( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`) 〜(´・ω・`)しょぼんたちは世界の果てに現れたようです 第十話 何もかもが嘘だと〜

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3 名前:アムス[] 投稿日:2007/01/02(火) 21:56:01.47 ID:ohNWnUud0
第十話 何もかもが嘘だと

(-_-)「気になることが一つか二つ」

( ∵)「なんでしょうか?」

(-_-)「誰かわからないけど、あなたの部下がギコのところに行ったよね?」

( ∵)「……ああ、知ってたんですか」

(-_-)「あれは、なんのため?」

( ∵)「いえ、もういいです。関係なくなりましたから」

(-_-)「と、いうと?」

( ∵)「ちょっとした手違いですよ。少し失敗しましてね」

(-_-)「……珍しいね、柘榴のトップともあろう者が失敗するなんて」

( ∵)「そうですねえ。はは、どこかから天罰が下るやも知れません」


5 名前:アムス[] 投稿日:2007/01/02(火) 21:56:47.90 ID:ohNWnUud0
いくら地下で繋がっているといっても僕らは時空を超えることが出来ない。
つまるところ、そろそろ歩くのに疲れてきた……ということだ。
モララーさんを先導に左に曲がったり右に曲がったり。
休憩などあるはずもない。
時間的にはもう半日ぐらい歩いた気分だ。

現在一行は八人。
( ^ω^) ξ゚听)ξ (´・ω・`) (*゚ー゚) ( ・∀・) ( ∵) 川 ゚ -゚) (-_-)
である。
それが蛇のように列をなして長々しい廊下を練り歩いているのだ。
ある意味、滑稽。

( ・∀・)「さて、そろそろですよ」

その声が響いたとき、一同の間に安堵の空間が形成されたのは間違いない。
僕もとりあえず腰を下ろしたくなったがそういうわけにもいかないので、仕方なく歩行を続ける。


6 名前:アムス[] 投稿日:2007/01/02(火) 21:57:10.33 ID:ohNWnUud0
モララーさんの言葉通り。廊下の終わりはすぐそこにあった。
突き当たったその先に、一つの扉。エレベーターの扉であることが外見で明らかだ。

中は広く、八人を優に収容することが出来た。
モララーさんがボタンを操作し、やがて静かに上昇を始める。
作為的な空気が包み、誰も言葉を発しない。

そして、意外と早くエレベーターは、空気が抜けたように停止する。

開かれた先には、まだ廊下が続いていた。
再び重苦しい感覚に襲われる。
疲労感もここにきて最高潮だ。

( ^ω^)「ツン、大丈夫かお?」
ξ゚听)ξ「……まあ、ね」

そんな中で一人、アンドロイドであるブーンは元気そのものである。
本当にどこも故障していないようだけど、今となってはその姿が妬ましい。


8 名前:アムス[] 投稿日:2007/01/02(火) 21:57:35.42 ID:ohNWnUud0
喪服の行列みたいな沈黙部隊はついに一つの鉄扉の前にたどり着いた。

( ・∀・)「ここを開ければ、放棄地区はすぐそこです」
(-_-)「ふうん」
( ・∀・)「ところで、放棄地区を見たことは?」
(-_-)「……僕はたまにテクノポリスから眺めるぐらいかな」

( ・∀・)「不思議なものです。
     あなたたちは他の地区に住んでいる人と違って自由に動くことがある程度可能。
     しかしながら、誰も放棄地区に立ち入ろうとはしない」
(-_-)「逆に、誰も立ち入らないから放棄地区なんて称されてるんじゃないの」
( ・∀・)「そうかもしれません……が、もしも意図的に誰も近寄らせていないとしたら?」
(-_-)「どういうこと?」
( ・∀・)「答えをお見せしましょう」

彼は扉を開ける。


9 名前:アムス[] 投稿日:2007/01/02(火) 21:58:01.83 ID:ohNWnUud0
僕らが見たのは自然の全てとも言える光景だった。
涼風が舞うその向こうに、青々とどこまでも広がる海が見えた。
森が見える。草原が見える。テクノポリスの全景が見える。
誰からともなく、ほう、と溜息が漏れた。

そして。

背後にそびえたつのはいつか見た電波塔だった。
いや、形状は少し違う。網目状ではなく、白色で覆われているために中を知ることは出来ない。
高さは大体十五メートルぐらいだろうか。

しかし。
ここにはそれ以外のものが何もない。
枯れ草が落ちている。青々と茂る木々などどこにもない。
もちろん、生き物も存在していない。
遠くは自然の全てがあると思えるほど華やかだというのに。

(-_-)「何もないね」

興味なさげに先生が呟いた。

(-_-)「ジャンクの名にふさわしい場所だ」


10 名前:アムス[] 投稿日:2007/01/02(火) 21:58:49.39 ID:ohNWnUud0
「ここを作ったのは君たちだろう?」

不意に聞こえたその声は僕らの身を震わせた。
どこからの声か、一瞬わからなかった。
だがそれが、電波塔の下からのものだと判明したとき、僕はその姿に喫驚することになる。

/ ,' 3「この世界の鏡とも言える。ジャンクよりもむしろ世界の果てという名にふさわしい」
(-_-)「どういうことかな?」

さすが先生も、平静を失っているような声を出す。

/ ,' 3「すでに知っているはずだ。ここがあなたたちによる再構成の影響を受けない場所だと」

荒巻さんの口調はいささか変貌していた。
まるで怒っているように。まるで恨んでいるように。

/ ,' 3「再構成をしないだけで世界はこのように荒れ果てる」
(-_-)「それは、世界が再構成ありきになっているからだろう」
/ ,' 3「ならば考えたことはあるか? 誰が柘榴というシステムを創りあげたのかを」

(-_-)「荒巻さん……あなたこそ、誰なんです?」


11 名前:アムス[] 投稿日:2007/01/02(火) 21:59:20.94 ID:ohNWnUud0
(-_-)「柘榴にもテクノポリスにもV.I.P.D.Cにも所属していない。
    一介のタクシードライバーを名乗るがこの世界でその存在が続くはずもない。
    まぁ、まともな人間ならここには来ないでしょうしね」

/ ,' 3「私は誰か……か。無礼にもほどがある」
( ∵)「無礼……ですか」

刹那、カチリ、という小さな音。

ビコーズさんは、自らのこめかみにあてがわれた黒光りするそれに、目を閉じて反応した。

( ∵)「モララーさんは全てを知っているようですが」

( ・∀・)「彼は、神なのですよ」

いつの間にか、というか、おそらく僕らが混乱に支配されていたときだろう。
モララーさんが、秘書さんが、それぞれ手に持つ拳銃を掲げていた。
モララーさんはビコーズさんを狙って、秘書さんは先生を狙って。

ツンさんが悲鳴をあげる。
僕としぃは何も理解できないまま、ただ阿鼻叫喚の巷と化した光景を眺めていた。


12 名前:アムス[] 投稿日:2007/01/02(火) 21:59:45.85 ID:ohNWnUud0
(-_-)「神、ねえ」

命の危険に晒されてもなお、先生はその言葉を信じていなかった。

(-_-)「僕は仮にも科学者なんだ。そんな非科学的なことを言われても信用する気にはなれないな」
/ ,' 3「その割にずいぶんと昔話を求めていたようだが……まあいい。証拠を一つ」


その瞬間、荒巻さんはなんの動作も見せなかった。
だが、青い派の茂る大木は、いつの間にか僕らの目の前に現れていた。

/ ,' 3「この樹も、すぐに枯れ果てる」

巨樹を愛おしそうに見つめ、荒巻さんは呟いた。


13 名前:ホ−ムラン[] 投稿日:2007/01/02(火) 22:00:08.82 ID:ohNWnUud0
/ ,' 3「神……そういうと高尚に聞こえる」

嘲笑するが荒巻さんはゆっくりとこちらに歩み寄る。

(-_-)「どこから予定調和なのかな?」
( ・∀・)「強いて言えば、イレギュラーをこの地に招き入れたところからですかね」

あの時、僕らを迎えに来たのは荒巻さんだった。
そして、連れて行かれたのはモララーさん率いるV.I.P.D.C。
そこから、何かが始まっていた。

( ∵)「つまり、神とV.I.P.D.Cは最初から繋がっていたと」
( ・∀・)「そうなりますね。私は神のために全てを動かした」
/ ,' 3「違う。私が全てを操ったのだ」
( ・∀・)「……そうでしたね」

全てと、二人は言った。
僕たちをあのマンションに住まわせたのも。
僕たちをあっさりを逃がしたことも。
ギコさんは先生を会わせたことも。
柘榴と接触したことも。

全部荒巻さんの思い通りだというのか。
じゃあ、何のため?


14 名前:ホ−ムラン[] 投稿日:2007/01/02(火) 22:00:43.04 ID:ohNWnUud0

(*゚ー゚)「荒巻さん!」
/ ,' 3「……なんでしょうか?」

しぃの叫びに答える荒巻さん。
その声は、僕らの知るタクシードライバーの声だ。

(*゚ー゚)「全然意味がわからないんだけど!」
/ ,' 3「わかる必要もありませんよ。あなたたちにはこれから、一つの仕事をしてもらいます」
(´・ω・`)「し、仕事って……」
/ ,' 3「七面倒なことしてまであなたたちをここに連れてきた……それは全て君たちに神を継いでもらうためだ」

その言葉は僕の脳に直接打撃を与えた。
グラリ、と何かが揺らぐ。

(´・ω・`)「それは、つまり」
/ ,' 3「君もよく知るあの昔話だよ」


15 名前:ホ−ムラン[] 投稿日:2007/01/02(火) 22:01:08.65 ID:ohNWnUud0
その昔、神様は天と地と草木と動物を創造した
そして神様はそこを世界の果てと名付けた
動物はやがて進化を遂げ、ついには人間と呼ばれる高等生物が誕生した
人間は嫉妬した。なぜ自分たちの世界は「果て」なのかと
人間は神様の再降臨を願った。そして願い通り神様は果てに訪れた
嫉妬する人間たちに、神様は長大なる文明と知識を与えたのである。

やがてその文明も古びてしまう。
果てが混迷に包まれたとき、神様は二人となって舞い戻る。

先生とギコさんがしてくれた話だ。

/ ,' 3「この世界を作ったのは私。
    この世界に文明を与えたのも私。
    私は神ではなく創世者だ」
( ∵)「そしてまた、自ら混迷に包むつもりですか? 世界を」


16 名前:ホ−ムラン[] 投稿日:2007/01/02(火) 22:01:44.09 ID:ohNWnUud0
/ ,' 3「君たちのせいだ。君たちが柘榴などというシステムを作ったから
    容易に訪れるはずの混迷が訪れなくなった。
    ゆえに、私は新たなるイレギュラーが出現するまでの二百年間、
    ずっと待ち続けていなければならなかった!」
(-_-)「よくわからないね。創世者と言うならば、柘榴なんて壊すにたやすいはずだけど」
/ ,' 3「今の状態で柘榴を壊す……そうして世界の安寧秩序が保たれると思うか?
    一度構築された定義を再構築するのにどれだけの労力を要すると思っているんだ」
(-_-)「……怠惰な」

/ ,' 3「……君は知っているはずだがね」
(-_-)「何を?」
/ ,' 3「私がどうして疲れているかを」
(-_-)「それをわざわざ僕に問うということは……なるほど」

(-_-)「あなた、イレギュラーですか」
/ ,' 3「そうだ。だからこそ、この二人には神になる資格があるんだよ」


17 名前:ホ−ムラン[] 投稿日:2007/01/02(火) 22:02:00.86 ID:ohNWnUud0

ξ゚听)ξ「ちょっと待ってよ」
/ ,' 3「先日はご乗車ありがとうございました」
ξ゚听)ξ「世界を混迷に包むのは自分だって、まさかブーンを……」
/ ,' 3「進行プロセスにおける一つの事項ですよ」

( ・∀・)「ま、私が手引きしたんですがね」
ξ゚听)ξ「あんた……!」
( ・∀・)「おっと、動かないでくださいね。ここからは、神々の舞台ですから」

モララーさんが一転した冷笑を見せてビコーズさんのこめかみに銃を押しつける。
ビコーズさんが苦悶の表情を浮かべた。
秘書さんは無表情のまま、ただ指令を待つように先生の眉間に狙いを定めている。

何もかもが混迷を来すためだとしたら理解できてしまうかも知れない。
ただ、納得は到底出来ない。


18 名前:ホ−ムラン[] 投稿日:2007/01/02(火) 22:02:26.91 ID:ohNWnUud0
/ ,' 3「さて、お二人にはこちらに来てもらいましょうか」

荒巻さんの手招く先に、塔がある。

(´・ω・`)「……」
/ ,' 3「来なければ……と、物騒なことはしたくないのですが」

わかっている。
どうせビコーズさんや先生を殺すというのだろう。
神じゃない、ただの誘拐犯じゃないか。

(*゚ー゚)「……わかんないよ」
/ ,' 3「あなたたちは私の後を継ぎ、神となる。世界を構成する権利を得るわけです」
(*゚ー゚)「……」

しぃは言っていた。

この世界を、変えられるものなら変えたいと。


19 名前:ホ−ムラン[] 投稿日:2007/01/02(火) 22:02:45.65 ID:ohNWnUud0
( ・∀・)「一つ、ためになるお話をしてあげましょう」

( ・∀・)「ある地区では今日も爆撃が繰り返されます。
     その中、生を授かる子……ロマネスクという赤子がいるのですが。
     その子は、毎日午後二時に爆殺されます」
(´・ω・`)「!」
( ・∀・)「彼はたった三時間の記憶もない命を延々と繰り返すのです。
     痛みを知っているのかは存じませんが……
     まったく、輪廻転生なんてあったもんじゃないですよね」
(*゚ー゚)「だめだよ!」
( ・∀・)「……」
(*゚ー゚)「そんなの……だめだよ、絶対に」

( ・∀・)「ならば、神になってください」
/ ,' 3「私の代わりにね」
(-_-)「……自分勝手な神様だ」

先生が苦々しげに呟く。
荒巻さんはそれを、何を今更というように笑い飛ばした。


20 名前:ホ−ムラン[] 投稿日:2007/01/02(火) 22:03:02.12 ID:ohNWnUud0
/ ,' 3「神は誰のために世界を作る? 創世記における神はなぜ「光あれ」と叫んだ?」
(-_-)「……」
/ ,' 3「全て自分のためだ。
    自分の創った箱庭で動く生き物を見物したいがためにわざわざ世界を創世したんだよ」
( ∵)「創世記……?」
(-_-)「それはあまりにも否定的な考えだね」
/ ,' 3「だが現実的だ。実際私もそうだ。
    だからこそ、暇をもてあましているときにタクシードライバーという職業を選んだのだから。
    まぁ、私に合う職業ではなかったがね」

(-_-)「……わからないね、いろいろと。僕の常識に君は当て嵌まらないのかも知れない」
/ ,' 3「まぁ君の話はもともとどうでもいい。それよりも……だ」


21 名前:ホ−ムラン[] 投稿日:2007/01/02(火) 22:03:25.65 ID:ohNWnUud0
/ ,' 3「どうします? 君たちは」

その、口調の変貌が気持ち悪い。
僕はしぃを横目で見る。
彼女は唇をふるわせていた。まだ、怒りに燃えているのだろうか。

(´・ω・`)「神にならなければ、どうなりますか?」
/ ,' 3「今まで通りにこの世界は回り続けますよ。平和は続き、死ぬべき者は死んでしまいます」
(´・ω・`)「じゃ、じゃあ僕たちは」
/ ,' 3「それについては何とも」
(´・ω・`)「さ、さっきあなたはイレギュラーだって!」
/ ,' 3「……そうですねえ」

どこまでも狡猾だった。
僕の中で、答えなどはじめから決定している。
ノー、だ。
しかし、僕にはわかっている。
ヒートしたしぃのあまりにも短絡的な思考を。


22 名前:ホ−ムラン[] 投稿日:2007/01/02(火) 22:03:50.71 ID:ohNWnUud0
(*゚ー゚)「なるよ」
/ ,' 3「ほう」
(*゚ー゚)「私、なるよ。神様に」
(´・ω・`)「……」

やっぱり、彼女はバカだった。
しぃはこの世界の住人でもなんでもないじゃないか。
僕らの住む世界でも毎日誰かが理不尽な死に方をしている。
目先の別世界に囚われて何の意味があるって言うんだ。
彼女は何も理解していない。

/ ,' 3「それは嬉しい返答です」

実際、荒巻さんの表情は嬉々としている。

/ ,' 3「それでは、行きましょうか」
(*゚ー゚)「どこに?」
/ ,' 3「この塔の最上に、です。そこで引継の儀式のようなものを行います」



23 名前:ホ−ムラン[] 投稿日:2007/01/02(火) 22:04:14.62 ID:ohNWnUud0
でも、僕は彼女に何も言えない。
何を言っても無駄だと知っているから。
そして、僕は彼女に異を唱えることが出来ない。
ただ従うのみだ。
単純に、しぃと離れるのが嫌だから。
でも、それでいいのだろうか。この世界における選択を、個人的な感情に委ねて。
いや、違う考え方をしよう。
個人的感情以外の何にも、委ねることが出来ないのだ。

(-_-)「……しぃ、だっけ」
(*゚ー゚)「はい?」
(-_-)「やめた方がいい」
(*゚ー゚)「……どうして」
(-_-)「ま、止める権利は有しないけど、一つだけ」

(-_-)「僕は君たちが汚れる姿を見たくない。それだけさ


25 名前:ホ−ムラン[] 投稿日:2007/01/02(火) 22:04:45.96 ID:ohNWnUud0
( ∵)「同感ですね」

ビコーズさんも声を出した。

(*゚ー゚)「でも、私たちがやらないとこの世界は一生不幸なままだよ!」
(-_-)「君が神になったとして、全ての人間を幸せにする自信があるの?」
(*゚ー゚)「ある!」
(-_-)「……バカだね、実にバカだ。キリストですら、万人が満足する世界を築き上げられなかったというのに」

先生は吐き捨てる。
彼は怒っていた。完全に。

/ ,' 3「……さて、モララー」
( ・∀・)「はい?」
/ ,' 3「そいつらと共に上に行きましょう」


26 名前:ホ−ムラン[] 投稿日:2007/01/02(火) 22:05:12.50 ID:ohNWnUud0
( ^ω^)「……」

不意に、それまで電池が切れたかのように動かなかったブーンが歩き出した。
なぜか、秘書さんに向かって。

( ^ω^)「お前」
川 ゚ -゚)「……近寄ると、壊しますよ」

秘書さんが銃口を向ける。
が、ブーンは動じず、一旦目を閉じた。
そして、思い通り、といったように笑って目を開く。

( ^ω^)「微量の電波を受信したお」
川 ゚ -゚)「……だから? なんだと」
( ^ω^)「お前、アンドロイドだお」
ξ゚听)ξ「え……なんで? こんな人、柘榴に存在しなかったのに」
川 ゚ -゚)「何も関係のないことです」


27 名前:ホ−ムラン[] 投稿日:2007/01/02(火) 22:05:29.45 ID:ohNWnUud0
(#^ω^)「関係なくないお! アンドロイドは人を殺しちゃいけないんだお!」
川 ゚ -゚)「そんな定義は私に組み込まれていません」
( ^ω^)「……モラルに反するってツンが教えてくれたお!」
ξ゚听)ξ「……」
川 ゚ -゚)「理解に値しませんが」

( ・∀・)「ま、特注ですから。言ったでしょう? テクノポリスは私たちの傘下だと」
川 ゚ -゚)「……」
( ・∀・)「ま、どうでもいいことです。アンドロイドなんて、ね」
/ ,' 3「そうだ」

ブーンは何が言いたかったんだろう。
ただそれだけのために言い寄ったとは思えない。
どうしても。


28 名前:ホ−ムラン[] 投稿日:2007/01/02(火) 22:05:59.93 ID:ohNWnUud0
塔に歩み寄る囚人のごとき一行。
緊張感は半端ではない。

僕はしぃを見る。
しぃは何か、決意に燃えていた。
それは傍から見るとあまりにも滑稽だった。

でも、笑えない。
むしろ怒りたい。でもそうできない。
なぜかはわからないけど。

/ ,' 3「この塔に入るのも何年ぶりでしょうねえ」

荒巻さんのノスタルジーな声がなぜか耳に残った。


30 名前:ホ−ムラン[] 投稿日:2007/01/02(火) 22:07:59.95 ID:ohNWnUud0
挿話五

( ・∀・)「柘榴の花言葉を知っていますか?」

/ ,' 3「再生、だろう?」

( ・∀・)「実はもう一つ」

/ ,' 3「ん?」

( ・∀・)「希望」

/ ,' 3「……」

( ・∀・)「V.I.P.D.C.とは真逆の考え方ですね」

/ ,' 3「黙れ」

( ・∀・)「……わかりました」

・・・

・・






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