( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`) 〜(´・ω・`)しょぼんたちは世界の果てに現れたようです 第十三話 空と海と世界の夜〜

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122 名前:とよのか[] 投稿日:2007/01/04(木) 15:57:58.68 ID:sGFdDask0
第十三話 空と海と世界の夜

ある日、山にすむうさぎのぽーさんはりんごの樹を見つけました。
りんごが特に大好物のぽーさんは喜び勇んでその樹に登り始めました。
が、なかなか登り切ることが出来ません。途中で滑ってしまうのです。
と、そのときくまのぺーさんが現れ、ぽーさんを持ちあげてくれたのです。
うんとたくさんのりんごにありつくことができたぽーさんはそれはそれは大喜びでした。



(*゚ー゚)「次回に続く」
(´・ω・`)「……続かなくていいような」

でも、オリジナルに挑戦したという点は評価すべきなのだろうか。
それにしてもぺーさんはないだろう。ぺーさんは。
ピンク色でもないだろうに。


123 名前:とよのか[] 投稿日:2007/01/04(木) 15:58:18.84 ID:sGFdDask0
沈む太陽は空に暁を残す。
しぃの絵本を見終えた僕はそのまま佇む。

(*゚ー゚)「んー、何も思いつかなかったよ」
(´・ω・`)「……そりゃそうだろうね」
(*゚ー゚)「なんか諦めたくないんだけど、諦めたい」
(´・ω・`)「……うん」

その気持ちは痛いほど理解できる。

そのときだ。
コツ、コツ、と。
下層から足音が聞こえてきた。

薄暗くなって再認識させられるのはここがあまりにも寂しい空間であるということ。
来るのが下からだとすれば逃げ道は一つもないのだ。

(*゚ー゚)「なんか来るよ」
(´・ω・`)「……」


124 名前:とよのか[] 投稿日:2007/01/04(木) 15:58:51.08 ID:sGFdDask0
硬直のまま時は過ぎ、
やがて見えたその姿が人間であることに、安堵することが出来た。

('、`*川「……あれ? 誰かいる」

女性だった。
二十歳前後だと思う。
どこか温和で、優しげな表情をしている。
おかげで、見知らぬ人ながらさほど恐怖を感じなかった。

('、`*川「ああ。君たちがあの?」
(´・ω・`)「……多分」
('、`*川「なるほどなるほど。それで神様になっちゃったのか」
(*゚ー゚)「……」

('、`*川「口車に乗せられて」
(´・ω・`)「あなたは、誰ですか?」


126 名前:とよのか[] 投稿日:2007/01/04(木) 15:59:19.63 ID:sGFdDask0
('、`*川「あなたたちと一緒」
(´・ω・`)「え……」
('、`*川「まぁ私の素性は後から明かしてあげるから。
     それよりも、見せたいものが二つあるわ」

彼女はゆっくりと僕らに近づき、片手でチョキマークを作った。

('、`*川「選ばせてあげる」
(´・ω・`)「?」
('、`*川「夢と世界、どっちからがいい?」

どっちがいいと言われても。
どちらも抽象的すぎて意味がわからない。

(*゚ー゚)「世界から!」

しぃが意味もなく叫ぶ。


127 名前:とよのか[] 投稿日:2007/01/04(木) 15:59:48.55 ID:sGFdDask0
('、`*川「世界……か。そっちはまぁ勝手に見てくださいって感じかな」

そういうと、その人は窓際に歩いて手をかける。

('、`*川「行こうか」
(´・ω・`)「どこにですか?」
('、`*川「空の上」

そういって窓の外の宵闇を指さす。

(´・ω・`)「どうやって?」
('、`*川「何言ってんの。神様なんだから、空ぐらい飛べちゃうよ」
(*゚ー゚)「ほんとに!?」

しぃが目を輝かせる。
いやいや、ありえな……いこともないのか?
なんかもう、いろいろどうでもいい。
そう思ってしまうのは神様だからだろうか。
人間と思考が違うからだろうか。


128 名前:アールス[] 投稿日:2007/01/04(木) 16:00:15.91 ID:sGFdDask0
そして。
僕らは空を飛んだ。
いや、浮上といった方が正しいかもしれない。
ただ浮かべと念じれば通じてしまうのだ。
呼吸するにも問題ない。寒くもならない。

気分は爽快だ。爽快すぎて恐ろしい。
こんなにも容易に浮上できる……なら、大抵のことはできてしまうのだろう。
世界のことなど考えずただ生きるだけなら何も心配はいらないはずだ。

考え方によればこんな力を得た以上、向こうの世界よりも楽に生きていけるのではないか。
気味の悪い邪念が現れ、やがて消失した。
だが、後味悪い感触はいつまでも残った。


129 名前:アールス[] 投稿日:2007/01/04(木) 16:01:08.53 ID:sGFdDask0
塔が豆粒ほど小さくなる。
飛行機から見たような夜景を、窓も無しに眺めている。

そろそろ不安になってきた。
一方のしぃは、

(*゚ー゚)「ねえねえ、しょぼんくん」

意外と平然としていた。

(*゚ー゚)「星が見えないよ」
(´・ω・`)「そういえば……」

言われて初めて気がついた。
星はおろか、月すらも見えないのだ。

('、`*川「そりゃそうだよ。最初の神様は太陽以外の他の星を作らなかったんだから」

そういわれれば……そうなのか。
所詮他人に作られた世界なのだ。
そこに科学もへったくれもあったもんじゃない。


131 名前:アールス[] 投稿日:2007/01/04(木) 16:02:21.18 ID:sGFdDask0
('、`*川「このあたりでいいかな」

まだ大気圏を突破した気分じゃない。
地表はまだ平坦に見えている。

('、`*川「この世界は二十以上の地区で構成されている」

そこに地面があるかのように。
彼女は空を徘徊する。

(´・ω・`)「……」
('、`*川「昔……柘榴のなかった頃はねえ、海には魚もいたし人々は平穏に暮らしていた。
     戦争なんて無かったしね。っていうか地区分けもなかったわよ。
     でもこの世界の神様は途中で飽きちゃったのよね」
(´・ω・`)「その神様って、荒巻さんのことですか?」
('、`*川「そうそう。
     彼が最後にした仕事って何か知ってる?」
(´・ω・`)「いえ……」

('、`*川「この世界をできるだけ地球に近づけようとしたの。
     あるところでは文明を発達させ、あるところでは貧しい人々ばかりを集めた。
     そしてまたあるところでは戦争を起こした。それも適当に」 (*゚ー゚)「ひどい……」


132 名前:アールス[] 投稿日:2007/01/04(木) 16:03:41.17 ID:sGFdDask0

('、`*川「もちろん、そんな投げやりなやり方で世界が順調に回るはずもない。
     地球の神様みたいにある程度作ったらあとは放置しておけば良かったのにね。
     挙げ句の果てには自らも理解できないほど高度な文明を与えちゃって。
     ま、そこで私が颯爽と表舞台に登場したんだけど」
(´・ω・`)「あなたが……」
('、`*川「ま、それは後に置いておきましょう。
     まずは世界を堪能しなさいな」

広すぎる世界を見渡す。
どこかの街で戦争が起きている。
どこかの街で人が死んでいる。
だが、もうすぐすべての街が元通りになる。
それを繰り返すのが……悪いことだと思えなくなってきた。
この世界は末期なのだ。
余命数ヶ月と宣告された患者を必死に延命させているようなものなのだ。
柘榴という器具を外せば、この世界は瞬く間に死んでしまう。

元通り持ち直すのは不可能なのだろう。
そもそも、順調を前提として創世されたのではない。
混迷を求めて創世されたのだから。


133 名前:アールス[] 投稿日:2007/01/04(木) 16:04:44.12 ID:sGFdDask0
でも、しぃはどう考えているのだろう。
彼女は今、穴が空くほどの勢いで下界を眺めている。
やっぱり助けたいのだろうか。
それはやはり願いのままで終わってしまうのだろうか。

(´・ω・`)「あの」
('、`*川「ん?」
(´・ω・`)「助ける方法はないんですか、この世界を」

僕の問いに、しばらく眉間に指を押さえて考え込む女性。

('、`*川「んー……あるにはある」
(´・ω・`)「!」
('、`*川「でもいろいろキッツいよ。
     それに、私はまだ見せたいものを全部見せてないし」

ああ、そうか。
夢、か。
今になってもよくわからないものの一つだ。

('、`*川「じゃあ見る?」
(´・ω・`)「……今、ここで?」
('、`*川「そ」

見当もつかない。
眠くもないのに見る夢って、白昼夢の類だろうか。
そういえば、最近夢を見てないな。

('、`*川「大丈夫大丈夫。別に怪しいもの見せるわけじゃないんだから」


134 名前:アールス[] 投稿日:2007/01/04(木) 16:05:32.05 ID:sGFdDask0
('、`*川「目を閉じて」

言われて、隣に立つしぃは何も疑わずに目を瞑る。
なんでそうホイホイと信じ込めるのだろう。
仕方ないので僕もそれに倣う。

('、`*川「……ほいっと」

小さな声が聞こえた直後、
意識が渦を巻いた。頭を強く揺り動かされているようだ。
そして僕は、落ちるはずのない睡眠に落ちていた。

次に僕が目を覚ますまでに、結構な時間を要した……はずだ。


136 名前:アールス[] 投稿日:2007/01/04(木) 16:13:13.94 ID:sGFdDask0
挿話

('A`)「あれ、しょぼんは?」

(・∀ ・)「まだこないねー」

('A`)「あいつ、忘れてんじゃね?」

(・∀ ・)「さーねー」

('A`)「アイツこの頃なんか顔色変だったからな。風邪かも」

(・∀ ・)「それよりもさっさとはじめよー」

('A`)「あぁ。そうだな……もうテストまで幾日もねえや」

(・∀ ・)「ところでさー」

('A`)「あ?」

(・∀ ・)「マイメロディーって何時からだっけ?」

('A`)「日曜日の九時半……お前やる気あるのかよ」

(・∀ ・)「えー、あるよー」

・・・

・・






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