( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`) 〜('A`)は昼飯にサンドイッチを食ったようです〜

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1 名前: 建設作業員(鹿児島県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 23:44:02.68 ID:Zo1BcArr0
通信制の高校なんていくもんじゃねーな。マジで人生の落ちこぼれしかいねえってね。
どんだけ不良多いねんって。子連れとかマジ勘弁。妊娠して中退とか、笑うしかねーわ。
まあ俺なんて普通の高校いっててもダメだったと思うけどさ。あんま今と変わらねーよ。

だけど通信はほんとあれだわ……いじめとかないのは良い。ってかさ。
いじめに発展するほど人間関係とかできない。
いじめって普通何人かのいじめっこが集まって、誰かを迫害?っつーのか?
迫害することで始まるんだけどさ。

もうそのいじめっこ同士ですらコミュニケーションがない。
喋らん。誰も他人と会話しようとしねえ。
あんま俺が興味ないようなつまらんこと話かけられてもうざいけどもね。

喋るのめんどくせ。いやしかし……誰も他人と喋らんというのは俺の憶測に過ぎないよな。
実は俺だけ嫌われてて、みんな喋ってるけど俺だけその中に入れてないとかか?
でたよ。俺のネガティブシンキング。暗いな俺って。伊達に引きこもりやってなかったからなァ……

(´・ω・`)「なあ」

いや!自分は暗いと思うから本当にそうなっちまうんだ。やめよう。

(´・ω・`)「なあって」

こういうマイナス思考ってたまにくるんだよな……

(´・ω・`)「おーい」

('A`)「ん?」

(´・ω・`)「聞いてんのか人の話」

('A`)「聞いてねえわ。何?」

(´・ω・`)「だからさ。これどう思う、これ」


3 名前: 建設作業員(鹿児島県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 23:44:28.18 ID:Zo1BcArr0
ショボンがPCの画面を指差した。そこにはwinnyが開かれていて、
『無修正 女子高生レイプ』と書かれたファイルがカーソルされていた。

('A`)「これがなんなのよ」
(´・ω・`)「いや、DLしようと思ったんだけどさ。なんか怪しくね?」



拡張子を見た。LZH……



('A`)「これは罠ね」

(´・ω・`)「は?」

('A`)「ウイルスだぞそれ」

(´・ω・`)「マジで?なんでわかんの」

('A`)「経験から来る勘、でしょうか」


ショボンはそうか、と言って他のファイルを検索しだした。検索ワードは『レイプ』。


('A`)「──ってかさ」

(´・ω・`)「なに」

('A`)「なんでnyやってんの?友達が遊びにきてやってんだぜ?」

(´・ω・`)「だってすることねーもん」

('A`)「ちょっとは気を使えよ」


4 名前: 建設作業員(鹿児島県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 23:45:22.37 ID:Zo1BcArr0
(´・ω・`)「じゃあなにする?」

('A`)「なんでも」

(´・ω・`)「それが一番困るんだよ。なんか提案しろよ」

('A`)「ゲーセンいこうぜ」

(´・ω・`)「金ない」

('A`)「はあ?じゃあ欲しい漫画あるから本屋いこうぜ」

(´・ω・`)「だから金ないて」

('A`)「じゅざけんな。お前は別に買わなくていいのよ」

(´・ω・`)「それじゃつまんねーじゃん俺が」

('A`)「アッー!ぷじゃけるなマジで!!」

(´・ω・`)「なに怒ってんの」

立ち上がって台所へ行き、冷蔵庫からサイダーを取り出した。
それをガラス製のコップ(グラスって言ったほうがかっこいいか?)
に注いで一気に全部飲み干す。

('A`)「ハーッ、うめえ」
(´・ω・`)「おい勝手に飲むなよ」
('A`)「いいだろ別に。減るもんじゃなし」



突っ込んでくれるかなあ。減るわ!って。


5 名前: 建設作業員(鹿児島県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 23:45:47.06 ID:Zo1BcArr0
(´・ω・`)「あーそういやさ」

('A`)「スルーすんなよ」

(´・ω・`)「なにがよ」

('A`)「なんでもねえよ……で?」

(´・ω・`)「お前こんな時間までうちにいていいのか?朝から学校じゃね?」

('A`)「お前も学校だろ。一緒に学校いかね?」

(´・ω・`)「俺はいかねえから」

('A`)「なんで?」

(´・ω・`)「いや、いく理由ねえもん。
         出席日数最初のほうで足りるように結構行ったからさ」

('A`)「そうか」


突然、PCからギャーという悲鳴のようなものが聞こえた。
ディスプレイを見ると何か血のようなものが画面にこびりついているように見えた。
ショボンがアッ、と小さく声を出した。


('A`)「……」

(´・ω・`)「……」

('A`)「……」

(´・ω・`)「……」


('A`)「帰るわ」


6 名前: 建設作業員(鹿児島県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 23:46:13.90 ID:Zo1BcArr0
俺はじゃあな、といってドアを開けて外に出た。閉まる直前、ショボンが何か言ったような気がしたが、
無視してアパートの階段を下りた。
午前四時。空はまだ暗い。昔どこかのゴミ置き場に捨ててあったのを拾ってきたぼろ自転車は、
ペダルを漕ぐたびにキィッとうるせえ音を立てる。

('A`)「ていうかなんで俺は18にもなってこんなきたねえ自転車に乗ってるんだ」

自分が悲しくなった。他の同級生たちは大学とかで楽しくやって、車も持っているってのに……
俺は……俺は何をやっているのだ。
嫌になっちまうぜ……

「嫌になるほどの自分があるの?」

ある本の登場人物が言ったセリフを思い出す。

('A`)「そうだな。ない。ないよ」


8 名前: 建設作業員(鹿児島県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 23:46:38.22 ID:Zo1BcArr0
そうして無理矢理にネガティブな思考を打ち切り、家へと急いだ。
借家のこれまた自転車と同じようにボロい家に着く。玄関のドアを開けて、中へ入る。
自分の部屋……俺の部屋、とされている6畳の部屋へ、親が起きないよう音を立てず静かに進入する。

本棚には多数のエロ本が並んでいる。レイプものばかり。
PCにもレイプものの動画ばっかり入っている。
机の上に置いてある煙草の箱から一本取り出して、100円ライターならぬ、
ホームセンターで買った38円ライターで火をつける。

PCの電源を点けて、メッセンジャーを起動する。登録人数92人。
インしてる奴はこんな時間にも関わらず何人かいた。
つーか92人も登録してあるのだから中には起きてる奴、俺みたいに
こんな時間にPCの前に座っていたりする奴もいるのは当然ではある。

そんな大量に登録してはいるが、頻繁に話す奴などその中にはいない。
ショボンもインしていたが、さっき話したばっかだ。
それにウイルスにやられているしな。結局何もせず、煙草を灰皿に押し付け、
ステンレス製のフラスコに入った焼酎を飲んで布団に入った 。

酒や煙草を飲む事に意味はない。なんとなく法律に違反するのが、俺にできる唯一の
社会への反抗だって気がするからだ。
ホント、意味もなんもない。ただの中二病だ。


9 名前: 建設作業員(鹿児島県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 23:47:14.57 ID:Zo1BcArr0
('A`)「ハァー」

学校の教室。中学のとき恨みに恨んだ昼休みだ。だがなんのことはない。
別に机に突っ伏して寝たフリなんてしなくても堂々とぼーっとしてりゃいいのだ。
本とか読むのはどうかと思うけど。俺の横で本読んでるやつとかね。

なんか俺と同じで引きこもりですって雰囲気醸し出してる。
通信制だと大体服装見りゃなんで通信制の高校に来たのかの理由がわかる。
それについては俺も例外じゃないから話すのはやめておくか。

昼飯として持ってきた手作りのサンドイッチを口に放り込んだ。
まずい。単に腹を膨らませるためだけって感じの原始的な食い物だ。
片栗粉じゃないんだからさ。カロリーメイトとかのほうがまだ旨いぞ。
ムシャムシャとそのパサッパサのパンを頬張る俺の席のかなり前方で、
女子がこれまた俺と同じように一人、だが俺とは正反対の、とんでもなく
豪華な弁当(コンビニ弁当だが俺から見たら豪華だ)を食っている。
顔の出来もさることながら、食い方もこれまた美しく綺麗だ……って何を見ているんだ俺は。
変態かっての。キモいわ。


('A`)「ハァー」


しかしつまんね。授業とは名ばかりの自習の時間ではレポートをひたすら一人でやるだけだし、
嫌な出来事はないが良い出来事もなく。
ただ無難に時間だけが過ぎていく。なんというつまらなさ。


10 名前: 建設作業員(鹿児島県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 23:47:41.92 ID:Zo1BcArr0
('A`)「まるでサンドイッチだな」

味がない。俺って一体なんのために高校に来ているんだっけ……
同級生に遅れをとったから、せめて追いつくためか?しかし、今更追いつこうとしても、
俺が一歩進めばその同級生たちも一歩進むわけで、どうせ追いつけやしない。

同級生がどこかで失敗でもすりゃあるいは、ってとこだ。
そんな風に他人が失敗するのを期待してるのか、俺は。だから友達ができんのよ。
あと他にどんなことを考えてここにきたかな。
好きな職に就くため?いや、社会復帰のためか?
高校に通っていなければ居場所がなくなってしまいそうだから?どこかに所属していることで
安心感が得られるからか?

てか、なんで勉強してるんだ?知識を増やすことが楽しいからか?そんなことはねーよ。
別に楽しくも無い。小学校や中学校で、勉強をしたくもないのにさせられることで
勉強というものが嫌いになっていってしまったんじゃないかとも考えたけど、
その学校から開放されて、無理強いされるのではなくただ興味があるからってだけで
勉強をしてみてもそれは苦痛だった。

俺、こんなことも知らなかったんだ……って無力感を味わうだけだ。
俺は友達を作るために高校にきたのではなかったか。だがなんだこの、通信制ってやつは。
誰とも接触しないじゃないか。
なんのコミュニティもない。マジで意味、ねえな。
何をしておるんだ俺は。机の横にかけてあった鞄を持ち、俺は教室の外に出た。


11 名前: 建設作業員(鹿児島県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 23:48:05.83 ID:Zo1BcArr0
( ^ω^)「よお」

電車に乗って、何駅か通った頃、かつて俺が普通高校に通っていたころの同級生、
ブーンが声をかけてきた。

('A`)「おお、久しぶりだなぁ」

( ^ω^)「こんな時間に電車で会うなんて珍しいこともあるもんだな」

('A`)「俺は学校途中で抜け出してきたんだ。お前は?」

( ^ω^)「いまから自動車学校いくのよ」

('A`)「免許か。もう18だもんな」

( ^ω^)「おう、遅かれ早かれ取りにいくんだし、暇なときいっておいたほうがいいだろ」

('A`)「お前暇じゃねーだろ。学校は?」

( ^ω^)「学校てか就職した」

('A`)「マジで?」

その後、どこに就職してどんな仕事するのかとか、そんな話をした。
やっぱ、同級生たちはみんな俺と遠く離れたところにいるんだな。
俺だけが、こんなとこで燻っている。情けない人間だ。

( ^ω^)「お前は今どんななん?その……」

こいつは俺と同じ高校だったので、俺が中退したことを知っている。


12 名前: 建設作業員(鹿児島県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 23:48:39.26 ID:Zo1BcArr0
('A`)「俺はまだ高校二年生だ。あと二年しないと卒業できね」
( ^ω^)「そうか」

それ以上は聞いてはこなかった。俺が高校辞めてから家で何をしていたのか、とか。
会話が止まってしまう。

('A`)「──ってかさ」

( ^ω^)「うん?」

('A`)「俺も免許取りたいんだが」

( ^ω^)「おう、取れ取れ。いずれ必要になる」

('A`)「いや、金がねえ」


そう、俺には金がない。バイトもしてねえし、小遣いは半ニートのくせに貰っているけど、
毎月貰った直後に全部使っちまうしな。


( ^ω^)「俺はバイトして貯めた。高校生なら免許に備えて
         バイトくらいするだろ、常識的に考えて」

('A`)「バイトか……」

( ^ω^)「確かお前、パン屋かなんかでバイト始めたつったろ。それはまだ続けてんのか?」

('A`)「あれか。三日で辞めたよ。つまんねんだもん」

( ^ω^)「ほんとどうしようもないなお前は」

('A`)「自分でもわかってるよ」

( ^ω^)「わかってんなら、それを改善しようとしろよ」

('A`)「治そうとは思ってるんだがなぁ」

( ^ω^)「ドクオ」

('A`)「ん?」


13 名前: 建設作業員(鹿児島県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 23:49:10.13 ID:Zo1BcArr0
( ^ω^)「誰でも自分の悪いところを克服したいと思うもんだ」

('A`)「ああ」

( ^ω^)「で、それができる奴とできない奴の違いってなんだかわかるか」

('A`)「できない奴は意思が弱い、とかか」

( ^ω^)「意思の弱い奴はもうなんもできねえとして、決定的な違いは、
         それを克服するために行動できるかできないかだ」

('A`)「行動……」

( ^ω^)「行動だ。いろいろ考えたり悩んだりしても、結局動かないと何も変わらねーんだよ」

電車が駅に着き止まった。

( ^ω^)「俺ここで降りるから」
('A`)「あ、ああ。じゃーな」

俺も次の駅で降りるので、寝ないように注意しながら電車の窓の外を眺めていた。
車内はガラガラだった。まだ昼間だから、学生の姿も見えない。
いるのは何か仕事の用事で乗っている人間か、やることがないから
ぶらぶらしてるだけのDQNとかそんくらいだ。

窓の外を流れる街の景色を何も考えずひたすら無心で眺めていると、
電車の速度が少しずつ落ちていった。
駅名を告げるアナウンスが流れる。鞄を抱えて駅のホームへ出た。
改札を通る。その先にはたくさんのイスが並んでいる、暖房の効いた部屋があった。

途中で学校を抜け出した手前家に帰るのが躊躇われた。
っても普段からごろごろしてて、引きこもりで、高校を中退した俺が
今更授業をふけて帰ってきたくらいで親からそこまできつい文句が出てくるとは思えないが、
なんとなく帰る気になれなかった。
それに外は寒いしな。雨も降ってきたし。ずらりと並んだイスに適当に座って、目を閉じた。


15 名前: 建設作業員(鹿児島県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 23:49:52.27 ID:Zo1BcArr0
('A`)「んぁ」

目が覚めて、まず時計が目に入った。午後4時。ホームから、
黒い学生服を着た学生たちが続々と流れ込んでくる。

('A`)「ハー」

欠伸を一つして、鞄から煙草を取り出した。ここって禁煙だっけ?
携帯灰皿も取り出して、くわえた煙草に火を点けた。
ふと、黒い学生服の一人がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。

よく見るとその顔は

( ・∀・)「おらっしゃー!!」
('A`;(○三「ハアッオ”!」

顔面にパンチをもらった俺は吹っ飛んでイスから転げ落ちた。

('A`)「なにすんだよ!」

( ・∀・)「お前いつだったか俺に言ったじゃん、
     『今度俺が煙草吸ってるの見たら殴ってくれ』って」

そういや言ったな。禁煙しようとして……

('A`)「そんな時期もあったな」

こいつはモララー。中学のとき同じクラスだった同級生だ。


16 名前: 建設作業員(鹿児島県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 23:50:17.69 ID:Zo1BcArr0
( ・∀・)「珍しいなお前が駅にいるなんて」

('A`)「どうせ俺は引きこもりだよ」

( ・∀・)「そうじゃなくてさ。なに、学校?」

('A`)「まーな。途中で抜けたんけど」

( ・∀・)「通信ってたまにしかいかなくていいんだろ?」

('A`)「二週間に一回」

( ・∀・)「すくなッ」

('A`)「俺にとっちゃ多いよ」

( ・∀・)「贅沢だな。二週に一回の学校を途中で抜けるって、
      出席日数とかやばいんじゃね」

('A`)「いや……なんかもういいやってさ」

( ・∀・)「なに、どうしたの」

('A`)「高校に行く理由がわからんのよ」

モララーは腕を組んで考え始めた。

( ・∀・)「理由なぁ……」

('A`)「なんでお前は高校いっとんの」

( ・∀・)「んなこと考えたことねえな。行くのが当然だから」

('A`)「当然か?」

( ・∀・)「当然だよ。だって行かないと仕事ができんだろ」

('A`)「肉体労働なら中卒でもできるだろ」

( ・∀・)「お前肉体労働したいの?」

('A`)「いや……」


17 名前: 建設作業員(鹿児島県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 23:50:55.83 ID:Zo1BcArr0
( ・∀・)「だったら行かないとな。やりたい仕事があるなら」

('A`)「んなもんねえしなあ」

( ・∀・)「ん?肉体労働したいのか?」

('A`)「いや、したくねえ」

( ・∀・)「だろ?じゃあ行かないとな」

('A`)「でも面白くねえじゃん」

( ・∀・)「肉体労働したいのか?」

('A`)「いや」

( ・∀・)「だったら行かないとな」

('A`)「でもさあ」

( ・∀・)「肉体労働」

('A`)「それはもういいよ!勉強とかすることに意味とかあんのかなって」

モララーはイスに腰を下ろして、鞄を隣の席に放り投げて、こっちを向いた。

( ・∀・)「力の無いやつに限って難しいこと考えやがる。考える能力はあるのに、
     それを何か行動とかに移すっていう力はねえんだよな」

('A`)「どういうことだ?」

( ・∀・)「難しいこと考えてそれが原因で身動きできなくなるくらいなら
     考えないほうがずっとマシだ」

('A`)「んなこと言ってもさ。考えないってのがまた難しいんだわこれが……」

( ・∀・)「考えたらどうなるってんだ。状況が良くなるのか?」

('A`)「……」

( ・∀・)「余計なこと考えるよりは、目の前の問題を解決しようと行動したほうがいい。
      問題を解決したら、何か変わるかもしれない」


18 名前: 建設作業員(鹿児島県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 23:51:19.68 ID:Zo1BcArr0
俺は学生たちを見た。奴らもやはり学校へ行くということで、余計な考えを出さず、
授業に出なければならないという『問題』を『解決』していくことで
何かを変えようと、状況を良い方向に導こうとしているのだろうか。んなこと考えてねーか。

('A`)「目の前の問題……何があるだろうか」

( ・∀・)「お前の場合そうだな……まず禁煙だろ」

('A`)「できねえんだよなあこれが」

( ・∀・)「できないと思ってたらいつまでもできねえよ。できなくてもやるんだよ」

('A`)「んな無茶な」

( ・∀・)「無茶しても死にはせんだろ。煙草吸わないと死ぬのか?」

('A`)「いや、んなことないけども」

( ・∀・)「あんま気合でどうこうってのは好きじゃないけど、煙草に関しては気合入れて我慢しろ」

('A`)「努力する」

( ・∀・)「お前努力するっつっても全然しねえだろ」

モララーはよこせ、といって俺の持ってた煙草の箱を取り上げた。


19 名前: 建設作業員(鹿児島県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 23:51:51.81 ID:Zo1BcArr0
('A`)「おい……」

それをポケットに突っ込んだモララーは立ち上がった。
俺も鞄を持ち上げ、立ち上がる。モララーが一度駅のホームに目をやり、俺のほうを見た。

( ・∀・)「……」
('A`)「……」

モララーのポケットの膨らみを見た。

('A`)「お前さ」

( ・∀・)「なんだよ」

('A`)「煙草吸いたいのか?」

( ・∀・)「んなわけねーだろ、ボケ」

('A`)「じゃあそれくれねえ?」

( ・∀・)「誰かこいつ殺せよ」


21 名前: 建設作業員(鹿児島県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 23:52:16.28 ID:Zo1BcArr0
こうして俺の一日は終わった。俺は今日会った、といっても数人しかいないが、
会った人達から何かを学べただろうか。
ショボンは除外する。だけど奴らの言ったとおり、全ては行動することでしか変わらない。
いくら深く考え込んだところで、周りの人間にはそれは伝わることはない。

良くはならないが、変な予想のしすぎで悪くなることはあるという、まるで煙草のように
害はあっても利はないことだ。
だが、考えることをやめたらそれは人間ではないのではないか、と思うところもある。

考える。場合によっては考えることも必要だろうが、俺の日常生活では考えるということは
あまり必要ない。
俺は引きこもることで、自分と向き合う時間を作ったと、引きこもってなんの
行動もしていないことを正当化しようとしていたけど……
あるサウンドノベルに一節を思い出した。

『向き合うだけの賢さを持って生まれてくるよりは、自分が何者なのか、
なんのためにいるのか、何も知らずに、ただ、世界の歯車として
、錆び付いて動かなくなるまで回り続けているほうが、よっぽど楽だ』

考えることを辞めて、思考することをやめて、哲学とはほど遠いところにいって、
ただやるべきだけをひたすらやり続ける。
やるべきことをやるということが、これほどまでに難しいとは。
迫り来る思考の波を避けて先に進むことが、これほど大変な作業だとは。
思考というものはナイフではないだろうか。

余計なことまで考えてしまうということは、そのナイフの刃を握っているようなもので、
思考に飲み込まれている状態であり、逆に必要なとき、必要な分だけ思考できるというのは、
思考という名のナイフの柄を握って、思考を武器として使えているということじゃないのか。
ナイフの刃を握ってしまえば、それは便利な道具から一転して、
自分を傷つける、邪魔な存在、敵になってしまう。

自分の中にあるナイフの存在を意識して、注意して生きていかねばならんな、と俺は思った。
こうして何かを学ぶのは簡単なことだ。問題は、その学んだことをどう生かせるか、だ。
じゃあ、まず何をすりゃいいか。


22 名前: 建設作業員(鹿児島県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 23:52:49.40 ID:Zo1BcArr0
('A`)「とりあえず……」

とりあえず明日、学校へいこう。そんで、昼飯のサンドイッチは、ちゃんとしたパンを使って、味付けにも気を使おう。
あんな味のねえパン食ってたら、舌がおかしくなりそうだ。まあ、そんくらいでいいだろう。そんな、社会を変えようだとか、
でかいことをしてくれなんて誰も言ってないし、する必要もないし、できない。大層なことじゃない、行動しろってのは。
朝早く起きる、とか、そんだけでもいいんだ。なんでもいい。ちょっとしたことでも、してみよう。
何か変わるかもしれないだろ。俺はそこで灰皿を見た。

('A`)「アッー!煙草吸いてええええええええ」

禁煙は、きついわ。マジで。












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