1 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 21:17:38.15 ID:3SkPWZAh0
ぴぴぴぴっ、ぴぴぴぴっ、ぴぴぴ…
バシッ
('A`)「ん…なんだよ。もう6時か」
布団の中になかば潜ったまま、俺は目覚まし時計を止める。
('A`)「ふあぁ…。さて…」
そう言い、俺はのそのそと布団から起き出すとトースターにパンをセットし、
水の入ったヤカンを火にかけて洗面所に向かう。
いつもの朝の光景だ。
これから俺は顔を洗ったり髭を剃ったりして、会社に逝く準備をしなくてはならない。
眠い目をこすりながら、淡々とその作業をこなす。
勤め先の会社は世に言う大企業ではなく、好景気といわれる現代でも経営難に陥っている。
そんな会社でも俺の勤め先であることには変わりないので、少々労働条件が
悪くても生活のために今日も出社する。
2 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 21:19:46.38 ID:3SkPWZAh0
だが、最近は少々度が過ぎる。
夜の9時まで働くのは当たり前。給料は一向に上がらないのに
税金と労働時間は容赦なく上がっていく。最近睡眠不足だと思う。
('A`)「働けど働けどなほ わが暮らし 楽にならざり ぢっと手を見る …か」
そうひとりごちながらも朝食を済ませると、手早く身支度をして今日も会社に向かう。
そんな俺には、夕飯がてら勤務開けに時々寄る店がある。
3 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 21:21:30.37 ID:3SkPWZAh0
職場ではパソコンに向かいながら仕事をこなしていく。
さながら、ロボットになったようだ。
業務をこなしてもこなしても、そのまた次の業務がやって来る。
時間の感覚が失われる。
目は霞むし、肩は凝る。
それでもパソコンに向かう。延々とその繰り返しだ。
そんなことを繰り返しているうちに9時になり、今日の仕事が終わった。
どうやらデスクの向かいに居るアイツも同時帰社になるらしい。
たまには2人で例の店に行くのもいいもんだ。
( ^ω^)「課長、お先に失礼しますお」
('A`)「お先に失礼します、課長」
^^ω)「ああ、ご苦労だったホマ。…いつも遅くまで残業してくれて申し訳ないホマ」
4 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 21:23:25.52 ID:3SkPWZAh0
( ^ω^)('A`)「いえいえ。では」
そういって俺たちはオフィスを出る。ネクタイを緩め、隣のブーンに訊いてみた。
('A`)「今日も逝くか?」
( ^ω^)「当然逝くお。最近あまり逝ってないから恋しくて堪らないお」
('A`)「よし。じゃあ、いつも通り流しのタクシーを拾うか。
前回は確かブーン持 ちだったから、今日は俺持ちだな」
8 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 21:28:03.80 ID:3SkPWZAh0
大通りに出れば、流しのタクシーを見つけるのは容易だ。
俺たちはタクシーに乗り込むと、行き先を告げる。
('A`)「○○町の、『小料理屋クー』まで」
( ,,゚Д゚)「いょぅ。分かりました」
タクシーは静かに動き始める。東京の空は、夜の8時になっても明るい。
不夜城とはこんなものだろうか。
空が明るいのは、誰かがそこで労働している証拠でもある。
街中にはコンビニや牛丼屋など、24時間営業の店がここ最近でも
急激に増えてきた気がする。
そのぶん、深夜でも当然に働く人間が増えたという事だろうか。
('A`)「なあブーン」
( ^ω^)「うん?何だお?」
('A`)「ツラくないか?今の仕事…」
9 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 21:30:22.49 ID:3SkPWZAh0
(; ^ω^)「正直言ってツラいお。
5年ほど前は仕事の量と給料とが比較的安定していたけど、今は酷いお。
朝は早いし夜は遅い。最近睡眠時間もめっきり減 って、もう倒れそうだお…」
('A`)「だよなあ。重役どもは何をやっているんだ?
社長だってボンボンだからロクな苦労したわけではないし
仕事の量だって明らかに俺たちより少ないのに、いい物食って
たんまりと給料貰ってやがる。ったく、どうかしてるぜこの会社」
( ,,゚Д゚)「お客さん…」
('A`)「うん?何だ?」
( ,,゚Д゚)「あっしも話にちょいと加わって良いですかね」
( ^ω^)「別にいいお」
('A`)「構わないよ。ただ、事故らない程度に会話してくれよ」
( ,,゚Д゚)「では一つ…。私は、ご覧の通りタクシーの運転手です」
('A`)「そう見えるな。現にタクシーを運転しているんだから、本物なのだろう」
( ,,゚Д゚)「はい。で、私どもの業界の話になるんですが…」
11 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 21:34:55.09 ID:3SkPWZAh0
('A`)「うん」
( ,,゚Д゚)「お客さん、東京駅の八重洲口に逝ったことはあります?」
('A`)「あるよ。出張で新幹線をよく使うものでね。」
(; ^ω^)「僕もあるお。あれは凄いお」
( ,,゚Д゚)「それなら話は早い。
八重洲口前のタクシー乗り場は、同業者どもの車で占領されています。
ここ2年くらいですかね。規制緩和とか何とかで、ライバルが
次から次へと湧いて来たのは。
だからと言っても、お客の量はタクシーの量が増えたからといって、
大して変わるワケじゃない」
信号待ちをしている間、運転手は次々と感情を吐露していく。
( ,,゚Д゚)「当然、会社の収益は減ります。その責任は、現場に直接跳ね返ってくるんですよ。
それで、『努力が足りない』というワケで、サービス残業は当たり前。
妻子も居るというのに、 八重洲口だけでも通算百の夜を過ごしましたかね。
それでもお客が入ってこない夜の方が多いんですよ。
そんな夜が増えたっていうのに、給料はいっこうに上がらない。
好きだった煙草も、妻子のために止めました。
そうでもしなきゃ、やって行けないんですよ」
12 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 21:39:08.44 ID:3SkPWZAh0
(; ^ω^)('A`)「……」
俺たちは言葉を失っている。
否、言うべき言葉が見つからないといった方が正しいのかも知れない。
とにかく、目の前の男の現実は、俺たちの現実と乖離していた。
俺たちも十分仕事で苦労してきたと思っていたはずなのに、
目の前のこの男と比べてみるといかに瑣末な事かがわかる。
愛する者が家で待っているのに、彼女らを思うが故に会えない。
彼は、そんな夜を幾度となく過ごしてきたのだ。
( ,,゚Д゚)「最近、娘との会話もめっきり減ってきましてね」
そう言い、車は最後の四つ角を左折する。
( ,,゚Д゚)「家に帰ってきても、どことなくよそよそしいと言うか。
まあ、私も家に帰ってまずすることと言ったら、
寝ることですからね。内心、妻も娘も淋しいんだと思いますよ。
でもね、それを2人とも耐えているのだと思うと不憫でならなくて…」
軽いブレーキ音。
右手には『小料理屋クー』と書かれた看板が光っている。
14 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 21:42:53.13 ID:3SkPWZAh0
( ,,゚Д゚)「着きました、お客さん。えーと、1280円ですね」
('A`)「はい」
そう言い、俺は1500円を差し出す。
( ,,゚Д゚)「220円のお釣りですね」
車内はガシャガシャと小銭入れを漁る音で満たされる。
( ,,゚Д゚)「はい。220円と領収書。…すみませんね。
なんか愚痴を零したみたい になってしまって」
(; ^ω^)「いや、気にしないでくれお。貴重な話だったお」
( ,,゚Д゚)「はあ。どうも。お客さんが乗ってくれて有り難かったですよ」
15 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 21:46:19.70 ID:3SkPWZAh0
('A`)「じゃ、体に気をつけてな」
( ,,゚Д゚)「はい。どうもありがとうございました」
ドアが閉まる音が辺りに響き、やがてタクシーは走り去る。
(; ^ω^)「…」
('A`)「…入るか」
( ^ω^)「そうするお」
俺たちは引き戸を開き、暖簾をくぐる。
川 ゚ -゚)「いらっしゃ〜い」
20 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 21:53:53.11 ID:3SkPWZAh0
川 ゚ー゚)「あら、珍しい。今日はお2人なんですね」
( ^ω^)「たまにはそんな日があってもいいと思うお」
川 ゚ー゚)「ふふっ。今日はもう誰もいないから、閉めてしまおうかと思ってたんですよ。
でも、金曜日だからドクオさんくらいは来るかな…と」
('A`)「『くらい』ってのは聞き捨てならんなぁ。おい」
川 ゚ー゚)「まあいいじゃないですか。それで、まずはビールからですか?」
('A`)「ああ。中瓶とコップでいいよな?ブーン」
( ^ω^)「それでいいお」
22 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 21:58:15.59 ID:3SkPWZAh0
('A`)「あ、それと揚げ出し豆腐ひとつ」
( ^ω^)「じゃあ僕はサンマの塩焼きで」
川 ゚ー゚)「は〜い。突き出しのモズクでもどうぞ」
『小料理屋クー』の女将さんは、とても聞き上手だ。
時々会社帰りにこの店に寄っては、仕事上の愚痴を聞いて貰ったりする。
あらかた話し終えると、なんだかこう、肩の力がふっ、と抜けて
「明日も頑張るか」という気分になる。それに料理も美味しいので、
純粋に食べ物目当てに来るのもいい。
24 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 22:01:33.68 ID:3SkPWZAh0
川 ゚ー゚)「じゃ、まずビールですね」
クーさん自らが栓を抜き、カウンター越しにコップに注いでくれる。
これがまた美味しかったりするから不思議なものだ。
自分で注ごうとすると、こうはいかない。
('A`)「じゃ、ブーン。乾杯だ」
( ^ω^)「土曜日に乾杯だお!!」
('A`)「ははっ。違いない」
カチン、と冷えた音が店内に響き、俺たちはコップのビールを一気に飲み干した。
26 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 22:04:55.69 ID:3SkPWZAh0
('A`)「あ〜、やっぱりスーパード(ry」
( ^ω^)「喉にガツンと来るお」
川 ゚ー゚)「仕事帰りにビールを飲む方たちは沢山居ますけど、
誰もドクオさんたちのように美味しそうには飲んでくれませんよ」
( ^ω^)「それは何よりだお。ところで、僕のサンマはまだかお?」
川 ゚ー゚)「は〜い。ただいま。ドクオさんのもお待たせ」
('A`)「こりゃ旨そうだ。頂きます」
( ^ω^)「頂きマスの寿司だお!!」
28 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 22:08:51.77 ID:3SkPWZAh0
しばらくの間俺たちは食べて、飲んだ。
ビールもそれぞれ瓶1本ずつは飲んだだろうから、結構気持ちよく酔い、
俺たちは結構饒舌になっている。
(*'A`)「なぁブーンよう」
( *^ω^)「なんだお?…ゲェップ」
(*'A`)「汚ねえなぁ…。あのさ、この社会ってさ、つくづく不公平だよな」
( *^ω^)「そうかも知れないお。現に、僕らだって
一生懸命働いているのに薄給だし、あの運ちゃんも可哀想だったお」
(*'A`)「だろ。頑張ったら頑張った分だけ認めてくれる社会にならねぇかな。
ほら、あっただろ。社会主義とか何とかってのが」
31 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 22:15:06.96 ID:3SkPWZAh0
( *^ω^)「でもそれはそれで大変そうだお。
たしかに、悪賢く稼ぐ金持ちもいれば、プラプラしているDQNどもに
暴行されて逝ってしまうホームレスもいるから、
ちょっとは不平等をなくして欲しいお。だけど社会主義ってのは…」
川 ゚ー゚)「あらあら、なかなか難しい話をしているじゃないですか」
(*'A`)「いや、俺たちリーマンには切実な話だって。
俺たちは中小企業の社員だけどさ、クーさん。
どんな社会だって、下っ端が居なきゃ成り立たないんだよ。
で、その俺たち下っ端が一番冷や飯を喰っている。
これはどういうことなんだ って思うよ。
だいたい、さっき俺たちを乗せてきた運ちゃんも…(ry」
川 ゚ -゚)「ふーん。やっぱり、現代は底辺が苛められる社会なのかも知れないわねぇ」
(*'A`)「でしょ?」
川 ゚ー゚)「でも、ね」
33 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 22:18:33.18 ID:3SkPWZAh0
(*'A`)「うん?」
川 ゚ー゚)「世の中にはね、ドクオさんの言うような、客待ちが日課の運転手や
毎晩突貫工事をする土方もいますよ。
だけど、その反面で『働いたら負けかなと思ってる』なんて言う
ニートや毎日ネットばかりやってる無職もいます。
そんな人がいる中で、果たして社会主義になったとしても
私たちはうまくやっていけるかしら?」
( *^ω^)「考えてみればそうだお。僕らが額に汗して働いているのに、ニートも
同じ給付を受けるのは納得がいかないお。
まだ僕らはいいかも知れないけど、妻子持ちのあの運転手はどうなるお?」
(*'A`)「うん…そうだな……」
34 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 22:23:15.04 ID:3SkPWZAh0
川 ゚ー゚)「ドクオさんたちはまだいい方ですって。頑張ったぶん、ある程度は
評価されているんですから。
社会主義国家も、あとは中国やキューバくらいになりました。
中国では、社会主義を採用しているはずなのに
貧富の差が生まれているから、格差を是正するのが大変らしいとか。
あんなに大きな国でしょう?上手くいけばそれはそれでいいんですが」
(**'A`)「…」
川 ゚ー゚) 「それに、です」
(**'A`)「ああ……」
35 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 22:26:17.80 ID:3SkPWZAh0
川 ゚ー゚) 「社会主義だと、どんなに頑張って働いても、どんなに手を抜いても
ノルマを達成しさえすれば報酬は同じだったらしいですよ。それで労働意欲が
失われたとか。じっさい、詳しいことは私には分かりませんけどね」
(**'A`)「……」
37 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 22:31:47.82 ID:3SkPWZAh0
頭がうまく働かない。
俺の置かれている境遇は、思ったより悪くないものなのか?
だとしたら、この境遇にこれからも耐えていかなければならないのか?
そもそも、『耐える』こと自体が贅沢なのか…?
俺は少し混乱していた。
川 ゚ー゚)「ドクオさんたちを見ていますと、ね」
気がつくと、クーさんが俺の隣に座っている。ブーンもクーさんを見ている。
川 ゚ー゚)「頑張る姿って、素敵だなぁって思いますよ。私は主人の遺志を継いで今も小料理屋を
やっていますけど、ドクオさんたちにはまだ、報われる余地がありますって。
こんな店、出世とかとは無縁ですもの」
38 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 22:34:58.80 ID:3SkPWZAh0
( *^ω^)「そうだおドクオ。会社の業績が上向けば、少しは僕たちも報われるかも知れないお。
それに、こうやってドクオと仕事帰りに飲むビールは格別だお 、ゲプ」
そう言い、ブーンは俺の肩をぽん、と叩く。
(**'A`)「そう…かもな……」
川 ゚ー゚)「今の社会、頑張り方しだいでは必ず報われるんです。まだドクオさん
たちには希望があるじゃないですか。生前、夫のショボがよく言ってました。
『負いかたひとつで重荷も軽い』…って。下ばっかり見ていたら、切りがないですよ」
そういって、クーさんは俺の顔を覗き込む。優しい笑みを浮かべていた。
39 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 22:38:43.33 ID:3SkPWZAh0
(**'A`)「クーさん」
川 ゚ -゚)「はい?」
(**'A`)「まだあるかな…バーボン。ショボの名前聞いたら久し振りに飲みたくなったよ」
( *^ω^)「まだ飲む気かお?相当…ウップ。相当酔ってるお」
川 ゚ ー゚)「あらぁ。今はバーボン無いんですよ。来週いらして下さるのならお2人のために
夫が好きだったバーボンを用意しますけど」
( *^ω^)「それでいいお。ドクオも今日はもう飲まない方がいいお」
(**'A`)「そうか…じゃあ、そうするよ。そろそろお暇するかな。えーと、勘定は…」
川 ゚ー゚)「今日はいいですよ。久し振りにお話できて楽しかったです」
( *^ω^)「え…でも……」
川 ^ー゚)b 「来週、いらっしゃって下さるんですよね?」
41 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 22:43:41.08 ID:3SkPWZAh0
ガララッと、引き戸が開く音。
(**'A`)( *^ω^)「ごちそうさまでした」
川 ゚ー゚)「どうも。お気をつけて」
そう言い、クーさんは道を歩く俺たちの後ろで暖簾を取り外す作業に取りかかる。
どうやらクーさんの予想どおり、俺たちが最後の客になったようだ。
大通りに向かう道を、俺とブーンは肩を並べて歩く。少々足取りはおぼつかな
いものの、まっすぐ歩けないほどでもない。狭い道に俺たちの
足音が反響しているのがよく聞こえた。
2月の夜風は冷たく、俺の酔いをいい感じに醒ましてくれる。
それでも、クーさんの店で感じた
温かみはまだ俺の胸に残っている。それは、隣で歩いているブーンも同じことだろう。
42 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 22:46:34.76 ID:3SkPWZAh0
煙草に火をつけながら、これからのことを考える。つらい職場だとは思うけれども、
クーさんのお陰で肩の力が抜けた気がする。この調子なら、月曜日からも
何事も無く出勤できるだろう。
(*'A`)「なあブーン」
( *^ω^)「なんだお?」
煙を吐きながら、俺は言ってみた。
(*'A`)「この社会も…案外捨てたものじゃないのかも知れないな」
( *^ω^)「僕もそう思うお」
43 名前: ◆spzKjTJd5o [] 投稿日:2007/02/05(月) 22:51:21.00 ID:3SkPWZAh0
やがて、大通りに出る。俺の家はここからは近いので、ブーンだけが
タクシーに乗って家に帰ることになる。
ここに来るまでにしたように、俺は流しのタクシーを止めた。
(*'A`)「じゃあ、お別れだ。今夜は楽しかったよ」
( *^ω^)「僕も楽しかったお。じゃ、これで」
ブーンがタクシーに乗ろうとする。しかし、そこで俺はいったん呼び止めた。
(*'A`)「ブーン、ちょっと」
( *^ω^)「なんだお?」
(*'A`)「来週も…飲みに来ような」
( *^ω^)「もちろんだお!!」
ドアが閉まり、タクシーが走り出し、やがて見えなくなる。心なしか辺りの空気が新鮮に感じられた。
('A`)「さて、と」
俺は吸殻を携帯灰皿に入れ、2月の空気を肺いっぱいに吸い込み、思いっきり吐き出した。
('A`)「帰るか」
そうひとりごちると、俺はちょっと軽い足取りで家路についた。
fin.
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