( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`) 〜( ・∀・)は残そうとしたようです 第5話〜

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34 名前:( ・∀・)は残そうとしたようです[] 投稿日:2007/03/20(火) 18:20:13


【 5 】


僕の旅は終わりを告げることができ、これからは安眠でき


そうだったのだが、僕の頭はそれを簡単には許さなかったようだ

( ><)「…………皆の記憶に残るため……?」

僕は少し納得がいかなかった

布団の中で僕は考えていた

皆の記憶に残るため、わざわざ遠征


……そういえば、モララーさんって職場ではどんな人だったんだろう

65だったはずだから大体5年前に定年退職したことになるのかな……?

モララーさんが一番人の記憶に残る方法

それは職場でいろいろすれば良かったのではないだろうか

でも、職場であんな風に暴れまわるのはいくらなんでも……


明日はモララーさんの職場だったところに行こう

僕はそう決めてまた眠りに就いた


35 名前:( ・∀・)は残そうとしたようです[] 投稿日:2007/03/20(火) 18:20:53




まあまあ晴れ

お世辞ならすがすがしいと言えるぐらいの晴れ

僕は朝食も摂らずVIP荘に直行した

モララーさんの日記を見ても、職場に関する情報は無かった

だから、彼の部屋の私物をまたもや漁って情報を手に入れようと思ったのだ

電車で10分、電車の中で腹の虫が騒いだ僕は、朝食を摂らずに来たことを後悔した

電車が着き、急いでコンビニに直行

そんなに腹が減っていたわけではないが、なんとなく急いでみた

忙しいってこんな感じだろうか

朝の冷たい空気を照らす太陽

久しぶりに綺麗な空気を吸った感じだ

僕はコンビニ弁当を貪りながら、無駄な地の文を増やした

無駄だとしても、事実には変わりない


36 名前:( ・∀・)は残そうとしたようです[] 投稿日:2007/03/20(火) 18:21:39

VIP荘

モララーさんの部屋、101号室

僕は合鍵を使って侵入

モララーさんの私物はまだ誰にも回収されていない

大家の僕に、モララーさんの家に入りたいと言ってくる人もいなかった

彼には家族はいなかったのだろうか

まず、独身だったのは一人暮らしから分かるが、兄弟もいないとなると

彼は本当に孤独だったということだろうか


それにしても、何も無い部屋だ


( ><)「名刺かなんか……ないんですか?……」

………………

僕はいろんな場所を探し回った

そしてついに

( ><)「やったー! 見つけたんです」

携帯電話

充電器と一緒に、押入れの中にあった

これなら職場の情報も載っているだろう

僕はワクテカしながら充電器をコンセントに差し込み、携帯電話の電源を入れた


37 名前:( ・∀・)は残そうとしたようです[] 投稿日:2007/03/20(火) 18:22:34

僕は早速携帯電話を操作し、職場の情報を探す

そして、見つける

( ><)「よしよしよし………………結構遠いですね……」

まあまあ近いほうだったが、例えどんなに遠くても僕はもう驚かない



僕の携帯電話が鳴った

( ><)「もしもし、なんですか?」

どうやら102号室の人のようだ

102「隣の101号室から妙な物音がするんですけど……泥棒ですかね……?」


………………………………

………………………………


(;><)「すみません、それ僕なんです」

102「!」

(;><)「大丈夫なんです、ここの前、こここに来たとき、落し物しててて…………それを探しに来たんです」

苦しい言い訳

この国の法律では、まあこれぐらいなら捕まらないのだが、僕は異常なまでにテンパッた

(;><)「もう見つけたんで、帰るから安心するんです!」

そんなこと言われて、誰が安心すると言うのだろうか

僕は急いで電話を切り、部屋から駆け出した


38 名前:( ・∀・)は残そうとしたようです[] 投稿日:2007/03/20(火) 18:23:22

(;><)「ふうー、危なかったんですー」

別に危なくはない

僕は今しがた調べたモララーさんの職場だったところの住所へ向かうことにした


────────────

( ><)「着いたんです」

僕の目の前にあるのはちょっとしたビル

別にそんなに大した企業じゃなさそうだ(失礼な物言いだが)

正面玄関から突入、受付に直行

僕はモララーさんの働いていた部署を聞き、そこへ向かった

受付の人は、モララーさんのことをよく知っていたようだ

なぜだろうか、一社員をわざわざ受付が覚えている

モララーさんは実はただものじゃないんだろう、僕はそう思った


着いた

( ><)「失礼しますなんですー」

扉をゆっくり開け、こう言った

すると奥から女性がやってきた

( ‘∀‘)「どうされましたか?」


39 名前:( ・∀・)は残そうとしたようです[] 投稿日:2007/03/20(火) 18:24:22

( ><)「実は、モララーさんという方について話をきかせてもらえないかと……」

( ‘∀‘)「え?! モララーさんについてですか?!」

僕は面食らった

こっちが質問しに来ているのに……

(;‘∀‘)「ああ、ごめんなさい……急に大声出して……」


すると、その女性──名札を見たところ、名前はガナーというらしい──は遠い昔を懐かしむように話を始めた

( ‘∀‘)「モララーさんはいつも勤勉な人で、良い人でしたよ……5年ほど前に定年退職しましたが……」

( ><)「…………そうですか……」

勤勉……彼が……

モララーさんには失礼だが、本気でそう思った

( ‘∀‘)「いつも業績は凄くて、かなり優秀な人でした」

( ><)「……あの」

( ‘∀‘)「はい?」

( ><)「……騒ぎとか……起こさなかったんですか?」

僕は堪らず聞いた

失礼だったかな

この職場での姿が、モララーさんの本性なのかな



40 名前:( ・∀・)は残そうとしたようです[] 投稿日:2007/03/20(火) 18:25:19

( ‘∀‘)「ええ、騒ぎなんか起こすような人じゃ……むしろ、もうちょっと騒ぎぐらい起こしてもいい人だったのに」

( ><)「はい?」

(  ‘∀)「彼はいつも仕事に熱心で、まったく人間味も感じられない人でしたよ……」

彼女は、あさっての方向を見つめ、こう言っていた

( ><)「……そうですか……ありがとうございました」

僕は急いで部屋から出た

後からガナーさんの声がしたらしいが、僕はそのときは気づかなかった

理由もなく、急いでいた所為で



モララーさん、あなたはどうして職場では機械のように仕事をしていたんですか?

それなのにあなたは皆の記憶に自分を残そうとしている

機械のように仕事をすることで、皆の記憶に残りたかったんですか?

確かに、受付の人もあなたのことを知っているぐらい、伝説の社員だったそうですね

わかんないことが増えたんです

だから僕は決めました



モララーさん、僕はまだまだあなたの残したものを探すんです




41 名前:( ・∀・)は残そうとしたようです[] 投稿日:2007/03/20(火) 18:27:54


【 5.5 】


( ><)「…………さて……どこに行こうか……」

当てもなくあの会社を出た僕は、勝手ながら途方にくれていた

どうしようもない、今はまだ昼だ、帰るのには早すぎる

僕はモララーさんの日記を開いてみた

@────────────

今度、教会で結婚式があるそうだ

めいっぱい祝福してやろう

────────────@

( ><)「確か結婚式の記事は……」

結婚式の記事が二つある

モララーさんは二回も結婚式に出席……乱入していたことになる


( ><)「この住所、いつものに比べて近いんです!」

僕は、そこから現場に直行することにした


42 名前:( ・∀・)は残そうとしたようです[] 投稿日:2007/03/20(火) 18:31:02


電車の中

僕はモララーさんについて考えてみた

モララーさんが機械的に働いていた理由はなんだろう

日記の活動の時期がまちまちなのはなんでだろう

日記を見ると、綿密な計画が練られた跡があった

走り書きもあり、丁寧に書いてあるものもある

他人のことなんて、分からないことのほうが多い



と思っていたのだが、僕は簡単に、答えに辿りついた

多分これは正解だろう





モララーさんが機械的に働いていた理由

それは自分の生活を守るため

職を失わないため

当り前だ

さすがの彼でも、職場まで荒らすことはできなかったということか

活動の場所がまちまちな理由

自分の身元がばれたらクビになるからだ

よく考えてみると、モララーさんの活動してきた場所は全てあの職場を中心に考えると

僕の移動した距離よりも更に遠くなる

そういうからくりだったのか

活動の時期がまちまちな理由

それは、一生懸命働いていたから

いつもいつも活動するわけにはいかない



そう、僕みたいに家賃収入で好き勝手できる人間じゃなかったから



僕みたいに、自分のやりたいことをすぐにできるような人じゃなかったから



僕はこのとき、自分の家賃収入を本当に悲しく思った



贅沢な、悲しみだ

そして僕は未だにVIP荘のオーナーだし、これからもそうなんだろう




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