( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`) 〜(´・ω・`)しょぼんたちは世界の果てに現れたようです 第十一話 生き神さま 死に神さま〜

( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`)

( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`)更新情報


TOP ( ^ω^) ('A`) ( ´_ゝ`) (´・ω・`) 川 ゚ -゚) (*゚ー゚) ξ゚听)ξ




当サイトはブーン系小説の完結作品集 です。 読み物系は嫌いって方はご退場ください


下記からブーン系小説のジャンルを選択してください
ギャグ系:
戦闘系:
五十音別:
感動系:
カオス系:
作品一覧:
下ネタ系:
未分類:
その他:
47 名前:甲州[] 投稿日:2007/01/03(水) 10:51:13.46 ID:IW8oMVOy0
第十一話 生き神さま 死に神さま

塔内部には何もなかった。
そのせいか、一階の空間は意外と広く見える。
ただ上へ続く螺旋階段は、柘榴のそれを彷彿とさせる。

ただ、明るい。
どこから光が発せられているというわけでもない。
あえていうならば、空気が明滅しているようだ。

なぜか存在する期待と、必然的な不安の交叉。

最早疲労は感じなかった。
感覚はもうすでに麻痺してしまったようでもある。

僕は何がしたいんだろうか。


48 名前:甲州[] 投稿日:2007/01/03(水) 10:51:30.33 ID:IW8oMVOy0
/ ,' 3「ここは、私がこの世界に来て初めて創った建造物です」

先頭を行く荒巻さんが誰にともなく口を開く。

/ ,' 3「昔は、皆私を崇め奉った。
    だからこそここは主神地区と呼ばれたんだ」

懐古に浸る。
自己陶酔しているようでもあった。
誰も、何も言わない。

/ ,' 3「だが状況は変貌した。
    高度な文明を与えてやった途端、人間は柘榴などというシステムを構築した!
    冒涜にも等しき行為だ!」
(-_-)「ならばそのときに柘榴をつぶすべきだったね。今更言ってもしょうがない」

後続する先生がボソリと言った。

/ ,' 3「私とて暇ではないのだ…そして疑問だ。
    私がこの世界から手を離していたのは一年程度……だのに、気づけば文明は大幅な飛躍を遂げていた」
(-_-)「まぁそうだね。世界の中心ですらテクノポリスほど繁栄していないのに。」


49 名前:甲州[] 投稿日:2007/01/03(水) 10:52:14.47 ID:IW8oMVOy0
荒巻さんが与えた文明とはどの程度のものだったのだろう。
イレギュラー……だとすれば、少なくとも僕らの知る文明程度にしか発展させることが出来ないはず。
いや、そもそもイレギュラーがこの世界でなぜ永遠にも近しい期間を生き続けていられるのだろう。

/ ,' 3「君には後々聞きたいことがいろいろとある」
(-_-)「答えないかもね。それに、もっと知っている人がいるはずさ」
( ・∀・)「……」

(*゚ー゚)「ねえ、ヒッキー先生」
(-_-)「先生はやめてもらえるかな」

しぃの言葉を先生は突き放す。
彼女はしばらく黙り込み……それでも言葉をつなげた。

(*゚ー゚)「なんでテクノポリスでは普通に時が流れてるのに、あんなに平和なの?」
(-_-)「……」
(*゚ー゚)「あんなに文明が発達してたら、普通は支配しようとか思う人がでてくると思うけどな!」
(-_-)「……さあね。僕の知ったことじゃない」


50 名前:甲州[] 投稿日:2007/01/03(水) 10:52:29.66 ID:IW8oMVOy0
螺旋階段は柘榴の時ほど長くなかった。
最上にたどり着いたとき、僕の期待はある意味裏切られた。
その部屋には、何もなかったのだ。

ただ、周囲を展望できる窓だけが存在する。
物見櫓みたいな存在なのか、ここは。

確かに、創世の場所には相応しいかもしれない。

/ ,' 3「懐かしい場所だ。あの頃と何も変わっていない」
(-_-)「なぜ何も変わってないんだろうね?」
/ ,' 3「何……?」
(-_-)「ここは放棄地区だというのにね」
/ ,' 3「……」


51 名前:甲州[] 投稿日:2007/01/03(水) 10:52:46.33 ID:IW8oMVOy0
(-_-)「どこかの国には八百万の神を主張する場所があるんだっけ?」
/ ,' 3「何が言いたい?」
(-_-)「神様はあんただけじゃないのかもね」
/ ,' 3「何を言う……この世界はすべて私が創造した!」
(-_-)「じゃあ柘榴は? アンドロイドの起源はどう説明する?」

荒巻さんの顔が歪む。
今まで度外視してきた問題に直面したように。

/ ,' 3「……喋りすぎは命に関わる」
(-_-)「そう。じゃああと一言で済ませよう」

(-_-)「自惚れ野郎」
/ ,' 3「……ふん」


52 名前:甲州[] 投稿日:2007/01/03(水) 10:53:16.27 ID:IW8oMVOy0
/ ,' 3「さて、お二人さん」

表情を崩さないよう努力しているように見える。
あと一つでも刺激を与えれば崩壊は確実だ。

/ ,' 3「一つだけ、誓約を」
(*゚ー゚)「なんですか?」
/ ,' 3「この世界を見捨てないように……と」

それはあまりにも利己的、他人任せな誓いだった。
自分はできなかったくせに。僕らにそれを求めるのか?

(*゚ー゚)「誓います」
/ ,' 3「よろしい」


53 名前:甲州[] 投稿日:2007/01/03(水) 10:53:40.44 ID:IW8oMVOy0
その一言の直後、塔が打ち震えたような感覚に襲われる。
足下が揺らぐ。視界が歪む。
無重力を体感しているような気分。

そして。
その躍動が終焉したとき。
僕が見たのは半透明の世界だった。

/ ,' 3「引継は終わった」

荒い息を吐きながら荒巻さんは呟く。

/ ,' 3「これから、この世界はあなたたちの自由です」

(*゚ー゚)「……」
(´・ω・`)「……」


54 名前:甲州[] 投稿日:2007/01/03(水) 10:53:56.09 ID:IW8oMVOy0
/ ,' 3「あなたたちが強く念じれば、世界は可能な限り姿を変えます」
(*゚ー゚)「……よし」
/ ,' 3「基礎から変えるのは本当に難しいと思いますが、がんばってください」

(-_-)「……」

祝福はなかった。
そもそも神様になったという実感もない。
感じるのはなんだろう。憎悪とか、そのあたりのマイナス感情。

ただただ瞳を燃やすしぃ。
打ち拉がれた僕。

新しい神は対を為していた。


55 名前:甲州[] 投稿日:2007/01/03(水) 10:54:16.08 ID:IW8oMVOy0

/ ,' 3「どうだ? 新しい神の誕生を見た気分は」
(-_-)「最悪」

(*゚ー゚)「荒巻さんはこれからどうするんですか?」
/ ,' 3「タクシードライバーに戻りますよ。広い世界をまだすべてに見たわけではないので」
(´・ω・`)「……」
/ ,' 3「そして、帰ります」
(´・ω・`)「どこに?」
/ ,' 3「無論、元の世界にですよ」
(´・ω・`)「!」

なんてこった。
いや、僕はわかっていたはずだ。
なのに、思い出せなかった。
この男は、イレギュラー。
そして、帰る方法を知っている……。


56 名前:甲州[] 投稿日:2007/01/03(水) 10:54:32.21 ID:IW8oMVOy0

(´・ω・`)「僕らを帰してください!」
/ ,' 3「あなたたちは先ほど誓約をたてたじゃないですか。この世界を見捨てない、と」
(´・ω・`)「……」
/ ,' 3「だから無駄です。あなたたちには永遠に神をやってもらわないと」

こいつは、どこまでも、どこまでも……

(´・ω・`)「卑怯だ……」
/ ,' 3「おやおや。神様でしょう? 自由に作りかえればいいじゃないですか」
(´・ω・`)「……」

それが心地の良いものでないとわかっているはずだろう。
そうでなければ帰ろうなんて思わないはずだ。


57 名前:甲州[] 投稿日:2007/01/03(水) 10:55:08.61 ID:IW8oMVOy0
( ・∀・)「これからは全面協力させていただきますよ」

まるで媚びへつらうように。
未だ銃を掲げたままのモララーさんが言った。

( ・∀・)「何か困りごとがあればV.I.P.D.C.まで、どうぞ」

そして部屋を出て行こうとする。

待って欲しいと思った。
でも言葉に出せなかった。
何も、できない。
何も、考えられない。
どうすればいいんだ。
誰も教えてくれない。
なぜなら、僕は神さまになったから。


58 名前:甲州[] 投稿日:2007/01/03(水) 10:55:26.25 ID:IW8oMVOy0
二人なのに孤独だった。
しぃは全景を見渡している。
僕は脱力したまま座り込む。

(´・ω・`)「……神様、か」

なんでもできるというならば。
まず、荒巻さんを殺したい。全力で。
でも、それを強く念じたところで何が変わるというのだろう。

今になってはっきりとわかった。
僕はこの世界に興味など無い。


59 名前:甲州[] 投稿日:2007/01/03(水) 10:56:16.15 ID:IW8oMVOy0
(*゚ー゚)「しょぼんくん……」

しぃが近寄ってくる。
それを僕は拒否しない。待ちかまえていた。

(*゚ー゚)「立って」
(´・ω・`)「……」

聖母のような笑顔を見せるしぃを僕はにらみつけた。

(*゚ー゚)「がんばろうよ、一緒に」

その声にふらふらと立ち上がる。

(*゚ー゚)「手伝ってよ、ね?」

その言葉に僕は無条件に反応していた。
乾いた音が響く。
僕の手は彼女の頬を打っていた。
驚愕の表情で、彼女は僕を見る。

直後、僕の耳を数度の小さな銃声が突き刺した。


61 名前:ネオマスカット[] 投稿日:2007/01/03(水) 11:00:25.49 ID:IW8oMVOy0
挿話

( ・∀・)「人が悪い」

/ ,' 3「何を今更」

( ・∀・)「今だから言えるんですよ。あなたは神でなくなったのだから」

/ ,' 3「まぁいい。なんでもぶちまけてみろ」

( ・∀・)「あなたは知らない。この世界がどのように変貌したか」

/ ,' 3「何?」

( ・∀・)「まあいいでしょう。いずれ知ることになりますよ」

( ・∀・)「もう一人の神の存在を。
     そしてそれは、すべての疑問を解決します」

/ ,' 3「……もう、私には関係ない」

( ・∀・)「そうでしたね」

・・・

・・






【関連】
一気読み - プロローグ
第一話 - 第二話 - 第三話 - 第四話 - 第五話 - 第六話 - 第七話 - 第八話 - 第九話 - 第十話
第十一話 - 第十二話


ブログパーツ ブログパーツ
inserted by FC2 system