向こうに行ってしまった。


11 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 19:25:46.93 ID:tghCsRz10
( ゚∀゚)「アイツは喧嘩なんてほとんどしたこと無ェな」


ジョルジュを追って走って来た俺に向かって、満足げにそう言った。


('A`)「あれでそんなことわかるのか?」

( ゚∀゚)「まあ、なんとなくだよ。ただ…」

('A`)「ただ?」

( ゚∀゚)「アイツは1人じゃ何も出来ないタイプだろうからな、何かあれば
     アイツ等3人まとめて相手にすることになるな。」

('A`)「3対2か…」

( ゚∀゚)「だけどまあそんなに心配することじゃねェだろ。
     どうせあとの2人もただのヘタレだろう。」

( ゚∀゚)「まあ、膳は急げって言うからな。覚悟決めとけよ。」


そう言うと、ジョルジュはヘラヘラと笑った。


14 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 19:28:45.79 ID:tghCsRz10
その放課後、俺等は普段内藤たちしかいないバスケ部の部室にいた。


( ゚∀゚)「内藤〜、ちょ〜っと用があるんだけどいいかなぁ?」


ジョルジュがおちょくるような口調で、急に入ってきた俺等に驚いている内藤に向かって言った。
そのジョルジュの態度にイラついたのか、今は仲間が一緒にいるので強気なのか、
内藤が俺達に向かって言う。


( ^ω^)「キモオタ共が何だおwwなめてんのかおww」

( ゚∀゚)「そりゃあもう、ペロペロキャンディーかってぐらいなめてるが。」


内藤がジョルジュの胸倉を掴む。


( ^ω^)「なんだおww死にたいのkひでぶッ!!」


言い終わらないうちにジョルジュは内藤の頬を殴りつけ、内藤は情けなく倒れこんだ。


<ヽ`∀´>「お前等なにするニダー!!」

( ФωФ)「ふざけてんじゃねぇぞ!!」


17 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 19:31:46.53 ID:tghCsRz10
ニダーがジョルジュに、杉浦が俺に向かってくる。
3人でいるときだけはまだ度胸があるんだな。
俺は殴りかかろうとする杉浦を投げ飛ばした。


( ФωФ)「痛ぇ!」


倒れた杉浦に馬乗りになって、顔を殴りつける。
4,5回殴った頃にはもう、抵抗する力は感じられなかった。
顔を上げると、ジョルジュが今にも絞め殺しそうな勢いでニダーの首を絞めていた。


<;`∀´>「く、苦しいニダ〜…」


その向こうで、内藤があっけにとられて床にへたり込んでいる。
俺は起き上がって、内藤に詰め寄る。
するとジョルジュはニダーを放し、最後に蹴りを入れてこっちに来た。


(;^ω^)「ななな、なんなんだお!?」

('A`)「いやいや、お前にちょっと頼みたいことがあるだけなんだよ。」

( ゚∀゚)「まあ、断るって言うんならお前はここで死ぬことになるんだけどな。」


24 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 19:34:57.21 ID:tghCsRz10
キーンコーンカーンコーン

次の日、俺等は写真部部室で待っていた。
あのヘタレDQNが約束を果たせば、そろそろキてもいい頃だった。


( ゚∀゚)「まだかよあの野郎。」

('A`)「まさか逃げたんじゃないだろうな?」

( ゚∀゚)「もしそうなら本当にぶっ殺したいな。」


そのとき、扉の向こうから誰かが来たような音がした。


ガチャ

(;^ω^)「つ、連れて来たお…」

ξ゚听)ξ「…失礼します。」


29 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 19:36:45.60 ID:tghCsRz10
     *     *     *

俺が内藤に頼んだのは、ツンさんをこの部屋に連れてくることだった。


('A`)「いらっしゃい、ツンさん。そこの椅子に掛けてもらえるかな?」


ドクオが彼女に部屋の真ん中、俺と机を挟んで向かい合わせの位置にある椅子に座るよう促す。


( ゚∀゚)「さて、内藤君ありがとう。もう行っていいよ。」

(;^ω^)「じゃ、じゃあ僕はもう行くお。」

ξ;゚听)ξ「え、ちょっとブーン!?」


内藤がツンの後ろ、部屋に1つしかない扉から出て行く。
そこを塞ぐようにして椅子を用意し、ドクオが座る。


( ゚∀゚)「さて、ツンさん。急に来てもらってすみませんでしたね。」


改めてツンさんを見る。
ハーフのために透き通るように白い肌、金髪の巻き毛、整った顔立ち、
背は低いがスタイルがよく、やっぱりとてつもなく可愛かった。


33 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 19:39:51.82 ID:tghCsRz10
     *     *     *

俺は後ろからツンさんを見ている。彼女が震えているのがわかる。
急に怪しい男2人におかしな部屋に閉じ込められて、怖くて不安なのだろう。


( ゚∀゚)「今日来てもらったのは、聞きたいことがあるからなんです。」


ジョルジュがあくまで紳士的な口調で言う。それが余計に怖い気がする。


( ゚∀゚)「ツンさんはどうして、内藤君の何処が好きで彼と付き合おうと思ったんですか?」

ξ;゚听)ξ「!? ど、どうしてそんなことを?」

( ゚∀゚)「いや、単に興味があるだけなんです。もしよかったら教えてくれませんか?」



34 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 19:41:47.14 ID:tghCsRz10
ξ;゚听)ξ「……」


ツンさんが不安気に後ろを見る。出来ることなら今すぐ逃げ出したいのだろう。
しかし後ろにいる俺が彼女の味方でないのは明らかであり、
その俺が塞いでいるこの部屋唯一の扉から逃げるのは不可能だった。


( ゚∀゚)「…嫌ならいいんですよ?」


自分の恋愛は誰だって関係の無い人には話したくないだろう。
それでも、このシチュエーションで嫌と言える筈が無かった――――



35 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 19:44:45.61 ID:tghCsRz10
――――

( ゚∀゚)「なるほど……いや、ありがとうございました。」


そう言うとジョルジュは椅子から立ち上がってツンさんに頭を下げた。
それと同時に俺も立ち上がり、ドアを開ける。


( ゚∀゚)「今日は時間をとらせてすみませんでした。気をつけて帰ってくださいね。」

ξ;゚听)ξ「し、失礼しました!」


彼女は立ち上がり、少しだけ頭を下げると急いで部屋から出て行った。
もうほとんど泣きそうな顔だった。


38 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 19:46:51.18 ID:tghCsRz10
     *     *     *  

今日は嫌な日だった。
ブーンに変な教室に連れてかれたと思ったら、ジョルジュ君とドクオ君に変なことを聞かれた。
怖かったので話したくないことを話してしまった。
こんなこと、親友のしぃちゃんにしか話したことなかったのに…
ジョルジュ君やドクオ君は中学が一緒で、しかもジョルジュ君は小学校も一緒で
少し親しかったのに、あんな2人初めて見た。
こんな人たちだったとは思わなかった。


ξ゚听)ξ「…………ハァ」


しかも終わったときもうブーンはいなかった。
あぁ、なんだかまだ足が震えてる…
もう、早く帰ろ……



39 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 19:48:45.89 ID:tghCsRz10
     *     *     *

俺はツンさんが座っていた椅子に腰掛ける。


('A`)「つまりまとめると…

・初めて告白されて嬉しかった
・男の人で唯一の友達だった
・やさしい、いい人

    ってとこか。」

( ゚∀゚)「まあ、いかにもお嬢様らしく純粋だな。
     ツンさんは高嶺の花だと思って誰も告白するような奴は居なかったんだな、アイツ以外に。
     それで馴れ慣れしく話しかけるアイツの態度も、友達の少ないツンさんには良く映ったんだな。
     やさしいとかは、アイツがツンさんの前でいい格好してたか、彼女が他の男を知らないからだろ。」

('A`)「なんだ? ずうずうしければいいのか? 俺もクーさんに馴れ慣れしく行けばいいのか?」

( ゚∀゚)「人によると思うが…でも何度も告白すれば一途な思いが伝わったりしてあるいは……」


43 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 19:50:50.53 ID:tghCsRz10
('A`)「マジで?」


希望に満ちた顔になった俺の顔を見て、鼻で笑ってジョルジュは言う。


( ゚∀゚)「まあ、ありえねェな。夢の見すぎだよ。」

( ゚∀゚)「でもツンさんは何かアイツのこと勘違いしてるな。
     『いい人』ってとこ叩けばいくらでも埃が出てきそうな奴なのに。
     別れさせるのは結構簡単かもな。彼女の為にも別れさせたほうがいいと思うな。」

('A`)「確かにな。」


46 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 19:52:45.37 ID:tghCsRz10
キーンコーンカーンコーン

次の日も、朝から内藤をつけまわしていた。
ジョルジュが手に持っているデジカメで、内藤がDQNらしいことをしているところを
撮影して、ツンさんに教えてあげようっていう魂胆だ。


( ゚∀゚)「うはwwwこれはいいwww」


ジョルジュが嬉々としながらシャッターを切る先では、内藤がクラスメイトをかつあげしていた。


(;^^ω)「な、なにするんだホマ」

( ^ω^)「キモオタがうるさいお。とっとと金だせお。」

<ヽ`∀´>「早くしないと謝罪と賠償を要求するニダ!」

(;^^ω)「ヒィ!」


この写真にはかなりの効果が期待出来そうだ。
さっきタバコを吸っていた時のもあるが、それは特に効果があるとは思えなかったしな。
いや、でもお嬢様〜なツンさんには案外効果があるかもしれない。
とにかく、思いのほかいい写真が撮れて、朝からジョルジュは上機嫌だった。



47 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 19:54:48.72 ID:tghCsRz10
キーンコーンカーンコーン

( ゚∀゚)「今日も内藤の奴、ツンさんと帰るつもりなのか?」

('A`)「ほとんど毎日一緒に帰ってるらしいから、そうなんじゃねぇの?」

( ゚∀゚)「そうか。じゃあいい写真の為には別々に帰ってもらわないとな。」

('A`)「どうするんだ? ツンさんに一緒に帰らないで欲しいっていうのか?」

( ゚∀゚)「いや、内藤を説得するほうが早いな。」

('A`)「なるほどね。」


51 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 19:56:45.84 ID:tghCsRz10
     *     *     *

(;^ω^)「ツ、ツンちょっといいかお?」

ξ゚听)ξ「どうしたの?」

(;^ω^)「今日はちょっと一緒に帰れないお。ごめんだお。」

ξ゚听)ξ「そ、そう…何かあるの?」

(;^ω^)「ちょっと色々だお。」


何故だかわからないけど、急にブーンが一緒に帰れないって言ってきた。
昨日といい、どうしたんだろう…
やっぱりあの2人が関係してるのかな……


ξ゚听)ξ「ハァ……」

('A`)「……ツンさん、ちょっといい?」

ξ;゚听)ξ「えっ!?」


ドクオ君…噂をすればなんとやらね……
今日は敬語じゃないんだ…


53 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 19:58:48.82 ID:tghCsRz10
     *     *     *

俺はジョルジュに内緒でツンさんに会いに来た。


('A`)「あのさ、もしもなんだけど内藤がさ、
    タバコ吸ったりクラスメイトからかつあげしたり、
    そういうことしてたらどう思う?」

ξ#゚听)ξ「そ、そんなことブーンがするわけないじゃないッ!
      アンタ達が何しようとしているか知らないけど
      ブーンは本当にいい人なんだからねッ!」


やっぱりツンさんは純粋だぁね。

――――

( ゚∀゚)「おぅドクオ! 何処行ってたんだ?」

('A`)「いや、別に。」

( ゚∀゚)「そうか。早くしねぇと内藤見失うぞ。」

('A`)「内藤は何処に?」

( ゚∀゚)「教室でニダー達と駄弁ってた。ツンさんと帰れないならアイツ等と帰るらな。
     そうすりゃ悪さの1つや2つはするだろうね。」


56 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 20:00:58.21 ID:tghCsRz10
     *     *     *

放課後、俺とドクオは内藤達を追って電車の中にいた。
奴等は3人で優先席にドッカと座っている。


( ゚∀゚)「ん〜、何か物足りねぇな。お年寄りの一人でも近くにいればいいんだけどなぁ。」

('A`)「そうそううまくいかないだろうけど…」


そのとき、丁度良く老人が一人立ち上がり、内藤達が座る優先席の方へと歩いて行った。


( ´∀`)「モナー」

('A`)「お、これキタんじゃね?」


御老人は結局、隣の車両に移る為にそこを通っただけだったが、
内藤達の前に来た瞬間、俺はシャッターを切った。


58 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 20:02:45.84 ID:tghCsRz10
('A`)「でもこれ、捏造っちゃ捏造だろ。いいのか?」

( ゚∀゚)「まぁ、もしあのお年寄りがあそこに座りたそうにしてても、アイツ等はどかねぇだろ。」

('A`)「そうか、そうだな。」

( ゚∀゚)「ん〜、でもこれじゃあ決定打に欠けるよなぁ。」

('A`)「確かに。もっとこう、誰が見ても悪いことしてもらわないとなぁ。」


60 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 20:04:50.33 ID:tghCsRz10
     *     *     *

( ゚∀゚)「うはwwwwwwktkrwwwwww」


一段とジョルジュのテンションが上がる。


( ゚∀゚)「これはktkrktkrwwwwww」

('A`)「お前、ちょっと静かにしないとバレるぞwww」


内藤達が雑貨やに入ったので、後を追ったらなんと、目の前で万引きしてくれたのだ。
このファンサービスには流石に顔がニヤける。


( ゚∀゚)「ドクオwwwこれ見てみwww」


63 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 20:06:48.95 ID:tghCsRz10
そう言って、ジョルジュが俺にデジカメのディスプレイを見せる。


('A`)「これはキタかもわからんねwww」


それは、万引きしていることがハッキリわかる上、
盗んだものが何だかわかるぐらいしっかり撮れていた。
これなら十分決定打になるだろう。
しかし何だこの趣味の悪いキーホルダーみたいな物は。
こんな物パクってどうしようっていうんだ?


( ゚∀゚)「これは明日が楽しみだwww」


65 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 20:09:03.51 ID:tghCsRz10
ξ゚听)ξ「…………」


机の上に広げられた写真を見て、ツンさんは言葉を失っていた。
次の日、俺達はまたブーンを通してツンさんを写真部の部室に呼び出していた。
一昨日と同じようにジョルジュ、机を挟んでツンさん、その後ろに俺が座っていた。


ξ゚听)ξ「これ…………」

( ゚∀゚)「それは昨日の内藤君の姿なんです。」

ξ;゚听)ξ「嘘…こんなの嘘よ! ブーンがこんなことするわけないじゃない!」


ツンさんが声を荒げる。まぁ簡単には信じられないだろう。


ξ;゚听)ξ「ブーンがこんなこと…アンタ達最低よ!」

( ゚∀゚)「ハッ、俺達は最低だってよ、ドクオ。」


急にジョルジュが俺に話を振る。


('A`)「最低か…間違いじゃないかもな。」


67 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 20:10:45.44 ID:tghCsRz10
俺がそういうと、ジョルジュは一瞬満足気な顔をし、
真剣な顔をしてツンさんの方に向きかえった。


( ゚∀゚)「信じるか信じないかはツンさんの自由です。
     だけど俺はツンさんが何か勘違いをしていると思うんです。」

ξ゚听)ξ「勘違いって何よ」

( ゚∀゚)「ブーンはもしかしたらツンさんの思っているような奴じゃないかも知れないということです。」

ξ゚听)ξ「そんなことあるわけないじゃない!!」


ツンさんが立ち上がり、部屋から出ようとする。
扉を塞いでいた俺は躊躇うことなくそこを退きドアを開ける。


( ゚∀゚)「あ、ちょっと待って下さい。」


71 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 20:12:46.67 ID:tghCsRz10
急にジョルジュがツンさんを呼びとめ、ツンさんに歩み寄る。


( ゚∀゚)「これを持って行ってください。」


ジョルジュが写真をツンさんに渡そうとする。


ξ゚听)ξ「嫌よ! なんでそんなもの…」

( ゚∀゚)「まぁ持って行ってその写真の真偽を確かめてみたらどうですか?」


そう言ってジョルジュはツンさんに写真を押し付けた。
ツンさんは嫌そうな顔をしていたが、断りきることは出来なかった。


75 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 20:14:51.02 ID:tghCsRz10
     *     *     *

ξ゚听)ξ「こんな物真実なわけないじゃない…」


私はジョルジュ君に押し付けられた写真を見ながら呟いた。
そこには見ようによっては万引きをしているようにも見えるブーンの姿が映っていた。
ブーンはこんなことしないと呟くも、他の写真まで見ると
この写真の説得力に胸がざわついた。


( ^ω^)「おっおっ、ツン帰るお。」

ξ;゚听)ξ「あ、ブーン。」


私は持っていた写真を急いで隠した。
不安が顔に出てしまった私にブーンは言う。


( ^ω^)「…どうしたんだお? なんだか妙に顔色が悪いお。」

ξ;゚听)ξ「……ねぇ、その鞄についてるキーホルダーどうしたの?」

(;^ω^)「!!?」


77 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 20:16:45.86 ID:tghCsRz10
急にブーンが焦りを見せた。
なによ…まだ『どうしたの』としか聞いてないじゃない……


(;^ω^)「きき、昨日雑貨屋で買ったんだお!」


買ったならなんでそんなに焦ってるの…ねえ、私の目を見てよ……


ξ゚听)ξ「…ブーン、これ……」


私はブーンに写真を差し出す。万引きのやつも含め
ジョルジュ君に押し付けられた全部の写真を。
それを見たブーンの顔から一瞬にして血の気が引いた。


(;゚ω゚)「こ、これは何なんだお! なんでツンがこんな物持ってるんだお
      僕は万引きなんかしてないお!」

ξ゚听)ξ「ブーン…」

ξ゚听)ξ「私達……」


82 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 20:18:55.04 ID:tghCsRz10
     *     *     *

('A`)「でよう、今回のぐらいであの2人は別れるのか?」


ツンさんが帰った後、俺達はまだ残って話をしていた。
机の向こうに座っているジョルジュが、窓の外を眺めながら答える。


( ゚∀゚)「さあなぁ、効果が出るまでに時間が掛かるかもしれねェし、
     まだ追い討ちをかける必要があるかもしれねェ。
     だけど何かしらの変化はあるだろうから、それを見極めてからだな。」

('A`)「そうか、先は長かもしれないいな。」

( ゚∀゚)「まぁ、それも楽しもうぜ。」


それで俺達は次のアイデアを色々考えていた。
だけど俺達の予想は見事に裏切られることになった――


83 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 20:20:45.46 ID:tghCsRz10
――ガチャ

ξ゚听)ξ「……」

('A`)( ゚∀゚)「「!?」」


次の日も俺達は部室にいた。いつも放課後は何をするわけでもなく此処にいる。
今日は何のアクションも起こしていなかった。
もちろんツンさんとは一言も話していなく、内藤にも会っていない。
それなのにツンさんの方から此処に来たのだ。
驚きで俺等は言葉を失った。


ξ゚听)ξ「ブーンと…別れたわ。」

('A`)( ゚∀゚)「「!!」」

ξ゚听)ξ「…アンタ達が企んでいたのはつまりこういうことだったの?」


ツンさんと内藤が別れた?
まさに俺等が狙った通りになったのだが、急過ぎて驚いた。
俺は言葉が出なかったが、ジョルジュは少し真面目な顔を作って話し始める。


91 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 20:22:44.61 ID:tghCsRz10
( ゚∀゚)「そうですか…ツンさんの言う通り、俺達がまさに狙っていたことです。」

ξ゚听)ξ「……最低ね。」

( ゚∀゚)「だと思います。でも、おかしな事だということは充分わかっているんですけど、
     俺達なりにツンさんの為を想ってやったんです。」

ξ゚听)ξ「私のことを思って?」

( ゚∀゚)「昔から少し親しかったのに、内藤君に騙されているツンさんを
     見るのが辛かったんです。自分勝手だったのは反省しています。」

ξ゚听)ξ「そ、そんなこと言っても誰も許したりしないんだからね!」

( ゚∀゚)「許してもらおうとは思っていません。それに、
     間違ったことをしたとも思っていません。」

ξ゚听)ξ「何よそれ…もういいわ。」


そう言うと、彼女は部屋から出て行った。


101 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 20:24:24.08 ID:tghCsRz10
('A`)「まさか、こんなに早く効果が現れるとは思ってなかったよ。」

( ゚∀゚)「俺もだ。流石にすげー吃驚したぞ。」

('A`)「そうとは思えない饒舌っぷりだったが?」

( ゚∀゚)「まあ、な。」


そう言うと、ジョルジュは窓の外に視線をやった。


('A`)「でもなんでこんなに効いたんだ? そこまで決め手になるような物じゃなかったろ。」

( ゚∀゚)「よくはわからんけど、俺等が思ってた以上にツンさんは『純粋』だったってことかな。
     彼女にしてみれば虐めや万引きなんてもってのほかなんだろ。」


そんなもんなのかね。
…で、俺が本当に聞きたいのはここからだ。


('A`)「…これで終わりにするのか?」

( ゚∀゚)「ん? 目的が果たせたんだからそうだろ?」

('A`)「…俺は知ってるぞ、お前がツンさんのこと好きだってこと。」


109 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 20:25:41.01 ID:tghCsRz10
ジョルジュがハハッと笑って、こっちに向き直る。


( ゚∀゚)「何時から気づいてたか知ら無ェが…」

('A`)「ずーっと前からだよ。中学の頃からわかってたさ。」

( ゚∀゚)「ん〜、わからないようにしてたつもりだったんだけどな。まあ…」

( ゚∀゚)「俺がそう思うのはツンさんにとって迷惑にしかならないだろ?」

('A`)「なんでだ?」

( ゚∀゚)「つまるところ俺等は『最低』なのさ。彼女は『純粋』。
     俺みたいな腹の底まで真っ黒な奴がツンさんと一緒にいちゃあならねェのさ。」

('A`)「そういうもんなのか?」

( ゚∀゚)「そういうもんさ。」


そう言うと、ジョルジュはまた笑い出した。

                         ――前編・完――


191 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 21:53:45.66 ID:tghCsRz10
納得はいかないな。第一つまらないじゃねぇか。
俺がツンさんの名前を初めに出したのも、ジョルジュを焚きつける為だったのに。
ジョルジュが思った以上に食いついてきたのには驚いたが、
それ以上にこれは面白いことになったぞと思った。


('A`)「このままじゃ終われねぇよな。」


ジョルジュは何だか訳のわからないことを言っていた。
自分は汚い人間だからツンさんとは付き合えないとか、俺には単に勇気が無いようにしか見えない。
アイツは勝手に自己解決しているみたいだが、それじゃあ俺はつまらない。
だから、俺はこれから色々とやってみることにした。


('A`)「ってもアイデアなんか無ぇしな…」


…まあなんとかなるだろ。


('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです・後編


194 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 21:55:45.50 ID:tghCsRz10
     *     *     *

もう…誰も信じられない…
結局、あの2人が言っていたことが正しかった。
それがショックで、ブーンとは一方的に別れてしまった。
なので、今は少し後悔している。
でも、あの2人は『私のため』とか言っていた。


ヴヴヴヴヴヴ

ξ゚听)ξ「…メールだわ。」

( ^ω^)【会いたいお、話がしたいお。】


この手のメールが、ブーンからの電話を取らなくなってから何通も着ている。
どうしようか、本当に悩んでいた。
そうだ、明日しぃちゃんに相談してみよう…


198 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 21:58:07.35 ID:tghCsRz10
キーンコーンカーンコーン

(;*゚ー゚)「う〜ん…」


翌日の昼休み、私はしぃちゃんに全部を話した。
しぃちゃんは困った様子で話し始める。


(*゚ー゚)「私はね、ツンちゃんと内藤君が別れてよかったと思ったの。」

ξ゚听)ξ「えッ!?」

(*゚ー゚)「だって私からは内藤君はいい人にみえなかったもん。
     なんか馴れ慣れしい感じだったし…」

ξ゚听)ξ「……」


204 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 21:59:48.31 ID:tghCsRz10
(*゚ー゚)「だからツンちゃんと内藤君が付き合ってるのってなんか心配だったんだよ?
     ジョルジュ君やドクオ君のことはよく知らないけど…
     でも彼等の方が…おかしいけど…正しいと思う。」

ξ;゚听)ξ「何それ?」

(;*゚ー゚)「う〜ん…何かおかしな人達っぽいけど、
     実はいい人達なんじゃないかな?」

ξ;゚听)ξ「…いい人?」


…わけがわからないわ……


206 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:01:50.55 ID:tghCsRz10
     *     *     *

キーンコーンカーンコーン

('A`)「ねぇしぃさん、ちょっといい?」

(;*゚ー゚)「えっ!?」


俺はまずツンさんの外堀から固めていくことにした。
そのため、ツンさんの親友であるしぃさんと話をするため、
放課後の部活に行く準備をしているしぃさんのところに行った。


('A`)「ちょっとツンさんのことで話があるんだけどさ。」

(*゚ー゚)「…ツンちゃんの?」

('A`)「俺達さ、ツンさんに迷惑かけちゃってさ、ツンさん今どんな感じ?」

(*゚ー゚)「どんな感じって…ツンちゃん色々悩んでるみたいだよ?」

('A`)「そうか…悪いことしたな……
    でも、こんなこと言っても何の免罪符にもならないと思うけど、
    俺達なりに彼女のことを思ってやったんだ。」

(*゚ー゚)「……」


212 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:03:49.66 ID:tghCsRz10
('A`)「それに、ジョルジュは…ツンさんのことが好きなんだ。」

(;*゚ー゚)「えっ!? ジョルジュ君が?」

('A`)「だから内藤に騙されているのが放っとけなくて。
    …こんなことしぃさんに言ってもしょうがないよね。ゴメン…じゃ。」

(*゚ー゚)「あっ、」


しぃさんがなんとなく何か言いたげだったが、俺はサッサとその場を後にした。
このことだけしぃさんに伝えておけば、後でこのことが何か役立ちそうだと思った。


('A`)「…でもこれからどうしよう……」


実のところ、此処から先はまだ何も考えていない。


('A`)「…まぁゆっくりやるか…急ぐことじゃないし。」


でも結局俺の予想を超え、コトは向こうからやってくるのだった――


218 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:05:44.65 ID:tghCsRz10
     *     *     *

――ガラッ

( ゚ω゚)「ツン、話があるお、ちょっと来るお。」

ξ;゚听)ξ「えッ!?」


昼休み、私とツンちゃんはいつものように教室でお昼を食べていた。
教室でお弁当を食べる人はあまり居なくて、今も私達以外に4人しか居なかった。
その中に、いつもと様子が違うように見える内藤君が入ってきた。


ξ;゚听)ξ「あ、ちょ、やめ…」


内藤君がツンちゃんの腕を掴んで連れて行く。
私はあっけにとられて動くことが出来なかった。


(;*゚ー゚)「…………あっ!」


ふと、我に返り、ツンちゃんを追って廊下に飛び出した。


('A`)「あれ、しぃさんどうしたの?」


226 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:07:46.08 ID:tghCsRz10
     *     *     *

トイレから出たとこで、焦っているような様子のしぃさんにばったり会った。


(;*゚ー゚)「あ、ドクオ君! あのね、ツンちゃんがカクカクシカジカで…」

(;'A`)「な、なんだってー!? ちょっと待ってて!」

(;*゚ー゚)「え、あっ…」


俺は『しめた!』と思い、ジョルジュを呼びに走った。


(;'A`)「ジョルジュ! ちょっとカクカクシk…」

(;゚∀゚)「なんだってー!?」


事情を話すと、話し終わらないうちにジョルジュは教室を飛び出した。
そこの廊下に、しぃさんも居た。


229 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:09:45.23 ID:tghCsRz10
(;*゚ー゚)「あ、ジョルジュ君!」

(;゚∀゚)「しぃさん、ツンさんは何処に?」

(;*゚ー゚)「それが…わからないの……」

('A`)「内藤が行きそうなところって言ったら、バスケ部の部室じゃないか?」

(;゚∀゚)「なるほど! あのクソピザ野郎ォォォオオオ!!」


ジョルジュとしぃさんが走って行ってしまう。
運動が全く駄目な俺には追いつけない。


(;'A`)「ちょ、待て…」


239 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:11:45.52 ID:tghCsRz10
     *     *     *

ξ;゚听)ξ「嫌ッ! 離してよ!」

(;゚ω゚)「ちょ、静かにするお。」


私は校内の端っこにあるバスケ部の部室に連れてこられた。
そこには、いつもブーンと一緒にいる2人も居た。


( ゚ω゚)「ツン…僕達やりなおすお!」

ξ;゚听)ξ「!?……い、嫌よッ!」


今まで悩んでいたその質問の答えが、この状況で怖くてすぐに出た。
今までに無い様子のブーンと取り巻きのニダー君、杉浦君に囲まれるのは、
初めて写真部の部室に連れて行かれた時よりずっと怖くて不安だった。


( ゚ω゚)「そうかお…残念だお。」


246 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:13:45.16 ID:tghCsRz10
ξ;゚听)ξ「やッ…何すんのッ!」


ブーンが部室にあった長椅子に私を押し倒した。
更に、それを見ていた2人が私を抑えつける。


( ゚ω゚)「ツン…可愛いお、綺麗だお。」

ξ;゚听)ξ「嫌ァーーー!!」


ブーンが私の服を無理やり脱がせようとする。
必死に抵抗しようとするけど、男3人の力には到底かなわない。
もう駄目かと思ったその時だった――


(#゚∀゚)「ツンさん!」

(;゚ω゚)「!?」

(#゚∀゚)「内藤……テメェェェエエエ!!!」


251 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:15:16.88 ID:tghCsRz10
     *     *     *

('A`)「ハァ…ハァ……」


俺がやっとバスケ部部室まで来た時には、そこはなかなかの有様だった。


(#゚∀゚)「オラァ!」ガスッ

(メメω゚)「ひでぶっ!」


ニダーと杉浦の2人は床に倒れていて、ジョルジュは倒れそうな内藤を引っ掴んで殴り続けている。
その奥でしぃさんが泣いているツンさんをなだめていた。


(#゚∀゚)「ウラ……」

('A`)「その辺にしとかないと内藤がい死んじまうぞ。」


256 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:16:45.68 ID:tghCsRz10
(メメωメ)「お……」

(#゚∀゚)「こんな奴死んじまったほうが……
     …あぁ、そうだな。」


ジョルジュは内藤から手を離した。
崩れ落ちた内藤の胸倉をもう一度掴み、ジョルジュは言った。


(#゚∀゚)「もう2度とツンさんの前に現れんじゃねェぞ!!
     今度は本当に殺してやるからなッ!!」ガスッ

(;メメωメ)「ヒィ!」


最後にもう一度だけ内藤を殴り、ジョルジュはまた手を離した。
ジョルジュはしぃさんに抱きしめられているツンさんを見ると、俺のほうに向き直った。


( ゚∀゚)「……行くぞ。」

('A`)「…あぁ。」


262 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:18:16.56 ID:tghCsRz10
キーンコーンカーンコーン

正直者は馬鹿を見るのか?
いや、今回は正直者じゃなかったから馬鹿を見たらしい。
今回の騒動でジョルジュは3日間の謹慎処分になった。


('A`)「さて、ジョルジュのウチに行くか。」


フルボッコにされた内藤が教師に言いつけたのだろう。
アイツは自分が何をしようとしたかイマイチわかってないらしい。
最低のクズ野郎だ。
ツンさんが先生に今回のことを訴えていなかったので、
ジョルジュはこのことを隠しておくために、処分を受け入れることにした。


266 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:20:02.56 ID:tghCsRz10
ピーンポーン ガチャ

( ゚∀゚)「おぅ、ドクオか! あがってくれ!」

('A`)「うっす。どうだ、3日間の特別休暇は?」

( ゚∀゚)「まとまった時間があるのも良いもんだな。一日中エロゲしてたよ。」


ハハッとジョルジュは笑い、自分の部屋のある2階に上がっていく。
俺はその後に着いて行った。


( ゚∀゚)「じゃあ飲み物とって来っから、ちょっと待ってろ。」

('A`)「あぁ。」


ジョルジュの部屋には何回か来たことがある。
散らかった部屋だ。エロゲが産卵じゃない散乱している。
どうも奴は奴なりにこの謹慎を満喫しているらしい。


( ゚∀゚)「ほらよ、コーラでいいだろ?」


272 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:21:16.14 ID:tghCsRz10
('A`)「あぁ、何でもいい。」


ジョルジュはこっちにコーラのボトルを放ってよこした。


('A`)「……ジョルジュ、これでいいのか?」


ジョルジュはコーラのボトルを置いて、こっちを見る。


( ゚∀゚)「いいんだよ。内藤がしたことを教員に言ったって、
     ツンさんを変に傷つけるだけさ。それがわかってて、
     しぃさんも教員には言ってないんだろ。」

('A`)「確かにな。教師を混ぜて穿り返す必要はないわな。」

( ゚∀゚)「俺がこうしてエロゲしてるだけで納まるなら、
     それでいいんだよ。望むところさ。」

('A`)「それでも、ツンさんが気を遣うってことも考えられるぞ。
    自分のせいで…なんて思って教師に訴えるかもしれんね。」

( ゚∀゚)「そしたらよ、お前が止めてくれよ。」

('A`)「…わかったよ。」


282 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:23:17.34 ID:tghCsRz10
キーンコーンカーンコーン

ξ゚听)ξ「…ドクオ君、ちょっといい?」

('A`)「んぁ? あぁ、ツンさん。」


次の日、ツンさんが俺のとこに来た。
何のためかは俺もわかっているつもりだ。


ξ゚听)ξ「ジョルジュ君は今、謹慎中って本当なの?」

('A`)「……あぁ。」

ツンさんはどうも今まで知らなかったみたいだ。
よくよく考えてみれば、教師はこの一件にツンさんが
絡んでいることを知らないのだから、意外なことではなかった。


ξ゚听)ξ「それって、やっぱりこの間のせいなの?
      私を助けた時にブーンを殴ったから…」

('A`)「…あぁ。」

ξ゚听)ξ「じゃあ私が本当のことを先生に話せば…」


285 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:24:45.54 ID:tghCsRz10
('A`)「それは止めてくれ。」

ξ゚听)ξ「…なんでよ?」

('A`)「なんでも、だ。」

ξ゚听)ξ「それはジョルジュ君が?」

('A`)「そうだ。だからアイツのこと思うならそれだけはするな。」

ξ゚听)ξ「…わかったわ。じゃあさ……」

('A`)「?」

ξ゚听)ξ「ジョルジュ君のウチまで連れってってくれない?」


これは…面白いかもわからんね。
ジョルジュには『連れてくるな』とは言われてない。


('A`)「…わかった。」


288 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:25:45.97 ID:tghCsRz10
     *     *     *

ヴヴヴヴヴヴ

( ゚∀゚)「ん? ドクオからか…」

('A`)【今すぐエロゲを片付けるんだスネーク】


なんだそれ? と思いながらも、謹慎2日目の部屋の様子をあらためて見ると酷い有様だった。
ドクオが何をしたいかはわからないが、とりあえず片付けることにした。


( ゚∀゚)「ほいほいっと。」


そこらに散らばっているエロゲを適当に引き出しの中に突っ込む。
AVも突っ込んでおく。
物は無くなったが、床が汚いのでついでに掃除機も掛ける事にした。


294 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:28:05.63 ID:tghCsRz10
ブィィィ―――イイイン

ピーンポーン

( ゚∀゚)「ん? ドクオもう来たのか?」


俺は掃除機を止め、下に降りていった。


ガチャ

( ゚∀゚)「おう、ドクオ。早かっt…」

('A`)「ようジョルジュ、部屋片付いたか?」

ξ゚听)ξ「…お邪魔します。」


301 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:29:43.87 ID:tghCsRz10
     *     *     *

3人の前にはコーラが置かれ、昨日とはうってかわって綺麗になったジョルジュの部屋に円を描いて座る。


( ゚∀゚)「いやー、汚い部屋で済まねェな!」

('A`)「昨日よりは全然綺麗じゃねぇか。」


ジョルジュがテンションを上げている。
でもこれは、ツンさんが来てくれて嬉しいというより、沈黙を嫌って無理をしているようだった。


ξ゚听)ξ「…ねぇジョルジュ君……」

( ゚∀゚)「ウヘッ!?」


急にツンさんが口を開き、不意を突かれたジョルジュは変な声を出した。


ξ゚听)ξ「…ごめんなさい。私のせいで……」

( ゚∀゚)「…」

ξ゚听)ξ「私を助けたせいで謹慎なんかに…」

( ゚∀゚)「何のことだ?」


309 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:31:20.29 ID:tghCsRz10
ξ゚听)ξ「えッ?」

( ゚∀゚)「俺が謹慎になったのは…校長の頭叩いてカツラ落っことしたせいだぜ?
     何か校長が激怒して3日も謹慎だよ。結構楽しいけど。」

ξ゚听)ξ「そ、そうなの?」


ツンさんが俺の方を見る。同時にジョルジュが俺を睨む。


('A`)「そ、そうだった、そうだった。」

( ゚∀゚)「だから、なんでツンさんがウチに来たかさっぱりわかんねェんだけど。」

( ゚∀゚)「あ、ゲームでもやりますか? 対戦出来るのはスマブラしかねェけど。」


そう言うとジョルジュはGCを引っ張り出し、テレビに繋ぐ。


ξ゚听)ξ「……仕方無いわね、やってあげるわ。いい?仕方なくよ?」

( ゚∀゚)「よっしゃ、じゃあほらッ。」


ジョルジュがGCのコントローラーを俺とツンさんに放ってよこした。


314 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:33:33.86 ID:tghCsRz10
カチャカチャ バシッ! ドーン!

( ゚∀゚)「あ、クソッ…」

('A`)「フヒヒ…」

バシッ … キラーン

ξ゚听)ξ「あ、あーぁ…」


実際あまり格ゲーをやらない俺達とツンさんは、ほとんど似たような強さだった。
いや、もしかしたらツンさんの方が上手かったかもしれない。
しかし、3人ともCPUのLv.9リンクにフルボッコにされた。
気付けば一時間半程プレイしていた。


('A`)「あ、もうこんな時間か…ジョルジュ、俺もう帰るよ。」

ξ゚听)ξ「あ、じゃあ私も帰るわ。」

( ゚∀゚)「おう、わかった。」


ジョルジュはGCの電源を切り、俺達に続いて階段を降りていった


324 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:35:16.89 ID:tghCsRz10
('A`)「じゃあ、あと一日だな。」

( ゚∀゚)「あぁ、何かもう色々と飽きてきたから明日は何処か遊びに行くかな。
     もう教員からの電話とか無視してさ。」

ξ゚听)ξ「そんなことしたら謹慎が伸びちゃうんじゃない? おとなしくしてなさいよ。
      あ、別に早く戻ってきて欲しいとかじゃないんだからね。」

('A`)「じゃあな。」

( ゚∀゚)「おう、じゃあな。」


そう言うと、俺とツンさんは帰路に着いた。


332 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:36:49.92 ID:tghCsRz10
キーンコーンカーンコーン

ジョルジュのいない放課後も暇なものだ。
今日はジョルジュの家に行くつもりも無かったので、部室に篭ってラノベを読んでいた。
しかし、読むというよりは文字を眺めてページを捲っているだけだった。
内容がさっぱり頭に入らない。


('A`)「…ふぅ。」


昨日のツンさんを見るに、ジョルジュを嫌っていることは無いと確信できた。
むしろ、少なからず好意を抱いているかもしれない。


('A`)「上手い具合にくっつけられないかねぇ…」


俺はラノベを置いて天井に視線を見上げた。
そのときだった。


コンコン ガチャ

ξ゚听)ξ「ドクオ君いる?」


336 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:38:45.66 ID:tghCsRz10
('A`)「んあれ、ツンさん。」


俺はラノベを閉じた。


('A`)「どうしたの?」

ξ゚听)ξ「話したいことがあったの。」

('A`)「話したいこと?」

ξ゚听)ξ「昨日のジョルジュ君が言ってたこと、校長のズラを〜って話、アレって嘘よね?」

('A`)「まあ…そうだね。」


ツンさんは、ハァと溜息を吐いた。
俺はそんなツンさんが可愛いなとか思った。


339 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:40:21.54 ID:tghCsRz10
ξ゚听)ξ「…結局、アンタ達何がしたいの?」

('A`)「う〜ん…俺がしたいこととジョルジュがしたいことが違うんだよなぁ。
    でも、ジョルジュが…」

( ゚∀゚)『ツンさんの為を想ってやったんです。』

('A`)「って言ってたのだけは信じて欲しいんだ。まあ信じられないとは思うけどね。」


喉が渇いたので俺は、箱買いしてあった缶コーヒーを2つ取った。


('A`)「はいよ。」


1つをツンさんに渡し、残ったコーヒーを開けて一口飲んだ。
そして、ふとツンさんの気持ちを探ってみようと思った。


('A`)「でも俺もジョルジュもツンさんにしてみれば最低だよな。
    元を辿れば今回の事件も、俺達がツンさんと内藤のこと邪魔しなければ
    起きなかったことだろうしね。」

ξ゚听)ξ「……」


344 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:41:45.08 ID:tghCsRz10
('A`)「本当に最低だよなぁ、俺とジョルジュは。
    特にジョルジュなんて気を付けたほうがいいぜ?
    あそこまでおかしな野郎もそうはいないぞ。本当に嫌な奴だよな。」

ξ゚听)ξ「そこまで言うこと無いんじゃない? アンタ達友達でしょ?
      …それに、ジョルジュ君には助けて貰ったし……」


俺はそれを聞いて少しニヤけた。


('A`)「いや、アイツもいいとこは沢山あるんだけどね。
    あれ、ツンさんコーヒー飲まないの?」

ξ゚听)ξ「…開けれないの。」

('A`)「?」

ξ゚听)ξ「私、プルタブ開けれないの…」


……なんか凄ぇ萌えたぞ。
俺は缶コーヒーの蓋を開けてあげた。


354 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:43:16.86 ID:tghCsRz10
ツンさんが帰った後、俺はまだ部室で考え込んでいた。
ツンさんがジョルジュに多少好意を持っていることはわかった。
だからといって今すぐに告白しても駄目だと思うが…
それよか、そんなことをするつもりが毛頭無いジョルジュの方が問題だ。


('A`)「…上手く焚きつけられないかな……」


誰かがまたツンさんに迫ればあるいは…
でも誰が居るだろう?


('A`)「…俺が……」


そうだ、それなら俺の思い通りに出来る。
それにジョルジュが引けば俺がツンさんと…いや…うん……


('A`)「何考えてんだ俺…」


362 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:44:45.20 ID:tghCsRz10
キーンコーンカーンコーン

( ゚∀゚)「よう、ドクオ!」

('A`)「ようジョルジュ。どうだ? 久々の学校は?」

( ゚∀゚)「やっぱ学校も良いもんだね。勉強はしたくないけどな。」

('A`)「そうか…なぁ、ジョルジュ。」

( ゚∀゚)「ん? なんだ?」

('A`)「お前、俺とツンさんが付き合っても文句は言わないよな。」

( ゚∀゚)「!? 告白したのか?」

('A`)「いや、まだだけど。」

( ゚∀゚)「何だ、じゃあ心配無いな。確実にふられるから。」

('A`)「…本当にそう思うか?」

( ゚∀゚)「当たり前だろ? 俺等がしたこと考えれば。」


368 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:46:16.16 ID:tghCsRz10
('A`)「俺等がしたことって、あれだよな。
    ツンさんを騙していた内藤とツンさんを別れさせて、
    内藤に襲われそうになったツンさんを助けたことだよな?」

( ゚∀゚)「…」

('A`)「あの内藤でさえ告白に成功したんだぞ? 俺にも可能性があると思わないか?」

( ゚∀゚)「…勝手にしろ。」

('A`)「それは文句は言わないってことでいいんだな?」

( ゚∀゚)「あぁ、俺が人の恋愛に文句言える権利なんて無いんだからな。」

('A`)「そうか、じゃあ俺頑張るぜ。もしツンさんと付き合えたらあのツンさんと…
    あんなこと…あの白い肌…フヒヒヒヒ。」


俺は怪しい笑い声を作ってその場を去った。
ジョルジュは気難しい顔をしていた。


( ゚∀゚)「…やっぱ駄目だ、アイツとツンさんが付き合うなんて。」


374 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:47:45.33 ID:tghCsRz10
('A`)「ツーンさーん?」

ξ゚听)ξ「何?」


俺はその足でツンさんのところに行った。


('A`)「ねぇツンさん、俺と付きあt」

(#゚∀゚)「オラァァァアアア!!」

(;'A`)「ギャアス!」


走って俺を追ってきたジョルジュに後ろから殴られた。
ツンさんはあっけにとられている。


('A`)「痛ェなオメェ、何すんだ!」

(#゚∀゚)「やっぱ駄目だ、お前がなんて。」

('A`)「そんなこと言っても俺が引くとでも?
    お前が告白する勇気が無いんなら俺が貰うぞ。」

(#゚∀゚)「そんなことさせるか!」


380 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:49:16.12 ID:tghCsRz10
('A`)「それなら今すぐ告白しろ。それしか俺は止められねぇぞ?」

ξ゚听)ξ「…さっきから何してんの? 告白がどうとかって何なの?」

('A`)「ツンさん、ジョルジュが大事な話があるみたいなんだ。」

(#゚∀゚)「おま……」

ξ゚听)ξ「大事な話?」


ジョルジュは暫く固まっていたが、やがて決心したように話始めた。


( ゚∀゚)「…ツンさん、俺……」


これでいい。ジョルジュの告白が今回駄目でも次がある。
今のコイツに必要なのは告白出来る勇気だ。
はなから諦めるんじゃなくて、チャレンジすることだ。
これでいい。これが俺の望んでいたことだ。
これでいい。

なのに何だ? この気持ちは?


('A`)「やっぱりお前にはやらねぇぇぇえええ!!」


389 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:50:45.30 ID:tghCsRz10
俺はまさに告白しようとしているジョルジュを後ろから蹴り飛ばした。


(;゚∀゚)「ギャアア! 何すんだテメェ!」

('A`)「気が変わった。もうお前がどうしようがツンさんは俺が頂く。」

(#゚∀゚)「何だとテメェ! テメェだけには絶対に渡さん!」

('A`)「なら力ずくで奪うまでだ。そもそもお前のモノじゃないが。」

(#゚∀゚)「俺に勝てるとでも?」

('A`)「やってみなけりゃわからんだろ?」


空気が冷える感じがする。
ドドドドドドドドという音が聞こえる気がする。
俺は無意識にとった可笑しなポーズを見て、
ジョルジュもジョジョ立ちのようなポーズを決める。キモッ


('A`)「キモッwww」

(#゚∀゚)「キメェのはテメェだ! 来い!」

('A`)「ぶっ殺す!」


その時だった。


398 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:52:48.08 ID:tghCsRz10
ξ゚听)ξ「アハハハハハハハハハハハハハハハハ」

( ゚∀゚)('A`)「「!?」」

ξ゚听)ξ「アンタ達って本当に馬鹿ね…何か笑えてきたわ。」


今度は俺達があっけにとられる番だった。


ξ゚听)ξ「おかしいわ。何だかアンタ達見てたらどうでも良くなってきちゃった。
      色々あって悩んでたのに…」

ξ゚听)ξ「アンタ達がしたかったことって、私を励ますことだったの?」

( ゚∀゚)「そうです!」


ジョルジュが即答する。


402 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:53:46.09 ID:tghCsRz10
ξ゚听)ξ「べ、別に感謝なんかしてないんだからねッ!
      で、さっきから私に何が言いたかったの?」

( ゚∀゚)「それは…」

('A`)「俺達と友達になってくれ。色々あったけどさ、
    それでも良かったら俺達はツンさんと友達になりたい。」


今度は俺が答えた。


ξ゚听)ξ「…ど、どうしてもって言うんなら友達になってあげてもいいわよ。」

( ゚∀゚)「どうしても友達になりたい。」


ツンさんが少し顔を赤くした。


405 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:54:45.81 ID:tghCsRz10
それから、俺達とツンさんは友達になった。

ツンさんの親友のしぃさんとも仲良くなり、友達が少ない俺達は、
よくツンさんとしぃさんを誘って遊びに行った。

学校でもよく一緒に居るようになった。

そして、世間知らずなところがあるツンさんが
おおよそ行ったことのないだろうところへ連れて行ったり、
知らないだろう余計なことを教え込んだりした。

で、よく行き過ぎてしぃさんに怒られた。

こういう風にツンさんと付き合えるようになったのは、
ジョルジュや俺にとって良いことだと思った。
特にジョルジュにとっては、大きな変化だっただろう。


415 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:56:15.18 ID:tghCsRz10
キーンコーンカーンコーン

( ゚∀゚)「なあ、ドクオ?」


校舎の片隅にある『写真部』と扉に掲げられた、暗くて狭い部屋。
写真部とは名ばかりで、全校生徒が何かしらの部活に所属することが
強制されているこの高校では、帰宅部の連中が名前だけ登録するために存在していた。
何時でも、この教室にいるのは机を挟んだ向こうの椅子に座り、
気難しい顔していて腕組みしているこいつと、俺だけだった。


('A`)「何だ?」

( ゚∀゚)「結局、お前は何がしたかったんだ?」

('A`)「うーん、初めはお前とツンさんをくっつけようと思ってたんだよ。
    でもツンさん見てたら、なんかお前にくれるのが急に勿体無くなってな。」

( ゚∀゚)「今もツンさん狙ってんのか?」

('A`)「あぁ、狙ってるよ。そしてお前には絶対にやらない。」


422 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:57:46.40 ID:tghCsRz10
( ゚∀゚)「そう言いながら性懲りも無く今朝またクーさんに告白したのは何処のどいつだ?」

('A`)「あ、バレてた? いいんだよ、俺はおkしてくれた人を全力で愛すから。」

( ゚∀゚)「なんだそれwwwお前『最低』だなwww」

('A`)「で、お前はどうなんだ?」

( ゚∀゚)「お前のおかげで考えが変わったよ。今すぐじゃなくても、ツンさんは必ず俺の者にする。
     他の誰にも絶対に渡さない。お前にも内藤にもな。」

('A`)「それはそれで『最低』なんじゃないのか?」

( ゚∀゚)「だろうね。」


そう言って、俺等は大笑いした。


428 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 22:59:15.77 ID:tghCsRz10
     *     *     *

キーンコーンカーンコーン

昼休み、私とツンちゃんはいつものように教室でお昼を食べていた。
教室でお弁当を食べる人はあまり居なくて、今も私達以外に3人しか居なかった。


(*゚ー゚)「ねえ、ツンちゃん?」

ξ゚听)ξ「なに?」

(*゚ー゚)「どうしてジョルジュ君とドクオ君と友達になろうと思ったの?」

ξ゚听)ξ「うーん、よくわかんないわ…でもあの2人、
      実は付き合ってみると凄くいい人だったし。」

(*゚ー゚)「そうね…あの2人、おかしいところもあるけど。」

(*゚ー゚)「ねぇツンちゃん…」


434 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 23:00:45.69 ID:tghCsRz10
ξ゚听)ξ「なに?」

(*゚ー゚)「私、ジョルジュ君のこと好きになっちゃった。」

ξ;゚听)ξ「えッ!?」


あーあ、言っちゃった。
ジョルジュ君がツンちゃんのこと好きだって知ってるのに。
でも、そんな一途なジョルジュ君が好きになっちゃったんだもの。


(*゚ー゚)「私『最低』ね…」

ξ゚听)ξ「え…」


急に私がそんなことを言ったので、ツンちゃんが困ったような顔をした。
そして、ツンさんは口を開いた。


ξ゚听)ξ「しぃちゃんは最低なんかじゃないわ。私は応援するわ。
      しぃちゃん…ジョルジュ君も、ドクオ君も皆……

            『最高』よ


          ――('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです・完――



455 :('A`)と( ゚∀゚)は最低なようです:2007/05/26(土) 23:02:33.32 ID:tghCsRz10
以上で終わりです
読んで下さった方、支援して下さった方、本当にありがとうございました




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前編 - 後編


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