3 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/18(日) 21:24:01.80 ID:V8rgEwz90
('、`*川「ぐすっ……そ、そろそろ、考えた方が良いと思うんだよねっ」
(´< _` )「何を?」
('、`*川「お兄さんのことさ!」
(´< _` )「……」
('、`*川「つ、つまり……ぐすっ、元に戻る方法は無いのか、ってことを!」
(´< _` )「何、元に戻したい派?」
('、`*川「え、いや、別に私は見たことないけど、でも常識的に考えて……ね?」
(´< _` )( ,,゚Д゚)(*゚ー゚)(*゚∀゚)「えー」
('、`*川「大不評!?」
(´< _` )「だからどうしてリア・ディゾンを樹木希林に戻したいのかって話ですよ」
('、`*川「ああ、人種まで変わっちゃうのか。
って、ギコさんはいいんですか!?」
( ,,゚Д゚)「うーん、どっちでもアリだわよ。激しいプレイができなくなるのは残念だけど」
(*゚∀゚)「ああ、お客さんが一人減るなあ」
('、`*川「その程度の認識なのね」
第六話 はじまり
5 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/18(日) 21:24:58.46 ID:V8rgEwz90
('、`*川「しかし、そうも言ってられないね!
私はここで、三つの仮説を披露させてもらう!」
(´< _` )「テンションあがるなあ。X JAPANみたいだ」
('、`*川「一つめ。『コナンにやられた』」
(´< _` )「テトロドトキシンで?」
(*゚∀゚)「ていうか、黒の組織じゃなくてコナンにやられたのか」
('、`*川「そう。逆恨みみたいな感じで。ええと、対策としてはですね」
飲み残されたビール瓶を指さすアホサス。
('、`*川「ほら、一回焼酎か何かを飲んで元に戻った話があったでしょ?
焼酎がないからビールで代用」
(*゚ー゚)「一回しか効かないんじゃ……」
('、`*川「独自の研究によりますと、ミルクとビールを9:1の割合でミックスする……。
これで、いける!」
(´< _` )「独自の研究って?」
('、`*川「主に某巨大コミュニティサイトでの資料収集ですね」
(´< _` )「教えて!gooだな」
('、`*川「なぜわかった!?」
6 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/18(日) 21:25:29.67 ID:V8rgEwz90
('、`*川「二つめ。『喪黒福造』にやられた」
(´< _` )「ドーン!!」
('、`*川「うわ、ビックリ」
(*゚∀゚)「ツー!!」
('、`*川「わお、ビックリ」
ここで弟者とつーがしぃを凝視。
(*゚ー゚)「え、な、何? ノらないといけないの?」
(*゚∀゚)「愚問」
('、`*川「カモンカモン」
(*゚ー゚)「し、シィー!!」
(*゚∀゚)「うわ、つまんないギャグ」
(*゚ー゚)「えええぇぇええ」
8 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/18(日) 21:26:06.02 ID:V8rgEwz90
('、`*川「一度、ドーンってやられた人が子供になる話があったよね」
(´< _` )「仮にそうだとして、何か対策があるの?」
('、`*川「……もう一度ドーンってしてもらう」
(*゚ー゚)「受精卵レベルに退化しそうな気がします」
(´< _` )「大体喪黒さんはどこに?」
('、`*川「……都会の波」
(´< _` )「連絡方法は?」
('、`*川「……ホーッホッホッホッホ」
(´< _` )「考えもせずに口に出すからそうなるんですよ」
('、`*川「うるさいな。三つめ!『お兄さんはお兄さんじゃない』」
(´< _` )「……ついに狂ったか。まぁ順当な病状進行だ」
('、`*川「いやいや、常識的に考えて、いきなり赤ちゃんに戻るなんてありえないでしょ?
タイムふろしき被ったわけでもないんだし」
(´< _` )「それはあれですか、俺たちの兄弟の絆を疑うわけですか?」
( ,,゚Д゚)「私たちアベックの絆を否定するの?」
('、`*川「うーん……ごめんなさい」
9 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/18(日) 21:26:53.73 ID:V8rgEwz90
なし崩し的に酒宴は終わる。
後片付けはギコとアホサスに任せ、しぃとつーは床にへたって酔いを覚ます。
弟者はふすまを開いて兄者を確認。
日付が変わって少しが経過。終焉のぐだぐだ感がいささか心地よい。
(´< _` )「よく、寝てる」
(*゚∀-)「あれだけ騒いで起きないんだからもうひゅくすひひへ〜」
すでに半分睡眠に落ちているつー。
しぃについては、八割ほど。
( ,,゚Д゚)「片付け、終わったわよぅ」
('、`*川「いやいや、至福の一時
あ、ついでにミルクとビールを9:1で混ぜた液体も生成しておいた。
名付けてビルク!」
(´< _` )「パクリかよ」
(*゚∀-)「ほれじゃあ、帰りますか〜?
ほらあ、しぃ、起きろよ〜」
つーが思いっきりしぃの背中を叩く。
のそのそとしぃは起き上がり、眼をこすり周囲を見渡す。
(*゚ー゚)「ここ、どこ?」
(*゚∀゚)「ガラパゴス諸島。さ、帰るよ」
10 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/18(日) 21:27:24.78 ID:V8rgEwz90
('、`*川「私はまだここにいるよ」
(´< _` )「ええぇええ。おえぇ」
('、`*川「なんでえずく? ほら、兄者にミルクビールを投与しないと。
ノートルダム総合病院の院長としては」
つーがハッとした表情になる。
思い出したらしい。
(´< _` )「ハーバードじゃなかったっけ」
(*゚∀゚)「よ、よろしくお願いします!」
('、`*川「まかしときなー。ギコさん、今度お宅に訪問しますのでー」
( ,,゚Д゚)「?」
片手を振って扉の向こうに消えるギコ一族。
残るは三人。
('、`*川「さて、寝ようかな」
(´< _` )「おい」
11 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/18(日) 21:27:41.03 ID:V8rgEwz90
( ;_ゝ;)「みぎいいいいいいいいいいいいいぃぃ」
('、`*川「お。起きたよ、お兄さん」
(´< _` )「ふむ……で、投与?」
('、`*川「おふこーす」
(´< _` )「ことばにーできなーいー。
兄者、ご飯だぞ」
( ;_ゝ;)「WRYY……YY」
ほ乳瓶に入っている液体を兄者に飲ませてやる。
兄者は時折顔をしかめるが、それでも順調に飲み干していく。
('、`*川「あ、そういえば」
(´< _` )「ん?」
('、`*川「分量間違えたんだよね。ミルクとビールを9:1じゃなくて、
ビールとミルクを9:1にしちゃった」
(´< _` )「どーりで黄色いと思ったよ」
('、`*川「だよねー!」
(´< _` )「あははははははははは」('、`*川
弟者はその時、気づいていなかった。重大な事実を忘れていることに……。
12 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/18(日) 21:28:03.95 ID:V8rgEwz90
(´< _` )「あ!」
('、`*川「ん?」
(´< _` )(そういえば……ぽ……はどうでもいいが……中の人……)
餓死の二文字が脳裏に浮かぶ。
('、`*川「何?」
(´< _` )「ちょっと用事をしに22世紀に行ってくる」
そう言い残して、冷蔵庫から柿の種を奪取。
そのまま兄者の私室まで駆けていく。
そこに夜の闇が広がっていた。
佇むぽ。眠っているのか、反応を見せない。
(´< _` )「おい、ぽ」
/ ・ω・ヽ「……」
(´< _` )「中の人はまだ生きてるか!?」
13 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/18(日) 21:28:27.85 ID:V8rgEwz90
/ ・ω・ヽ「もう……手遅れだぽ」
(´< _` )「!」
/ ;ω;ヽ「お前のせいで、お前のせいで中の人は死んじゃったんだぽ!」
(´< _` )「そ、そんな……俺は、俺は!」
広がる叫喚。
ぽの双眸は弟者を捕らえ、逃さない。
/ ;ω;ヽ「ああ、かわいそうな中の人。
信じていた同胞にも裏切られ……」
セイヤー
(´< _` )「……」
/ ・ω・ヽ「……」
セイヤー……テンポウノダイキキンセイヤー……
(´< _` )「おい」
/ ・ω・ヽ「中の人は空気が読めないぽ!」
15 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/18(日) 21:28:58.13 ID:V8rgEwz90
ぽの中から這いずるように出てきた中の人に柿の種を渡す。
(Д゚)「……ノドカワクセイヤー」
(´< _` )「うるせー」
/ ・ω・ヽ「ひどい、まさに外道だぽ!」
(´< _` )「おい、毛玉」
/ ・ω・ヽ「ぽ!?」
(´< _` )「青か黒か……そういえば都会には黄色もあるな。
どれがいい?」
/ ・ω・ヽ「なんのことだぽ?」
(´< _` )「お前をぶち込むゴミ袋の色」
/ ・ω・ヽ「冗談キツいぽ〜」
(´< _` )「ああ、まずは燃やしてやる」
(Д゚)「ダメセイヤー」
(´< _` )「いや、お前は燃やさないぞ?」
16 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/18(日) 21:29:18.54 ID:V8rgEwz90
(Д゚)「イッシンドウタイセイヤー」
(´< _` )「……」
/ ・ω・ヽ「流石中の人ぽ!」
(´< _` )「……そうか」
(Д゚)「セイヤー! カキノタネアリガトウセイヤー!」
(´< _` )「いやいや、どういたしまして」
/ ・ω・ヽ「ぽと対応の仕方が違うぽ」
そういえばこいつらは何者なのだろう。
というか、一日中ここでこうしていたのか?
そんな、解決しようもない疑問を抱えつつ、弟者はリビングに戻ることにした。
廊下にて。
突如響くのはアホサスの悲鳴。
(´< _` )「なんだろな?」
('、`*川「ひぃ……」
17 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/18(日) 21:29:42.20 ID:V8rgEwz90
ペニサスが指さす先にテレビがある。
そこから、何かが半身を突き出していた。
(´< _` )「おう!?」
丑三つ時。
それは、ずるずると頭をもたげた。
垂れ下がる長髪が顔面を覆い隠す。
川д川「おじゃましまああああああああす……」
('、`*川「いやああややあああぁあああ」
アホサスが弟者にしがみつく、
弟者はそれを鬱陶しそうに払いのけて。
(´< _` )「誰?」
川д川「サダコでええぇええす……」
(´< _` )「……何、その普通な名前」
川д川「え、そんな反応?」
18 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/18(日) 21:30:03.67 ID:V8rgEwz90
(´< _` )「……ロッキー」
川д川「え?」
(´< _` )「お前の名前はロッキー」
川д川「え、いや、ちょ、あたし……」
(´< _` )「ロッキー」
川д川「さだ(´< _` )「ロッキー」
川д川「……はい」
見たところ弟者と同い年ぐらいの女だ。
しかしそれは身体的特徴から判別した結果である。
顔は未だ隠れたままなので、詳しくは定かでない。
('、`*川「なんでキミはそんなに普通に接することができるの?」
(´< _` )「……で、何の用?」
川д川「えっと、うんと」
19 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/18(日) 21:30:47.55 ID:V8rgEwz90
(´< _` )「つーかサダコって安直なネーミングはどうにかならないの? ロッキー」
川д川「だって……本名が……鬼頭佐蛇子って」
(´< _` )「なんか男塾に出てきそうな名前だな」
('、`*川「し、死んでる……?」
川д川「いいえ、死んでない……はずです」
(´< _` )「詳しく」
川д川「なんか……誰かにこんな姿にされちゃったんです。
あたしだって元々は、普通の女の子だったんですよ?
でも……いつのまにか」
(´< _` )「そんなファンタジーを信じろと」
川д川「でも……そもそもあたし自身がファンタジーじゃないですか」
('、`*川「ほ、ほら、きっとお兄さんと同じ事情なんだよ」
(´< _` )「……」
川д川「一人だと寂しいんです……だから出てきたんです……。
そしたらここに出ちゃったんです。
だからちょっと怖がらせようと」
('、`*川「何が『だから』なの。繋がってないし」
20 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/18(日) 21:31:15.99 ID:V8rgEwz90
川д川「すみませんすみませんすみません」
('、`*川「許さない許さない許さない。月経不順にしてやる」
川д川「えええ……」
(´< _` )「ううん、もっと詳しく話せよ。
その時の状況とかを」
川д川「は、はい。えっと、ですね……」
――――回想入りまーす――――
川д川「リンゴを囓ると歯茎から血がでるだろー?」
(???)「それはこれが、悪魔の実だからだお!」
川д川「誰!?」
(???)「ある時はアンドロイド、ある時は死人……しかしてその実体は!
ただの???だお」
川д川「え、あ、あの、ここ私の部屋……」
(???)「問答無用!
うん、お前は貞子っぽいお!」
川д川「そ、そんな。き、気にしてるのに」
21 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/18(日) 21:31:37.68 ID:V8rgEwz90
(???)「そんなキミをモノホンの貞子にしてやるお」
川д川「えええええええ」
(???)「ふっふっふ、覚悟しろお!」
・・・
・・
・
――――回想終わりまーす――――
川д川「そこからは覚えてません」
(´< _` )「気にしてるなら前髪切れよ」
川д川「……ハッ!」
(´< _` )「頼むから今気づいたみたいな顔をするな」
('、`*川「……ハッ!」
(´< _` )「うるせー死ね」
23 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/18(日) 21:32:32.77 ID:V8rgEwz90
('、`*川「そいつ、誰なんだろうね」
川д川「思い出した!」
(´< _` )「どうしたロッキー」
川д川「彼……多分男だと思いますけど……。
そいつはこんなことも言ってました。
『これで、五人目だお』……って」
('、`*川「五人目……?
全人類貞子化計画でも推進してるのかいな?」
(´< _` )「……五人、か」
弟者の思惑はアホサスとは別の所にある。
つまり、兄者のこと。
彼は五人に含まれるのか、否か。
(´< _` )「その男、誰なんだ?」
川д川「わかりません……思い出そうとしても、なんかもやもやしてて」
24 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/18(日) 21:33:10.86 ID:V8rgEwz90
川д川「あたし、これからどうすればいいのか……」
('、`*川「ううん。どうしよう。キミと一緒にいさせるのは危険だよね?」
(´< _` )「なんで」
('、`*川「性的に」
(´< _` )「……」
('、`*川「私の家、来る? おぞましいぐらい散らかってるけど」
(´< _` )「というか、帰る家はないのか?」
川д川「……ううん、思い出せない」
('、`*川「重度だね」
(´< _` )「そりゃテレビから出てくる時点でいろいろと」
('、`*川「でも今日はここに泊まらないといけないよ?
だって私は患者を看取らないといけないし」
川д川「はい……わかりました」
25 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/18(日) 21:33:41.72 ID:V8rgEwz90
結局。
アホサスとロッキーはベビールーム(仮)で。
弟者はリビングで軽い睡眠をとることになった。
(´< _` )(仮に、兄者とロッキーが同族だとして)
その場合、ロッキーが出くわしたという男を捜さなければならない。
(´< _` )「いや、待てよ……」
兄者は元に戻ることになるかもしれない。
それは望むべき結果ではない。
そう、明らかに。
(´< _` )(……放置しよう。
ロッキーもまぁ、アホサスに任せればなんとかなるだろう。
うん、そうしよう)
('、`*川「ほれほれ、ここがいいのかい?」
川д川「や、やめ……」
そんな感じで。
薄明も始まって、鳩が騒がしくなり始める。
そして。
アホサスの絶叫で弟者は目を覚ます。
27 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/18(日) 21:34:15.24 ID:V8rgEwz90
('、`*川「大変だよ、キミ!」
(´< _` )「なんだ?」
('、`*川「お兄さんが、お兄さんが……」
(´< _` )「うん?」
('、`*川「二歳ぐらいになった!」
言われて兄者を見る。
( ´_ゝ`)「あはは」
未だオムツをはいている。
しかしベビー服は取り払われて。
兄者はしっかり、両の足で立っていた。
身長や体重も、ワンランク以上進化している。
(´< _` )「た、たってる」
('、`*川「それはまだじゃない?」
(´< _` )「そのたつと違う」
28 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/18(日) 21:35:06.27 ID:V8rgEwz90
( ´_ゝ`)「ぱぱぁ」
(´< _` )「パパ!?」
( ´_ゝ`)「ままぁ」
28 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/18(日) 21:35:06.27 ID:V8rgEwz90
( ´_ゝ`)「ぱぱぁ」
(´< _` )「パパ!?」
( ´_ゝ`)「ままぁ」
('、`*川「わ、わたし?」
(´< _` )「……」
('、`*川「あなた……」
(´< _` )「おまえ……」
・・・
・・
・
第六話 おしまい
【関連】
一気読み
第一話
-
第二話
-
第三話
-
第四話
-
第五話(前)
-
第五話(後)
-
第六話
-
第七話