486 名前:(´・ω・`)ショボンの渇きは続くようです[] 投稿日:2007/05/15(火) 21:50:01.88 ID:Y8PxBmxc0
(´・ω・`)「君がいなくなってもう3年か。僕はとうとう君の歳を追い抜いてしまったよ。
このバーボンはサ-ビスだからたっぷりと味わってほしい」
秘蔵のバーボンをためらいもなく開け、中身を溢す。
最愛の友に…
(´・ω・`)ショボンの渇きは続くようです
僕の名前はショボン。いきなりだけど僕は男色だ。現代風に言い直すと
ゲ イ な ん だ。
そんな僕は大事な人が眠るお墓の前で黙祷をしている。
黙祷なんてしても意味がないのにね。彼はもうここにはいない。
あの世という場所にでも逝っているのだろう。
いつもいつも僕の耳元で呟いていた「イク」という言葉が、
こんな悲しいイきかたになるとは思ってなかった。
(´・ω・`)「君がいない日から僕は渇いたままだ。このままじゃ干からびてしまうよ。
どうすればいいんだろうね」
墓前に語りかけるも答えは返ってくるはずがない。
でも彼の潤いがないと…頭がおかしくなって死んでしまう。
ねぇ、シャキン…。君はあの世でもksmsをしているのかなぁ…
日が暮れてきたので墓を後にして、僕は家に帰ることにした。
550 名前:(´・ω・`)ショボンの渇きは続くようです[] 投稿日:2007/05/15(火) 22:20:07.03 ID:Y8PxBmxc0
家に帰る途中、公園に寄った。別に用があったわけじゃない。
阿部さんに潤いを求めてるとかでもない。
ただなんとなくだ。
(´・ω・`)「寒いな…」
5月でも時折寒い日になる。既に日は暮れて、夜空にはお月さんが顔を出していた。
自販機を探すがこの辺りにはなかった。仕方なく帰路へついた。
(´・ω・`)「ただいま〜っと」
独り寂しく挨拶をして、家に上がる。
築何年かは忘れたけど相当古いボロアパートだと思っていい。
今、このアパートには大家さんと僕だけが住んでいる。家賃は安めで大家さんも優しい人だ。
シャキンとは同棲していた。大学で知り合い、学科が一緒で、いつの間にか仲良くなっていた。
そして、彼もまた男色の趣味を持っていた。
互いに同じ趣味を持っていた。つまり試してみるか、という話になった。
シャキンも初めてで僕も初めてだった。
(´・ω・`)「大丈夫かな…」
(`・ω・´)「安心しろ、お前は俺を信じて貫いて来い」
暗がりのアパートの一室で僕は静かに頷いた。
そして、僕と彼はひとつになった。
750 名前:(´・ω・`)ショボンの渇きは続くようです[] 投稿日:2007/05/16(水) 00:26:08.12 ID:Vj803OiY0
それからと言うもの、時間が出来たらLet`s ksmsだった。
学校でも、トイレでも、公園だと二人とも阿部さんにやられていた。
楽しかった。至福のひと時っていうのはこういうことだと実感した。
シャキンがアパートから消えるまでは。
(;´・ω・`)「シャキン!?何処に行ったんだい?」
僕は机に置かれていた書置きを読み、すぐに部屋を出た。
シャキンと行ったことがある場所やksmsし合った場所も捜した。
しかし、シャキンは見つからなかった。
半年が過ぎ、僕は途方に暮れていた。
ある日、大学の帰り道。公園の近くを通ると阿部さんが僕を見つけて
こちらに走ってきた。
阿部さんの話を聞いて僕は走った。シャキンの所へ。
753 名前:(´・ω・`)ショボンの渇きは続くようです[] 投稿日:2007/05/16(水) 00:27:23.15 ID:Vj803OiY0
大学へ着くと旧校舎にある教室へ向かった。
身を覚えのある後姿、シャキンだ。
(`・ω・´)「…………」
(´・ω・`)「シャキン…」
シャキン。僕の愛するシャキン。さぁ今すぐ僕の渇きを潤してくれ。
さぁさぁさぁ!
(`・ω・´)「ショボン。俺は好きな人ができた」
なんのことだい?悪い冗談はよしてくれ。さぁ早く僕を抱いてくれ。
(`・ω・´)「だから、俺はもうお前を抱けない。相手は女性だ。かわいいわけではない
けどな。よく出来た女性だよ」
なににやけているんだい?
(´ ω `)「僕たちはもう終わりだと?あんなに愛し合った仲なのに?」
力いっぱい拳を握った。爪が皮膚に刺さり血が出たと思う。
(`・ω・´)「ああ。俺も心苦しい。だが相手の女性にはもうプロポーズしてしまった。
了解を得て、来年には式を挙げる予定だ」
この時、僕は話を聞いていなかった。憎しみと嫉妬が、限界まで沸きあがってきた。
気づいたときはシャキンを殴っていた。
(´ ω `)「さよなら」
倒れたシャキンを確認せずに、教室を飛び出した。
その勢いで走る。
体の芯が、いつまでもいつまでも渇いていた。
754 名前:(´・ω・`)ショボンの渇きは続くようです[] 投稿日:2007/05/16(水) 00:29:06.17 ID:Vj803OiY0
アパートに着き、水道水の蛇口をひねった。
コップを使わずに下から口を入れてがぶ飲みをした。
それでも渇く。渇ききってる。意味がないと思って飲むのを止めた。
生きる意味がなくなってしまった。
(´ ω `)「はは…なにしてるんだろう」
それから僕はひたすら寝るようにした。これなら渇く心配がないからだ。
眠りの生活を始めて、4ヶ月が経った。大学はもう行っていない。
部屋の中は飲み物の空き缶やペットボトルが散乱していた。
起きては水を飲み、水に飽きたらコンビニへ買いに行く。
苦痛とは思わない。ただ早く解放されたかった。
その日の正午、部屋に女性が尋ねてきた。
女性は涙ながら話しをした。
低下した脳で理解するのに苦労した。でもしないほうがよかったかも知れない。
(´ ω `)「シャキンが…死んだ?」
僕はその場に倒れた。
755 名前:(´・ω・`)ショボンの渇きは続くようです[] 投稿日:2007/05/16(水) 00:30:34.68 ID:Vj803OiY0
(´・ω-`)「ん…ここは?」
白いベット、白いシーツ。この独特の臭い、病院だった。
上半身だけ体を起こすと関節に痛みが走る。
しばらくすると、医者と先ほどの女性が現れた。
どうやら極度の栄養失調だったらしく、しばらく安静にしなきゃいけないそうだ。
(´・ω・`)「あ、なんか迷惑かけたみたいですね、すいません」
女性に謝ると、何かを思い出した。
シャキンだ…
話を思い出すと、シャキンは一年前に癌が発見され、既に手遅れだったそうだ。
好きなように生きろと言われてから、本当に好きなように生きた。
滅多に体験できないこと、無謀な挑戦などやっていた。
そして僕と出会った。
男色、つまりゲイだった僕に話しかけ自分もその世界に走ってみたかったらしい。
あのksms体験。相当クセになったようだ。
756 名前:(´・ω・`)ショボンの渇きは続くようです[] 投稿日:2007/05/16(水) 00:31:32.96 ID:Vj803OiY0
段々と日々をすごしていく内に、体調に変化が起きた。
体が重く、何度か何もないところで躓くようになった。
死が近いと悟ったのか、シャキンはアパートを後にした。
僕にバレないように。僕を悲しませないように。
シャキンに半年振りにあった日、本当は癌のことを話そうとして僕を呼んだ。
でも、僕の粘着ぶりを見て、咄嗟の嘘をついた。
このまま隠していこうと。
そして、僕を男性から女性へと愛を向ける為にと。
(´;ω;`)「バカだなぁ…正直に言ってくれれば…」
多分、正直に話しても無意味だっただろう。
あの渇きは、僕を狂気にしていたから。
757 名前:(´・ω・`)ショボンの渇きは続くようです[] 投稿日:2007/05/16(水) 00:32:44.11 ID:Vj803OiY0
(´・ω・`)「おっと、いつの間にか寝ちゃってたな」
墓参りの服装で寝てしまったようだ。スーツがしわくちゃだ。
あれから、僕の渇きは潤うことはなかった。ksmsを止めたのもそうだが、
僕には守る家族が出来たからだ。
今、家族は僕を置いて食事をしに行っているが…
(´・ω・`)「シャキン…やっぱり君しかいないな」
棚からバーボンの取り、ストレートで飲む。
相変わらず渇く。
(´・ω・`)ショボンの渇きは続くようです
完