2 :ξ゚听)ξツンのリップクリームのようです 3 :2007/05/07(月) 19:02:37.63 ID:rFuknVND0
⌒*(・ω・)*⌒「デレさんの喋りかたって変わってるよね。古風?っていうか」
⌒*(・∀・)*⌒「おばさんくさいよねー」
ξ゚听)ξ「……」
⌒*(・∀・)*⌒「あ、きこえてた?ごめんね!」
从'ー'从「デレさんと内藤君、また一緒にいるよ〜」
从 ゚∀从「男と女なのにな」
从'ー'从「変なの〜」
ξ゚听)ξ「……」
( ∵) 「……」
ξ゚听)ξ「……」
3 :ξ゚听)ξツンのリップクリームのようです 3 :2007/05/07(月) 19:03:04.91 ID:rFuknVND0
これは、もう六年生も終わるころだ。
わたしだって馬鹿じゃない。
わたしとブーンがクラスで浮いてることくらい理解できた。
( ^ω^)「お?ツンどうしたお?元気ないおwwww」
ξ゚听)ξ「別に」
( ^ω^)「元気出すおw笑ってwww笑ってwww君の笑顔が見たぁいwwww」
ξ゚听)ξ「ブーン」
( ^ω^)「お?」
ξ゚听)ξ「もうやめましょう、一緒に遊ぶの」
5 :ξ゚听)ξツンのリップクリームのようです 3 :2007/05/07(月) 19:03:43.88 ID:rFuknVND0
(;^ω^)「ツン、どうしたんだお?いきなり」
ξ゚听)ξ「いきなりじゃないわ。前から思ってたの。変よ、わたし達だけクラスで浮いてる」
(;^ω^)「ツン……」
ξ゚听)ξ「バイバイ」
ツンどうして!!待って!
後ろから聞こえる声は無視した。
わたしは自分の思いを一方的にぶつけて彼の元から去った
6 :ξ゚听)ξツンのリップクリームのようです 3 :2007/05/07(月) 19:04:30.53 ID:rFuknVND0
ξ;凵G)ξ「……」
帰り道、一人で泣いた。
いつもならブーンと一緒に帰る道。
だけどわたしは世間体を気にして、彼との友情を捨てたんだ。
全部、ぜんぶわたしが悪い。
ばかなツン。
泣くくらいなら世間体なんて気にしないで、ブーンと仲良くしてればよかったのに。
ξ;凵G)ξ「ブーン……ごめん……」
その日以来、わたしとブーンが一緒に遊ぶことは無かった。
7 :ξ゚听)ξツンのリップクリームのようです 3 :2007/05/07(月) 19:05:15.21 ID:rFuknVND0
7時。目覚ましが鳴る。わたしは起きる。
いつもと何も変わらない朝。
ξ゚听)ξ「ただの夢じゃん」
嫌だ嫌だと言っていても、結局は見てしまった夢。
けれども、嫌なことというのは終わってしまえばなんでもない。
どうしてこんな小さなことを嫌がっていたんだ?と思うほど。
あんな夢、もう昔のことだ。
8 :ξ゚听)ξツンのリップクリームのようです 3 :2007/05/07(月) 19:05:51.59 ID:rFuknVND0
ξ゚听)ξ「……雨か」
昨日はあんなに晴れてたのにね。
雨の日は好きだ。
傘を差していると、すれ違う人に顔を見られないですむ。
顔を見られるのは、あまり好きじゃない。
それに、
__雨がふった後には、虹がかかるんだお。
ξ゚听)ξ「っ!」
まただ。最近のわたしはだめだ。
すぐにブーンのことを思い出してしまう。
忘れようとしてるのに。
9 :ξ゚听)ξツンのリップクリームのようです 3 :2007/05/07(月) 19:06:26.88 ID:rFuknVND0
ξ;凵G)ξ「学校に行く支度しなきゃ」
ξ;凵G)ξ「……あれ?」
リップクリームをぬる指に、冷たい何かが垂れてきた。
わたし、泣いてる。
おかしいな、こんなに泣き虫だったっけ。
わたし、ほんとうにだめだ。
今日は学校を休もう。
わたしは涙でぬれた指でつーへのメールを打った。
10 :ξ゚听)ξツンのリップクリームのようです 3 :2007/05/07(月) 19:07:36.30 ID:rFuknVND0
ξ゚听)ξ「味噌ラーメンうめぇ」
涙がすっかり乾くころにはお腹が空いていた。
とりあえず味噌ラーメンを食べる。ラーメンは好きだ。
ξ゚听)ξ「ここでポイント!」
スープは、とっておく!
ξ゚听)ξ「ごちそうさま」
11 :ξ゚听)ξツンのリップクリームのようです 3 :2007/05/07(月) 19:08:18.98 ID:rFuknVND0
ここからが重要だ。
先ほどとっておいたスープ、これを鍋に入れて、中火にかける。
ぶくぶくいうほど熱くなったら、白米を投入。茶碗に一杯ぐらいね。
スープとご飯がよく混ざったら、といた卵をダイビング!
ここからが注意だ。卵を入れたら、もう絶対にかき混ぜちゃいけない。
蓋をして、しばらく煮込むのだ。卵の硬さはお好みで。
味が薄い場合は、醤油を入れても良い。
味噌スープに醤油でも、意外といけるんだよ。
ξ゚听)ξ「できたぁ〜」
熱々のうちにどうぞ。冷めてもおいしいけどね!
12 :ξ゚听)ξツンのリップクリームのようです 3 :2007/05/07(月) 19:08:58.67 ID:rFuknVND0
おじやを食べながら思う。何しよう。
わたしはずる休みのプロだ。
両親が働きに出ている子は、大抵そうだと思う。
親が居ないと休みやすいのだ。
いつもならゲームをするけれど、今日は何となくそんな気にならない。
漫画でも読もうかな。
ごろごろもぐもぐだらだら
ねっころがって、おじやを食べながら漫画を読む。BGMはテレビ。
実に楽だ。ずるやすみは素晴らしい。
13 :ξ゚听)ξツンのリップクリームのようです 3 :2007/05/07(月) 19:09:38.10 ID:rFuknVND0
ξ゚听)ξ「じょーじあさくらぁー最高ー!」
誰も家に居ないと、変なこと口走りたくなるよね。
ξ゚听)ξ「ふぅ……」
漫画は読み終えた。いいともは終わった。おじやも完食。
また暇になってしまった。
ξ゚听)ξ「お昼寝でもしようかな」
どうせもうあの夢は見てしまったんだ。
これ以上悪い夢なんて、ない。
目を閉じると、すぐに睡魔はやってくる。こんにちは。
冷たいフローリングの床の上、わたしは眠りに落ちた。
14 :ξ゚听)ξツンのリップクリームのようです 3 :2007/05/07(月) 19:10:22.33 ID:rFuknVND0
制服を着た、たくさんの生徒。
幼さの残る顔には、期待と不安の色が浮かんでいる。
\(^o^)/「今からみんなには自己紹介をしてもらうよー」
先生の一言で教室の空気は変わる。
__やだー。何言おう?
ざわついたまま、出席番号1番の男子が喋りだす。
( ´_ゝ`) 「VIP小学校からきた兄者と言います。入りたい部活はパソコン部、趣味は……」
どうしよう。わたしの番なんて、あっという間にきちゃう。
15 :ξ゚听)ξツンのリップクリームのようです 3 :2007/05/07(月) 19:11:10.75 ID:rFuknVND0
わたしが話すことを考えている間にも時間はどんどん過ぎていく。
前の席の男子が口を開いた。
( ゚∀゚)「ジョルジュ長岡です。VIP小学校からきました、好きなものはおっぱい!」
好きなものはおっぱい。女子も男子も笑い出す。
ごめん、ぜんぜん面白くない。
\(^o^)/「次ー、デレさんだよー」
きてしまった。わたしの番。
ξ゚听)ξ「ラウンジ小学校からきた、デレ つんこです」
震える声で一生懸命言った名前。
( ゚∀゚)「ちんこじゃん!」
16 :ξ゚听)ξツンのリップクリームのようです 3 :2007/05/07(月) 19:11:55.55 ID:rFuknVND0
前の席の男子、長岡がちんこと言った瞬間、クラスメイトは一斉に笑い出した。
ショックだった。自分の名前のこと、気にしてるのに。
それ以上に、目の前にいる男子に対して怒りが沸いた。
なんなのこいつ。初対面でいきなり。
長岡のことは、今でも嫌いなままだ。
それからの学校生活は、まぁそれなりのものだった。
わたしには友達ができた。そう、つーとしぃ。
女の子の友達は初めてだから、すごく嬉しかった。
でも、毎日どこか楽しくなかった。
小学校のほうが、楽しかったよ。
ブーンとは違うクラスだった。
しぃから聞いた話によると、彼は友達が出来なかったらしい。
別にいじめられていたわけではないが、いつも一人でクラスでも浮いていたとか。
17 :ξ゚听)ξツンのリップクリームのようです 3 :2007/05/07(月) 19:12:49.03 ID:rFuknVND0
_赤や緑の菊の花びら 指さして思うことは
__ただ1つだけ そう1つだけど
___”つかれてるんなら やめれば…”
携帯からするかわいい歌声で目が覚めた。
aikoの設定はつーかしぃ。どっちだろう。
『具合レ£平気?
〃ノ冫ヵゞレヽTょレヽ`⊂01囚τ〃±ゐUヵゝッT=∋』
読みにくいギャル文字、つーだった。
わたしのことを心配してくれるのは嬉しいけど、どうしても下の文章が気になる。
1人で寂しかったよ。
19 :ξ゚听)ξツンのリップクリームのようです 3 :2007/05/07(月) 19:13:43.14 ID:rFuknVND0
つーはいい子だ。わかってる。
いい子だけど、悪いところもある。これもわかってる。
そしてわたしは、彼女の悪いところばかり見てしまう。
わたしは嫌な子だ。
ξ゚听)ξ 「わかってる」
わかってるけどどうにもならないことが今のわたしには多すぎる。
そもそも、何がわかってるんだ?
ほんとうは、何もわかってないんじゃないか?
一つがわからなくなると、すべてがわからなくなる
わからない。わたしは何がしたいのか。
20 :ξ゚听)ξツンのリップクリームのようです 3 :2007/05/07(月) 19:14:19.65 ID:rFuknVND0
ξ;凵G)ξ「どうすればいいの…」
勝手に出た声にぎょっとした。かすれてる。わたし、また泣いてる。
泣き虫なんて大嫌いだ。
泣けば、誰かが心配してくれると思ってる。
誰かが助けてくれると思ってる。
わたしだってきっとそうだ。
こうやって泣いてれば、神様が同情してくれて、またブーンと仲良くできると思ってる。
幼い頃のように、ブーンが助けに来てくれると思ってる。
ブーンがわたしと仲良くしたいと思っているはずがないのに、心の隅で期待しているのだ。
ξ;凵G)ξ「馬鹿で泣き虫で妄想家のツン」
あんたなんて、大嫌い。
21 :ξ゚听)ξツンのリップクリームのようです 3 :2007/05/07(月) 19:14:59.71 ID:rFuknVND0
ξ゚听)ξ「……」
夜、眠れなかった。お昼寝をすると必ず眠れなくなる。
でも、ちゃんと寝ないと朝起きれなくなっちゃう。
さすがに明日は学校に行かないとね。
ξ゚听)ξ「わたしには落ち着きが足りないなぁ」
さっきは感情が爆発して泣いてしまった。
人は一度泣き出すと、冷静に物事を考えることが出来なくなってしまう。
今のわたしがやるべきことは、泣くことじゃない。
それだけはわかる。ではわたしは何をすればいいんだろう。
23 :ξ゚听)ξツンのリップクリームのようです 3 :2007/05/07(月) 19:15:32.36 ID:rFuknVND0
悩みを並べてみる。わたしの悩みって何だっけ。
まず、ブーンと仲良くしたいってこと。
前から思っていたことだけど、特に最近はその気持ちが強かった。
でもこれはきっと無理だ。ブーンがわたしと仲良くしたいと思うはずがないから。
次は、つー達との関係。別に嫌いな訳でもないけど、一緒にいたい訳でもない。
でも、わたしの都合で彼女たちから離れていくというのはあまりにも勝手だ。
24 :ξ゚听)ξツンのリップクリームのようです 3 :2007/05/07(月) 19:16:11.65 ID:rFuknVND0
なんだ、これだけか。
並べてみたら簡単。たった二つしかなかった。
ξ゚听)ξ「結局、なんの解決にもなってないのにね……」
ぷよぷよのように簡単に、並べて消えてくれれば良いのに。
オワニモ、と小さな声で呟いた後で、悩みが二つしかなかったことを思い出した。
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一気読み
第一話
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最終話
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