( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`) 〜(´・ω・`)しょぼんたちは世界の果てに現れたようです 第十九話:終焉のための対立〜

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19 名前:閉鎖まであと 7日と 22時間[sage] 投稿日:2007/01/15(月) 22:30:56.60 ID:12qG+Fmf0
第十九話:終焉のための対立

室内に踏み入れる。
突然襲った頭痛に、私は身体を崩して膝をついた。
頭脳が無意識に警告を発する。
私は、ここにいてはならないのだと。

( ・∀・)「一応聞いておきたいのですが、あなたには何が見えますか?」

冷笑を浮かべるモララーの問いに答えることもできない。

そこに、実在するものは何もない。
しかし私は世界を見ていた。
脳内にこの世界で今起きていること全てが流れ込んでくる。
そしてそれは私に一つの事実を提示していた。
すなわち、今までの私は世界のすべてを知っていたというわけではないと言うこと。
定義として存在する世界の「すべて」は虚言であったということ。
これこそが世界のすべて。
裏と表を同時に見ている感覚。何とも表現しがたい。


20 名前:閉鎖まであと 7日と 22時間[sage] 投稿日:2007/01/15(月) 22:31:15.03 ID:12qG+Fmf0
モララーが私の手をとり、ほとんど無理矢理に室外に引きずり出した。
そして鉄扉を閉ざす。
同時に、頭痛は消えてしまった。

( ・∀・)「やはりあなたには耐え難い空間でしたね」
(´・ω・`)「ここは……なんなんだ」
( ・∀・)「仮想頭脳です」
(´・ω・`)「仮想……だと、……?」

なんとか立ち上がり、モララーを睨め付ける。
その視線をモララーは飄々と受け流す。

( ・∀・)「イメージとでも言い換えましょうか。
     所詮この世界自体が仮想なんですよ。
     V.I.P.D.C.はそれを象徴する」
(´・ω・`)「……」
( ・∀・)「改めて説明させていただきましょう」


21 名前:閉鎖まであと 7日と 22時間[sage] 投稿日:2007/01/15(月) 22:31:52.04 ID:12qG+Fmf0

( ・∀・)「この世界は半分の仮想と半分の非物質で構成されています」
(´・ω・`)「……」
( ・∀・)「仮想とは私やあなたのことです。
     柘榴であり、V.I.P.D.C.であり、この世界自体であり、
      要するに現実的な説明ができないモノのことですね。
     で、非物質とはここに存在する草木や再構成される人間のことです」
(´・ω・`)「おかしなことを言う。人間にせよ、草木にせよ物質として成立しているじゃないか」

私の憤りをモララーは嘲笑した。
そして、次のような話を展開させたのである。
以下、全てモララーの言。

まずこの世界が仮想であるということを理解してもらわなければならない。
ここでいう仮想とは、向こうの世界……しょぼんやしぃが元々存在していた世界でいう表現である。
よってもちろん、こちらの世界では当然の事実として受け入れられる。

仮想の世界には非物質的な生物が向こうの世界の物質的な生物と同じように誕生した。
それは全てモララーが創りだした、荒巻という神によるものである。
荒巻の存在は仮想だ。彼は向こうの世界とこちらの世界を行き来できる存在である。
ゆえに、こちらの世界は向こうの世界と同等の発展を遂げた。
彼の知る世界の通りである。


22 名前:閉鎖まであと 7日と 22時間[sage] 投稿日:2007/01/15(月) 22:32:41.47 ID:12qG+Fmf0
だが一つ、誤算が生じた。
生物……特に人間が気づき始めたのだ。
「自分たちが所詮、仮想の人間である」と。
だからこそ昔の知恵者はこの世界を「果て」と名付けたのである。
そして人々は向こうの世界に嫉妬した。
「自分たちは仮想なのに……」という本能的な感情であった。

荒巻はその感情の深さに気づいていなかった。
彼は単純に、高度な文明を与えれば収まるものと思っていたのだ。
モララーは気づいていた。
だからこそ焦った。
その嫉妬は、何の意味も持たない。
それどころか、日が進むにつれてその感情が膨大し、爆発することは目に見えている。
だからこそモララーは荒巻の与えた高度な文明に乗じて種をまいた。
それこそが柘榴の種である。

柘榴について、モララーが与えたイメージは
「完全なる母体」だった。
柘榴は自力で成長し、やがてペニサスという神の名のもとで再構成というシステムを創りあげたのである。


23 名前:閉鎖まであと 7日と 22時間[sage] 投稿日:2007/01/15(月) 22:33:01.68 ID:12qG+Fmf0
( ・∀・)「……それから二百年。
     荒巻は神の座をイレギュラーに譲った。
     そしてあなたは……この世界を終わらせようとしている。
     さっきの部屋であなたが頭痛を覚えたのも、あなた自信に破滅願望があるからなんですよ。
     所謂、拒否反応ですね」
(´・ω・`)「……二百年」
( ・∀・)「言っておきますが、こちらと向こうの時間軸はずいぶん違いますよ。
     私も荒巻も、ほぼしょぼんさんやしぃさんと同じ年代の人間です」

まぁだからこそ荒巻はこのような発展のさせ方をしたのだろう。
しかし今の話は私の中に蓄積されてきた記憶といささか違っているような感がある。
……それについては問うことすら無駄か。
今の話から考えれば、その記憶すらも私という種をまく者によって創られたのやもしれない。
すなわち、モララーに。

(´・ω・`)「くだらんな」
( ・∀・)「しかし真実です」
(´・ω・`)「ならばこの世界……いや、お前はなぜ仮想というこの世界に現れた?
       そしてこれから、何をしようとしている?」


24 名前:閉鎖まであと 7日と 22時間[sage] 投稿日:2007/01/15(月) 22:33:33.53 ID:12qG+Fmf0
( ・∀・)「あなたになぜ柘榴と名付けたかわかっていますか?」

そういわれて気づくことがある。
つまるところ、この男は私の名付け親ということになるのか。
それどころか、生みの親でもあるのだ。荒巻と違って。あの塔にも関係なく。
私はすべてを知る……荒巻ですらも操っていた全知全能であったはずだ。
そしてこの世界は私と共に在るべきなのだ。
なのに。
その私をこの男は意のままにしていたというのか。
予定調和だったというのか。

私は頭を振る。

(´・ω・`)「……いや」

モララーの表情が得意げなものになる。
瞬間、私の中でこの男に対する異常なまでの殺意が芽生えた。
仮にこの男を殺せばどうなるのだろう。
世界は私の意志と関係なく滅びるのだろうか。


25 名前:閉鎖まであと 7日と 22時間[sage] 投稿日:2007/01/15(月) 22:33:53.44 ID:12qG+Fmf0
( ・∀・)「柘榴の花言葉は希望です」
(´・ω・`)「希望……」

縁のない言葉だ、などと思う。

( ・∀・)「この世界は私にとって希望なのですよ。
     意味、わかりますかね?」
(´・ω・`)「……」
( ・∀・)「希望があれば絶望がある……
     つまり、私は向こうの世界に絶望したんですよ。
     だからこそこの仮想空間を創りあげた」
(´・ω・`)「なぜ、失望した?」

( ・∀・)「日々の進行に愕然とするものなんですよ、人間は」

つまり、私にわかることではないということか。
モララーは来た道を戻りつつ、話を続ける。


26 名前:閉鎖まであと 7日と 22時間[] 投稿日:2007/01/15(月) 22:34:32.41 ID:12qG+Fmf0
( ・∀・)「誰でも歳を取り、死ぬ。
     いつか人間は非日常に置かれてしまうのです。
     私はそれがいやだった。しかしこの世界は永遠の命を与えてくれる」
(´・ω・`)「……」
( ・∀・)「あなたの開発した再構成というシステムも非常に斬新で、快適なものでした。
     全ての人間が私同様、非日常を送らなくて済む。
     しかし、あなたが自ら命を絶てば現状は変貌する」

私が死ねば当然再構成は停止する。
そうすれば、一瞬の非日常の後に世界は崩壊してしまうのだ。
それは、この男の望むところではない。

( ・∀・)「私がこれからやろうとすること……おわかりになりますか?」

ある者がその力を失うなら代替を用意すればいい。
それはちょうど、私と同じような考えだ。

(´・ω・`)「……第二の柘榴を創るのか」


27 名前:閉鎖まであと 7日と 22時間[] 投稿日:2007/01/15(月) 22:35:07.36 ID:12qG+Fmf0
ちょうどエレベーターの前に到達していた。
だがまだ乗り込もうとせず、モララーは一度頷いた。

(´・ω・`)「だがそんなことが、簡単にできると思えないな」
( ・∀・)「……あなた、自分があまりにも特別だと錯覚していませんか?」
(´・ω・`)「何?」
( ・∀・)「あなたの出生をエレベーターの中でゆっくりと」

ちょうど扉が開いたところだった。
私の代替など考えてもいなかった。
私自身、神を交代させたというのに。

新しい神はこの世界を救おうとすることは承知していた。
そしてそれに、間もなく絶望することも。

モララーにとっては都合がいい非日常なのだろう。
私の満身創痍と、荒巻のこの世界に対する飽きが合致したのだから。
……それすらも、予定済のことだとしたらもう言葉もないが。


28 名前:閉鎖まであと 7日と 22時間[sage] 投稿日:2007/01/15(月) 22:35:48.52 ID:12qG+Fmf0
( ・∀・)「テクノポリスの人間は非物質でなく仮想です」
(´・ω・`)「わかっている」
( ・∀・)「そう。彼らは元々向こうの世界にいた人たち……それも、死んでしまった人々
     その魂をこちらに引き取ったわけです。テクノポリスに住まわせるため」

私はヒッキーを思い出していた。
彼が成した発明。それは、前世の記憶を探るということだった。
それにより、彼は前世、向こうの世界に生きていたということを知った。
だが彼はそれを公にしなかった。ただテクノポリスの長……ギコにだけ知らせた。
それは無論、この世界に生きる人間が元々向こうの世界に嫉妬しているからだ。
以前向こうの世界に住んでいた……それを知った他のテクノポリスの人間が騒がないわけがない。
ツンに対して優しく接していたのは、前世二人が親子か何かだったからだろう。
そしてそれらを画策したのはペニサスでなく、モララーなのだ。

( ・∀・)「だからこそ再構成をうけないのですが……。
     ああ、失礼。あなたのことでしたね。
     あなたも同様です。元々、向こうの世界に生きる一人の人間だったんですよ」
(´・ω・`)「……バカな」
( ・∀・)「その証拠に、あなたは人間の身体にいとも簡単になじんでいるではないですか」


29 名前:閉鎖まであと 7日と 22時間[sage] 投稿日:2007/01/15(月) 22:36:22.33 ID:12qG+Fmf0
いささか衝撃的だった。
だが否定しようもない。
この身体を楽に動かせることに、私は疑問すら感じていなかったのだ。

( ・∀・)「あなたが元々人間ならば、新しく人間を柘榴に仕立てればいいんですよ。
     それも、仮想のね」
(´・ω・`)「……誰を」
( ・∀・)「ちょうどいい人材をあなたは残したじゃないですか。
     しぃさんですよ」
(´・ω・`)「……」

不思議と、何も思わなかった。
彼女を意図的にこちらに残したのはほかでもない、私の意志なのだから。

( ・∀・)「まったく、あなたもなかなかあくどい。
     しょぼんさんだけを向こうの世界に返すとは」
(´・ω・`)「一つ、聞きたいことがある」
( ・∀・)「なんでしょう」


30 名前:閉鎖まであと 7日と 22時間[sage] 投稿日:2007/01/15(月) 22:36:53.33 ID:12qG+Fmf0

(´・ω・`)「もしもこの世界で彼女を殺せば、どうなる?」
( ・∀・)「……さあ。私の知るところではありませんね。
     イレギュラーの及ぼす影響は未知数ですから。
     しかし、なぜそれほどあなたは彼女を嫌うのです?」
(´・ω・`)「異常だからだ。
       人間として」
( ・∀・)「……彼女の記憶を探りましたか」
(´・ω・`)「奴は両親を殺したうえ、以前から喧嘩しているように見せかけていた。
       そしてあまつさえしょぼんを殺そうとした」
( ・∀・)「それが、真実?」
(´・ω・`)「ああ」

だがしょぼんは知らない。
私も、彼に見せた夢はまったく別のものだったのだ。
そうすることで、彼には少々悲しいが現実らしい記憶を補完させたのだ。
しかしそんな努力も無に帰した。
運命は確実に動いてしまっていたのだ。
だからこそ私は、何の罪もないしょぼんを向こうの世界に無理矢理送り返した。

31 名前:閉鎖まであと 7日と 22時間[] 投稿日:2007/01/15(月) 22:37:26.49 ID:12qG+Fmf0
しかししぃにはそうする必要がなかった。
彼女は記憶を失ってなどいなかったのだ。
この世界に現れたとき、彼女はしょぼんを襲おうとした事実を覚えていた。
だがそれを顔に出さず、平静としていたので。
そのうえ、状況を楽しんでいた。

これを正常とはいえない。

私は彼女に別の夢を見せた。
それは、彼女と問答するものだった。
まず、私は彼女に問うた。

「なぜ、両親を殺した」

すると彼女は答えた。

「邪魔だったから」

次に私はこう問うた。

「なぜ、しょぼんを殺そうとした」

彼女はすこし顔を赤らめ、答えた。

「好きだから」

この瞬間、私は彼女をこの世界と運命を共にさせ、助けないことを決意した。


32 名前:閉鎖まであと 7日と 22時間[] 投稿日:2007/01/15(月) 22:38:03.86 ID:12qG+Fmf0
多分彼女にとってここは天国か何かだったのだろう。
自分としょぼんは死んでここに来た……そう考えたに違いない。
だからこそこの世界を救うことに必死だった。
しょぼんと、いつまでも一緒にいられるならなんでもしよう。
そんな精神だったに違いない。

( ・∀・)「優しいですねえ」
(´・ω・`)「……話を戻す。
       しぃを柘榴に据えて、この世界を継続させるのか?」
( ・∀・)「少し形を変えて、ね」

(´・ω・`)「というと?」
( ・∀・)「アンドロイドを消します。
     あんなもの、私にとっては非日常以外のなにものでもない」
(´・ω・`)「ならばなぜ二百年前、柘榴とテクノポリスが誕生したときにアンドロイド技術を止めなかった?」
( ・∀・)「それによって得られる再構成というシステムがあまりにも魅力的だったからですよ」


34 名前:閉鎖まであと 7日と 22時間[sage] 投稿日:2007/01/15(月) 22:38:42.35 ID:12qG+Fmf0
エレベーターから降り、電脳空間を抜けて一階までのエレベーターに乗り換える。
電脳空間。
彼が監視カメラをあちこちに取り付けたのは、繰り返される日常が彼にとって心地よかったからだろう。
何にせよ、共感できる趣味でない。

( ・∀・)「まぁ、あなたは死んでしまうのでしょう?
     ならばもう、何も関係のないことです」

果たしてそうだろうか?
いや、考えるまでもない。

(´・ω・`)「……この世界は私と共に在るべきだ」
( ・∀・)「ほう?」

スピードを上げるエレベーターの中で私はモララーを見据えた。

(´・ω・`)「この世界を、無理にでも私と共に終わらせる」


35 名前:閉鎖まであと 7日と 22時間[sage] 投稿日:2007/01/15(月) 22:39:36.48 ID:12qG+Fmf0
所詮この男のためにできた世界など必要ない。
そういった大義名分もある。
だが根底にあるのは利己的な感情であった。
私のいないこの世界など、あってはならない。

( ・∀・)「しかしどうするつもりです?」
(´・ω・`)「今この瞬間、私が自殺すればどうなるだろう」

ここにきて、初めてモララーより優位に立てた気がする。
私はただ不敵な笑みを浮かべた。

( ・∀・)「それは、少し困りますねえ」
(´・ω・`)「お前の嫌いな非日常が訪れることは間違いないな」


36 名前:閉鎖まであと 7日と 22時間[sage] 投稿日:2007/01/15(月) 22:40:04.25 ID:12qG+Fmf0
( ・∀・)「ですが、そんな悩みはおそらく一過性のものにすぎないでしょうね」
(´・ω・`)「何?」
( ・∀・)「なんのために、最上階のあの部屋を見せたかおわかりですか?」
(´・ω・`)「!」
( ・∀・)「あの部屋は、世界という生き物の頭脳にあたります。
     再構成を担うことも少しの間ぐらいなら可能でしょうね。
     原理は学習しているでしょうし」

あの部屋はいったいなんなのだろうか。
その問いをするまでもなく、モララーは自ら口を開いた。

( ・∀・)「あの部屋にある無形の物体……それこそが私にこの世界を創らせたのですよ」
(´・ω・`)「なんのために」
( ・∀・)「生きるために。
     何かの現象で生じた物体なのでしょう。
     それなりの頭脳を持っていれば生きたいと思うのは当然です」

どこかで聞いたような台詞だ。


37 名前:閉鎖まであと 7日と 22時間[sage] 投稿日:2007/01/15(月) 22:40:39.53 ID:12qG+Fmf0
エレベーターが静かな音を立てて停止する。
ドアが開くと、入り口のあたりにしぃとペニサス、そして秘書が立っているのが見えた。
この秘書もアンドロイドだったはず。
それすらも、しぃを中心とする新世界には必要ないということか。
問題は、しぃが柘榴の役目を担うかどうかなのだが……。

私はモララーを見た。
彼は笑っていた。
彼の中ではもうすでに何かの算段がついているのかも知れない。

( ・∀・)「これからあなたがどうしようと勝手ですが。
     何をしてもおそらく無駄ですよ」

モララーの小声での言葉を私は鼻で笑ってやった。

(´・ω・`)「私はお前を消す」

自分のために、私はこの男と敵対せねばならないのだ。


38 名前:閉鎖まであと 7日と 22時間[sage] 投稿日:2007/01/15(月) 22:41:05.96 ID:12qG+Fmf0
( ・∀・)「まぁ、ご自由に」

とはいっても、万策尽きている現状である。
それに残り時間もそう長くはないだろう。
どうしようもない、がどうにも諦めがつかないな。

秘書とモララーの見送りを受けて外に出る。
まだ、太陽は東の空にあった。

(*゚ー゚)「どうしよっか、これから」
(´・ω・`)「……」
(*゚ー゚)「しょぼんくん?」
(´・ω・`)「ああ、うん……」
('、`*川「と、とりあえず帰った方がいいんじゃないでしょうか」
(*゚ー゚)「だよねー。できることはやっちゃったしなあ」

しぃが吐き気のするような笑顔を見せる。
とりあえず私は二人に同意し、塔まで再度ワープすることにした。


39 名前:閉鎖まであと 7日と 22時間[sage] 投稿日:2007/01/15(月) 22:42:06.06 ID:12qG+Fmf0
そびえる塔に尋ねたくなる。
なぜ私はここを母体などと思ってしまっていたのだろう。
私の出生と全く関係ないというのに。
生みの親と育ての親……みたいな違いなのだろうか。

('、`*川「……」
(*゚ー゚)「さて、絵本の続きでも書くかな」

そういうとしぃはスケッチブックを拾い、わざわざ私の隣に座った。
私は彼女の記憶を再び探ろうかと画策した。
もしや、何かしらの変化が生まれているかもしれない。
そうして、意識を集中させたとほぼ同時に。
しぃが、部屋の反対側にいるペニサスには聞こえないかすれた声で言った。

(*゚ー゚)「ねえ」
(´・ω・`)「?」
(*゚ー゚)「今のしょぼんくんは、誰なの?」




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