3 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/20(火) 22:51:34.23 ID:ncUXidnS0
ここまでの登場人物 まとめ。
左から、AA・名前・年齢
(´< _` ) 弟者 15
( ´_ゝ`) 兄者 2
( ,,゚Д゚) ギコ 49
(*゚ー゚) しぃ 25
(*゚∀゚) つー 25
('、`*川 アホサス 24
川 ゚ -゚) クー 24
/ ・ω・ヽ ぽ ??
(Д゚) 中の人 ??
( ゚∀゚) ジョルジュ 故人
川д川 ロッキー 15
(???) ??? ??
5 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/20(火) 22:52:24.57 ID:ncUXidnS0
( ,,゚Д゚)「そんなわけで、今夜はドクオを粛清するわよ」
(´< _` )「そんなわけってどんなわけで」
( ,,゚Д゚)「だからこうやってみんなで作戦会議してるんでしょ!?」
(*゚∀゚)「あなたの名前は!?」
川 ゚ -゚)「クー。今流行の、派遣やってます」
(*゚ー゚)「おおおぉ、す、すごいなあ」
川 ゚ -゚)「そこの大通りでティッシュが必要になれば、是非私に申しつけてくれ」
(*゚∀゚)「おーおー、それっぽいぞ!?」
(*゚ー゚)「よろしくお願いしますね」
('、`*川「アンタってそういえば、テレビを通じてどこにでも移動できるの?」
川д川「や、やったことないのでわからないです」
( ,,゚Д゚)「うんうん、会議は順調に進行してるわね」
(´< _` )「ああもうなんか混沌……」
第八話 はじまり
(今回と次回、一部、よい子がマネをしてはいけない展開が繰り広げられます、多分)
7 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/20(火) 22:52:54.08 ID:ncUXidnS0
(*゚ー゚)「へえ、クーさんって子供いるんですか?」
川 ゚ -゚)「今月、小学生二年生になる」
( ,,゚Д゚)「んん? なんか会議の方向が間違ってない?」
(´< _` )「すでに井戸端会議の様相を呈していますが」
3LDKとはいえ、リビングに集まっているのは七人。
キツキツにもほどがある。
(´< _` )「そういえば、アホサスが持っている古着はそれに関連して?」
川 ゚ -゚)「ああ、それは」
('、`*川「それは、ねえ」
アホサスの表情から輝きが消える。
黄昏の表情。双眸が彼方を射抜く。
('、`*川「昔……私にも子供がいたの」
(*゚ー゚)「え……」
('、`*川「でも……あの子、すぐに亡くなっちゃってね。
それなのに、家にある子供用品は捨てられなかったの……」
(*゚∀゚)「……」
('、`*川「バカよね……私」
8 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/20(火) 22:53:22.11 ID:ncUXidnS0
川 ゚ -゚)「嘘つけ」
クーが一蹴。
(*゚∀゚)「え、嘘?」
('、`*川「♪〜」
川 ゚ -゚)「昔……沖ノ鳥島に派遣されたとき、一時的にこいつに子供を預けたんだ」
(*゚ー゚)「はあ、そうだったんですか」
(´< _` )「っていうか沖の鳥島で何を?」
川 ゚ -゚)「シマの死守。それでな、その時こいつは古着を拾ってきたらしい。
ゴミ捨て場から」
(´< _` )「何やってんだ」
('、`*川「だってクーったら、着るものとかは全然貸してくれなかったもん。
ついでにモビールとかも拾った」
(*゚ー゚)「なんだ、信じて損した」
('、`*川「誰だ、嘘をついたのは!」
(´< _` )「黙ったまま死んでください、どうぞ」
('、`*川「断りますぜ、ダンナ」
9 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/20(火) 22:53:58.00 ID:ncUXidnS0
( ,,゚Д゚)「はいはい、おしゃべりはそこまで!」
ギコが食卓をバシバシ叩く。
( ,,゚Д゚)「会議に戻るけど……さっき言ってた話。
えっと、ロッキー!」
川д川「はい……」
( ,,゚Д゚)「あなた、ちょっとテレビを介してドクオの家に侵入してくれない?」
(´< _` )「つまり不法侵入ですね」
川д川「ええええぇえ……」
( ,,゚Д゚)「大丈夫よ。あなた、部屋で見つけたゴキブリを捕まえる?」
川д川「ゴキブリ……私……ゴキブリ……?」
(´< _` )「捕まえませんが、殺します」
川д川「ヒィッ!?」
( ,,゚Д゚)「つまりそういうこと。それじゃ、頼むわね」
川д川「あ、ちょ」
(´< _` )「そうするにしても、彼が家に居ないときの方がいいのでは?」
10 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/20(火) 22:54:26.96 ID:ncUXidnS0
川д川「そうですよ! それに、こ、心のじゅん(*゚∀゚)「安心しな!」
(*゚∀゚)「さっきそこでヤツとすれ違ったよ。どこかに行ったみたいだ」
川д川「……」
( ,,゚Д゚)「善は急げ。ああ、それと、向こうに行ったら……」
ギコがロッキーを引き寄せて。
ごにょごにょ
ごにょにょ
ごにょ
川д川「はい……わかりまひゃっ!?」
( ,,゚Д゚)「あんた、耳、弱いわね」
川д川「……行ってきます!」
ロッキーはしぶしぶテレビの中へと身を投じる。
彼女の身体は、スムーズに消えた。
11 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/20(火) 22:55:19.26 ID:ncUXidnS0
( ,,゚Д゚)「久々に血が騒いだわ」
そんなギコに、耳を近づけるアホサス。
( ,,゚Д゚)「?」
('、`*川「……なーんでーもなーい」
( ,,゚Д゚)「あら、そう?」
('、`*川「……もう、鈍感なんだから♪」
川 ゚ -゚)「年齢的にキツい」
('、`*川「何ぃ!?」
(´< _` )「つーか、なんで内緒話?」
( ,,゚Д゚)「そりゃアンタ、秘密にしといたほうが楽しいじゃないの」
(´< _` )「会議じゃなかったのか」
( ,,゚Д゚)「さて、今のうちに他のことも決めましょう」
そして。
会議は続く……。
ごにょにょ……。
やがてロッキーがブツを持ち帰って来たときには、
すでに大体のことが決定されていた。
12 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/20(火) 22:55:39.56 ID:ncUXidnS0
( ,,゚Д゚)「あら、お帰り」
川д川「た、ただいま……ええと、その、あの、持ってきました、けど」
( ,,゚Д゚)「でかした。それにしてもアンタ、なんで顔が赤いの?」
川д川「……そ、そんなこと、ないです」
( ,,゚Д゚)「いや、だってほら、前髪も赤くなってるし」
(´< _` )「ねーよ」
ロッキー、ブツを差し出す。
それは二枚の写真。
一枚は、おそらくドクオが愛して止まないという「アスカ」という人物のモノ。
二次元のスマイルがこちらを見つめている。
弟者は吐き気を感じた。
14 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/20(火) 22:56:07.83 ID:ncUXidnS0
川д川「探すの、大変でしたけど、机の中に一枚だけ、ありました」
(´< _` )「やってることがコソドロと変わらない」
( ,,゚Д゚)「でも殺されなかったわ」
(´< _` )「ゴキブリってレベルじゃねーですが」
川д川「……崖」
(´< _` )「は?」
川д川「崖……宙づり……ひんむいて……いやだ……」
(´< _` )「時にギコさん」
( ,,゚Д゚)「何かしら、弟者さん」
(´< _` )「ロッキーに何を吹き込みました?」
( ,,゚Д゚)「その言い方には悪意があるわね。ちょっと、ね?」
(´< _` )「そんな二人だけの秘密よん? みたいな感じで言われると殺意が芽生えます」
16 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/20(火) 22:56:33.69 ID:ncUXidnS0
( ,,゚Д゚)「で、彼女が持ってきた、もう一枚は……家族写真」
(´< _` )「ああ、そんな感じですね」
要約すると、
J( 'ー`)し('A`)
こんな感じである。
( ,,゚Д゚)「これを、私は彼の中に燻る最後の良心と考えるわ」
(*゚∀゚)「でも私たちがやろうとしてることって、結構外道だよね」
川 ゚ -゚)「ああ、非道だな」
('、`*川「むしろ犯罪、みたいな」
(*゚ー゚)「みたい、じゃなくて立派な犯罪ですね」
( ,,゚Д゚)「じゃあ、計画通り進行させるわよ。
しぃ、この二枚を拡大コピーしてきて。
できるだけ素早くね。ヤツが帰ってくるとマズいから。
さあ、ほかの皆さんは目出し帽を装備しましょう。
それと、誘拐する時には……わかってるわね?」
('、`*川(*゚∀゚)(*゚ー゚)「りょーかい!」
18 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/20(火) 22:57:09.86 ID:ncUXidnS0
川д川「あ、あの、弟者、さん?」
(´< _` )「はい?」
川д川「な、何が始まるんですか?」
(´< _` )「……」
川д川「……」
(゜< _゜ )「まさに外道ォ!」
川д川「!」
(´< _` )「つまり、そういうこと。
ほら、目出し帽」
川д川「……何か、犯罪とか言ってましたけど」
(´< _` )「バレたら、まあ……そういえば、デカはカツ丼を奢ってくれないらしい」
川д川「……とめなくて、いいんですか?」
(´< _` )「今日はフィーバーデーだから。
スーパーでいうと、消費税分還元デー、みたいな」
川д川「はぁ、そうなんですか」
そして夜。
ドクオが帰宅すると同時に、作戦は開始される。
20 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/20(火) 22:57:30.33 ID:ncUXidnS0
――――ここで、視点の変更が使用されます――――
包む暗澹。
ドクオは両手に袋を提げて、エレベーターに乗っていた。
精神の高揚。めくるめく人形の世界。
('A`)「フッヒッヒーアッスッカ〜♪」
脳内に浮かぶイメージ。
自分の周囲を無数のアスカが埋め尽くしている。
ドクオは最高の気分でエレベーターから一歩踏み出す。
その瞬間だった。
彼を、何者かが拘束した。
すぐに視界を覆われる。
('A`)「な、なんだよおまムグッ!?」
続いて口。
「アンニョンハシモニカ!」
('A`)(はぁ!?)
21 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/20(火) 22:57:49.19 ID:ncUXidnS0
「キムジョンナムカシマハムニダ!」
「HEY! BOY! YARANAIKA?」
「ボンジョベーノカルボナーラペスカトーレ!」
「え、あ、ええと、そのう、ごめ「こらロッキー! 誘拐の時は外国語使えって言われたでしょ!」
「え、あ」
「カネ! カネ!」
('A`)(この男の嬌声、ハイテンションな女)
いつの間にか抱え上げられ、どこかへと運ばれるドクオ。
彼は思った。
('A`)(あいつらかよ……)
('A`)(つーか俺のアスカたちを返せよ!!!!)
('A`)「ムグー! ム、グ!」
「ジュテイム!」
22 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/20(火) 22:58:12.89 ID:ncUXidnS0
ドアが開く音、閉まる音。
廊下を走る音。
誰かの歓声。
そのまま、目隠しされていてもわかるほど暗い場所に連れ込まれ……。
ドクオは椅子に座らされた。
即座に四肢を拘束される。
しばしの沈黙。
やがて、誰かが近づいてきた。
口を塞いでいた布のようなものが取り除かれる。
「さぁて、あなたは誘拐されたわよ」
「ぱぱぁ?」
「時に兄者、少し黙ろうか」
('A`)「……またお前らか」
「そ、それはどういうことかな!?」
('A`)「いいから目隠しをはずせよ! 面は割れてるんだよ!」
「……仕方ないわね。その代わり、絶対下を見ちゃだめよ」
23 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/20(火) 22:58:38.08 ID:ncUXidnS0
( ,,゚Д゚)「ハッローゥ」
('A`)「……」
暗い部屋に、SM用蝋燭の明かりが灯されている。
そして天井には、なぜかモビール。
目の前に、目出し帽を被った輩が二人。
一方はボンテージを着用している。しかしどう見ても男。
( ,,゚Д゚)「どうかな、気分は」
('A`)「アホ言ってんじゃねえよ。つかなんだよ、この状況は」
( ,,゚Д゚)「そりゃあんた、拘束」
('A`)「わかっとるわボケ!」
(*゚∀゚)「或いは誘拐。でも身代金は求めない!」
('A`)「ああもう、いいよ。さっさと用を済ませてくれ」
( ,,゚Д゚)b「イエーッス。それでは、順を追って説明するわね」
ピシャリ、と。
鞭が唸る。
24 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/20(火) 22:58:56.61 ID:ncUXidnS0
( ,,゚Д゚)「アンタは先日、酒の席で自分がニートだと言いました」
('A`)「ああ、言ったよ」
( ,,゚Д゚)「ついでに、親から仕送りを受けて生活しているとも」
('A`)「酔うと口が緩くなるから困る」
( ,,゚Д゚)「それは許されない」
('A`)「なんでだよ」
( ,,゚Д゚)「常識的に」
('A`)「そんなもん、家庭の問題だろうが。
他人のオカマには関係ないね」
( ,,゚Д゚)「な、なんですって!?」
('A`)「わかったよ。来年度から働く」
( ,,゚Д゚)「394日も先のこと言わないの!」
(*゚∀゚)「おされてるよ、おとーさん」
('A`)「俺にはアスカがいるから大丈夫なんだよ!
他のことなんか知ったこっちゃねえ。
仕送りがなくなっても、アスカと添い遂げられるなら本望だ」
25 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/20(火) 22:59:19.65 ID:ncUXidnS0
(*゚∀゚)「そういえばさっきの袋、すんごい量のアスカが」
( ,,゚Д゚)「アンタは蟻のように群がるアスカを見て楽しいの?」
('A`)「もうね、わかる? この抑えられない欲求。 アイウォントユーみたいな?
ほら、寝るときにさ、掛け布団をアスカに見立てるんだよ。
それで、いろいろ話しかけたりするんだよ。
そのうちに眠りにつく、これ最高。
パソコン画面にアスカ、ふと横を見ればアスカ。
天井にもアスカ。振り返ればアスカ」
( ,,゚Д゚)「霊じゃないんだから……っていうか、掛け布団をアスカにって」
(*゚∀゚)「いや、中学生にはよくあること。
ほら、枕でキスの練習とか。
でも、さすがに痛いよね」
( ,,゚Д゚)「そうよねえ、やり過ぎよね。社会復帰できないほどに」
(*゚∀゚)「抱き枕ぐらい買えって話よ」
( ,,゚Д゚)「そっち?」
('A`)「!」
( ,,゚Д゚)「うるせえ」
('A`)「何も言ってねえ」
26 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/20(火) 22:59:45.21 ID:ncUXidnS0
( ,,゚Д゚)「さて、ここでサプライズ」
('A`)「なんだよ」
( ,,゚Д゚)「……見下げてごらん」
('A`)「ん……?」
俯いてみる。
そこに、二つの人と思われる影がボンヤリと。
ドクオは、その顔面を踏みつけている。
椅子の脚に縛り付けられているため、動かせない。
('A`)「なんだ、これ」
怪訝そうなドクオにギコが歩み寄る。
( ,,゚Д゚)「さあ、つー! ライトアップ!」
瞬間、室内に光。
ドクオは、一瞬の合間の後に驚愕した。
右足が拡大されたアスカを。
そして、左足が同じく拡大された母親を。
それぞれ、踏みつけていたのだ。
27 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/20(火) 23:00:04.05 ID:ncUXidnS0
('A`)「ちょ、ちょ、ちょっと待て!!」
椅子ごと飛び退こうともがくドクオ。
( ,,゚Д゚)「はいはい、暴れない暴れない」
しかし隠れマッチョ、ギコがそれを許さない。
('A`)「俺の、俺の……」
( ,,゚Д゚)「俺の、何?」
('A`)「はぁ!?」
( ,,゚Д゚)「俺の、アスカ? それとも俺のマミー? どっち?」
('A`)「何を言ってるんだよ……」
( ,,゚Д゚)「あなたの良心を確かめてるのよ。
本当に大事なのは、母親か、アスカか……」
(*゚∀゚)「おお、これは泣ける展開」
踏み絵戦法、ここに極まれり。
('A`)「んなことどーでもいいんだよ、俺のアスカに何しやがってんだ!」
28 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:2007/02/20(火) 23:00:22.20 ID:ncUXidnS0
時が止まる、或いは見える。
( ,,゚Д゚)「……は?」
('A`)「ああ、アスカ、大丈夫か!? こんなにでっかくなっちゃって、おい!?」
( ,,゚Д゚)「……あの、予想と違う……」
('A`)「俺のアスカに手を出して、覚悟はできてるんだろうな!? ええ!?」
( ,,゚Д゚)「……」
(*゚∀゚)「ダメじゃん」
・・・
・・
・
第八話 おしまい
【関連】
一気読み
第一話
-
第二話
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第三話
-
第四話
-
第五話(前)
-
第五話(後)
-
第六話
-
第七話
-
第八話
第九話