( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`) 〜川 ゚ -゚)と害虫 なようです 8〜

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8 名前:栄養士(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/22(日) 02:43:10.14 ID:OH0nYECx0

大学ってのは意外にヒマなもんで
サークルにも入ってない、彼女いない、友達少ないって俺は
キャンパスライフって奴を湯水のように垂れ流していた。

学校か3人で遊ぶ時以外はずっと家にいるもんだから
家族(主にクー)に異常に心配されだして。

(´・ω・`)「じゃあさ、バイトでもしたら」

('A`)「バイトなぁ……」

( ^ω^)「おっおっ、ドクオにバイトなんか出来んのかお」

(#'A`)「……」

ブーンのその一言に奮い立った俺は
とりあえずバイトをしてみる事に決めた。

肉体労働はイヤだし、つーか力ないし、体力ないし
あと接客もイヤだってことで、始めたのがピザの宅配だった。


9 名前:栄養士(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/22(日) 02:43:31.43 ID:OH0nYECx0

(`・ω・´)「うん、じゃあ明日から来てくれる? 」

求人広告見て、履歴書送って、電話かかってきて
一言二言喋って即採用。どんだけ人手足りてねーんだよってな。

実際人手は足りてなかったらしく、俺は初日から
即戦力として借り出される事になった。


('A`)「西村ピザでーす」

( ^^ω)「ごくろうさまだホマ」


('A`)「西村ピザでーす」

从 ゚∀从「おせーよ殺すぞwwwwヒャハハハwww」


('A`)「西村ピザでーす」

(-_-)「……」


10 名前:栄養士(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/22(日) 02:43:53.13 ID:OH0nYECx0

ホント、色んな人がいるな。
ねぎらいの言葉をいかけてくれる人、イチャモンを付けてくる人
酔っ払い、DQN(なんか漏れそうになった)、寝起き。

('A`)「西村ピザでーす」

ξ゚听)ξ「はーい」

……あと、ツンデレ。

ξ゚听)ξ「あら、ドクオじゃない」

('A`)「ベーコンピザSサイズ一枚でよろしかったでしょうか。
   980円になります」

ξ゚听)ξ「ねぇアンタ、ピザ屋でバイトしてたの? 」

('A`)「丁度お預かりします。サイン頂けますか」


11 名前:栄養士(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/22(日) 02:44:18.54 ID:OH0nYECx0

ξ゚听)ξ「ちょっと? 」

('A`)「ありあとしたー。またどーぞ」

ξ゚听)ξ「こらっ、ちょっと待ちなさいよっ!」

('A`)「あのさ、俺勤務中だから。手離してくれ」

ξ゚听)ξ「ヤだ。ちょっと話して行きなさいよ」

この時、ツンは相当なホームシックだったらしく
大学でも友達が出来なくて、寂しい思いをしていたらしい。

('A`)「わかった。わかったから離して」

ξ゚听)ξ「ヤだっていってるでしょ」


12 名前:栄養士(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/22(日) 02:44:39.08 ID:OH0nYECx0

この時、無理にでも帰っておけば良かった。

その後2時間生い立ちやら、こないだ見た映画の話まで
どーでもいいような話を聞かされ、挙句。

ξ゚听)ξ「……ってか、ドクオバイト中でしょ?

     いつまでここにいる気? 」

……ねーよ。なんなんだよ、この女。

で、危うくクビになりかけたけど
土下座して、いろいろ褒めちぎって、病気の妹がいるとまで言って
なんとかそれは免れた。


13 名前:栄養士(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/22(日) 02:45:22.69 ID:OH0nYECx0

( ^ω^)「2時間!? それはひどいwwww」

('A`)「だろ? お陰で酷い目にあったぜ……」

(´・ω・`)「へー。君って意外とお喋りなんだね」

ξ///)ξ「そっ、そんな事無いわよっ」

( ^ω^)「僕もツンといっぱいお喋りしたいおwwww」

ξ*゚听)ξ「ちょっ、何呼び捨てにしてんのよピザッ」

(;^ω^)「いいかげんピザはやめてお。
       ブーンって呼んでくれおー」

ξ///)ξ「へ、変な名前ねっ! でもっ、どうしてもっていうならっ」

(´・ω・`)「あははー、ツンデレだー」

('A`)「あのさ

   何、馴染んでんの? 」

(´・ω・`)( ^ω^)ξ゚听)ξ「へ? 」


14 名前:栄養士(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/22(日) 02:45:59.82 ID:OH0nYECx0

この頃からツンも含めた4人で過ごすことが多くなってきていた。
最初こそ反発や違和感もあったけど(俺だけだが)
それもなくなってきて、いつからか4人でいる事が当たり前になってた。


ξ゚听)ξ「それスゴイじゃない」

(´・ω・`)「うんスゴイね。VIP高って言ったら名門じゃないか」

( ^ω^)「あのアホでオナニーくらいしか趣味が無い
       ドクオにそんな妹がいるとはびっくりだおwwww」

('A`)「……何も言い返せない……」

俺が2年になった年の春。妹がVIP高校に合格した。
地元では結構有名な進学校で、倍率もかなり高い。
だからこそ俺は鼻高々で、すれ違う人すれ違う人に自慢して回ってた。

ξ゚听)ξ「それで、合格祝いは何あげるかは決めたの? 」


15 名前:栄養士(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/22(日) 02:46:30.75 ID:OH0nYECx0

合格祝い?そんなもん全然考えてなかった。

('A`)「あー……そうだな、やってもいいかな」

ξ゚听)ξ「じゃあうちのお店に来なさいよ」

( ^ω^)「うちのおみせ? 」

ξ゚听)ξ「うん。Loungeっていうんだけど」

(´・ω・`)('A`)「ナ、ナンダッテー」

( ^ω^)「? 」

Loungeといえば、ブランドとかお洒落とか
そういうのに疎い俺でも知ってる超有名ブランド。

そこの日本支社の代表取締役が、ツンのパパだ、という。

なるほど道理で。
毎日特Aランチで髪はクルクルで喋り方も今の子っぽくないはずだ。


16 名前:栄養士(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/22(日) 02:46:56.25 ID:OH0nYECx0

('A`)「でも俺金ねぇしな……」

ξ゚听)ξ「アラ、まけるわよ? 」

いや「まけるわよ」って。野菜か魚じゃあるまいし。


VIP駅南口にある、白と黒を基調としたオシャレなビル。
品の良い照明に照れされた「Lounge」の白いロゴ。

客層は10代後半から20代前半の女の子ばかりで
ツンは馴染んでいるけど、どうみても俺は浮いている。

ξ゚听)ξ「あっ、このマフラー可愛いわよ。どうかしら? 」

ツンが白いマフラーを差し出す。

('A`)「妹さ、マフラーとか苦手なんだよな。
   首がかゆくなるらしくて」


17 名前:栄養士(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/22(日) 02:47:18.67 ID:OH0nYECx0

ξ゚听)ξ「だとしたらお財布とか、アクセとか……」

('A`)「サイフは愛用してる奴があるし
   アクセサリーはマフラーと同じ理由で付けてない」

ξ゚听)ξ「そう、難しいわね」

そんな事より高すぎる、値段が。
……ちょっと混乱の余り倒置法になってしまった。

さっきツンが見せてきたマフラーだって、0の数が半端じゃなかった。
まけてくれるって言ったって、たかが知れてる。

('A`)「……そうだ、VISCOへ行こう」

ξ゚听)ξ「え? 」


18 名前:栄養士(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/22(日) 02:49:12.65 ID:OH0nYECx0

逃げるようにLoungeから出て、表通りへ。

ξ゚听)ξ「ちょっとドクオ、どこ行くのよ」

('A`)「VISCOだよ。デパート。知らない? 」

ξ゚听)ξ「……知らないわ」

VISCOを知らないとは。まさに住む世界が違うってか。


ξ゚听)ξ「わー、広い。いろんなお店があるのねー」

('A`)「……マジで来た事無いの?
   彼氏とか、友達とかと」


19 名前:栄養士(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/22(日) 02:49:33.09 ID:OH0nYECx0

いや、彼氏とデパートはないか。

ξ゚听)ξ「カッ、カレシなんかいないわよっ!
     ……友達だって……いないし……いたことないし……」

('A`)「そうか……」


「今は俺らが友達だろ?」
……なんて言えたらカッコいいんだろうな。


ξ゚听)ξ「……あ、あのクツかわいー」

('A`)「あ、おい。待てって」


……言えるワケねぇよ。


2 名前:ゲーデル(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/23(月) 01:55:53.55 ID:m011UWCk0

ξ゚听)ξ「ねぇちょっと見てよドクオ!
     このパンプス1万円切ってるわよ! 信じられる? 」

('A`)「よくわかんねーけど、そんな安いか?
   俺が今履いてる奴だって5千円しなかったぜ? 」

ξ゚听)ξ「え……それ大丈夫? 歩いてる途中で破けたりしない? 」

('A`)「ケンカ売ってる? 」


ツンはVISCOを存分に楽しんでいるようで
にこにこしながら、あっちへ行ったりこっちへいったりしている。

時々庶民をバカにするような発言をしたりするが
それは悪意があるものではなく本人はいたって真剣。

だからこちらもそれに腹を立てるわけにもいかず
握りこぶしをポケットの中に収め、ツンの言葉を受け流していた。


3 名前:ゲーデル(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/23(月) 01:56:47.19 ID:m011UWCk0

('A`)「なぁツン、このカーディガンどうかな」

ξ゚听)ξ「ちょっ、ダサs      

     ……い、いいんじゃない? 」

(;'A`)「……やっぱださいかな、これ」
ξ;゚听)ξ「いいじゃない! プレゼントは気持ちよ?
     それに着なくても雑巾とかにリメイクすれば使えるし……」

('A`)「雑巾……そんな酷いか……」

俺はファッションセンスに関しては定評がある。
もちろん、マイナスな意味でだ。

自覚は無いし、自分ではまともだと思っている。

だがしかし、今までに「これはひどい」と何回言われたか
分らないからこれはもう認めざるを得ない。
ショボンに言われるならともかく、ブーンにまで言われるんだから
相当酷いんだと思う。


4 名前:ゲーデル(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/23(月) 01:57:08.63 ID:m011UWCk0

('A`)「ま、でもマンドクセしこれでいいや」

ξ゚听)ξ「そう……」

('A`)「え、何その顔? 」

ξ゚听)ξ「えっ、いや、なんでもないわよ」

お値段は少々高めだったけど、クーにプレゼントなんかしたことないし
これからもしないと思うから、少し奮発してやろう。

ξ゚听)ξ「喜んでくれると良いわね。妹さん」

('∀`)「あ、あぁ……」


5 名前:ゲーデル(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/23(月) 01:57:43.88 ID:m011UWCk0

ツンとVISCOで過ごした一日は、そりゃー楽しかった。

勿論態度には出さないけど、一緒にいるだけでワクワクしてきて
ブーンやショボンと居る時とは違う心地よさみたいなものを感じていた。


(´・ω・`)「それツンに恋してるね。完全に」

ショボンの唐突な一言に、口に含んだテキーラを盛大に吹いた。

(*'A`)「バカかwwwwねーよwwwww」

(´・ω・`)「っていうか、薄々気づいてはいたんだよ。
      なんかツンといる時ソワソワしてるし」

(*'A`)「そ、そわそわ? 」

(´・ω・`)「ツンの事話すときやたら嬉しそうだし」

(*'A`)「……」


6 名前:ゲーデル(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/23(月) 01:58:06.86 ID:m011UWCk0

こんな簡単に好きになっていいのか?

っていうか、俺なんかが人好きになっていいのか?
訴えられたりしないか?逮捕されたりしないか?


ツンは、迷惑に思わないだろうか?


('A`)「……はぁ……」

……もし、俺がイケメンだったら

どんなネガディブな妄想を広げても、結局はそこに通じる。
そんな自分が大嫌いだ。


7 名前:ゲーデル(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/23(月) 01:58:27.55 ID:m011UWCk0

ξ゚听)ξ「……はぁ……」

( ^ω^)「お? ツンどうしたお? タメ息なんかついて」

(´・ω・`)「何かあった? 」

今日も相変わらず、俺ら4人は学食で仲良く昼飯を食べていた。
ただ一つ違うのは、ツンが元気が無いと言うこと。

ξ゚听)ξ「……なんでもない」

いくら聞いても、何も答えない。
俺は興味ないフリしてたけど内心は気になって気になって。

('A`)「……話したら楽になるかもよ」

ξ゚听)ξ「いい。みんなには関係ないの」


8 名前:ゲーデル(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/23(月) 01:58:48.28 ID:m011UWCk0

(;^ω^)「ちょwww関係なくないおwww

       僕たちは友達だお?」

ξ*゚听)ξ「ブ、ブーン……」

('A`)「……」

友達だろ?

俺が言えなかった言葉を、いとも簡単に言ってのけたブーンが
すごく大きく、輝いて見えた。

ξ*゚听)ξ「……うん、ごめんね。みんな。
      実はね、進路の事で悩んでて……」


9 名前:ゲーデル(新潟県)[sage] 投稿日:2007/04/23(月) 01:59:15.65 ID:m011UWCk0


それから数日も立たないうちに、ツンとブーンが付き合いだした。

ブーンとツンからほぼ同時に報告メールが来て
頭の中真っ白。っていうより、砂嵐。もう何も考えられない。

とりあえずおめでとう とだけ書いて返信した。


( ^ω^)「ありがとうだおwwwwドクオのおかげだおwwww」

ξ*゚听)ξ「確かにそうね。私がドクオと幼馴染じゃなかったら

      こんなことにはならなかっただろうし」

俺のおかげ、か。
じゃあ俺とブーンが友達じゃなかったら?
ブーンがいなかったら?

……何考えてんだよ、俺。最低だ。
こんな俺を、ツンが好きになってくれるわけないわな。




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