( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`) 〜ツンが初恋の夢を見たようですξ゚听)ξ 最終話 そうしてまた回帰していく〜

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64 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 16:34:56.39 ID:n766GXUk0
《禁断の男子校シリーズ 〜その菊門は俺のもの〜》

男の無骨な手で嘗め回すように触れられる。
背中には教室の扉。正面には奴の顔。近い。
('A`) 「ちょ……やめっろよぉっ」
(´・ω・`)「フフフ……いいではないか。いいではないか」
なぜこんな事になってしまったのか。
そしてなぜ自分は今嫌がりながらも感じてしまっているのか。

('A`) 「やめろぉッッ……」
押し返そうとして振り上げた拳はいとも容易く右手一本で受け止められた。
(´・ω・`)「そういいながら。さ、体は正直だね?」
ニヤリと男が笑う。左手で段々と元気になりつつある息子を撫でまわされる。
('A`) 「っ…………やぁ……!」
いやいやと首を振る。それが今は精一杯の抵抗。
その様子を可笑しそうに男は見た後――

65 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 16:35:45.95 ID:n766GXUk0
(´・ω・`)「そろそろ苦しくなって来てないかい?」
また意地悪そうに顔を歪め、俺のベルトを緩めてズボンを下ろした。
もう抵抗などといぅ戯言は浮かんでこない――――

('A`) 「やめ……あ……アーッ!」


ξ゚听)ξ 「ねえクー、これモデル誰なの?」
川 ゚ -゚)「さあな」
ξ゚听)ξ 「ガチであった話?」
川 ゚ -゚)「さあな」
ξ゚听)ξ 「どう見ても」
川 ゚ -゚)「さあな」
ξ゚听)ξ 「ドクオとショボン君です」

川 ゚ -゚)「本当にありがとうございました」

ξ゚听)ξ 「ちょwwwwwww」

66 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 16:38:14.13 ID:n766GXUk0
クー(伊藤ペニサス)先生の著書のご紹介だよっ!
・禁断の男子校シリーズ 〜その菊門は俺のもの〜
別名「その菊」の愛称で親しまれている。
ショボンが攻め。ドクオが受けと言う構図である。
校医であり筋金入りのアレ、ショボンとノンケのドクオの、
なし崩し的な感じのどうにでもなれみたいな絶望色の禁断の恋が
手広い層のオンナノコに支持されている。

・禁断の職場恋愛シリーズ 〜隔離病院秘密の身体検査〜
別名「しょくれん」シリーズ。
ショボンのノンケ時代を心情的な切り口から見た斬新な一作。
ある病院の若い研修医(ショボン)と、医師たちの間でめぐり合う禁断の恋愛を書く。

その他イギリス書院より多数。

68 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 16:48:02.89 ID:n766GXUk0
《最終話 そうしてまた回帰していく》
ξ゚听)ξ「はい、超神水」
川 ゚-゚)「ん、ありがとう」
ξ゚听)ξ「偉大な大先生への初おごりがこれとは申し訳ないわね」
そう言いながら私は缶のプルタブに手をかけ、引く。
適当に床に転がしておいたコンビニのビニール袋が、乾いた音を立てながら空中を舞う。
川 ゚-゚)「……本当に似たもの同士だな、君たちは」
そんな私を見ながら、くつり。のどの奥でかみ殺したように笑うクー。
超神水を一口嚥下。
ξ゚听)ξ「……《君たち》って?」
川 ゚-゚)「ん、ブーンと君だよ。内藤ホライゾン。彼にも言われたな、それ」
クーがコンビニ袋を手で打ち上げながら言う。ビニールの動きだけを見るとくらげみたいだ。
その間に飲み込んだ、グレープ味のゼリーが入った清涼飲料水。
売り文句は『ぷるるん新触感』 果汁0.2%以下。
よく見る言葉だけどこれってどういう意味なんだろう。
残りの99.8%は添加物です、っていうこと?

あれ。いやいや、肝心なのは添加物とかの思考じゃなくて。

69 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 16:48:45.88 ID:n766GXUk0


ξ゚听)ξ「え?」
川 ゚-゚)「ああ、そんな感じの顔もそっくりだ」
本当、似たもの同士だな。またあの笑い方でクーが笑った。
ξ゚听)ξ「はあ。……ってそれ物凄く失礼じゃない?」
そしてぐびりと一気飲みした清涼飲料水。
どろりとした感覚がのど元を撫ぜて胃へと下っていく。あー、効くわこれ。
さてこういう場合、一体私はどういう反応を示せばいいのだろうか。
まるでこのゼリーを握り締めたように微妙な心象だった。
川 ゚-゚)「な、ツン」
ξ゚听)ξ「ん、何?」
カサリカサリと呼吸をしながらビニール製のくらげが空中を漂う。
それを手の中で弄ぶ(響きだけだと悪女みたいだ)クー。
川 ゚-゚)「学校、休みなんだろ? ならな、帰らないか。地元に」
言葉の中には少しだけ強要が入っている。帰ろうか。そんな感じ。
ξ゚听)ξ「う、うん。そのつもりだけど」
また一口缶を煽って、嚥下。
クーがくらげと遊ぶのをやめた。それから、
川 ゚-゚)「ああ、よかった」
目を細めて笑う。黒髪が揺れた。私の心も同時に揺れた。
一世紀の中で一回見れれば拝みもののクーの表情。
これをそこらの男にやると一発でそいつ落ちるだろうなぁなんて思ったり。
下手すりゃ私でも惚れかねん(うわぁ)

70 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 16:50:19.92 ID:n766GXUk0

ξ゚听)ξ「……」
川 ゚-゚)「よかった。シベリア町に行った後、誘おうと思ったんだよ」
まさかの偶然で予定は早まったけれどな。

クーの言葉を聞きながら飲み干した缶を振ってみると、
空き缶は空き缶らしくもなく流動性を感じさせない、擬音にするとべちゃり。みたいな音を奏でた。

液体はもうないのにゼリーだけが缶の中に残っている。


ゼリーだけが缶の中にまだ残っている。




71 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 16:51:15.21 ID:n766GXUk0
ξ゚听)ξ「クー! 早くっ」
川 ゚ -゚)「あー……待った待った」
東京駅の人通りの多さははっきり行って異常だ。
地方から入ってくる人、あるいは私たちのように地方へ行く人。
その人波に紛れ込むように、私達は地方域のプラットホームへと急いでいた。
川 ゚ -゚)「電車は逃げないぞ」
ξ゚听)ξ「しかし発車する」
  _, ,_
川 ゚ -゚) 「……ふむ。確かに」
あの日、編集部との作品の打ち合わせは一日で終わった。
随分早いわね、と感嘆符を漏らした私にまあ込み入った様でもなかったしな。と
淡々とした様子でクーが語ったのはつい先日の事だ。
半ば強引に私はクーをアパートに泊まらせ、
(宿はと聞けば漫画喫茶だとクーは平然と答えた。無防備すぎやしないかしら)
同じ日に交わしたクーとの会話通り(少しだけ予定は早まったけれど)
私たちは帰郷の途についている訳だ。

72 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 16:51:56.79 ID:n766GXUk0
ξ゚听)ξ「――どうなってるかな」
川 ゚ -゚)「変わってないぞ。相変わらず田舎特有の泥臭さがある」
ξ゚听)ξ「それはきっとクーがずっと近くにいるからよ」
控えめに笑い、付言する。
秒単位の違いに人は気がつかないけれど、それが分刻み、時間刻みとなれば――
何事もそう言う理屈でしょう?

川 ゚ ー゚)「はは。そうかもしれないな」

階段を上がって、プラットホームに出る。
白塗りの塗装が所々剥がれた旧型の新幹線が一本。
手に持った切符と時刻表を確認。……これで間違いない。
ξ゚听)ξ「さっすが地方線。……金かけられてないねー」
皮肉を飛ばせば
川 ゚ -゚)「住めば都の自由席。ほら、早く行こう!」
立場が逆転していた。
ξ゚听)ξ「はいはい」
苦笑気味に笑ってから、スーツケースを引いて。
もう一度だけ空と地元行きの新幹線を見る。

74 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 16:55:02.41 ID:n766GXUk0

『それはきっとクーが近くにいるからよ』
私の見知ったアイツは、アイツのままでいてくれているだろうか。
私が割かし知っているのは、3年前のアイツと言う事。
そして――――

『一番変わったのは内藤だろうな』

その言葉だけが不安要素。



75 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 16:55:41.89 ID:n766GXUk0
ξ゚听)ξ「――――……ついたぁっ!」
川 ゚ -゚)「到着」
ガラガラとコンクリートの上でスーツのコロコロが滑る音がする。
一方クーと言えば私と会った時に持っていた片がけ鞄一つ。
……無頓着すぎると思うわよ。
と移動中の新幹線内で言えば

クーは窓枠に頬杖着きながら
私が抱えているスーツケースを一瞥し
川 ゚ -゚)「3日の滞在予定なのにそんなパンパンに物を持っていくツンが異常なだけだ」
と一蹴されてしまった。
いや、ほ、ほら私枕替わると寝れないし!
川 ゚ -゚)「…………」
…………
川 ゚ -゚)「…………」
……ご、ごめんなさい。
そんな感じで。

76 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 16:56:42.03 ID:n766GXUk0
プラットホームに降り立って、腕を高く伸ばして伸びをする。
都会よりも幾分か涼しいと感じる風が前髪を撫でる。
ξ゚听)ξ「さて、着いたんだけど、どうする?」
背後に立っていたクーの方に首だけ向けて訊く。
川 ゚ -゚)「どうするとは?」
ξ゚听)ξ「クーは予定とかないの?」
川 ゚ -゚)「ああ、そう言うことか」
川 ゚ -゚)「私はとりあえず、打ち合わせした内容で
書き直したいシーンがあるんでな。自宅に帰ってから執筆活動だ」

おお、軽く感嘆符を漏らす

ξ゚听)ξ「さっすが大先生! 新作?」
川 ゚ -゚)「茶化さないでくれ。ああ、一応な」
ξ゚听)ξ「そっか。ね、どんなの?」

77 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 16:58:04.82 ID:n766GXUk0
私の言葉にクーがふいに笑った。そして顔を歪めて

川 ゚ -゚)「秘密」
さらに笑いを深めた。
ξ゚听)ξ「あー、秘密主義ですか?」
川 ゚ -゚)「秘密が多いほど女は魅力を増すそうだ」
ξ゚听)ξ「今でも充分クーは魅力的よ?」
川 ゚ -゚)「誉め言葉として受けとっておく」
笑いあい、冗談の混じった会話をして。
人の少ない改札口まで歩いて、
川 ゚ -゚)「明後日会えるか?」
ξ゚听)ξ「ん?」
川 ゚ -゚)「ショボンがやっと店継いだらしくてな。飲み会の予定なんだ。ツンも、行くだろ?」
ξ゚听)ξ「……いいの?」
川 ゚ ー゚)「ああ。勿論。反論は受け付けない」
ξ゚听)ξ「クー……」
川 ゚ -゚)「大先生の権力だ!」
職権乱用かい。
川 ゚ -゚)「住所は……わかるか?」
ξ゚听)ξ「バーボンハウス? ああ、お母さんに訊いてみれば解ると思うわ」
バーボンハウスって言ってる所よく見てたから。

78 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 16:58:56.05 ID:n766GXUk0
川 ゚ -゚)「ああ、じゃあ。明後日に」
ξ゚听)ξ「ええ。執筆頑張ってね、大先生!」
川 ゚ -゚)「茶化さないでくれ。ああ、そうだ、ツン」
ξ゚听)ξ「?」
別れ際、ごりょごりょとクーに耳打ちされる。

ξ///)ξ「……え、ああ。うん。…………いいけど」
承諾。
そんなこんなで別れた私達。 /

80 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 17:00:02.28 ID:n766GXUk0
夏、あるいは春、実家に戻っている人、
もしくは戻る予定の人たちに言っておきたい。
実家の滞在時間は最長でも3日ぐらいにすべきだ。

「……へぇ、たった三日しか居られないの?」

ビックリしたような、残念そうな母の声が聞こえているけれど、
どうせそれ以上長く居座ったならば「早よ帰れ」とぶちぶち言うのだ。
少し残念に思われるくらいが丁度いい。本当に。
ξ゚听)ξ「うん、まあ……課題もあるし」
「そう。残念!」
うんうん。夕食が日を追ってグレードダウンしていく様子を
まざまざと実感しながら見るのは辛いしね。
「まあゆっくりして行きなさいな。お父さんは出張でいないけど」
ξ゚听)ξ「あ、そうなの?」

81 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 17:00:41.41 ID:n766GXUk0
「ツンが帰ってくること知ってたら両腕もがれても帰ってきそうだけどねぇ!」
いや両腕もがれてもて。

ξ゚听)ξ「……あ、そうだ母さん。バーボンハウスって知ってる?」

「ええ、勿論よ。……あの忌々しい連投規制っ!」

待て。どこに行く母の意識よ。

ξ゚听)ξ「バーよ。vip町にあるはずなんだけど……」
「知らないわよ?」
は……?

「……あ、でもね、それだったらタウンページで調べれば――」



82 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 17:01:01.65 ID:n766GXUk0
ξ゚听)ξ「これだけ探しても見つからないって……どんなややこしい所に店構えてんのよ……」
商売する気あるの?
メモ帳を握りつぶしながら、私は現在進行形で迷っていた。
肝心の綱だった母がまったく見当違いのピアノ線だった為に、
明後日迷わないように一応下見して置こうとしてみればこれだ。
現在地が繁華街なのは解る。
しかしバーボンハウスが何処にあるのかが解らない。
ξ゚听)ξ「……どこにあんのよバーボンハウス!」
あー苛々する! 滅茶苦茶熱いし!
こんな田舎にもヒートアイランド現象!?
私の足は所在なくふらついている。

84 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 17:01:56.24 ID:n766GXUk0

「……どうかしましたかお?」
後ろから掛けられた男の声。
あー、またナンパかい。馬鹿馬鹿しい。

眉を顰め、出きるだけ不機嫌そうな声をしながら
ξ゚听)ξ「別に――――」
背後にいた男は呆然と私を見つめている。
生気の抜けたような顔。間の抜けた。3年前から少しだけ成長した――
いやいや、大人びた印象を受けるのは相手がスーツ姿なだけだからだ。
そうよ。絶対。うん、そうに決まってる。
         ____
       /      \
      /  ─    ─\    
    /    (●)  (●) \   「…………」
    |       (__人__)   
     \      ` ⌒´   ,/    
    ノ           \ 


85 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 17:02:31.58 ID:n766GXUk0


ξ゚听)ξ「ブーン……?」 

そして。

また出会った。

色彩を取り戻すのは、掠れかけた夢の世界だろうか。
それとも――――――――

                ツンが初恋の夢を見たようですξ゚听)ξ

                 ― 完 ―  
                 第三部ブーン・ツン編に続く!




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