( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`) 〜( ^ω^)ブーンは麻薬捜査官のようです〜

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52 名前: ◆K/ms5.N0fc [] 投稿日:2007/03/04(日) 16:02:59.61 ID:DOr29HKu0
午前九時半。

クーのナビで軽快に車を走らせたブーンは、しぃの家の前に車を止めた。
何かを忘れている気がするが、なんだったのかは思い出せない。
先ほどからの不安感とないまぜになって、少し落ち込み気味だった。

川 ゚ -゚)ここか。ん?どうしたブーン。腹でも痛いのか?」

( ^ω^)「な、何でもありませんお。少し考え事をしてたんですお」

川 ゚ -゚)「ふむ、そうか。なら問題ないな。早速お友達の話しを聞いてみようじゃないか」

インターホンを押すクー。
少し間を置いて、インターホンから少女の声が流れ出てきた。


53 名前: ◆K/ms5.N0fc [] 投稿日:2007/03/04(日) 16:03:29.94 ID:DOr29HKu0
(*゚―゚)『はい、どちらさまですか?』

川 ゚ -゚)「私は刑事局少年課のクーと申します。こちらにしぃさんはいらっしゃいますか?」

身分証をインターホンのカメラにかざす。

(*゚―゚)『しぃは私ですが・・・。刑事局の方が一体何の御用ですか?』

川 ゚ -゚)「あなたのお友達で亡くなられた高岡さんについて少し覗いたいのですが」

(*゚―゚)『・・・わかりました、ロックを解除しますので、お上がりください。』

ガチャンと音を立てて門のロックが外れる音がし、
続いて玄関から少女が姿を現した。
どこか疲れたような印象を受けるその少女は、あまり表情が無かった。
まるで仮面をかぶり、何かから自分を隠している様な印象を受ける。

(*゚―゚)「私がしぃです。どうぞ、お上がりください」


54 名前: ◆K/ms5.N0fc [] 投稿日:2007/03/04(日) 16:04:00.77 ID:DOr29HKu0
しぃはそう言うとクーとブーンを家に案内した。
ごく普通の一軒屋で、いかにも中層家庭というおもむきの家である。

しぃは二人を応接間へいざなう。
二人は勧められるままに応接間のソファーに身を降ろした。

(*゚―゚)「で、聞きたい事というのはなんでしょうか」

( ^ω^)「ちょっと待つお。自己紹介がまだだお。僕は組織犯罪対策課特別分室の
        ブーンですお。そして、聴取の前に親御さんに話しを通したいお」

川 ゚ -゚)「そうだな。未成年相手だしな。ブーンにしては気が効くじゃないか」

( ^ω^)(この女・・・)

(*゚―゚)「あの、私の両親は共働きで、今家には居ませんが」

川 ゚ -゚)「ふむ、ではご両親とは連絡が取れないのかな?」

(*゚―゚)「携帯がありますけど、連絡しましょうか?」

( ^ω^)「そうしてもらえるとありがたいお」

(*゚―゚)「わかりました。それでは父に連絡しますね」


55 名前: ◆K/ms5.N0fc [] 投稿日:2007/03/04(日) 16:04:49.23 ID:DOr29HKu0
そう言うとしぃはポケットから携帯を取り出し、父親の携帯に電話をかけた。
それと同時にブーンがクーに耳打ちする。

( ^ω^)「小学生にしてはえらくしっかりした子ですお」

川 ゚ -゚)「そうだな。日中両親が居ないから、自然とそうなったのかもしれない」

そこまで話した時、しぃは携帯をこちらに差し出してきた。

(*゚―゚)「父です。どうぞお話しください」

クーが電話を受け取り、しぃの父親に事情を説明した。
しぃの父親は最初疑念を持っていたが、クーの的確な説明により
親不在での娘の事情聴取を受け入れた。


56 名前: ◆K/ms5.N0fc [] 投稿日:2007/03/04(日) 16:05:25.72 ID:DOr29HKu0
川 ゚ -゚)「では聴取を始めさしてもらおう。
     まず君は高岡さんとはどういうお付き合いをしていたのかな?」

(*゚―゚)「お付き合いって、極普通の親友でした。それがあんな事になって、
     私には今でも高岡さんが家に遊びに繰るんじゃないかと思えて・・・」

川 ゚ -゚)「お互いの家を行き来していたんだね」

(*゚―゚)「はい、親友でしたから。」

川 ゚ -゚)「では、高岡さんの家で何か見かけなかっただろうか・・・例えばドラッグなどを」

(*゚―゚)「え?そんな・・・そんなもの高岡さんが持ってる訳ないじゃないですか。
    それに高岡さんが死んだ事と薬物に何の関係があるのですか!?」

しいは親友を侮辱されたと思ったのか、初めて感情的な側面を覗かした。

( ^ω^)「クーさん、また直球過ぎですお。もう少し順を追って聞いた方が良いですお」

川 ゚ -゚)「無駄な時間を使いたくないだけだ。それとも何かいい聞き出し方があるのか」


57 名前: ◆K/ms5.N0fc [] 投稿日:2007/03/04(日) 16:06:01.64 ID:DOr29HKu0
( ^ω^)「この聴取を僕にまかせてはくれませんかお?」

少しの間を置いて、クーはゆっくりと、しかし重い口調で言った。

川 ゚ -゚)「・・・わかった。ここは任せよう。本隊が来る前におわらせるんだぞ」

( ^ω^)「把握した。(絶対スルーされるとおもったお・・・意外だお)」

そんな二人のやり取りを見て、しぃは少し冷静さを取り戻したようだ。

(*゚―゚)「あの、高岡さんの死と薬物には何か関係があるのですね。
    教えていただけませんか?高岡さんに何があったのですか」

( ^ω^)「少し辛いお話になると思うお。それでもいいですかお?」

(*゚―゚)「はい。高岡さんに何があったのか教えてください」


58 名前: ◆K/ms5.N0fc [] 投稿日:2007/03/04(日) 16:06:30.76 ID:DOr29HKu0
ブーンはこの際捜査上の機密には目をつぶる事にした。
こちらが真実を話せば、しぃも事情聴取に協力してくれるだろう。

それに、高岡に薬物反応が出た事など、すぐにマスコミに流れるはずだ。
そうやって真実を知らされるよりは、今真実を話した方が傷は浅く済むかもしれない。

ブーンは拙い会話術で高岡の死因を説明した。
その薬物がキャンディである事も教え、その所持疑惑まで持たれている事を話した。

ブーンがキャンディの名前を出した時、クーは少し眉をひそめたが、
本当にこの場をブーンに任せているようで、特に口を挟む事は無かった。
この間、しぃはほとんど表情を変えずにブーンの話に聞き入っていた。
そして、ブーンの話しが終った時、おもむろに口を開いた。


59 名前: ◆K/ms5.N0fc [] 投稿日:2007/03/04(日) 16:07:37.91 ID:DOr29HKu0
(*゚―゚)「それでは、高岡さんの死因はキャンディの副作用で、
     高岡さんはキャンディを複数個所持していた疑いがあると。 
      そう言うことですね」

( ^ω^)「そう言うことだお。だから高岡さんのことで思い当たる事が在ったら、
        何でも言って欲しいんだお」

(*゚―゚)「わかりました。高岡さんのことですし、薬物まで絡んでいるなら
      私の出来る範囲で協力させていただきます。お役に立てるかわかりませんが」

( ^ω^)「気楽にお話ししてくれればいいんだお」


61 名前: ◆K/ms5.N0fc [] 投稿日:2007/03/04(日) 16:08:47.48 ID:DOr29HKu0
そう言ってブーンは聴取を取り始めた。
ブーンはしぃに話し掛けるとき、常に優しく我慢強くあることに勤めた。
実際、ブーンの子供好きも事も幸いして、しぃの聴取は順調に進捗し、
大丈夫だと判断したクーは、しぃの部屋の捜索を願い出た。

一寸ためらったしぃだったが、ブーンに協力を要請され、捜索を受け入れた。
クーの姿が応接室から消えると、ブーンはしぃに無声音で語りかけた。

( ^ω^)「あの人はクールすぎて怖いですお。さっきは正直スマンかったお」

(*゚―゚)「いえ、あの人はとても優しい人なんじゃないでしょうか。私にはそう思えます」

( ^ω^)(優しい一面なんてみたことないお・・・)

それからブーンは事情聴取を再開し、あらかた質問を終えた時、期クーが戻ってきた。
ブーンは事情聴取が終った事をクーに告げた。


62 名前: ◆K/ms5.N0fc [] 投稿日:2007/03/04(日) 16:09:32.51 ID:DOr29HKu0
川 ゚ -゚)「では、もう用は済んだと言う事だ。しぃさん、ご協力感謝する」

(*゚―゚)「いえ、あまりお役にたてずに申し訳ありません」

( ^ω^)「そんな事無いお。興味深い話がいくつかあったお」

(*゚―゚)「そうですか。何かのお役に立てれば幸いです」

そうしてブーンとクーはしぃの家を辞した。

川 ゚ -゚)「次の目的地は、高岡と頻繁に接していたヒートという少女の家だ。私がナビする」

( ^ω^)「把握した」

車に乗り込みエンジンをかけたブーンは、クーに尋ねた。

( ^ω^)「しぃの部屋はどうでしたお?」

川 ゚ -゚)「あぁ、やはり特に手懸りは無かったな。普通の女の子の部屋だ。
     そちらの聴取はどうだった?」


63 名前: ◆K/ms5.N0fc [] 投稿日:2007/03/04(日) 16:10:11.17 ID:DOr29HKu0
クーに問われるままに、ブーンは事情聴取のあらましを話した。
しぃは高岡とは自他共に認める親友で、高岡との親交は厚かったようだ。
表情には表さないが、高岡の死にはかなり衝撃を受けていたらしい。

学校での生活態度は高岡同様いたって真面目で、薬物を所持するような節は見当たらなかった。
成績は中の上くらいで、問題などおこさない児童である。

キャンディの話しに移ると流石にその表情は歪んだものの、冷静さを失う事は無かった。
高岡が薬物中毒死したことも受け入れ、現実逃避をする事など無い。
高岡のキャンディ所持については、全く思い当たる節が無いと言うことである。

しぃの家でもキャンディと高岡の関連性は見つからなかった。
重苦しい空気が車内を満たした時、突然緊張の糸が切れた。


99 名前: ◆K/ms5.N0fc [] 投稿日:2007/03/05(月) 15:12:50.50 ID:gMLBDrAM0
その知らせは突然だった。

携帯「疾風の様に〜ザブングル!ザブングル!」

( ^ω^)「アッー、ツンだお・・・完全に忘れてたお・・・」

携帯の時刻表示は午前十時半。
本来なら今日のブーンは非番であるが、もはやそれはどうでも良くなっていた。
非番である事を忘れて捜査をしていたのだが、もっと重要な事を忘れていたのだ。

携帯「今日もさすらい涙も枯れる!」

「十時にニューソク美術館前集合」
この言葉がブーンの脳内を駆け巡る。
それは一週間前のツンの言葉であった。

川 ゚ -゚)「どうした、出ないのか」

( ^ω^)「で、出ますお・・・」

ブーンは車を路肩に止め、携帯を手にとった。


100 名前: ◆K/ms5.N0fc [] 投稿日:2007/03/05(月) 15:13:11.73 ID:gMLBDrAM0
( ^ω^)「もしもし、ブーンd・・・」

ξ゚听)ξ『今何時だと思っているの馬鹿ブーン!?もう一時間も待ってるんだからね!』

( ^ω^)「え、まだ十時半だお」

ξ゚听)ξ『う、うるさいわね。ちょっと早めに着いちゃっただけなんだからね。
     待たせたくなかったなんて事は無いんだからね!』

( ^ω^)(これなんてツンデレ・・・・・)

ξ゚听)ξ『今何してるのよ!?今すぐ来ないとアナルにフリスク一箱入れるわよ』

( ^ω^)「ちょ、それは勘弁だお。
     実は昨日の夜中に大事件が起こったんだお。その事件の捜査中なんだお」

ξ゚听)ξ『へー、碌な仕事も無い窓際分室のブーンさんは、私より仕事が大切なのね。』

( ^ω^)「決してそういう訳ではないお。突然事件が発生して忘れてたなんて・・・」

ξ゚听)ξ『やっぱり忘れてたのね・・・もういいわ・・・さよならバカブーン!』

( ^ω^)「あ、ちょ、待つお。ツンー!」

ブツッ、ツーツーツー


101 名前: ◆K/ms5.N0fc [] 投稿日:2007/03/05(月) 15:13:45.40 ID:gMLBDrAM0
( ´ω`)(完全に嫌われた上に怒られたお・・・どうすれバインダー・・・)

落ち込むブーンにクーが容赦なく言葉を浴びせる。

川 ゚ -゚)「くだらない痴話喧嘩は終ったか?落ち込んでいる暇など無いぞ。
      さっさとヒートの家に行こう。本隊の連中が来る前に調べてしまうぞ」

「くだらない」――その一言はブーンの心の箍を少しゆるめた。

( ^ω^)「くだらない痴話喧嘩なんかじゃないですお!
         僕にとって今の電話は大切な事ですお!」

川 ゚ -゚)「だが、今はそんなくだらない感情に振り回されている場合じゃないだろう」

( ^ω^)「僕の想いはくだらないと言いたいんですかお」

川 ゚ -゚)「私にはブーンの考えなど及びもつかないが、
     今、無駄な事に時間を費やしている暇は無いだろうと言いたいんだ」


102 名前: ◆K/ms5.N0fc [] 投稿日:2007/03/05(月) 15:14:06.80 ID:gMLBDrAM0
クーの硬質な言葉にブーンは過剰に反応した。
今日これまでの軋轢の積み重なりが、音を立てて崩れ始めた。

( ^ω^)「無駄な事・・・無駄な事ってなんですお!」

川 ゚ -゚)「捜査に支障をきたす感情のことだ」

( ^ω^)「クーさん・・・あんた誰かを好きになった事無いんですかお。
      誰だって好きな人と一緒にいたいし、嫌われたくないですお」

川 ゚ -゚)「そうか、だったら今から行ってやればいいじゃないか」

( ^ω^)「そんなわけにはいかないですお。今やるべき事ぐらいわかってますお」

川 ゚ -゚)「それなら話が早いな。さぁ、ヒートの家に向けて出発だ。」

クーの機械的とも言える事務的反応にブーンの箍はさらにゆるむ。

( ^ω^)「アンタは人の痛みがわからないんですお。
        いつもクールに振舞って、無意識に人を傷付けてるんですお!」

川 ゚ -゚)「・・・何を突然怒るんだ?私は今やるべき事を言っただけだぞ」

どこかでブーンの心の箍が外れる音がした


103 名前: ◆K/ms5.N0fc [] 投稿日:2007/03/05(月) 15:14:31.81 ID:gMLBDrAM0
( ^ω^)「その態度が腹立つんだお!僕らはロボットじゃないお!
      正解の選択肢をとることだけが正しい事じゃないんだお!
      アンタはいつでも冷静で正しいお!でも、でも、
       アンタは気が付かないだけで、アンタはいろんな人を傷付けているはずだお。
        何気ない一言が人の心をえぐる事もあるんだお!」

ブーンはそれだけを一気に捲くし立てると、ハンドルに両手をつき突っ伏した。
そんなブーンを見てクーは混乱していた。

眼前のこの男は何を怒っているのだろう。
私はそんなに悪い事を言ったのだろうか。
クーにはブーンを傷付ける事など言った覚えは無い。

川 ゚ -゚)「すまないが本当に何が言いたいのかわからない・・・。
そんなに・・・私が悪いのか?」

ブーンが深いため息をつく。
そのままの姿勢でぼそぼそとつぶやいた


104 名前: ◆K/ms5.N0fc [] 投稿日:2007/03/05(月) 15:14:57.33 ID:gMLBDrAM0
( ´ω`)「もういいですお・・・。今のは無かった事にして欲しいですお。
僕の問題に僕が一人で怒っていただけですお。
クーさんには関係が無いのに八つ当たりしてしまったお・・・。
申し訳なかったですお」

川 ゚ -゚)「あ、あぁ、それならいいんだ。さぁ、出発しよう」

心なしか湿度の増した車内の空気に気圧されながらも、クーは職務を果たそうとする。
ブーンはゆっくりと頭を上げ、車を発進させた。
それからはお互いの口から音が発せられる事はなくなった。




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