( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`) 〜ξ゚听)ξツンはメンクイのようです 一気読み〜

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当サイトはブーン系小説の完結作品集 です。 読み物系は嫌いって方はご退場ください


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1 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:00:10.39 ID:0Kb2zcrw0
私は津手麗子(つでれいこ)16歳の高校二年生。
自分で言うのもなんだけど私は、
成績優秀にして、容姿端麗。
才色兼備にして、完全無欠。
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花。
…いえ
立てば桜、座れば薔薇、歩く姿はラフレシア。かしら?
それくらい私の美貌は周りの者を魅了する。
全ての女性はつき従い、
全ての男性は跪く。
皆は私のことをツン様って呼ぶわ。
そして私のおじい様は、
日本最大の財閥、津手グループの総帥。
私には、
権力、知力、財力、そして美貌。
全てを兼ね備えた完璧な存在。
その辺の男達なんて釣り合わないわ。
そうね、一国の王子くらいだったら
私をお誘いする権利はあるかもね。
そして、
私の好きなものは美しいもの。
私の嫌いなものは醜いもの。

3 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:00:39.27 ID:0Kb2zcrw0
朝。
閑静な住宅街にひっそりとそびえ立つコンクリートの建物。
そして四方に無機質な鉄の網がそれを囲う。
その周りを一方に向かって歩く若い男女たちの姿。
男たちは学生服に身を包み、
女たちはセーラー服に身を包んでいる。
彼らは皆、例外なく校門の方へと足を進めていく。
そう、ここは、県立VIP高校。
県内では中堅といったところのランクの高校である。
目立ったところといえば、
サッカー部が県大会三位。
吹奏楽部は県大会準優勝。
といったくらいの、ごく平凡な高校である。
しかし、その平凡な光景の中に、
その光景とは不釣合いな異様なものの存在があった。

4 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:01:08.33 ID:0Kb2zcrw0
それは、アスファルトの上で、
朝日に照らされ白く輝いていた。
そのフォルムは緩やかな流線型を描いている。
その長さは、周りのそれとは比較できないほどに長い。
そしてそれを囲うように
ヘルメットを被り青い服を着た男達が、
それと同じく白く大きなバイクを走らせている。
その車体には、大きく『VIP県警』と書かれていた。
そう、それはフォード社製、リンカーン・タウンカーリムジン。
海外のセレブやハリウッドスターも愛用している車種である。
その全長は、7メートル76センチにも及ぶ。
そして、その中には数人の人影があった。
「じいや。あとどの位で着くのかしら?」
「はい。お嬢様。道路の状況にもよりますが、
 あと数分ほどで着くかと思います。
 県警に公道を封鎖するように要請いたしますか?」
「…いえ、結構よ。それには及ばないわ」

6 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:01:51.74 ID:0Kb2zcrw0
そして、その白く、大きな車体は
『VIP県立高等学校』と書かれた門の前に止まる。
それに気づいた付近にいた若い男女達は、
我先にと集まり大きな群れを作っていく。
しかし、その動きは統制されていて、
一直線に空白のスペースを挟むようにして並ぶ。
そして、不意に、その白い車の扉が開いた。
その中から二人の黒服を着た若い男性が飛び出してくる。
どこから取り出したのか、
彼らは赤いカーペットをその直線の空間に敷き詰める。

突然、けたたましいファンファーレが鳴り響いた。
「お嬢様のおなぁ〜り〜ぃ!!」
そして誰が叫んだのか、その声が聞こえると
リムジンの中から一人の少女が現れる。

8 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:02:20.48 ID:0Kb2zcrw0
「きゃあああああああっ!!ツンお姉さまぁ〜っ!!」
「ツン様!!プレゼントを…どうぞお受け取りください!!」
「ぼ…僕をののしってくださいフヒヒヒヒヒ」
「お嬢様…今日もお美しい…」
それらの声援の横をすり抜けるように、
彼女は優雅に、微笑みながら、ゆっくりと、
赤いカーペットの上を歩いていく。
そのくるっとカールした髪は、美しい金色で、
朝日の光を受けきめ細かく輝いていた。
そのツンとつりあがった眼は、大きく、
ぱっちりとしていてまるで人形のようだった。
その雪のように白い肌は、
透き通っていて、太陽の光を反射する月のようだった。
そして、彼女は周りの者に声を掛ける。

ξ゚ー゚)ξ 「皆さん、ごきげんよう」

ξ゚听)ξツンはメンクイのようです〜オープニング

9 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:03:13.15 ID:0Kb2zcrw0
第一話 嵐の転校生!!の巻

ここは校舎二階のとある教室。
その入り口には『2年3組』と書かれたプレートがあった。
教室では整然と規則正しく、スチール製の脚に
木製の板で出来た机が、6×6のマス目のように並んでいた。
しかし、その中には異様な一角があった。
その一角のフローリングの床の上には、
虎模様のフサフサとした毛皮のカーペット。
さらにその上には、
繊細な装飾が施されたマホガニー製の机。
そこには「L」と「V」の文字が交差した、
モノグラム柄の筆記用具が置かれている。
そしてその傍らには、ロココ調の彫刻が
背もたれと肘掛けに施された大きめの椅子。
その上には先程の少女の姿があった。

10 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:04:16.82 ID:0Kb2zcrw0
('A`)「ツン様。肩をお揉みしましょうか?」
ξ゚听)ξ 「そうね。お願いしてもらおうかしら?」
( ><)「ツン様。紅茶が入ったんです!!」
ξ゚听)ξ「ご苦労様。あら?今日はダージリンね」
( ^ω^)「ツン様!!ぼ…僕をののしってください!!フヒヒヒヒ」
ξ゚听)ξ「口を閉じろ。この薄汚いオス豚め!!」   _  ∩
( ゚∀゚)彡「おっぱい!おっぱい!」
ξ♯゚听)ξ「黙れ」
その彼女はクラスの男子を従えて座していた。
それ以外にも、孔雀の羽を仰いでいる上半身裸のイケメンや、
バイオリンでクラシックを奏でる黒いタキシードの男など、
様々な男を従えている。
男子ばかりではない。それを囲うようにして女子達も
皆、目をハート型にして何やらキャアキャアとはしゃいでいた。

12 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:05:02.74 ID:0Kb2zcrw0
(;,,゚Д゚) 「…相変わらずだなゴルァ…」
(;*゚ー゚)「…みんな最初は、ああじゃなかったのに…」
川 ゚ -゚)「…エロイムエッサイム…エロイムエッサイム」
そうやら、その例外もいるようであるが。
( ´∀`)「みんな〜。席に着くモナ!」
ガラッ、と入り口が開き、そこから
茶色いジャケットを羽織った中年の男が入ってくる。
彼女の周りを囲んでいた者は、皆一斉に各々の席へと着いていく。
( ´∀`)「じゃあ、出席を取るモナー」

13 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:05:43.33 ID:0Kb2zcrw0
( ´∀`)「擬古」
( ,,゚Д゚)「はいゴルァ!」
( ´∀`)「乳山」
  _  ∩
( ゚∀゚)彡「おっぱい!おっぱい!」
( ´∀`)「独田」
('A`)「はい」
( ´∀`)「内藤」
( ^ω^)「フヒヒヒヒ」
( ´∀`)「和間内」
( ><)「はいなんです!!」
五十音順に次々と男子の名前が呼ばれていく。

14 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:06:20.81 ID:0Kb2zcrw0
( ´∀`)「椎田」
(*゚ー゚)「はい」
( ´∀`)「須名」
川 ゚ -゚)「………はい」
( ´∀`)「その他名無しの女子ども」
「ちょwwwwww」
次に女子の名前に差し掛かる。
そして、彼女の名前にさしかかった。
(;´∀`)「…ええと…津手…様?
      ご機嫌はいかかでしょうかモナ?」
ξ゚听)ξ「今日もいい調子ですわよ、茂名先生」
何故このクラスの教師、茂名は
彼女に対してここまで低姿勢かというと、それには理由があった。

15 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:07:01.47 ID:0Kb2zcrw0
それは、一年前のことである。
VIP高校に入学した彼女は、入学早々、
ξ゚听)ξ「この机と椅子、私に相応しくないわ」
とか言って、自分に割り振られた机と椅子を
勝手に従者達に撤去させて、その代わりに
マホガニー製の机と豪勢な装飾の椅子を設置したのだ。
これに怒ったのは、当時の担任だった教師。
彼は新任したばかりで、まるで絵に描いたような熱血教師。
その彼は、彼女にキツイ口調でそれを咎めたのだ。
しかし、それがマズかった。
その一日後、彼は不審な失踪を遂げる。
そして三日後、彼は某山道の路上で発見されたが、
「おいなりさんが…おいなりさんが近づいてくる…」
とか、訳の分からない言葉を発して
精神に異常をきたしてしまっていた。
そして、彼は教職から退かなくてはならない状況になる。
パンツを被ったTバック…いやVバックの男が…と、
彼は後に語っていたがその真相は定かではない。

16 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:07:58.36 ID:0Kb2zcrw0
その後、津手グループが影で動いたとか、
教師の間で様々な噂が立ったが、
ともかくその事件から、彼女に対して
教師達の姿勢は低くなってしまったようだ。
( ´∀`)「では、ホームルームの前に、
      皆に言いたい事があるモナ」
そして、彼はこう続ける。
( ´∀`)「今日、君達のクラスに、
      転校生がやって来るモナ!」
その台詞を受けて急に教室は騒然となる。
生徒達は皆一斉に近くの席の者と言葉を交わす。
(;´∀`)「ちょww皆落ち着くモナ!」
それでもその喧騒は静まらなかったが、
ここに一人、周りの者とは違う事を考えている者がいた。

17 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:08:35.68 ID:0Kb2zcrw0
ξ゚听)ξ「…転校生…ねえ…」
それは、ただ一人豪華な空間に囲まれて座っていた彼女だ。
その表情は周りの者とは違い、落ち着いていた。
そして彼女はこう思った。
転校生?
周りの者はみな私を差し置いて、
まだ見ぬ人物に注目している。
…だが関係ない。私は今まで例外なく、
その美貌で周りの者を魅了してきた。
ならば、その転校生とやらも私の虜にしてやる。
そして、周りが静まり返ったあと茂名はこう続けた。
( ´∀`)「やっと静かになったモナ…
      では、入ってきなさい」
男か?女か?そんなことはどうでもいい。
私の姿を見た瞬間、そいつを跪かせてやる。
そう思った瞬間、彼女の目に、その姿が飛び込んでくる。

18 名前:VIP皇帝[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:08:59.22 ID:0Kb2zcrw0

             r'  ヽ
            d   :b
            _ノ_  _、_
            /´:,′ ._l_  `) ヽ
         { , ^Y   |   Y^  }
         ソ ‐'^、 ハ ,^'ー 1
          ヽ、  ,' l `r'   /
       _    辷ノ l ;,__ッ'′  _
   ,. '' ̄   ̄`ヽ!_   l   jレ''´ ̄     ̄`ヽ
   {、 __    ; ` .::. _ ´:,     _,ィ ,{
   !  / ト、`ー―'t'   `r'   `ッー--‐'' イ、   }
   { ;  | `ー....,;_l.    l   _'__... -''´ { l、 |
   | ;  }    { `ー‐''^ー―'''´|     | l  |
   .!  /    l       l   i      ヾ  |
_,。_}  ,'    |       |   |     ヽ {_,。、
'、_....  l}   |   |    l  |     }  ..._ぅ'
   `ー┘   _| _l l |    |  _ト、_    └-'´
        'ー'⌒ ̄⌒ー^⌒⌒ーー'
          むきむき〜ん

20 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:09:27.18 ID:0Kb2zcrw0
             r'   ヽ
            ( `・ω・)彡クルッ     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
            _ノ_  T、_       <  そうだね、プロテインだね!!
            /´:,′ ._l_  `) ヽ      \____________
         { , ^Y   |   Y^  }
         ソ ‐'^、 ハ ,^'ー 1
          ヽ、  ,' l `r'   /
       _    辷ノ l ;,__ッ'′  _
   ,. '' ̄   ̄`ヽ!_   l   jレ''´ ̄     ̄`ヽ
   {、 __    ; ` .::. _ ´:,     _,ィ ,{
   !  / ト、`ー―'t'   `r'   `ッー--‐'' イ、   }
   { ;  | `ー....,;_l.    l   _'__... -''´ { l、 |
   | ;  }    { `ー‐''^ー―'''´|     | l  |
   .!  /    l       l   i      ヾ  |
_,。_}  ,'    |       |   |     ヽ {_,。、
'、_....  l}   |   |    l  |     }  ..._ぅ'
   `ー┘   _| _l l |    |  _ト、_    └-'´
        'ー'⌒ ̄⌒ー^⌒⌒ーー'

21 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:10:19.34 ID:0Kb2zcrw0
ξ;凵G)ξ「嫌ァあああああああああ!!!!」
思わず彼女は泣き叫んだ。
その白い肌には、ぽつぽつと、
じんましんのようなものが浮かぶ。
どうやってその姿勢で入ってきたかは分からないが、
その筋肉の塊は、丸太のようなものに跨り、
そして全裸のまま後ろに手を回した変なポーズで
こちらに背を向けていた。
(;´∀`)「こちらが転校生の社木くんだモナ…
      っていうか、君、服を着るモナ…」
身の丈は190cmはあるだろうか。
その筋肉は、鋼のようにギラギラと輝いていて、
岩のようにゴツゴツと隆起している。
そして、その胸毛は密林のように生い茂っていた。
(`・ω・´) 「美しい…今日も調子がいいようだ…」
彼は自分の躰をうっとりと眺めている。
大胸筋がどうとかと、彼は呟いていたが
茂名の言葉にハッと気づき、彼はこう答えた。 (`・ω・´)「はっ!?これは失敬。
      …レディも居る中でこの格好は下品だった」

22 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:10:52.32 ID:0Kb2zcrw0
そして、どこから取り出したか分からないが
彼はその素肌の上から、ネクタイを着ける。
(`・ω・´)「これでよし…と。
      ジェントルメンである私としたことが、
      なんという失態を…」
(;´∀`)「いやいやいやいや!
      下を履きなさいモナ!下を!」
その光景はクラスの中を混沌の渦へと巻き込んでいた。
女子達の悲痛な叫びが教室をこだまする。
(*//ー/)「きゃ〜っ!!なんて破廉恥なの!?」
      (…ギコくんのより大きいかも…)
(;,,゚Д゚)「…って指の隙間からしっかり見てるぞゴルァ」
川 ゚ -゚)「…ジャンボフランク…」
手を覆いもせず直視している女子もいるようだ。

24 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:11:29.01 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´)「…ん?ここの制服はブレザーではないのか?」
(;´∀`)「いやいやいやいや!
     そういう問題じゃないモナ!」
茂名は何とか服を着るよう説得ようとしたものの、
彼は他に赤いフンドシしか持参してなかったらしく、
仕方なくそれを履かせてこの場を収めた。
(;´∀`)(転校してきた理由が何となく分かったモナ…)
     「それじゃあ、君の席は…」



(;´∀`)「津手…様…の横の席に座ってもらおうか」
ξ;凵G)ξ「嫌ァあああああああああ!!!!」
彼女は再び悲痛な金切り声を上げる。

25 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:12:07.47 ID:0Kb2zcrw0
彼女の最も嫌いなものは「醜いもの」。
そして、それには余分な筋肉も含まれる。
男子の筋肉はうっすらと付いている位がよい。
体毛の存在などはもってのほからしい。
('A`♯)「何だとぉ!ツン様の隣!?けしからん!!」
( ><)「新参が生意気なんです!!」
(* ^ω^)「ツン様…僕を踏みつけて下さいお…ハァハァ」
  _  ∩
( ゚∀゚)彡「おっぱい!おっぱい!」
その男子のブーイング(一部除く)にも関わらず、
彼は彼女に近づいて行く。
(`・ω・´)「麗しいレディ…隣に失礼するよ」
ξ゚听)ξ「…!?」
そう声を掛けられると、彼女は小刻みに体を震わせる。
そこで彼女はハッ、とした。

27 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:12:43.03 ID:0Kb2zcrw0
そうだ、私は津手麗子。
そうだ、私は完璧な存在。
冷静に見れば、この男はちょっと変なだけじゃないか。
私の隣に来たのが運のツキ!必ず跪かせてやる!
そう思い、彼女は自分を取り戻す。
だが、しかし異変はすぐにやってきた。
(`・ω・´)「…美しい…」
彼は彼女の顔をまじまじと見つめる。
彼女は少し目が(キモさのあまり)眩みそうになったが、
それを、ぐっとこらえる。
(`・ω・´)「…美しすぎる…」
彼は、なおも彼女の顔に自分の顔を近付ける。
キモさに吐きそうになりながらも、
それ来た。と彼女は心の中でガッツポーズを取った。
周りでは男子と女子がなにやら騒いでいる。

28 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:13:12.33 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´)「…君の瞳に映る僕の上腕二頭筋が…」
ξ;゚听)ξ「………!!」

何ィイイイイイ!!?
上腕二頭筋!?何それ!?
…いや、それよりもコイツは私の美しさよりも
自分の醜い筋肉に見とれているだとォオオオ!?
お、落ち着け。 そ、素数を数えるんだ。
素数は孤独な数字…私を落ち着かせてくれる。
2、3、5、7、9……9は素数じゃないっ!
(思考時間0.01秒)
ξ;゚听)ξ「ちょっ…ちょっとあんたっ!?
       私を見て何にも感じないの!?」
(`・ω・´)「ん?何かって?別に、
      僕の上腕二頭筋はいつもどおり調子が良いが?」
ξ♯゚听)ξ「そういうことじゃないっ!」

31 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:13:53.09 ID:0Kb2zcrw0
彼女の言葉をよそに彼は横の席に座り、
そのままうっとりと自分の鋼の肉体を見つめていた。
その彼を彼女は呆然と見つめていた。
目の前の人間は明らかに、彼女にとって異質だった。
そして、一限目の授業が始まったが、
彼は相変わらず自分の筋肉を見つめている。
いや、むしろ、おもむろに立ち上がり、
そのまま前に進み、教壇に立ち、
アドミナブル・アンド・サイのポーズを取る。
(参考ttp://club.pep.ne.jp/~mikami1/pose_adminable-and-thigh.jpg)
彼曰く、
(`・ω・´)「ああ、すまない。しばらく座っていたら
      腹筋と大腿四頭筋の調子が気になってね。
      どうやら調子がいいようだ。気にしないでくれ」
とのことらしい。
こうして波乱の一時間目は終わる。

33 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:14:53.08 ID:0Kb2zcrw0
休み時間。
('A`)「ツン様。机の上をお掃除致しましょうか?」
ξ゚听)ξ 「そうね。お願いしてもらおうかしら?」
( ><)「ツン様。ハーブティーを入れたんです!!」
ξ゚听)ξ「ご苦労様。あら?ローズヒップね。丁度目が疲れていたの」
( ^ω^)「ツン様!!ぼ…僕を踏んでくださいお!!フヒヒヒヒ」
ξ゚听)ξ「ほれほれっ!感じてるの?卑しい豚ね」
(* ^ω^)「…そっ…そこはらめぇっ!!ハァハァ」
  _  ∩
( ゚∀゚)彡「おっぱい!おっぱい!」
ξ♯゚听)ξ「殴るぞ」
(;,,゚Д゚) 「…ここにはまともな人間が居ないのか?ゴルァ…」
(;*゚ー゚)「…それはもう、私たち二人だけね…」
川 ゚ -゚)「…フィッシュ竹中さん…(うっとり)…」

35 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:15:28.94 ID:0Kb2zcrw0
それは相変わらずの光景だった。
しかし彼女は、シャキンとかいう、
変な名字の男のことが気になっていた。
取り巻きを適当にあしらいながらも、
彼のほうをちらりと見る。
彼は、またなにやら一人でポーズを取っていた。
その異質さをクラスの皆は感じ取り、
転校生にも関わらず誰も相手にしていない。
だが、彼はそれを微塵も気にすることはなく、
無心にダブルバイセップス・フロントのボーズを取る。
(参考ttp://club.pep.ne.jp/~mikami1/pose_double-biceps-front.jpg)
この男の思考が理解できない。
今までは私の魅力に耐えられる男は居なかった。
なのにコイツは気にするどころか、自分の筋肉に酔いしれている。
この男は一体…
と彼女は疑問に思っていた。
第一話 おしまい


47 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:18:37.41 ID:0Kb2zcrw0
VIPのよいこのみんなへ
パソコンをみるときは、へやをあかるくしてはなれてみてね。
第二話 これが私の一日!!の巻

ξ--)ξ「…う…ん…ムニャムニャ…
       ほらメン…寒くな…きたから…
       …操で…らを…なさい…」
AM7:00。
ここはVIP市某所、津手邸のとある一室。
その中で、すやすやと寝息を立てているツンの姿があった。
因みに津手邸について説明すると、
敷地は東京ドーム百個分にも及び、
その中には巨大なプール、スケート場、コンサートホール、
体育館、スタジアムなどのあらゆる施設が存在する。
津手家に雇われた人間は、GPSでその位置を確認しないと
迷うというほどの広大さだ。
そんなことはどうでも良いが、
どうやら彼女は眠りの中、夢を見ているようである。
その夢の中をちょっぴり覗いてみよう。

〜〜〜〜〜〜〜ここから夢の中です〜〜〜〜〜〜〜

49 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:19:18.21 ID:0Kb2zcrw0
ξ;゚听)ξ「すごい、吹雪ね。この山には伝説の、
       見た者に幸せを呼ぶ鳥が居るって聞いていたけど…
       これじゃあ、前に進めないわ。
       …よし、メンズたちいらっしゃい!!」
すると後ろから、海パン一丁の姿の男達が、
威勢の良い掛け声とともに、列を成して走ってくる。
( ^ω^)'A`)      「はっ!!はっ!!はっ!!はっ!!
( ><)´∀`),,゚Д゚)  はっ!!はっ!!はっ!!はっ!!」
  _  ∩
( ゚∀゚)彡「おっぱい!おっぱい!」
ξ゚听)ξ「このままじゃ私が凍死してしまうわ。
      組体操でかまくらを作って頂戴。
      あと後ろのお前、黙れ」
ハッ!!ハッ!!という威勢の良い掛け声とともに、
みるみるうちに肉のかまくらが出来上がっていった。
そして、彼女はその生々しい空間へと入っていく。

50 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:19:51.29 ID:0Kb2zcrw0
ξ゚ー゚)ξ「暖かいわ…ちょっとイカ臭いけど…ん?」
( ゚д゚ ) ( ゚д゚ ) ( ゚д゚ )
( ゚д゚ ) ( ゚д゚ ) ( ゚д゚ )「………」

胴体を外にして組んだせいで、
かまくらの中は、メンズたちの顔で溢れていた。
ξ♯゚听)ξ「こっちみんな」

ξ゚听)ξ「…止んだみたいね。行くわよ」
こうして彼女たちは先を進み、
しばらくすると山の頂上近くまでたどり着いた。
しかし彼女の目の前には、鋭く切り立った崖が行く手を阻む!!

51 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:20:21.36 ID:0Kb2zcrw0
ξ;゚听)ξ「…困ったわね。向こう側に渡れないじゃない。
       目的地はすぐそこなのに!!
       …よし、メンズたちいらっしゃい!!」
すると、再び後ろから海パン一丁の姿の男達が、
威勢の良い掛け声とともに群れを成して走ってくる。
( ^ω^)'A`)      「はっ!!はっ!!はっ!!はっ!!
( ><)´∀`),,゚Д゚)  はっ!!はっ!!はっ!!はっ!!」
  _  ∩
( ゚∀゚)彡「おっぱい!おっぱい!」
ξ゚听)ξ「このままじゃ先に進めないわ。
      組体操で橋を作って頂戴。
      あと後ろのお前、殴るぞ」
ハッ!!ハッ!!という威勢の良い掛け声とともに、
メンズたちの一人が地面に立ち、その彼の肩に他の男が立ち、
そのまた上に他の男が立つ。という行為を繰り返していくうちに、
みるみるうちに肉の塔が出来上がっていった。
そして、その塔は崖の方へと倒れる。

52 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:20:48.49 ID:0Kb2zcrw0
( ^ω^)'A`)><)´∀`),,゚Д゚)「はっ!!」
その塔の頂上が向こう岸の崖に触れた瞬間、
メンズたちは一斉に掛け声を掛ける。
その瞬間、一本の肉の吊り橋は完成していた。
そして彼女はその上を渡る。
ξ゚听)ξ「お前達、礼を言うわ」
      (どうやって戻るのかしら?…まあいいか)
そして彼女はそれを渡り終える。
ξ;゚听)ξ「………」
  _
( ゚∀(※)「………おっ…ぱ…い…」
悲痛におっぱい、と呟く彼の体は、
彼女の足元の地面に半分めりこんでいた。
どうやら橋の長さが一人分多かったようだ。
それを横目に、まあいいか、と思いつつ彼女は足を進めた。
そしてついに頂上にたどり着く。

54 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:21:34.34 ID:0Kb2zcrw0
その頂上には、
眩しい日の光が差し込んでいた。
そこから見える景色は、
下々の山々を見下ろすものだった。
雪の王冠を被ったその起伏は、
太陽の光を浴びて虹色に輝いていた。
その光景を例えるならば、
まるでダイアモンドの山脈のようである。
『ピュ〜ロロロロ』
静寂が支配していた世界に、突如、
不意に鳥の鳴き声が聞こえる。
慌てて上を見上げるとそこには、
優雅に空を舞う一羽の鳥が舞っていた。
太陽を背にしているせいか、
その姿は逆光のせいでよく見えなかった。
しかしそれはとても美しく見えた。
ξ゚听)ξ「…見つけたわ…幸せを呼ぶ…伝説の鳥!!
      これで、イケメンのハーレムは私のもの!!」
そして、その鳥は次第に下降してその姿を鮮明にしていく。
そこに彼女の目に映ったもの。それは――

55 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:22:14.22 ID:0Kb2zcrw0

 /~ヽ、                ,、=^'-、_
E∧! \~゙゙''= 、         ,r‐''~゙/!∧K'''
     ヽ、_  ヽ-、     ,、r゙ ./
       `i \i ト--一、 ,.rー゙  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        トイ \( `・ω・)   <めくるめく筋肉の世界へようこそ
       . ヽ-\  /ヽ-ン'     \_______________
        .Y シー゙-ノ/゙゙ラi
        人ミ 十レ y 人) 
        )::ヽー''フ  い ./ 
        i::;r-‐‐ヽ ノ,i /,、
        K    i, ノ ー' .3
         ヽ ヽ V-'" ̄
          \  い 
            ゙7、 ゙ヽ,
             .い \
             ヽ、ヽ \
                \ \
                 .\\
                   ( \
                    `i_, ヽ 


57 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:22:52.54 ID:0Kb2zcrw0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ξ;凵G)ξ「嫌ァああああああああ!!!!」
そして彼女は目覚めた。
その目にはうっすらと涙が浮かんでいる。
/ ,' 3「どうなされました!!お嬢様!!」
その叫び声を聞きつけ一人の初老の黒服の男性が駆けつける。
ξ;凵G)ξ「じっ…じいやっ!!
       …筋肉が!!筋肉の悪魔が!!
       この世を…この世を破壊しにっ!!」
/ ,' 3「お嬢様ッ!?き…筋肉!?一体何のことですじゃ!?
    落ち着きなされ!!」
彼は目の前の泣きじゃくる少女をなだめると、
ようやく彼女は落ち着きを取り戻した。
ξ;凵G)ξ「私…グスッ…怖かったよぉ…
       夢の中でヒンズースクワット
        1000回やらされるなんて…」
/ ,' 3「もう大丈夫ですぞ…この爺やが付いておりますゆえ…」

59 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:23:57.07 ID:0Kb2zcrw0
こうして、その日は彼女にとって、最悪の目覚めとなった。
その後、彼女は朝食を済ませたのちに、
鏡の前で、お抱えの美容師に髪をセットしてもらいながら、
あの、夢にまで現れた男について考えていた。
私の魅力に…全く動じないなんて…
しかもあの筋肉好きは異常。
それはどうでもいいが…
アイツは気に食わない。
津手家の総力をもってすれば、
あんな人間一人、社会的にも、物理的にも、
デリートすることは可能だ。
だがそれは、私のプライドが許さない。
そうだ!昨日は私の魅力が足りなかったのだ。
少し髪の毛がはねてたし。
今日こそは…必ずアイツを跪かせる。
ξ♯゚听)ξ「ちょっと!!今日はいつもより気合入れなさい!!」
美容師「オ…オッス!!…あ…手が滑っちゃいましたwwwww
     サーセンwwwww」

61 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:24:55.23 ID:0Kb2zcrw0
こうして、彼女はリムジンに迎えられ学校へと向かった。
車内で彼女の瞳は、野望の炎を燃やしていた。
ちなみにお抱えの美容師はクビになったとか。
その後彼女は、
生徒達の熱烈な歓迎を受け学校に到着する。
そして教室の前に到着すると、
なにやらそこには黒山の人だかりが出来ていた。
(*゚ー゚)「あ、津手さん。おはようございます」
ξ゚ー゚)ξ「あら、これは椎田さん。ご機嫌麗しゅう」
(;*゚ー゚)「…って下の男の人たちは何ですか?」
彼女の足元では上半身裸の四人のイケメンたちが、
えっほ、えっほと、彼女を神輿のように担ぎ上げている。
ξ゚ー゚)ξ「ああ、これね。これはね、
      『イケメン神輿』と言って、
      私が雇ったメンズたちよ。どう?風流でしょう?」
(;*゚ー゚)「はあ…」
悪趣味だ、と彼女は思った。

62 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:25:39.11 ID:0Kb2zcrw0
ξ゚ー゚)ξ「それはいいとして、何なの?この人だかりは」
(;*゚ー゚)「はあ…じ…実は…ですね…」
と彼女は教室の中のほうを指差す。
ξ゚听)ξ「…?…人が多くてよく見えないわね。
      …そこの教室を囲う愚民共!!
      ちょっとそこをどいてくれないかしら?」
彼女の声に気づいたのか、
その集団は、まるでモーセの十戒の如く二つに裂け道を作る。
ξ゚听)ξ「よろしい。それにしても、愚民たちが
      意のままに動くのを見るのは快感ね。
      あ、メンズたち、もういいわ。降ろして頂戴。」
すごすごとメンズが帰って行くのをよそに、
彼女は教室のドアに近づき思いっきり開けた。

63 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:26:19.19 ID:0Kb2zcrw0
                .,,,,,ii,,,,,,、
              .illlllllllllll!!!←-。,、
             ,,lll!!゙゙゙゙゙゙″   ゙゙厂"゙┐
          、,r‐-ッl″   ゙'i、   ,,i´   }
           ,i´  .|     │ ,,i´ i、 ,,l゙
          レ'`、.゙l,_  ._、 | .i《   .゙l.,_   ←注※シャキンです
             ゙i、 亅  ~"''!ご .| ┘ ,,r'゚` ゙L
              ゚N゙|,     ,! " ,,-',|と   .'‖、
      ,_  .,,_  .|  ゚'ーi,,、  `   .,i´ リ-,,,-i、,.゙゙│  ._,,
       |i,'t,,| ゙] .|,,,、 ,|゙l'・     ′ | .゙ュ   .゙L.,/゙,l゙
      ,ル `゜十″ ゙ゝ勹゙|       ゙l  .゙!。,、、 ゚゙‐'.|
        '!。,,x,、,,,,,,、  ,メ |       .,}   `ll|,,。-・
         ,/゜ ”'''リ冖┘ =@_  .jll、
            ,i´   r|   .,r゙‐'″  "゙゚「゙~゚ヽ_
        ,l゙  ‘゙゙ヤ.゙l,  {          ゙゚li、
          ,,i´   .,,″ `"'~゙サ           ゚t、
        ,i´ .,,-'''"      .ヽ,,_ .,,y〃       ゙'i、
    _,,r┘ jl″          `″゙゙l,、          ゙'i、
  .y-'''″   |               "'ーryirtlニー-. .゙ヘ-、
  ゚'''''''''¬-r″              广''″,、        ,ト
                      lqi、 _.|_、     _,/
                       ゚゙l巛,,,ヽ,,,"''ヘ-,,,r''゚′
                           〒―
         そいやっさあ!!!


64 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:26:59.84 ID:0Kb2zcrw0
今まで教室と呼ばれたその部屋は、
前面鏡張りの部屋になっていた。
そしてその中には、生まれたままの姿のシャキンが
ポーズを決めていた。
しかも、その姿は四方の鏡に反射され、
万華鏡のように彼の姿で埋め尽くされていた。
その表情は恍惚としている。

ξ゚听)ξ「………」
ξ;凵G)ξ「嫌ァああああああああ!!!」
再び彼女の肌に、じんましんのようなものが浮かぶ。
しかも、今回はそれに加えて呼吸困難に陥っていた。
(`・ω・´) 「…ん?グッドモーニング、ミスレイコ。
       ご機嫌麗しゅう」
ξ;凵G)ξ「ハァッ…ケホッ!ケホッ!!
       …ぜ…全然…麗しくないわよっ!!ゲホッ!!」
(`・ω・´)「どうしたんだい?咳込んだりして。風邪かい?」
ξ;凵G)ξ「ゴホッ!!違う…わよッ!!アンタのせいよっ!!」

65 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:27:50.71 ID:0Kb2zcrw0
他の生徒に介抱され、ようやく落ち着いたツンは続ける。
ξ♯゚听)ξ「一体この部屋は何なの!?
        しかも私のマホガニーの机とか山積みになってるし!」
ξ///)ξ「って服くらい着なさいよね!!」
       (や…雇ったアメリカ人のメンズよりも…デカいッ!!!)
(`・ω・´)「おっと。これはレディの前では失礼な格好だったな」
と、彼はまたどこから出してきたかわからないが、
蝶ネクタイを首に着ける。
(`・ω・´)「いつもよりフォーマルにしてみたんだ。
      どうだい?ダンディだろ?」
ξ♯゚听)ξ「下を履け!!下をっ!!」
(`・ω・´)「…やれやれ。困ったお嬢さんだ」
そして彼は、裸のほうが美しいのに、
と呟きながら渋々赤いふんどしを履いた。

67 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:28:33.47 ID:0Kb2zcrw0
ξ♯゚听)ξ「で、この状況はどういうこと?」
(`・ω・´)「いやね、この学校にはボディビル部が無かったからね、
      私が部長として部を創設することになったんだ」
ξ♯゚听)ξ「で?」
(`・ω・´)「で、他の部室が開いてなかったから、
      ここを使わせてもらうことにした」
ξ♯゚听)ξ「…ちょっと待ちなさいよ!!
        先生の許可は取ったの!?」
(`・ω・´)「とりあえず、この学校の全部活を総括している、
      体育のクックル先生に話を通しに行ったんだ」
(`・ω・´)「そしたら予想外に、僧帽筋の鍛え方の話や、
      最も効果的なプロテインの話で盛り上がってしまってね。
      それでOKを貰ったんだ」
ξ♯゚听)ξ「だからって、勝手に教室をこんな風にしていいわけ?
        何で机をどかして山積みにしたの?」

68 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:29:07.91 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´)「だって机なんて障害物があったら、大腿四頭筋や、
      大腿二頭筋、大殿筋、の脚の筋肉が見れないじゃないか」
ξ♯゚听)ξ「大腿…ナントカ…?って…まあ、それは置いといて
        教室を全面鏡張りにするなんて、信じられないわ!!」
(`・ω・´)「ああ、これは私の考案した鏡張りの方法でね。
      合わせ鏡の要領で一定の角度にそれぞれ配置することで、
      私の美しい肉体を無限に映すことができるんだ。
      どうだい?素晴らしいだろ?
      因みに特許出願中だから、パクらないでくれよ」
ξ♯゚听)ξ「誰がやるかっ!!おぞましいわ!!」
そうして彼女は再びお抱えのメンズを呼び出し、
教室の鏡をほぼ撤去し机も元に戻した。
しかし、彼に一枚だけでも残してくれと泣き付かれたので、
(泣き顔がキモかったので)渋々、残しておいた。
そして授業が始まった。
ここからはショートショートでお送りします。
クオリティは期待しないでほしい。

69 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:29:52.87 ID:0Kb2zcrw0
その1『国語の時間』
( ・∀・)「では、須名、159ページの9行目から読んでくれ」
川 ゚ -゚)「…カバディ…カバディ…あ、はい」
(;・∀・)「カバディ…?
     今のは聞かなかったことにするか。須名、早く読め」
川 ゚ -゚)「はい。…ええ…と、
     『そう…。そのまま飲み込んで、僕のエクスカリバーを…』」
(;・∀・)「ちょwwwwおまっwwwwストップ!ストップ!」
(;,,゚Д゚)「……腐女子だなゴルァ…」
(;*゚ー゚)「……腐女子ね…」

70 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:30:27.47 ID:0Kb2zcrw0
その2『歴史の時間』
<ヽ`∀´>「…というわけで、今君達が使ってる日本語も、
      朝鮮に起源があるニダ!!」
<ヽ`∀´>「では、問題だ。百済を建国したのは誰ニダ!?
      乳山。答えてみろ」
  _  ∩
( ゚∀゚)彡「おっぱい!おっぱい!」
<ヽ`∀´>「よし、誰が建国したニダ?」
  _  ∩
( ゚∀゚)彡「おっぱい!おっぱい!」
<;ヽ`∀´>「…いや、だから早く答えるニダ」
  _  ∩
( ゚∀゚)彡「おっぱい!おっぱい!」
<;ヽ`∀´>「…お前に当てた先生が悪かったニダ…」
(;,,゚Д゚)「……アイツ、あれ以外に喋ったことあったかゴルァ?」
(;*゚ー゚)「……残念ながら聞いた事ないわ…」

71 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:30:56.60 ID:0Kb2zcrw0
その3『昼休み』
ξ゚听)ξ「…退屈ね。そうだわ、ドクオ。アンタ校庭の隅で白骨化でもしなさいよ」
('A`)「ツン様が所望であれば。では行ってきます」
Σξ;゚听)ξ 「ちょっ!待ちなさい!冗談よ!!…行っちゃった。ま、いいか」
( ><)「ツン様。デザートのサルの脳みそのシャーベットができたんです!!」
ξ゚听)ξ「ご苦労様。もうちょっと甘味があるといいわね…って食えるか!!」
( ^ω^)「ツン様!!ぼ…僕をこのムチで思い切り叩いてくださいお!!…ハァハァ」
ξ゚听)ξ「こう!?こうなの!?もっと叩いて欲しい!?この畜生以下め!」
(;*゚ω゚)「もっと…!!もっと蔑んでくださいおっ!!…ハァハァ
      アッ―!!そこはらめええええええええッ!!ああっ!!ビクビクッ…」

73 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:31:40.80 ID:0Kb2zcrw0
  _  ∩
( ゚∀゚)彡「おっぱい!おっぱい!」
ξ♯゚听)ξ「…もしもし?じいや?人を一人消したいの。手配してくれるかしら?」
(*`・ω・)「…美しい…今日の君も美しいよ…ああ…広背筋くん…」
ξ♯゚听)ξ「それをわざわざ私の前でやるな!!私の視界から消えろ!!」

(;,,゚Д゚)「……末期だな。俺も転校を本気で考えるかゴルァ」
(;*゚ー゚)「……そうね…それが賢明な判断だと思うわ」
川 ゚ -゚)「…あ、七色のブルマーを履いた相撲取りたちが行進してる…」

というわけでショートショートはでおしまい。
第二話 おしまい


105 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:44:12.19 ID:0Kb2zcrw0
年末拡大版スペシャル!!
第三話 波乱の予感!!の巻

至急取り寄せてもらった安眠枕のおかげで、
今日はキモい夢を見ることもなかった。
しかし、今朝はすごく爽やかだ。
目覚まし時計が鳴る前に
ぱっちりと目が覚ます事ができたし、
目覚めに飲んだグリーンティーには
茶柱が立っていたし、
今日の朝食は、私の大好きな
イケメンの男体盛りだった。
朝からハァハァなんて…いやん(はぁと

しかし、彼女の爽やかな気分とは裏腹に、
これから大きな波乱が起きるとは予想できなかったようだ。
その後彼女は、いつも通り、
お抱えの美容師に髪をセットしてもらい、
ディオール特注のセーラー服を着せてもらって、
リムジンで出迎えられて、学校に向かった。

107 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:44:56.83 ID:0Kb2zcrw0
学校につくといつも通り盛大に、私は出迎えられた。
今日は校長が花束を渡してくれた。あの狸め。
そして、私が廊下で、
『イケメン神輿DXバージョン〜花びら大回転桜の舞2006』
に揺られていると、ちょうど『奴』は私の前を歩いていた。
『奴』は普段どおり歩くたびに揺れる、
大腿…え〜っと何だっけ?
とにかく、なんとか筋に見惚れていた。
そしてターゲットは教室に入っていく。
私は前もって『奴』の生態を、
津手グループの工作員に依頼してもらっていた。
『奴』の行動パターンはまるっとお見通しだぁ!!
『奴』は毎朝教室に入るや否や、
教室に一枚だけ残してやった鏡でポーズを決め、
その日の健康状態をチェックする。
大丈夫だ、津手麗子。
私は『奴』の姿を幾度となく見せ付けられて、
もう免疫はできた。決して驚きはしない…決して!!

109 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:45:36.99 ID:0Kb2zcrw0
              (*゚ー゚*)
             __〃`ヽ 〈_
         γ´⌒´-−ヾvーヽ⌒ヽ    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        /⌒  ィ    `i´  ); `ヽ <  あらっ?おはようございます。
        /    ノ^ 、▲__¥▲人  |   \ 津手さん。
        !  ,,,ノ爻\_ _人 ノr;^ >  )    \____________
       (   <_ \ヘ、,, __,+、__rノ/  /
        ヽ_  \ )ゝ、__,+、_ア〃 /
          ヽ、___ ヽ.=┬─┬〈  ソ、
            〈J .〉、|..田 |, |ヽ-´
            /""  |..力 |: |
            レ   :|:..前 | リ
            /   ノ|__| |
            | ,,  ソ  ヽ  )
           .,ゝ   )  イ ヽ ノ
           y `レl   〈´  リ
           /   ノ   |   |
           l  /    l;;  |
           〉 〈      〉  |
          /  ::|    (_ヽ \、
         (。mnノ      `ヽnm

110 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:46:08.42 ID:0Kb2zcrw0
ξ;゚听)ξ「ゴカシャアアアンッ!!!グヴォエッ!!」
私は、ありえない擬音を発しながら血を吐いた。
敵は奴じゃなかったッ!!お前かッ!!椎田ッ!!
アバム!アバム!弾!弾もって〜い!!
えっ…衛生兵はまだかッ!!
ウワアアアアアアアアッ!!!!!!!
彼女の思考が止まったので、筆者が説明する。
どうやら、展開は彼女の予想の斜め上を行っていた様である。
あ…ありのまま 今起こったことを話すぜ!
『シャキンが全裸でポーズをとっている、
 と思っていたら、いつのまにか
 しぃが黒ビキニと「男前」と書かれたフンドシをつけて、
 マッチョになっていた』
な…なにを言ってるのかわからねーと思うが、
俺も何をされたのか分からなかった。
頭がどうにかなりそうだった。
催眠術とか超スピードだとか、
そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。
またまた、衛生兵こと取り巻きのクラスメートが、
彼女を介抱したおかげでなんとか一命をとりとめた。
そして彼女は意識が虚ろなまま、しぃに話し掛ける。

114 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:47:09.64 ID:0Kb2zcrw0
ξ;゚听)ξ「ハァ…ハァ…し、椎田さん?
       その…りりしいお姿は…な…何なのかしら?
       な…何でマッチョが教室に二人も居るのかしら?」
とショックのあまり、翠星石のような口調で語りかける。
(*゚ー゚)「そうね…実は昨日…」

〜〜〜〜〜〜〜ここから回想〜〜〜〜〜〜〜

放課後、しぃは街角をぶらついていたところ、
怪しげな男に声を掛けられた。
(-_-)「…オジョウサン…ダイエットノクスリ…カイマセンカ?」
(*゚ー゚)「…宗教の勧誘なら間に合ってますから」
(-_-)「…ソウジャナクテ…ヤセグスリ…イマナラ1000エン」
(*゚ー゚)「…やせ薬?」

115 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:47:50.41 ID:0Kb2zcrw0
(*゚ー゚)(そういえば…ギコ君は痩せてる子が好きって言ってたわね。
    最近甘いもの食べすぎたし…買ってみようかな?)
(*゚ー゚)「じゃあ1000円ね」
(-_-)「…マイドアリ」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(*゚ー゚)「というわけで、夜に薬を飲んで、
    朝起きていたらこうなっていたわけで…」
ξ;゚听)ξ「…あ、あなた信用しすぎよ!
       あからさまに怪しいじゃない」
(*゚ー゚)「でもついつい飲んじゃったんです。テヘッ」
と昭和のノリでおどけてみせた。

116 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:48:33.84 ID:0Kb2zcrw0
(*゚ー゚)「でも、結構この体も便利なのよね」
そう言うと、彼女は鞄から一個の林檎を取り出した。
そしてそれを片手で持ち、手のひらに力を込める。
(♯゚ー゚)「…邪ッッツ!!!!!!!!」
次の瞬間、握っていた林檎が
彼女の拳から消えていた。
いや、消えてしまったのではない。
握り潰されたのだ。
よく見ると彼女の指の隙間から、
果汁らしき液体がしたたり落ちている。
そして、手のひらを開くと、
その林檎と呼ばれた物体は、
水分を失い、圧縮されていた。
(*゚ー゚)「どう?便利でしょ?これでジューサーを使わずに、
    新鮮なりんごジュースが飲めるんですよ〜」
ξ;゚听)ξ「いや…そういう問題j…」
「しぃッッッツ!!!!!!!!!!」
不意に彼女の言葉が遮られる。

120 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:49:24.01 ID:0Kb2zcrw0
((;,,゚Д゚))「…………うそだ…………」
その後で、わなわなと体を振るわせるギコの姿があった。
手には力が入っておらず、抱えていた鞄を落としてしまっていた。
((;,,゚Д゚))「嘘だッツ!!!!!」
彼は思った。
常にツンにべったりの狂った生徒しか居ない、
このクラスで唯一マトモに話せる相手。
もとい、この物語の突っ込み仲間。それが、しぃであった。
そのしぃが…ボケている。しかも体を張って。
しまいにはいつも突っ込まれる側のツンにすら突っ込まれていた。
…節子…それはツッコミやない…ボケや!!
ワイらは、唯一のツッコミコンビとして、
お笑い界を変えるんやなかったか?
お前のその行動は…コンビとしての解消を意味してるんやぞ!!
( ,,;Д;)「このコンビはもう解散じゃ〜〜〜〜〜い!!!」
と、すっかりキャラが変わってしまい、
教室から駆け出してしまった。
(;*゚ー゚)「ギッ…ギコ君!?違うの!!これには訳がっ!」
しかしもう既に時遅し、である。

122 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:50:14.59 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´) 「グッドモーニング。ミス・レイコ&ミス・シィ。
       ハウワーユー?」
と、空気を読まずに、もう一人のマッチョが二人に話し掛けて来た。
(`・ω・´) 「ミス・シィ、トークはヒヤリングしたよ。
      ユーのバディは、ナイスマッスルだけど、
      バット、メディスンのユージングはノーグッドね
      マッスルイズ………オーガニック!」
とルー大柴ばりに、いやそれ以上に、
訳の分からないことを言っていた。
ξ;゚听)ξ「…この筋肉バカの言う事は置いておいて、
       この状況をなんとかしなくちゃね。
       これ以上おぞましいものを見るのは耐えられないわ」
ξ;゚听)ξ「…とりあえず、その原因はその薬のようね。
       ウチに最新医療の先端技術を集約した病院があるから、
       連れて行ってあげるわ」
(;*゚ー゚)「…わかりました。ギコ君に嫌われるのはイヤだし…」

125 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:50:58.17 ID:0Kb2zcrw0
というわけで、彼女を連れて私は急遽家に戻った。
あのマッチョも先端医療という単語を聞くと、
どうやら最新の筋肉学を学びたいらしく、
どうしても付いてくると言ってきかなかった。
いや、そもそもそんな学問は存在するのだろうか?
まあ、イザとなったら私兵に射殺してもらえばいいや、
と思い渋々それを承諾した。
しかし、あの馬鹿筋肉、もとい筋肉馬鹿を
私のリムジンに入れるのはイヤだったので、
彼には走ってもらうことにした。
とりあえず、県警に公道を封鎖してもらって
猛スピードで帰ったのだが、あの筋肉の固まりは、
徒走にも関わらず付いてきやがった。
…いや、リムジンは時速100キロ以上は出てたぞ!
あの筋肉は飾りじゃなかったのか!?
リムジンで奴を引き離す計画は、残念ながら失敗したようである。
そうしているうちに私たちは我が家の敷地に到着した。
とりあえず私兵に無線で、あとからダッシュで追いかけてくる
マッチョのフンドシ野郎は警告なしに射殺しろと言ったが、
奴は病院の前で無傷で先回りしていやがった。畜生!!

126 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:52:07.07 ID:0Kb2zcrw0
数時間後しぃの検査は終了する。
それを待っている間に、ツンは何処かに電話を掛けていた。
何やら、薬の売人を捜査しろとか、一時間以内で発見しろとか、
誰かに色々なことを言っている。
一方シャキンはというと、
ツンの所有するスポーツクラブで、汗を流していた。
初めは医者に筋肉学のことについて色々と尋ねていたが、
そうやらシャキンの方が知識が上で、すぐに飽きてしまったようだ。
本当にあるんですね筋肉学って。
作者もググるまで、本当にあるとは思っていませんでした。
そして、再び三人は集まり、医師に検査の結果を聞いた。

( ´_ゝ`)「どうやら症状の原因は、飲んだ薬に含まれた成分のせいらしい。
      薬の名前は『APTX(アポトキシン)4869』という」
(´< _` )「兄者が言っている薬の効果は、
      飲んだもの体を子供の状態にする。というものだ。
      言ってみれば『身体は子供、頭脳は大人!』な状態だ」
( ´_ゝ`)「しかし彼女はどうやら、
      りんごジュースと一緒にそれを飲んでしまったせいで、
      逆に細胞の肥大化を起こしてしまったようだ」
ξ;゚听)ξ「…で、その治療法は?」
( ´_ゝ`)(´< _` )『…さあ?』

127 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:53:13.52 ID:0Kb2zcrw0

(※)´_ゝ`)(´< _`(※)『OK。時に落ち着け、お嬢様』
(´< _` )「それは先端医学をもってしても分からんのだ」
( ´_ゝ`)「それを解明するためにはもっと薬の量が必要だが、
      ここにはそれが無いのでな」
ξ゚听)ξ「わかったわ。とりあえず作ったヤツから、
      薬を回収しないといけないってわけね」

と、その時ツンの携帯が鳴る。
彼女は急いでそれのボタンを押し、誰かと喋り始める。
因みに病院内での携帯の使用はやめましょう。作者からのお願いです。

ξ゚听)ξ「もしもし…!?黒幕のアジトが分かったのね!
      …分かったわ。とりあえず私も指揮の為、同行するわ」
ξ゚听)ξ「…とりあえず、椎田さんは病院に残って!
      ここで再検査すれば、また何か分かるかもしれないし」
ξ;゚听)ξ「…でそこの筋肉の醜塊なんだけど…」

129 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:54:11.64 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´)「失敬な。彫刻品のような、と言ってくれたまえ。
      私もドーピング行為をする者は
      ボディビルダーとして許せないのでね。
      そういうわけで、私も同行したい」
ξ;゚听)ξ「…どうせ、イヤって言っても勝手に付いてくるんでしょ?
       まあ、勝手にしなさい。邪魔したら即射殺だけど」
(`・ω・´)「感謝する。助太刀しよう。
      天然から生まれた無添加の筋肉の力、
      それをここで役に立てようではないか」
ξ;゚听)ξ「……もはや、何も言えないわ」

その会話の後に私はリムジンでアジトに向かう。
そして筋肉ダルマは、ダッシュで追いかけてくる。
途中、私兵に極秘裏に奴を暗殺する指令を出したが、そのどれも失敗した。
それにしても、追尾式ロケットランチャーを使って、
失敗ってどういうことだ!?
しかし突然、それとは別に車内に伝令が走った。
先発隊がアジトに突入し、敵兵はほぼ殲滅したのだが、
一番奥の部屋に踏み込もうと試みても阻止されてしまうのだという。
そして、こちらの被害は兵の半分以上だそうだ。

ξ;゚听)ξ「…これはまずいわ…運転手っ!急いで!!」

133 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:55:08.89 ID:0Kb2zcrw0
   ;ヾ、,.、,、.、rツ ッッシ、:':' r':' _,、-'゙_,  や 私 敵 そ
 ,、,、,ミッン、,._        _,、-'゙_,、-'゙.   っ は. の ん
 、ィッ ,:、 ゙''ゞ=ミ、~.: _,、-'゙_,、-'゙  __,  て 急 ア な
 }; ヾ ゙' {!li;:,. _,、-'゙_,、-'゙ _,、-'゙,::|_|  来  い ジ わ
 ゞァ''゙ぐ _,、-'゙_,、-'゙ _,、-'゙,、-''" .|_   た で  ト け
 ,ヘ:'_,、-'゙_,、-'゙..::「┴_,エ ┴  ''"_|_|  の.   に で
  └i'゙-ニ,ニエ,.:|ニ「 _エ ┴  ''"_|_   だ 
    |エ | ニエ, |ニ「 _エ ┴  __.|_|_
    |エ | ニエ, |ニ「 _エ ┴ 「fj.||__|__| _|
    |エ | ニエ, |[8] _エ ┴ └‐_|_|__l__,|⊥ |__
    |エ | ニエ, |二 _.エ 二.._ |__|__| _|_|_
    |エ | ニエ, |┴ _.エ 二.._ |_|__l__,|⊥ |__|
    |エ | ニエ, |工 _.エ 二.._ |__|__| _|_|_
    |エ | ニエ, |工 _.エ 二.._ |_|__l__,|⊥ |__
  -,-=''┷━━|┬ニエ ┬--  .|__|__| _|_|_
   ''ーニ_''ー::、_ ゙┷ 工_二'‐-、,_|_|__l__,|⊥ |__
  二二二`''ーニ`_''ー-、_¨''━、L|__|__| _|_|_
  二二二二二二二`''ーニ_''ー 、_       |⊥ |__

135 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:56:22.47 ID:0Kb2zcrw0
ξ;゚听)ξ「何ここ?…トイレみたいね…」
「お嬢様!!敵はここの地下に潜んでおります!
 現在の人的被害は、後続隊を含めて8割以上です!!」
ξ;゚听)ξ「…思ったより深刻な状況ね…
       分かったわ。私も突入するわ!!」

彼女は先発隊が乗ってきた武装車の中から、一個の拳銃を取り出した。
彼女の取り出した銃は、『ブローニングM1910』
ベルギーのFN社が開発した、自動拳銃で、
そのフォルムは美しいことで有名だ。
そして女性が扱いやすい銃としても有名である。
彼女は、幼少の頃から、格闘術や射撃の訓練を受けている。
それは曽祖父からの代の、自分の身は自分で守れという家訓の影響だった。
日本一の財閥の人間。その立場上いつ命が狙われてもおかしくない。
そこからその教えは来ているようだ。

(`・ω・´)「やあ、レディお久しぶりだね。調子はどうだい?」
ξ;゚听)ξ「アンタ…ホント、空気読まないわね」

不意に背後から声が掛かる。
それは、暗殺命令の標的にも関わらず、生きていた男。
心なしかその体は先程よりも黒くなっていた。

137 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:57:26.14 ID:0Kb2zcrw0
ξ;゚听)ξ「ちなみに、顔が真っ黒だけどどうしたの?」
      (まぁ、大体分かってるけど…)
(`・ω・´)「途中の道のそばで花火大会があったらしくてね、
      その花火が追いかけてきて私にぶつかってきたんだ。
      まあ、花火くらいで壊れるヤワな筋肉ではないけどね」
ξ;゚听)ξ(ロケットランチャー直撃だぞ!!おい!!
       どういう体してるんだよ!!)
(`・ω・´)「しかし残念ながら、私の筋肉のツヤは消えてしまったようだ。
      せっかく来る前にオイルを塗ってきたのにね…
      輝きがないと調子が悪いんだ。私の筋肉は」
ξ;゚听)ξ(もはや、オイルどうこうの問題じゃねぇ!!!)
(`・ω・´)「あっ、そこのナイスなマッスルの君。…そう、君だよ。
      いい筋肉してるじゃあないか。今度私と一緒に腹筋しないか?
      ああそうだ、それはさておいて、一つ頼まれちゃくれないか?
      オイルを持っていないかい?…車の?いや違うよ、体に塗るのさ。
      …なに?持ってないって?それは残念。代わりはないのかい?
      …キャンプ用のサラダ油…?仕方ない。それを一本貸してくれないか?」

彼女の突っ込みをよそに、彼は私兵の一人と会話を繰り広げていた。
どうやらサラダ油を体に塗るらしい。

140 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:58:46.60 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´)「やあ、レディ。しばらく待っていてはくれないか?
      今から、この筋肉の為にオイルでコーティングしないといけないんだ」
ξ゚听)ξ「コードネーム『ツン』、只今から突入します!!」
彼女は無視して中へと突入していった。
(`・ω・´)「…つれないね、レディ。まあいい。
      私の筋肉たちが渇きで悲鳴を上げている。
      早く塗ってあげないと…」

彼は、一人取り残されたあと、
その筋肉に潤滑油を塗りたくっていると、
ふと不思議な感覚を覚えた。
それは体中の筋肉が細胞から震えるような感覚。
まるで、他の誰かの筋肉が
自分の筋肉を呼んでいるようだった。
その共鳴を受けて彼の筋肉はざわつき始める。
それを抑えるかのように彼は右手で、
左手の橈側手根屈筋を押さえつける。
そして彼はこう呟いた。

(`・ω・´)「…居る…私と同じ『筋肉力』を持った者が…
      …ここの近くに…?…感じる!!
      …ッ!?レディが危ない!!
      急いで塗り終えなければ!!」

142 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:59:37.17 ID:0Kb2zcrw0
一方その頃、私は、暗い通路を走っていた。
しかし、その道中は何事もなく順調に進んでいった。
ちなみにこの基地らしき施設の入り口は、
トイレの清掃用具入れらしきスペースの床に隠されていた。
そして、そこから一直線に伸びる長い階段。それは地下に続く。
そこを抜けると次に細長い通路。
数百メートルは続いているだろうか?
公園の一角のトイレの地下にあるとは思えない長さだった。
そして、それが終ると、また地下に伸びる階段。
それが3、4回程繰り返される。
敵は私兵たちが殲滅してくれたお陰で、襲ってくる事は無かった。
しかし、その敵の屍は私の視界に入ってくる。
思わずその凄惨さに、私は目を背けそうになったが、
それが命取りになることは知っていた。
目を逸らした隙に、いつ生き残った敵が襲ってくるか分からないのだ。
私は集中の糸を切らさないように、感覚を研ぎ澄ませていた。

144 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:00:26.25 ID:0Kb2zcrw0
しばらくすると私はあることに気づく。
入り口付近は敵の死体が溢れていたが、
進むにつれ少なくなってくる。
それとは逆に、奥に行けば行くほど、
私兵だった者の遺体の数が増えているのだ。
しかも、始めのほうの私兵の遺体には銃痕が見られたが、
奥のほうの遺体は不審な死に方をしていた。
それらには皆共通した特徴があった。
まず、銃痕は全く見られない。その胴体は綺麗なものだった。
しかし、それらは、共通したところから血を流している。
それは臀部、つまり尻の部分である。
そして、銃痕とは思えない大きな穴が戦闘服のその部分を貫いていた。
鋭利な刃物…?
いや違う。服に空いた穴は直線ではなく、丸く空いていたのだ。
恐らく槍か何か棒状のもので貫かれたのだ、と私は推測した。
と、その瞬間。

「アッー!!!!」

と男の悲痛な叫び声が聞こえてきた。
その声は、目の前の扉の奥から聞こえる!!
私は、ドアの横で身構え、そしてドアを蹴破った。

145 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:01:14.15 ID:0Kb2zcrw0
     )     __      r(    ,、_         /を ギ
  あ (_ , ‐''" ̄    ̄ `''‐、 ゞ, rr〜ヅ´ ミ       ,'. 喰 ャ
  あ  /            ヽ フハ    _ ミ        {. ら リ
.  っ  (     i j ///j } ト、} ミ|_.. -'_"-'´\  r'⌒ヽ  { え ッ
   !!   )  ノ}. j/ノノ〃 jノ jハリ ゙i`'''Tjフ   } ミトー } l ! ク
     (   }ノノ _.’- 'ノノ 冫=}  ,' ,.‐'"    { {い) / ノ_    砲
Vヽハj⌒    i〃ー_''ニ ,、:: {ニ'”{ ,'        ゞ゙ f クァ ―`‐- 、.._,、-'´
   l.  f⌒ヽ.{ ”´-'' "    `、 ',〈.、,..        ,.‐'´      `' 、``丶、
    i、 i ⌒>    l!   r, ノ  l  )__.. -ァ   /
    i \((    lj  , ‐--.ィ  !   Y´_   ./   \    \\
     `、  こ、.       {   j  i j   ゙i゙   {     \    \\
      ヽ リ \    `_'二. ,' /ノ   丶、,、イ       \    \\
       V     ヽ      /         {        \    \\


148 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:02:08.06 ID:0Kb2zcrw0
ドアの向こうはホールのような広い部屋。
そこには、私の私兵の上に覆い被さる
ゆったりとしたツナギを纏った姿の男が居た。
その体型は、彼を覆うもののせいで分からないが
がっちりとしているように見える。
と、不意に、ズキューンという音が室内に響く。
しかし、ツナギの男は銃を持っている様子は無かった。
その瞬間、私兵は力尽きてしまったように動かなくなる。
そして彼の臀部からみるみるうちに血が溢れてくる。
それを確認するようにして、彼は私に背を向け、
ジッパーを閉める音を立てゆっくりと立ち上がった。
その体躯は改めて見ると大きい。180センチ後半はあるだろうか?
,,_   _
"゚'` {"゚`「…彼にも俺のギャリック砲は受け止めきれなかったか…」
ξ゚听)ξ「動かないでっ!!動こうとすれば撃つッ!!」
,,_   _
"゚'` {"゚`「…女か…悪いが…俺は女には興味がないんだ」
ξ゚听)ξ「両手を床に付けてうつ伏せになりなさいっ!!」
,,_   _
"゚'` {"゚`「お嬢ちゃんには、俺のギャリック砲は使いたくないんだがね…」
ξ゚听)ξ「今投降すれば、命の保障はするわっ!!」

153 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:03:12.98 ID:0Kb2zcrw0
彼の呑気な口調とは裏腹に、私は何か恐ろしいものを感じ取っていた。
しかも、両手を腰に当てて、そのままカクカクと腰を前後に振っている。
…コイツ…何かヤバイッ!!
,,_   _
"゚'` {"゚`「…ここは遊び場じゃないんだがね」
ξ;゚听)ξ「お…女だからって舐めないで頂戴!?私は本気よ!!」
,,_   _
"゚'` {"゚`「…聞き分けのない嬢ちゃんだ」
ξ;゚听)ξ「ッ!?」

その時、私の目は彼が動こうとするのを見逃さなかった。
標準を彼の心臓に定め、そして引き金に触れる指に力を入れる。
それと同時に、乾いた音がこの空間を埋め尽くす。
よし。標準は1ミリもずれてない。
その指先をちらり、と確認する。
私は勝利を確信していた。
私の私兵を壊滅寸前にまで
追い込んだにしてはあっけない幕切れだ。
だが、次の瞬間。
それは、予期していなかった鈍い音。

154 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:03:49.74 ID:0Kb2zcrw0
ξ゚听)ξ「…えっ?」
次の瞬間、弾は彼の奥の壁に突き刺さっていた。
,,_   _
"゚'` {"゚`「…どうしたんだ?腰が入ってないぜ」
と、彼は相変わらず呑気に腰を振っている。
ξ;゚听)ξ「嘘?…当たって…ない?」

そんなはずはない!確かに私の手には、
いつもの訓練と変わらない感触があった。
決まって、的の中心に当たる前に感じるあの感覚。
それを感じた時は、必ず、次の瞬間には的に穴が空いている。
手元が狂った?…いや、まさか?
ξ;゚听)ξ「くそっ!!」
私は、再び指に力を込める。
今度はそれを二回繰り返す。
さっきと同じく、彼の心臓に標準を合わせて。

155 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:04:37.08 ID:0Kb2zcrw0
,,_   _
"゚'` {"゚`「…どうした?もうお終いか?もっと撃っていいんだぜ?」
ξ;゚听)ξ「………」
彼は、それでも平然と腰を振り続けていた。
奥を見ると、壁には新しく出来た穴が二つ。
私は呆然とそれを見つめる。
,,_   _
"゚'` {"゚`「しかし、その銃の大きさからして、あと3、4発ってところか?」
銃を前にしての、彼のあの余裕…何か変だ。
まるで、当たらないのが分かっているかのような、余裕の笑み。
ふざけているかのようなあの仕草。
これは…いや…待てよ…
何かトリックが?
もしそうだとすれば、
私の屈強な私兵たちが次々に、
いとも簡単にやられたのも合点がいく。
ξ;゚听)ξ「くっ…ならばこれならッ!!」

156 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:05:14.60 ID:0Kb2zcrw0
私は、銃口を彼から天井のほうに動かす。
そして、引き金を引く。
それと同時に一気に銃口を床のほうに下げる。
そして、もう一回引き金を引く。
私は瞬時にその二つの動作を行う。
そして、私は彼の動きに神経を集中させる。
この一見無意味な行動にも、実は狙いがあった。 私が狙ったのは跳弾。
銃口を標的に向けて撃てば、
発射する方向と弾の軌道が分かる。
それで当たらないのであれば、
どこから弾が来るかを分からなくすればいい。
弾の向かってくる方向を判断するのに掛かる時間のロス。
それは、相手に一瞬の動揺を与え、
トリックに要する動作を行うまでの時間を長くする。
その彼の変化を見極めるために私はそうしたのだ。
これで、トリックの謎を解く手がかりが掴めるかもしれない。
私はそう思い、賭けに出たのだ!!
そして放たれた弾は、各々に反射する。
やがてそれは十字に交錯し、
彼の頭と脚にそれぞれ襲い掛かった。

157 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:06:01.16 ID:0Kb2zcrw0
,,_   _
"゚'` {"゚「…もう撃たないのか?…いい加減諦めたらどうだ?」
ξ;゚听)ξ「………」

しかし、次の瞬間も彼は平然と腰を振っていた。
その動作には微塵の変化も、いや、動揺すら見当たらない。
その代わりに、天井と床にはそれぞれ一個ずつ弾痕があった。

ξ;゚听)ξ「…避けられ…た?」

いや違う。彼は一歩も動いてはいない。
神経を集中させてこの目で見ていたのだ。間違いない。
しかし何故か、唯一の切り札でさえ彼に通用しなかった。

,,_   _
"゚'` {"゚「…もうそろそろ、お終いにしようか」

そう言うと彼は、ゆらゆらと、
腰を振りながら器用に歩み寄ってくる。
私は、思考をフル回転させ策を講じる。
残された弾はあと一発。
もう外せない。
…ならば。

158 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:06:36.79 ID:0Kb2zcrw0
ξ♯゚听)ξ「チェリャアアアアッツ!!!!!」
接近戦。
避けられない距離まで確実に近づき、絶対に当てるッ!
私は獣のように吼え、地面を思いっきり蹴った。
その衝撃は私を前へと押し進める。
そして次第に彼に近づき、
その距離は、3メートル…2メートル!
…ここからが私の間合いだ。
私はダッシュの勢いに乗せて、
左脚を軸にして体全体を回転させる。
その回転の一番外で右足がアーチを描く。
そして、そのまま彼を巻き込むようにして振りおろす。
無防備!?…腰を振っている?
…女だから?…油断?……甘いッツ!!
私の蹴りは、木製のバットをへし折る威力がある。
あと数センチ振りぬくだけで、彼の鎖骨は粉砕されるッ!!
,,_   _
"゚'` {"゚「良い蹴りだ。だが…」

161 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:08:00.72 ID:0Kb2zcrw0

ξ;゚听)ξ「ッ!?」

まさに右足が彼に衝突しようとする瞬間、私は違和感を感じる。
本来感じるべき衝撃、それがない。
私の右足は、彼の肩のラインを沿うようにして滑り落ちる。
防御(うけ)られたッ!?…いや、彼の手は腰に置かれたままだ。
まるで、それは脚全体を押されるような感覚。
…否ッ!…それは磁石の同極同士を、
互いに近付けたときに感じる反発力のようだった。
,,_   _
"゚'` {"゚「…これでフィニッシュだッ!!」
そして、その違和感は私の全身に伝わる。
全身で受けるその圧力は、まるで突風のように私を襲う。
その力が一気に頂点に達した時、私の体そのものが弾かれていた。
私が詰めた間合いが開いていく。
そして彼の姿は一瞬にして縮んでいく。
この圧力…このスピードはッツ!?
…壁!?…受身ッ…
否ッ……死ッ!?

162 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:08:42.10 ID:0Kb2zcrw0



ぶつかるッ!!!


…と体をこわばらせた次の瞬間、
私は、予想していたものとは違う感触に包まれていた。


それは、生暖かく、
何かヌメヌメしていて、
それは、汗臭く、
何か気持ち悪い感触。


私は恐る恐る顔を上げた。
すると唐突に聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「…やあ、お嬢さん…お久しぶりだね。」

163 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:09:32.09 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´)「どうしたんだい、急にすっ飛んできて?
      車にでも轢かれたのかい?思わずキャッチしちゃったよ」
ξ;゚听)ξ「………」
そこには、あのマッチョの暑苦しい顔があった。
そして、私の体は彼の腕に抱えられていた。
ξ;゚听)ξ「………」


ξ;凵G)ξ「嫌ァあああああああああ!!!!」
私はこの部屋で、初めて悲痛な叫び声を上げた。
それは、壁に衝突して死ぬよりも最悪だった。
私を抱きかかえていいのは、
白馬に乗った王子様のようなイケメンだけ。
何故、こんな気持ち悪い奴がそれをしているのか?

165 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:10:31.44 ID:0Kb2zcrw0
ξ;凵G)ξ「離せ!離せ!離せ!離せッ!!!
       ってか、ヌメヌメして気持ち悪いわッ!!」
(`・ω・´)「すまない。サラダ油を塗ってしまって、
      肌の滑りが足りなかったようだ。
      いつも使用してるオイルなら、さらにツヤが出るんだがね」
ξ♯゚听)ξ「そういう意味じゃないっ!!それだと一層気持ち悪いわっ!!」
その突っ込みをよそに、やれやれ、相変わらず困ったお嬢さんだ、
と彼は言って、じたばたと手足を動かす彼女を降ろした。
そして、次に彼はツナギ姿の男に視線を向ける。
(`・ω・´)「…さて…と、ところで、そこの君。
      私は君に用があるのだが」
,,_   _
"゚'` {"゚「………」
ツナギの男は黙って腰を振り、彼を見つめている。

166 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:11:15.70 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´)「…君も良い筋肉をしているな」
,,_   _
"゚'` {"゚「…坊やこそ。…まさに俺の好みじゃないか」
(`・ω・´)「…お褒めの言葉ありがとう。
      しかし、私が聞きたい事はそんなことじゃない」
二人の口調は穏やかだったが、
しかし、それは何処か、緊張の走るものだった。
(`・ω・´)「…あの薬…アポトキシンとか言ったかな?
      何故、あんな薬を作ったんだ?
      私の友人が、そのせいで、困ってしまっているんだ」
ξ;゚听)ξ(…いや、椎田さんは絶対友達とは思ってないから)
(`・ω・´)「それにボディービルダーたる、私の血は、
      ドーピング行為を許さないものでね。
      …君は何故そんな人工的に筋肉を増やす薬を作ったんだい?」
それを聞いて、ツナギの男は、くっくっくっ、と笑う。

167 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:12:19.40 ID:0Kb2zcrw0
,,_   _
"゚'` {"゚「…あの薬は、まだ試作段階で、体が縮んでしまうんだが…。
      どうやら、君の友人は何か、別のものと一緒に飲んで、
      そのせいで筋肉が付いてしまったようだな…なるほど、参考になった」
彼は、何か納得したかのように頷き、こう続けた。
,,_   _
"゚'` {"゚「なあに、最近俺がお相手する坊や達の体型が、
貧相なものばかりでね。どっちかというと、
      俺はガチムチな体型のほうが好みなのさ」
,,_   _
"゚'` {"゚「だから、俺は考えた。
      そうだ、薬で彼らをガチムチにしてしまえばいい。
      そこから、そんな素敵なアイディアが生まれたわけだ」
,,_   _
"゚'` {"゚「その名も…

      『世界ガチムチ化計画
       〜女人禁制、麗しき男の薔薇の園〜』ッツ!!
      …俺の部下は間違って女に薬を配っていたようだが」
ξ;゚听)ξ(な…何て恐ろしい計画なの?
       これでは世界の美しいイケメン達まで
       気持ち悪くなってしまうッツ!!
       『麗しきハーレムの園
        〜女王様は私!死ぬまで飼い殺してあげる〜』
       の建設も不可能にッ!!…何て奴なの!?)


168 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:13:58.49 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´)「なるほど。君の意見には一部賛成だ。
      筋肉の良さを広めることはすばらしいからな。
      …だが、まず、薬でのドーピングは良くない。
      体は己で鍛錬するものだ。」
(`・ω・´)「…それに、筋肉は万人に平等であるべきだッ!!
      男女に関係なく、汗を流し、筋肉を創っていく世界。
      君の思想にはそれがないッツ!!
      『男女共同筋肉増進法〜美しき筋肉の世界〜』
      略して男女筋肉法、その考えに反するッツ!!」
ξ;゚听)ξ(コイツのほうがもっと厄介だ〜ッツ!!
       しかも『法』って何よ?法律作っちゃうの?
       法律で筋トレの義務を強制されちゃうのかよ!!!)

三人は、密かに思い思いに野望を抱いているようだった。
この戦いは、三人の熱い思いが交錯する、いわば戦争のようなものであった。

,,_   _
"゚'` {"゚「…そんなことよりも坊や。
      俺は坊やの肉体を見ているうちにムラムラきてしまってね。
      …どうだい。一緒に…

171 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:14:39.71 ID:0Kb2zcrw0

    〃                 i,        ,. -‐
   r'   ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈    /
    !  :l      ,リ|}    |. }   /   .や
.   {.   |          ′    | }    l
    レ-、{∠ニ'==ァ   、==ニゞ<    |    ら
    !∩|.}. '"旬゙`   ./''旬 ` f^|    |
   l(( ゙′` ̄'"   f::` ̄  |l.|   |     な
.    ヽ.ヽ        {:.    lリ     |
.    }.iーi       ^ r'    ,'    ノ    い
     !| ヽ.   ー===-   /    ⌒ヽ
.   /}   \    ー‐   ,イ       l    か
 __/ ‖  .  ヽ、_!__/:::|\       ヽ

(`・ω・´)「だが、断る」

172 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:15:21.93 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´)「私は筋トレ以外の誘いを受けない主義でね。
      どうやら、君の誘いには乗れないようだ」
ξ;゚听)ξ(…あっ、コイツホモじゃなかったんだ。
       てっきりそう思ってたけど。いわゆるナルシストってやつね)
彼女は、新たに、どうでもいい発見をした。

,,_   _
"゚'` {"゚「…それは、残念だ。
      しかし、この沸騰するように熱い俺の血は抑えきれないな。
      俺は、坊やがノンケでも無理矢理喰っちまう人間なんだぜ」
(`・ω・´)「奇遇だね。
      私も、ドーピングを許さない正義の心が抑えきれないようだ」
,,_   _
"゚'` {"゚「嬉しいこと言ってくれるじゃないの。
      それじゃあ、とことんよろこばせてやるからな」
(`・ω・´)「私も君に、己の力のみで、
      筋肉を鍛える喜びを分からせてあげようじゃないか
      …ではそろそろ…」

,,_   _
"゚'` {"゚『  殺  ら  な  い  か  』
(`・ω・´)

175 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:16:33.05 ID:0Kb2zcrw0

二人が、同時にそれを発した時、戦いの鐘は鳴り響いた。
まずは、シャキンは、時速100キロのリムジンを追いかけた、
その脚力で、ツナギの男に向かって駆け出していく。
彼の走った後の地面は、その衝撃で、次々と削れてゆく。
一方、男の方は、ツンと戦った時と同じように、
腰に手を置き、腰をゆっくりと、前後にカクカクと動かしている。
シャキンが一瞬で間合いを詰めると、その脚を大きく振りかぶる。
それはまるで、周りの空間を抉りとるような鋭さ。
彼のその脚は、全身の筋肉の力を受けて男に向かっていく。


だが次の瞬間、彼らのいた部屋に大きな衝撃音が響いた。
それは、シャキンが背を向けていた壁の方からだった。
壁には大きな、クレーターのような窪みが出来ていて、
その周りは、もうもうと、白い砂煙が上がっている。
その中には、何故か先程男の前にいたシャキンの姿があった。
彼の体は、先程の光沢のある小麦色とは違い、赤く染まっていた。
ξ;゚听)ξ「筋肉ダルマッツ!!」
ツンは叫ぶ。

178 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:17:35.25 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´)「…大丈夫だレディ。僕の背筋はそんなにヤワじゃない。
      皮膚は耐えられなかったみたいだがね。
      …それよりもその腰の動き、只者じゃあないね」

彼は、ゆっくりと煙の中から体を起こす。
どうやらその見た目ほど、怪我は大した事がないらしい。

(`・ω・´)「…今の私の一撃を弾いたのも、
      その腰の動きに秘密があるらしいね」
彼は弾かれた瞬間、男の腰からほとばしるように、
溢れ出るエネルギーを感じ取っていた。

,,_   _
"゚'` {"゚「…フッ。ご名答。この衝撃派は私の腰から発生したものだ。
      冥土の土産に説明してやろう。
      私が腰を振るスピードは、なんと毎秒1000回にも及ぶッ!!
      その速さは、速すぎてゆっくりに見えるほどッ!!
      そして、その動きから生じる凄まじいエネルギーは、
      周りの空気を巻き込み、それはやがて渦を作るッ!!
      そして、それは強固な風の壁となり俺を包むッ!!
      いわば、それは、「絶対防御」ッ!!
      如何なる肉弾攻撃も、いや…
      銃弾やミサイルですらそれを通さない!!
      その名も『烈風の障壁(ウインド・ウォール)』ッツ!!」
ξ;゚听)ξ(だから、さっき銃も蹴りも通じなかったのか!!)

179 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:19:18.11 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´)「…タネさえわかれば、どうって事はないね」
彼は先程とは違い、ゆっくりと、自然体で男に歩み寄って行く。
それは静かな動作だったが、まるで巨山が動くような、
そんな重みを感じさせるものだった。
(`・ω・´)「要は、その圧力を上回るパワーで攻撃すれば、
      その壁を突き破れるわけだ」

そして彼はその障壁の外側にまで近づき、
ゆっくりと、右拳を彼の頭の後ろへと振り上げる。

(`・ω・´)「破壊力、とは、どうやって測るかわかるかい?」
彼は、その姿勢で構えたまま動かない。
(`・ω・´)「…それはね…」
彼は、コオオオッ、とゆっくりと、息を吸い込む。
そして、彼の大胸筋は大きく膨らむ。

180 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:20:09.26 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´)「…『握力』×…」
そして彼は思い切り、拳を握る。
まるでそれは硬いハンマーのように。
(`・ω・´) 「…『スピード』×…」
次に彼の上腕二頭筋は、ぼこっ、と、
そびえ立つ山々のように、膨らむ。
(`・ω・´) 「…『体重』…」
そして、全身の筋肉にも力を込める。
その隆起は、波に削られた絶壁の岩のように険しくなる。

181 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:21:00.47 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´)「…イコールッツ!!
      『破壊力』だァアアアッツ!!!!!!!」
どの格闘技の型とも何ともいえない攻撃。
ただ純粋にッ!、ただ単純にッ!ただ原始的にッツ!!
彼は、思いっきり拳を振りぬいたッツ!!!!
(`・ω・´)「グオオオオオオッツ!!!!」
,,_   _
"゚'` {"゚「ハアアアアアアアアッ!!!」

それは、ただ純粋な力と力のぶつかり合い。
彼の腕は、目の前の見えない壁を突き破ろうとして震えている。
その彼の拳に負けじと、その男の腰はさらに激しくスイングする。
そして、その二つの衝撃が混ざり合った瞬間、
エネルギーの暴発に空間が耐え切れなくなり、
その二人を中心にして凄まじい衝撃波と、
目が眩むほどの眩しい光が広がっていく。
それは周りの床を抉り取り、それは周りの壁を裂き、
ツンが立っていられないほど、激しく地面を揺さぶった。

184 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:22:19.51 ID:0Kb2zcrw0
次の瞬間、部屋の中は激しく巻き起こる砂埃で満たされていた。
ξ;゚听)ξ「…なんて凄まじいエネルギーなの…?
       !!そうだ、ヤツらはッ!?」
彼女は砂煙に咳込みながらも、
目を凝らして周りの様子を伺っていた。
「ウ……ッ……」
そこに聞こえてきたのは、誰かのうめき声。
彼女にどちらのものかは判断できない。
ξ;゚听)ξ「筋肉ダルマッ!?生きてる!?」
彼女がそう叫ぶ。
次第に、周りの視界が明るくなっていく。
するとその煙の中から、うっすらと人影のようなものが現れる。

186 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:23:17.80 ID:0Kb2zcrw0

                    ,_,..,ィヽ,、     (よ う こ そ)
                   /;;::r‐〜-ミ、    WELCOME!
                 4~/へi::::::;/,ヘミ7    
                 '-l||\ :::::| / |i'   
                    l! '●|::::l●`リ    
              /`ー、  ハー;";::i:::ヾイl! ,r'~`ヽ、 
           ,.ィ" ri l i ト、 1:|`丶:;;;:イ' ill!7、 、 y;  ヽ、_
      ,. -‐''" 、 くゝソノリ~i | - 、 , -‐'7ハ ヾニト-    ~` ー- 、_
   , ィ ´      ,ゝ、_ `r'   l |  、レ // `テ三..ノく _ `       ヽ、
  /       , -' ,、  `、_)   l,i,  i //  (/  ...,,;;;;:` 、        ヽ
 ;'       '" ノ ;;;;::::      i !  : //    .....:::::;;イ、_、_\ _    _ノ
 l ..,, __,ィ"-‐´ ̄`i::::: ゙゙゙= ...,,,,,. l | ,//  - = ""::;; :/       ` '''' '"
            ヾ :;;;,,     ,i l,//     ,,..," /         _,,.....,_
   ,. -- .,_        \ :;,.   ;'  V ;!   `;  /;: ノ      ,.ィ'"XXXXヽ
  /XXX;iXXミ;:-,、     ヾ  '" ''' /./!  ヾ   /    ,. - '"XXXXXXXX;i!
 ,!XXXXi!XXXXX;`iー;,、  i   、. / ;:::゙i   ;: , |  ,. r'"XXXXXXi!XXXXXX:l!
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 !XXXXX;|XXXXX:|:::::::::i  `   ;! : :  i!  / !:::::::::|XXXXXXX|!XXXXXXX|
 XXXXXx|XXXXX;!:::::::::::!   `. /::    | '"   l:::::::::::|XXXXXXX|XXXXXXX |
 XXXXXx!XXXXxリ:::::::::::!    |::     |    i:::::::::::ゞXXXXXツ1XXXXXXX|
 XXXXX/ \XXソ::::::::::/     i!::    ノ     i!::::::::::::ゞXX:/  lXXXXXXX|
 XXXX:/   `ヾ::;;;;;:ツ      ヾ;::: ; ノ      ヾ:;;:::::::ゝ'"     ヾXXXXX |
  XXX/       `ヽ 、     _ゝく      _,,. -`''"        i!XXXXX:|
 XXX7           `'''''''''''"    `'''''''''''´              |XXXXX !
 XXX|                                      |XXXXX|

189 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:24:18.76 ID:0Kb2zcrw0
ξ;凵G)ξ「嫌ァああああああああああ!!」
そこにはツナギの男の姿は無く、
代わりに、変態的なコスチュームに身を包み、
変態的なポーズを取ったシャキンの姿があった。
(`・)(・´)「やあ、お嬢さん、ごきげんよう。元気かい?」
ξ;∀;)ξ「…あはははは…あはははは…
       おいなりさんが…おいなりさんが…
       ピンクのカバが私の前を走ってるわ…
       …あはははは…あはははは…」
どうやら、彼女は現実逃避の道に走ったようである。

その後この騒ぎに駆けつけた、
生き残った私兵たちの懸命なカウンセリングにより、
意識を取り戻した。
ξ;゚听)ξ「…で、どうして、ツナギ男が消えていて、
       アンタがそんな格好をしているわけ?」

191 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:25:06.85 ID:0Kb2zcrw0
(`・)(・´)「いやね、あの衝撃が凄まじかったせいか、
      どうやら彼とフュージョンしてしまったようなんだ」
Σξ;゚听)ξ「…!!」
私の背筋に寒いものが走った。
冗談じゃない!一人だけでも手の付けられない変態なのに、
その二人が合体してしまっては、
超A級の最強のド変態になってしまうではないか!!
ξ;゚听)ξ「…アンタ、筋肉好きで、
       ナルシストなホモの最強の変態になっちゃったの?」
(`・)(・´)「いや、どうやらそんなに変化はないようだ。
      私が愛しているのは筋肉だけだ。それは変わらない。
      九割九分以上私のままのようだね」
ξ;゚听)ξ「…ならいいけど…って良くはないか。
       んで、そのコスチュームは何なの?」
(`・)(・´)「ああ、これね。これはどうやら
      彼がツナギの下に着ていたコスチュームみたいだね」
ξ;゚听)ξ「……呆れて、言葉も出ないわ」

192 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:26:12.20 ID:0Kb2zcrw0
ξ;゚听)ξ「じゃあ、アンタが被っている女性もののパンツは何?
       それもあの男の持ち物?」
(`・)(・´)「いや、自前だが。砂埃が酷かったんで被ったんだ」
ξ;゚听)ξ「…アンタ、そういう趣味もあったんだ…引くわぁ…」
(`・)(・´)「何のことだい?昨日、咳が酷くて、
      コンビニに行ってマスクを買おうとしたら売り切れててね。
      仕方なくその横の売場にあった、似たような形のものを買ったんだ」
ξ;゚听)ξ「…いや、そこはやめとこうよ…」
どうやら、彼は体を覆うものは嫌がるが、
頭に被るものはどうでもいいらしい。
ξ;゚听)ξ「まあ、いいわ。とりあえず薬を回収して、
       早く椎田さんを戻してあげないとね」
こうして、この男好き(イケメン限定)と、筋肉と、ホモの、
三者の争いは後世へと受け継がれていった。
これが俗に言う『ビッグブリッジの死闘』である。

194 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:27:31.67 ID:0Kb2zcrw0
この後の流れは、年表に載せて説明しよう。
決して作者がめんどくさいわけじゃないぞ。

2006年×月26日
『ビッグブリッジの死闘』終結。
事件首謀者の阿部高和、シャキンとフュージョン。
ツン、精神異常をきたすも、懸命な処置で生存。
2006年×月27日
しぃの容態が回復。
ギコと、ツッコミ漫才コンビ「黒登山部」再結成。
その後、M−1グランプリ予選に参加するも、
惜しくも予備一次で敗退。
2006年×月28日
VIP高校校庭隅で、白骨遺体発見。
歯型から、ドクオ本人の遺体と確認される。
2006年×月30日
津手邸で、
『ドキッ!イケメンだらけの水泳大会
 〜ポロリもあるよ2006〜』開催
観客はツン一人。
2006年○月15日
シャキン、頭に被っていたパンツを脱ぐ。

第三話 おしまい


204 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:30:44.03 ID:0Kb2zcrw0
第四話 兵(つわもの)どもが夢の跡!!の巻

あの混乱から数日後、
シャキンは某所海岸で、夕日をバックにして
サイドトライセップスのポーズを取っていた。
(参考ttp://club.pep.ne.jp/~mikami1/pose_side-triceps.jpg)
辺りは真っ赤に染まっており、
その光を映す海は、何か物悲しいもののように見える。
(`・ω・´)「…はあ…最近ポーズが決まらないな…」
彼は、あの数日前の激闘を思い出していた。
彼の頭に浮かぶのは、阿部高知の姿。
もしかして彼は、本当は、
誰かに自分を止めてもらいたかったのではないか?
そう思えて、仕方なかったのだ。
なぜならば彼は、フュージョンの間際
不思議な空間に迷い込んだからだ。

〜〜〜〜〜〜〜ここから回想〜〜〜〜〜〜〜

207 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:31:39.56 ID:0Kb2zcrw0
私はドアを開けた。
(`・ω・´)「ん?」
それはなんだか見覚えのある場所だった。
なんか、ここに見覚えがあったような。何処だったかな?
(`・ω・´)「失礼するよ」
まあ、いいか。と思い私は足を進める。
そこに広がるのは、殺風景な部屋。
白い壁。白い天井。白い床。
そして、その真ん中には黒い椅子。
絶対ここに来たことあるんだが…うーむ、思い出せない。
すると、急に目の前が眩しくなる。
その光は、今居る部屋よりも白く、
空に輝く太陽よりも眩しい。
そして気がつけば私の目の前の壁には、
ピンク色のドアが、そこにはあった。
そのドアノブに手を掛けてみると、
なにやら悪寒が走った。しかし、
それと同時に吸い込まれるような感覚も覚えた。
私は迷わずドアの中に入った。

208 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:33:00.65 ID:0Kb2zcrw0
次に私の目に浮かんできたものは、
一面に広がるバラ園だった。
その花びらはどれも、目が覚めるような真赤で、
まるでそれは、天国のような美しさだった。
しかも、その上では、
ガチムチとした小麦色に焼けた、
健康的な肌の男たちが、生まれたままの姿で、
まるで蛇のように、妖艶に、
オッス!オッス!と生々しく絡み合っていた。
時折、その一部から、
「アッー!」と叫び声が響き渡ったが、
その声は、何だか幸せそうに聴こえた。
その声に呼ばれるように、周りの者も、
一斉に同様に「アッー!」と叫びだす。
と、その時、無心にポーズをとっていた私の背後で、
聞き覚えのある声がした。

「  や  ら  な  い  か  」

211 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:34:03.65 ID:0Kb2zcrw0
私が振り返ると、
先程まで死闘を繰り広げていた、ツナギ姿の男が立っていた。
,,_   _
"゚'` {"゚「いらっしゃい。どうだいここは?素晴らしいだろう?」
(`・ω・´)「ああ、素晴らしい筋肉の持ち主達がたくさんいるよ。
      ただ絡み合ってるのは美しくないがね」
,,_   _
"゚'` {"゚「…そうかい…」
と、彼が口にした瞬間、私は妙な違和感を感じた。
ふと、周りを見渡すと、あんなに沢山いた
筋肉の素晴らしい男たちはいない。
それに気づいたあと、不意に、
ぴきっ、という音が鳴り、同時に周りの空間にヒビが入る。
いや、空間だけではない。
周りで咲き誇っていたバラにもヒビが入る。
そして気がつけば、空中では、
黒いブラックホールのような渦が回転している。
その回転は、真っ赤な破片を吸い込んでいく。
気がつけば、目の前のツナギ男の姿も、
バラの破片の中に溶けかかっていたが、
別にそれはどうでもいい。

212 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:34:37.56 ID:0Kb2zcrw0

,,_   _
"゚'` {"゚「最後に坊やとやっておきたかったんだが、
      どうやら時間のようだ」
そして、彼の姿も渦の中に吸い込まれていく。
最終的にその渦は、全てのものを飲み込んでしまい、
それは、一つの小さな光の粒になっていた。
その光の粒は、この私の逞しい胸の筋肉の中に飛び込んできた。
そして私の中に入り、すうっと消えていった。

私は気がつけば、さっきの真っ白な部屋の中にいた。
そういえば、消える間際に彼はこう言ってたような気がする。

213 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:35:24.01 ID:0Kb2zcrw0
     ,, - ―- 、
  ,. '" _,,. -…;   ヽ
  (i'"((´  __ 〈    }
  |__ r=_ニニ`ヽfハ  }
  ヾ|!   ┴’  }|トi  }  この俺も、筋肉に踊られていただけの
    |! ,,_      {'  }  哀れな犠牲者の一人に過ぎないのさ    「´r__ァ   ./ 彡ハ、  
    ヽ ‐'  /   "'ヽ
     ヽ__,.. ' /     ヽ
     /⌒`  ̄ `    ヽ\_
    /           i ヽ \   
   ,'              }  i  ヽ
    {             j   l    }
   i   ヽ    j   ノ   |   } l
   ト、    }   /  /   l  | .|
   ! ヽ      |  ノ    j  ' |
   { |     } |      l    |
   ヽ |     i  | \    l    /|
    { |     l   |     |   / |
    l !        |       l  / |
これが、この物語の真の主人公、阿部高知の最後の言葉であった。
主人公死亡のため、ここで完結します。
ご愛読ありがとうございました。次回作をご期待ください。
『ξ゚听)ξ ツンはメンクイのようです』
改め、『阿部高知はガチムチ好きのようです』 おしまい

219 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:37:27.38 ID:0Kb2zcrw0
これで、本当に終わりです。
というか、ネタが尽きました。勘弁してください。
wktkしていただいたスレの皆さん、
及び関係者各位の方々ありがとうございます。
実は火曜にはこの話は完結していましたが、
バイトやら規制やらで、出すのが遅れました。

222 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:38:56.43 ID:0Kb2zcrw0
あとがき(嫌な方はスルーしてください)
さてこの話は、誰も知らない、前作の、
( ^ω^)ブーンはユメクイのようです
とは正反対の性質を持った短編を作ろうと思って、
クリスマスイヴの夜からシコシコと作っていた作品です。
ちなみに、ユメクイという,
大盗愛の曲があると最近知って、ショックでした。
ユメクイは、夢と人の死をテーマにした,
シリアスな作品だったのですが、
今回は、カオス系学園筋肉コメディとして、
読者が何も考えずに読めるVIPっぽいものを作ってみました。
ブーン小説の新人が増えた、この戦乱状態のさなか、
かなり無茶な筋肉ネタで特攻して自爆しました。
反省はしていない。
今回のタイトルである、面食い、「メンクイ」は、
前回作のユメクイにかけて、シャレで浮かんだものです。
ストーリーの構成は、前回と違い、行き当たりばったりで作っていました。
その代わりに、キャラクターの役割をはっきりさせました。

227 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:40:13.10 ID:0Kb2zcrw0
キャラクターについて

・ツン
メンクイといえば女性。女性といえばツン。
というわけで、主人公はツンに決まりました。
んでキャラクター像として、高飛車でお嬢様的なものが浮かびました。
で、普通のツンデレではなく、ツンツンツンツンデレにになりました。
その豪華さは、「新ジャンル 壮厳」からヒントを得ました。
いや、実際にゴージャスですが。
あと、彼女のメンズ好きは、叶姉妹を参考にしました。
ちなみに、シャキンのキャラが強すぎて、
いつの間にか、ツッコミ担当になってしまいました。

・シャキン
腹筋スレで見たAAが、ヒントとなり生まれました。
構想当初は、ショボンのはずでしたが、
筋肉系AAに顔をくっつけると、
シャキンのほうがしっくり来たのでこっちに変えました。
口調は、変態仮面っぽいです。ってか、実際にしてしまいました。
反省はしていない。

228 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:40:38.37 ID:0Kb2zcrw0
・ブーン
今回はあえて脇役に徹させました。
S属性のお嬢様に対応するM属性のキャラを探した結果、彼になりました。

・ドクオ
ツンの取り巻きの中で、一番まともなキャラとして立たせましたが、
つまらなかったので、体を張って、白骨遺体になってもらいました。

・ジョルジュ
おっぱい、という言葉が印象的な彼は、
取り巻きの中で、変な奴の立場のキャラとして選びました。
めんどくさかったので、それ以外に喋らせませんでした。
・わかんないんです
ぶっちゃけ、数合わせです。

・ギコ
ここで、マトモな突っ込み役のキャラが欲しいと思ったので、
彼にやってもらいました。キャラとしても突っ込みが一番しっくりきました。

・しぃ
ギコ同様、突っ込みキャラですが、彼女がマッチョになる展開は、
最初から決めていたので、体を張ってボケさせました。

232 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:41:08.34 ID:0Kb2zcrw0
・クー
素直クールというよりは、いつの間にか、
シュールなキャラになってしまいました。これは反省してます。
実はシャキンに絡むクールなキャラにもしたかったのですが、
立ち位置が自分がリスペクトしている、
某有名ギャグ系ブーン小説と被ってしまうのでやめました。

・その他
ぶっちゃけ、数合わ(ry…というか、面白い個性が付けれず、
放置してしまいました。ここも反省点。

・阿部高知
彼も散々他のブーン小説でネタになっていますが、
筋肉を題材にしたギャグなので、自動的に彼がラスボスになりました。
最後に、真の主人公である事が判明しますが、
それは、幕張という漫画の最終回をイメージしてやったことです。
反省はしていない。

234 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:41:49.85 ID:0Kb2zcrw0
全体の感想
この物語では自分は、
・おバカなシチュエーションを、あえて地の文でシリアスに書く。
・1スレ先も読めなくするカオスな展開。
・短編として、簡潔に終らせる。
これを、実験的にやってみました。ってかやってみたかったんですが。
まあ、結果的にブーンがア○ロにしたようですの、
二番煎じと言われても仕方ないです。
というか、ぶっちゃけ、リスペクトを込めて作った一面もあります。
とはいえ、面白い事が思いつくタイプではないので、
結構ギャグマンガからネタを拝借しました。
ネタ元はギャグマンガ日和、王様はロバ、
武士沢レシーブ、幕張、変態仮面あたりです。
ジャンプ系のギャグマンガが大好きです。年齢が分かっちゃいますね。
20代前半以上の方には懐かしい漫画です。
あと、AAは筋肉ネタということで、漫画板のバキスレから借りてきました。
バキも大好きで、格闘シーンには、
台詞などにそれっぽい感じの喋りを使ってみました。
ぶっちゃけ、格闘シーンはもっと細かい攻防を書きたかったのですが、
やりすぎると、中だるみしてしまいそうだったので、アッサリとまとめました。
実は、阿部さんとの戦いで、シャキンの花山パンチのあと、
まだまだ展開が続く予定でした。

235 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:42:50.27 ID:0Kb2zcrw0
その幻の第三話の流れを簡潔に説明すると、
シャキンのパンチを受けた阿部は、ダメージを負いながらも、
ツナギを脱ぎ、全裸になり、切り札を出す。
それは、彼のエクスカリバー。
腰をカクカクと振り、そのエクスカリバーにパワーを集中させ、
光弾を発射する。その名も「宇砲異威汚徒呼砲(うほういいおとこほう)」
そのエネルギーは、シャキンを貫く。シャキンは大ダメージを負う。
しかし、シャキンは傷ついた中で、筋肉がざわつく感覚を覚えた。
「っぐわ!…くそ!…また暴れだしやがった・・・」
「っは…し、静まれ…私の筋肉よ…怒りを静めろ!!」
と邪気筋肉を発動させる。
突如、シャキンの体が黄金の光が包まれ、その色は金粉を塗ったような姿に。
そう、彼は、「筋肉神シャキンニクリウス」の転生だったのだ!
しかし、阿部もなぜか変身を遂げる。
阿部は実は「ホモ神ヤマジュンホリアヌス」だった。
彼らは、天井を突き破ってそのまま宙を舞い、大気圏を突破し、
全裸で、宇宙空間で最後の戦いを始める。
という内容です。しかし、戦いのスケールが大きすぎて、
描写が長くなって中だるみしそうなので止めました。

237 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:43:59.17 ID:0Kb2zcrw0
あと、最後の四話での空想の中のシチュエーションは、
よく分からなかった方が多いと思いますが、
前作ユメクイからのセルフカバーです。
暇な方は是非読んでみてください。読みにくいのは先に謝っておきます。
初投下だったので色々gdgdだった、
どのスレでも話題にもならないマイナーな作品です。
早くも自分の中で黒歴史化しつつあります。
ひっそりと投下していたので、
総合スレでは逃亡したと思われていたようです。
今回は、色々と改行や、文章の書き方に気をつけました。
クドい表現法は、ここぞという時以外は避けました。
改善されているように思っていただければ幸いです。
あとがきはこんな感じです。皆様ありがとうございます。
次回作は、また違ったテイストの短編を作ろうかと思います。
ちなみに作者は、マッチョでも、うほっな人ではありません。
健全な一般人…のはずだと思います。




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