87 名前:ダンサー(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/25(水) 01:51:19.59 ID:G2CFQout0
件名 なし
本文 ドクオ、ごめんなさい。
私が居なければよかったんだね。
私が全部壊したんだよね。
('A`)「……壊した……全部……」
(´・ω・`)「意味、解かるかいドクオ」
解からない。わかるはず無いだろ。
なんでお前が謝るんだよ。何を壊したって言うんだよ。
居なければ良かったなんて……
88 名前:ダンサー(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/25(水) 01:51:40.42 ID:G2CFQout0
( ^ω^)「おっ、ツン。おはおだお」
ξ゚听)ξ「……ブーン」
ツンが目を覚ましたら、僕は出来るだけの笑顔で迎える。
そう決めたが、僕の笑顔は不自然じゃないかと
少し心配になる。
( ^ω^)「身体は痛くないかお? 」
ξ゚听)ξ「大丈夫よ」
( ^ω^)「よかったお! あっ、テレビ見るかお? 」
ξ゚听)ξ「いい」
89 名前:ダンサー(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/25(水) 01:52:27.33 ID:G2CFQout0
( ^ω^)「今は朝の9時だから、特種やってるお?
ツン、オズラさん好きだおー? 」
ξ゚听)ξ「……」
ツンは虚ろな目で外を見つめている。
元気なわけは無いけど、でも、
( ^ω^)「ツン見るおwwwwあまたつーってwww」
少しでも笑って欲しい。
それはツンの為ではなく、自分が安心する為だ。
もう自殺なんかしない。そう思わせて欲しい。
何も聞かないから、だから笑ってくれよ、ツン。
90 名前:ダンサー(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/25(水) 01:53:02.08 ID:G2CFQout0
ξ゚听)ξ「……ブーン悪いけど、出て行ってくれるかしら」
( ^ω^)「なんでだおwwwツンと一緒に特種見たいおwwww」
ξ゚听)ξ「……もうイヤ。うんざりよ……」
( ^ω^)「おっおっ? wwww」
ξ゚听)ξ「……別れましょ、ブーン」
( ^ω^)「お……」
来るときに頭にぽつりと落ちた雨の雫は
いつのまにか、どしゃぶりの雨へと姿を変えて
僕とツンのいる病室の窓を、冷たく叩いていた。
158 名前:新宿在住(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/26(木) 01:45:57.66 ID:NodJHoCo0
ツンに病室を追い出された。
でも家に帰る気にもなれないから
しばらく待合室の外のベンチに座っている事にする。
売店でコーヒー牛乳と菓子パンを買って、
頬張りながら、ツンのメールをじっと眺めた。
考えても分らないだろうけど、考えずにはいられない。
どうしてツンは死を選んだんだろう。
どうして急に冷たくなったんだろう。
どうしてドクオなんだろう。
どうして急に別れるなんて言い出すんだよ。
……ダメだ。涙出そうになる。
159 名前:新宿在住(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/26(木) 01:46:20.70 ID:NodJHoCo0
でも、ツンが最後に遺そうとした言葉。
そこに登場したドクオ。
ドクオは少なからず何か知っている筈だ。
僕は飲み終わった空の牛乳パックとパンのゴミを捨てると
外に出て、携帯を開いた。
今までは何回電話してもメールしても連絡がつかなかったけど
今日は何故か、出る気がした。
『はい』
160 名前:新宿在住(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/26(木) 01:46:42.34 ID:NodJHoCo0
(;^ω^)「ドクオ、かお」
『うん』
やっぱり、出た。
( ^ω^)「久し振りだお。元気だったかお? 」
『あぁ』
昔話や聞きたいことも色々あるけれど、今はそんな場合ではない。
( ^ω^)「ツンの事だけど」
161 名前:新宿在住(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/26(木) 01:47:05.89 ID:NodJHoCo0
『うん、ショボンに聞いた』
( ^ω^)「そうかお、お見舞いには来ないのかお」
『いけないよ』
( ^ω^)「どうしてだお? 」
黙るドクオ。
( ^ω^)「何か、来れない理由があるんじゃないのかお」
『忙しいんだ、引越しとか……あるからさ』
162 名前:新宿在住(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/26(木) 01:47:26.54 ID:NodJHoCo0
( ^ω^)「ドクオ、引っ越すのかお? 」
『うん』
( ^ω^)「引越し手伝うお」
『いいよ。見られたくないもんもあるし』
( ^ω^)「ならいいお。
ドクオの家の傍に、カフェVIPってあったおね?
そこで待ってるお」
一方的に言い切って、断られる前に電話を切る。
163 名前:新宿在住(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/26(木) 01:47:49.33 ID:NodJHoCo0
上品なBGM、寡黙なマスター、コーヒー豆の匂い。
客は老人と、浪人生っぽい(失礼か)若い男が一人。
ドクオはまだ来ていないのか。
空いている適当な席にすわり、コーヒーを注文する。
今日はバイトも休みだ。来るまで何時間でも粘ってやるぞ。
('A`)「よう」
(;^ω^)「うおう! 早いお! 」
(;'A`)「家この辺だから当然だろ」
164 名前:新宿在住(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/26(木) 01:48:09.96 ID:NodJHoCo0
( ^ω^)「そ、そうだけど。
もしかしたら来ないかなって」
('A`)「俺も来るつもりなかったよ」
ドクオもコーヒーを注文し、僕の前の席に座った。
('A`)「聞きたいことがあるんだろ?
俺も、話したいことがある」
( ^ω^)「……分ってると思うけど、ツンの事だお。
ドクオ、何か知らないかお」
('A`)「奇遇だな。俺の話したい事がまさにそれなんだ」
165 名前:新宿在住(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/26(木) 01:48:50.85 ID:NodJHoCo0
俺は、一度深呼吸をすると全てを話し始めた。
あの日してしまった事、そして、自分の気持ちと考えを
出来るだけ冷静に、そして出来るだけ分り易く。
('A`)「ブーン、すまん。だから俺のせいなんだ」
( ^ω^)「……知らなかったお……ドクオが……」
ブーンは、ただただ愕然としていた。
一度に全てを知ってしまったから
それを受け止められずにいるみたいだ。
俺は、もう一度「ごめん」と言って頭を下げた。
166 名前:新宿在住(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/26(木) 01:49:23.85 ID:NodJHoCo0
(;^ω^)「ぼ、僕に謝ってもらっても仕方ないお」
落ち着くためか、熱いコーヒーをすすり
こくりと喉を鳴らすブーン。
殴られたり、下手したら刺されたりすっかな、と
覚悟していたけど、意外と冷静で、少し安心した。
( ^ω^)「僕、さっきツンと会っていたんだお」
('A`)「へ? 」
( ^ω^)「全然元気なくて、白々しい位冷たくて」
('A`)「うん」
( ´ω`)「……」
急に、がっくりと肩を落とす。いや、最初から元気は無かったけど。
('A`)「どうかしたか」
167 名前:新宿在住(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/26(木) 01:49:51.50 ID:NodJHoCo0
( ´ω`)「それで、僕、ツンに振られちゃったんだお」
('A`)「なんで? 」
( ´ω`)「急にツンが……わけわからんお……」
('A`)「……」
……あ、そうか……、そういう事……。
('A`)「なぁブーン、ツンのいる病院って? 」
( ´ω`)「え?あぁ。VIP大学病院だお」
('A`)「俺、謝らなきゃ」
(;^ω^)「お? 」
169 名前:新宿在住(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/26(木) 01:50:12.40 ID:NodJHoCo0
ツンが壊した≠ニ考えてるのは、きっと俺らの友情。
自分がいなければ、俺らはずっと仲良し3人組で居れた。
そう気づいてしまったんだろ?
今、ようやく分ったよ。
だから、ブーンに別れようなんて言ったんだろ?
確かにその通りだ。
お前が居なければ俺たち3人は今も友達だっただろう。
でもツン、お前一個大きなこと忘れてるよ。
俺が言える立場じゃないのは分ってるけど、聞いてくれ。
ツン、お前は……――
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