( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`) 〜川 ゚ -゚)と害虫 なようです 3〜

( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`)

( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`)更新情報


TOP ( ^ω^) ('A`) ( ´_ゝ`) (´・ω・`) 川 ゚ -゚) (*゚ー゚) ξ゚听)ξ




当サイトはブーン系小説の完結作品集 です。 読み物系は嫌いって方はご退場ください


下記からブーン系小説のジャンルを選択してください
ギャグ系:
戦闘系:
五十音別:
感動系:
カオス系:
作品一覧:
下ネタ系:
未分類:
その他:
152 名前:候補者(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/15(日) 02:16:47.53 ID:dz3SADdA0



あ、懐かしい。まだ捨ててなかったんだ。
クロゼットの奥、奥の奥。目立つピンクのカーディガン。

川 ゚ -゚)「……」

当時はまだ着れる、まだ着れると言い張っていたけど
今見るとやっぱり……

川 ゚ -゚)「ボロボロだ」

これに固執してたそう当時の自分がなんだかおかしくって
私は少し笑った後、それを元の場所に仕舞った。

ピンポーン


153 名前:候補者(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/15(日) 02:17:08.72 ID:dz3SADdA0

家中に電子音が響き渡る。来客だ。

川 ゚ -゚)「はいはい」

母父は共働きだから両方不在。しぃは幼児、ドクオは……うん。
そんなわけで、電話・来客の対応はもっぱら私の仕事だ。

川 ゚ -゚)「どなたですかー」

言いながらドアスコープを覗く。

「あ、ドクオ君の友達です」

若い男。10代後半から20代前半といったところか。
身なりも清潔で、顔も爽やか好青年。

これがドクオの友達?

川 ゚ -゚)「ちょっと待ってください」


154 名前:候補者(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/15(日) 02:17:29.29 ID:dz3SADdA0



川 ゚ -゚)「……あのー、すいません」

「はい」

川 ゚ -゚)「誰かは知りませんが、僕には友達なんていません。
    頼むから帰ってください。

    ……だそうです」

私はさっきドクオに言付けられた事をそのまま……
というわけにはいかないので少し丁寧に変換して伝えた。

「……」

男は少し黙った後、そうですか。と言い、落ち込んだ様子で
家の前から去ろうとした。


155 名前:候補者(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/15(日) 02:18:19.45 ID:dz3SADdA0

川 ゚ -゚)「あ、あの、ちょっと待ってください」

私は慌てて内鍵を外し、男のいる外に出た。
無用心だけど、悪い人には見えないし……

川 ゚ -゚)「ドk……いや、お兄ちゃんの、お友達なんですよね」

(´・ω・`)「あ、はい」

男の顔はドアスコープで見るよりずっと色白で
なんというか、綺麗だった。

川 ゚ -゚)「もしよろしければ、少し話を聞かせてくれませんか? 」

(´・ω・`)「……」

男は、参ったな。という顔をして、目線を逸らした。

川 ゚ -゚)「お願いします」


188 名前:知事候補(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/15(日) 15:57:22.29 ID:lyCsn9AS0

それは、私が高校に入学してすぐだったと思う。

ある日を境にドクオは一日中部屋に篭りきりになって
バイトも大学にも行かなくなってしまった。

原因は分らない。
母さんや父さんが何を聞いても何も答えなかったらしい。

勉強についていけなくなったのか、それともイジメ?
なにかトラブルに巻き込まれてしまったんだろうか?

(´・ω・`)「そんな大袈裟なもんじゃない。ただの失恋だよ」

川 ゚ -゚)「はい? 」

男が軽く言い放った一言に、私はわが耳を疑った。


189 名前:知事候補(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/15(日) 15:57:53.60 ID:lyCsn9AS0

(´・ω・`)「うん、傍目から見るとただの失恋なんだけどね」

あんまり意外だったので、返す言葉を失う。

(´・ω・`)「本人にしてみたら〔大きな裏切り〕だったんだろ」

うんうん、とひとりで頷く男。
「もうちょっと詳しく」と言おうとして、止める。

川 ゚ -゚)「あの、私はクーです。
     失礼ですがお名前をお聞きしても? 」

(´・ω・`)「あ、あぁ。僕はショボン」

ショボンと名乗る男は、最初の渋りはどこへいったのかと
思うほどあっさり、原因を明かした。


190 名前:知事候補(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/15(日) 15:58:19.25 ID:lyCsn9AS0

ここVIP公園は、最近整備されたばかりなので全体的に綺麗。
ショボンさんと私は入り口付近のベンチに腰を下ろした。

家で話しても良かったんだけど、私からしたら知らない男だし
ドクオにも話を聞かれる恐れがある。

(´・ω・`)「久しぶりだな、この公園。

      ドクオ達とよく来たんだよ」

私に話しているんだろうか?だが目線はこちらではなく公園。
懐かしそうに見回している。

(´・ω・`)「ドクオは元気にしてる? 」

川 ゚ -゚)「……元気ですよ」


191 名前:知事候補(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/15(日) 15:58:43.39 ID:lyCsn9AS0

(´・ω・`)「そう、今は何してるの? 」

何もしていないんですよね、これが。

(´・ω・`)「うん、分ってる。聞いてみただけ」

どうやらショボンさんはドクオをよく理解しているようだ。

川 ゚ -゚)「あの、失恋ってさっき
     ……おっしゃったじゃないですか」

(´・ω・`)「うん」

川 ゚ -゚)「その、相手の女性っていうか……えっと、」

慎重に、言葉を探す。
国語の成績は良いんだけど。いざって時に出てこない。


192 名前:知事候補(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/15(日) 15:59:05.00 ID:lyCsn9AS0

(´・ω・`)「ふふ」

そんな私を見て、ショボンさんは柔らかく笑う。

(´・ω・`)「君、ドクオに似てる」

川 ゚ -゚)「え? 」

そんなの、初めて言われた。
……そんなはずないのに。

(´・ω・`)「あれ?失礼だったかな」

川 ゚ -゚)「あ、いえ……そういうんじゃないんですけど。

    あまり言われないので」

不思議なことに、嫌悪感は無い。むしろ少し……


194 名前:知事候補(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/15(日) 15:59:48.42 ID:lyCsn9AS0

川 ゚ -゚)「そんな事より、その……
     お兄ちゃんの好きになった女性ってのは? 」

(´・ω・`)「良い子だよ。
      可愛いし、男子女子みんなの憧れの的みたいな人だったね」

川 ゚ -゚)「あぁ……」

なるほどね。学校のアイドルに一方的に惚れちまったってわけ。
そりゃそうか。なら不思議は無い。

んで、一方的に失恋して学校やめちゃったと。

川 ゚ -゚)「……なんというろくでもない男」

(´・ω・`)「いや、無理も無いよ。

       ツンは少し思わせぶりなところがあるから」

ツン?それは女性の名前だろうか。
何となく、どこかで聞いたことがあるような気がする。

川 ゚ -゚)「じゃあ……裏切りっていうのh

「クーちゃーん! 」


195 名前:知事候補(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/15(日) 16:00:32.01 ID:lyCsn9AS0

核心的な質問を、誰かの呼び声が邪魔する。

(*゚ー゚)「クーちゃん、何してるのー? 」


川 ゚ -゚)「しぃ? 」

突然現れたしぃが、私とショボンの間にちょこんと座る。

川 ゚ -゚)「全く、勝手にうろちょろしちゃダメじゃないか。

     ドクオみたいな不審者に襲われたらどうする? 」

私が一喝すると、ショボンさんがまぁまぁ、となだめる。

(´・ω・`)「こちらは妹さん? 」

(*゚ー゚)「しいでーす。おにいちゃんはー? 」


196 名前:知事候補(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/15(日) 16:00:52.90 ID:lyCsn9AS0

(´・ω・`)「僕はショボン。よろしくね」

(*゚ー゚)「えへへ」

川 ゚ -゚)「っていうかしぃ、
     カギ閉めたはずなのにどうやって家から出てきたんだ? 」

(*゚ー゚)「お兄ちゃんにあけてもらったー」

ド ク オ め ぇ ……

(*゚ー゚)「ねぇねぇ、何のお話してたのー? 」


198 名前:知事候補(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/15(日) 16:02:13.81 ID:lyCsn9AS0

幼児ならではの無邪気な質問と笑顔に
私とショボンさんは顔を見合わせる。

川 ゚ -゚)「なんでもないんだよ」

(´・ω・`)「うん。ちょっと子供には聞かせられないよね」

……それはちょっと変な意味に捉えられる恐れが。

(*゚ー゚)「わかったー!デートのおやくそくでしょー? 」

(´・ω・`)「そんなんじゃないよ」

ショボンはニコニコと愛想よくしぃの相手をしてくれている。
悪い人じゃなさそうだ。本当に。

(*゚ー゚)「ずるーい。しぃも一緒にいくー」


256 名前:バンドマン(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/16(月) 01:32:39.65 ID:HqbVNJJV0
しぃは頬をぷくっと膨らませ、すねてみせる。

その表情はビックリするくらい愛らしくて
私はそういう趣味じゃないけど思わずキュンとしてしまった。

……いかん、思わずデレッとしてしまった。

川 ゚ -゚)「それじゃ、私たちは帰ります」

しぃがいては、私の聞きたい話は聞けそうにないし
それならショボンさんとここにいる意味は無くなる。
しぃの手を握り、ベンチから下りる。

(´・ω・`)「そうだね。いや、何も話せなくてすまない」

何も話せなくて?……とんでもない。
詳しく聞かなくてもよくわかったよ。
「ドクオがどんなにダメか」って事をね。

ありがとう、ショボンさん。




【関連】
一気読み
第一話 - 第二話 - 第三話 - 第四話



ブログパーツ ブログパーツ
inserted by FC2 system