( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`) 〜( ^ω^)ブーンが半年病のようです 第4話〜

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3 名前: 商人(愛知県)[] 投稿日:2007/03/15(木) 15:15:28.40 ID:f6unWRrT0
クーの日記

今日もカウンセリングに行ったがブーン君は自分の立場をよく認識しているようだ。
今までの経験上、死を迎えるにあたってそれを受け入れるまでの期間が短いように思える。
だが、単純にブーン君の精神構造が死を受け入れやすい形をしているのかもしれない。
死を思い恐怖しても拒否することはしていないようだ。
半年病の印籠的効果をよく理解していて
使っていい場面とそうでない場面での使い分けが上手い。
不思議だ。なぜそうなったのだろう。興味深い。
しかし彼なら私の考えを理解してくれるような気がする。
理解しないまでも理解しようとする心があると思う。
だが、まだ話さなくてもいいだろう。人によっては私の話を悪とするものもいる。
また半年病に次ぐ印籠的効果が出てしまう。あまり半年病患者には話したくない。
結局それは甘えになってしまう気がするから。
それと気になるのがブーン君の自慰行為だ。
部屋のゴミ箱にそれらしきものは見つからない。
性的に不能になった場合さらに自分を卑下する可能性がある。
ブーン君は大丈夫だろうか。



4 名前: 商人(愛知県)[] 投稿日:2007/03/15(木) 15:16:31.53 ID:f6unWRrT0

チームが結成されて一週間がたった。
この間に大体の方針や機体の構造が決まり
あとは、実際に飛ぶための揚力計算や強度計算、機体の製作をするだけだ。
他にもチーム内でのルールも出来上がった。
集まりは二日に一回。来れない場合は必ず連絡すること。
機体の制作費二百万はブーンが管理し、材料を買ってきたときに
レシートと交換すること。
この二つが主なルールとなった。
特に不満の声は出ず三人はルールを守ると約束しあった。



5 名前: 商人(愛知県)[] 投稿日:2007/03/15(木) 15:17:37.28 ID:f6unWRrT0

三人の大学は工学系だったので工作機械や
計算などは教授に質問すれば大抵のことが解決した。
一番大きかったのはCADが学内で使用できたことだった。
CADはコンピューターを使って三次元の図面を描き
応力計算や流体の計算がシミュレーションできるものだ。
これにより機体の設計が比較的簡単となった。



6 名前: 商人(愛知県)[] 投稿日:2007/03/15(木) 15:19:45.88 ID:f6unWRrT0

大学内、そろそろ一日の授業が終わり学生が帰宅するころ
ある二人が今後の予定を話し合っていた。

('A`)  「ショボン、俺ちょっと教授に揚力計算のこと聞いてくるわ。
     だから遅れるってブーンに伝えといてくれ。」

(´・ω・`)「わかったよ、じゃあ僕は先に帰ってブーンの手伝いしているね。」

ブーンは無駄な学費を親に負担させたくないと思い大学を辞めた。
そのため施設を使用できない。
代わりにガレージで今できる作業を行っている。
ドクオが計算でわからない部分を教授に聞きに行き、ショボンは駅へ歩いていった。



9 名前: 商人(愛知県)[] 投稿日:2007/03/15(木) 15:22:46.77 ID:f6unWRrT0

流体が専門の教授の部屋へ行きノックするドクオ。
彼はこんな風に質問をしに行くのは初めてだったので少し緊張していた。
部屋の中からどうぞという声が聞こえる。

('A`)  「失礼します。今日はちょっと質問があってきました。」

そう言いドクオは部屋の中に入る。

( ・∀・)「じゃあそこに座って。
     質問って何かな?」

('A`)  「実はこれの計算法なんですけど…」

翼の断面図を見せながら質問をする。
本職であるモララー教授がすぐに、飛行機の翼断面だと気づく。
そしてなぜ生徒がこんなものを持ってきたのかが気になり率直に尋ねる。

( ・∀・)「これは、飛行機の翼断面だね。
     僕の授業じゃこんなことやってないけど
     何でこんなものもってきたの?」

('A`)  「いえ、ちょっとあれでして…」


11 名前: 商人(愛知県)[] 投稿日:2007/03/15(木) 15:24:54.78 ID:f6unWRrT0

ドクオは答えをはぐらかそうとする。
飛行機を作るなんて恥ずかしくて言いたくなかった。
多分笑われるだろうから。自分がブーンにしたように。

( ・∀・)「気になるね。なんで?」

あくまで答えを求めようとするモララー教授。
説明をしなければ教えてくれそうにない雰囲気の中
ドクオは俯きながら話した。

('A`)  「いや、あの実は僕、鳥人間コンテストに出場しようと思いまして
     それで、揚力計算でわからないところがあったんで聞きにきたんです。」

恥ずかしそうに話す。


12 名前: 商人(愛知県)[] 投稿日:2007/03/15(木) 15:26:37.53 ID:f6unWRrT0

しかしモララー教授はドクオを見ながら、微笑んでいる。

( ・∀・)「そういうことなら、早く言いたまえよ。
     なんか楽しそうじゃないか。どれ、どこがわかんないんだ?」

モララー教授が急に嬉しそうに話す。
じつはそんなものだ。
自分が恥ずかしがっていても相手からすれば
羨ましいことかもしれない。
このときはまさにそれだった。
誰しも目標に向かっている人を笑いはしないだろう。
さらに、それが道理にかなった方法だったら。
そんなことに気づきながらもまだ少し恥ずかしそうにドクオは質問をする。
それと大人は、実は青年のそんな青臭いようなことが大好きだった。



14 名前: 商人(愛知県)[] 投稿日:2007/03/15(木) 15:30:10.05 ID:f6unWRrT0

ショボン家のガレージではブーン、ショボン、クーの三人がいた。
クーはカウンセリングのためきているのだが、つい飛行機が気になって
長居してしまう。
もうショボンもドクオもクーに慣れていた。

理系ではないクーだがどうやって飛ぶか興味があるらしく
作業をしているブーンによく質問をしていた。
ショボンはパソコンで計算値を確認している。



15 名前: 商人(愛知県)[] 投稿日:2007/03/15(木) 15:31:56.35 ID:f6unWRrT0

川 ゚ -゚)「なあブーン君、これはどうやって操縦するんだ?」

基本的なことを聞いてくるクー。
ブーンはこんなクーに教えるのが楽しいらしく作業を中断して教えだす。

( ^ω^)「こんなふうにする予定だお。」

図面を取り出しクーに見せる。
しかし、図面の読み方を知らないクーは理解できない。

川 ゚ -゚)「すまんがよくわからん。」

クーはストレートに言う。
ブーンは教えたいらしく、その辺を見渡し説明できるようなものを探した。


16 名前: 商人(愛知県)[] 投稿日:2007/03/15(木) 15:34:12.63 ID:f6unWRrT0

そして、自転車を持ってきてクーに説明する。

( ^ω^)「これみてお。ペダルを回すとタイヤが回るお。
      これのちっちゃいのを二個作って昇降舵と尾翼を動かすんだお。」

と言って簡単な説明をする。
実物の例を見せたほうがイメージしやすくクーも納得する。

川 ゚ -゚)「なるほど、それをここに付けるわけか。
     そうなると、映画で見たような操縦桿はないんだな。」

飲み込みが早く、一歩先を答えとして出す。
ブーンは説明のしがいがあるなと満足して作業に戻る。



18 名前: 商人(愛知県)[] 投稿日:2007/03/15(木) 15:37:58.69 ID:f6unWRrT0

ドクオがやってきた。
何故か小汚いコンポセットを抱えている。

('A`)  「ういーす。サボってんじゃねぇぞ。」

挨拶をしてコンポセットを下ろす。
さらにドクオの鞄からレンタルの袋が見える。

(´・ω・`)「ドックン何それ?」

('A`)  「なにってコンポセットだろうが。
      ガレージ内が寂しいから拾って持ってきたんだよ。」

(´・ω・`)「いやそうじゃなくて、それ昨日僕が捨てたの。」

('A`;) 「そうなの?」

(´・ω・`)「まだ使えるけど、古いから捨てたんだよ。」

('A`;) 「まあいいじゃねぇの使えるんなら。」

('∀`)  「とりあえずいいもん持ってきたんだよ。
      コンセント借りるぞ。」

笑顔でコンセントにプラグを差し込むドクオ。
レンタルの袋からCDを取り出しコンポに入れる。
歯医者のドリルのような音を出しながら起動するコンポ。
そこから誰もが知っている曲が流れ出す。


19 名前: 商人(愛知県)[] 投稿日:2007/03/15(木) 15:39:34.26 ID:f6unWRrT0

('∀`)  「いいだろこれ。この場所にぴったりだろ。」

ドクオが笑顔のまま同意を求める。
誰もが好きな曲。多分嫌いな人はいないんじゃないだろうか。
そしてそれは、この場にぴったりだった。
ベースのソロから始まるメロディーが特徴的な曲。








〜When the night has come〜

コンポから流れるのはスタンドバイミー。
もちろん、名画スタンドバイミーの主題歌。
この映画を見た人はこんな冒険に憧れたんじゃないだろうか。
一生の思い出に残るような出来事に。


21 名前: 商人(愛知県)[] 投稿日:2007/03/15(木) 15:42:14.29 ID:f6unWRrT0

皆作業を中断して曲に聞き入る。
サビのダーリンダーリンとスタンドバイミーを歌う部分だけ
クーを除く三人が熱唱しだす。

決して上手くはない。けど三人はその瞬間が楽しかった。
憧れていた、映画のように思い出に残る出来事。
それを経験中の三人はその曲が無性に気に入った。

( ^ω^)「おっおっ、いいお気に入ったお。」

('∀`)  「だろだろ。」

(´・ω・`)「なんか映画の中に入った気分だよ。」

('∀`)  「だろだろ。」

皆が満足したその後、ドクオが質問してきた計算式に値をあてはめ、
数値を出したとこでこの日は解散にした。
スタンドバイミーはずっとリピート再生だった。



24 名前: 商人(愛知県)[] 投稿日:2007/03/15(木) 15:49:42.44 ID:f6unWRrT0

何か目標に向かっていると時が経つのは早い。
でも振り返って見るとまだこんな日か、とも思う。
ただ変わったことはブーンが半年病になったこと、それと
ドクオとショボンが教授たちと仲良くなったこと。
校内を歩いている二人を見つけるといつも声をかけてくるようになった。
特にモララー教授。

( ・∀・)「おい、ドクオ君ショボン君待ちたまえ。お昼はもう食べたかね。
     よかったら一緒に食べようじゃないか。」

狙っているのか同じ曜日に声をかける。
しかし、お昼代を出してくれるので二人は喜んでついていく。



26 名前: 商人(愛知県)[] 投稿日:2007/03/15(木) 15:52:49.75 ID:f6unWRrT0

( ・∀・)「どうだね、あれから。
     どこまで進んだ?」

話すのはもっぱら飛行機のことばかり。
というか教授も参加したいようだ。

('A`)  「そうですね、後は翼の製作とプロペラの製作ぐらいですかね。」

進行状況を伝えるドクオ。
モララー教授には製作係としてのブーンの存在を教えていた。
けど、半年病のことは言わなかった。
言ったら多分、義憤にかられて手伝いだそうとすると思ったからだ。
手伝ってくれる分にはかまわないのだが、
教授という立場がガレージ内の関係を壊してしまうようにみえた。
対等な立場だからどんな意見も言い合えたが
教授の意見となると、どうしても権威が付きまとう。
そんなふうだから三人で話し合って
わからないところだけを教授に聞きに行くようにしていた。



27 名前: 商人(愛知県)[] 投稿日:2007/03/15(木) 15:55:46.40 ID:f6unWRrT0

( ・∀・)「そうか、プロペラ製作は難しいそうだからな。気をつけたまえよ。
     あのライト兄弟もプロペラが一番苦労していたと言っていたよ。」

教授というのは総じて子供っぽい。
モララー教授は結構な飛行機マニアらしくいろんな話をしてくれた。
そして、それが役立つときもあったし、眠くなるような話もあった。
ただ、いつも別れ際に羨ましそうな顔をするため二人は少し心が痛んだ。



28 名前: 商人(愛知県)[] 投稿日:2007/03/15(木) 15:57:28.25 ID:f6unWRrT0

ある日の集まりのない日。ブーンは自宅でクーを待っていた。
いつもの時間にクーが来る。
実はこのころブーンはクーに恋心を抱いていた。
カウンセリングを受けているうちに
クーの考え方や性格、自分自身に厳しいところ、それに話の論理性に惹かれた。
ブーンはこんな聡明な女性がいるんだと知った。
しかしブーンは悩んでいた。言っていいものか。
印籠的効果でクーを悩ませるだけじゃないか。



29 名前: 商人(愛知県)[] 投稿日:2007/03/15(木) 15:58:23.33 ID:f6unWRrT0

悩んでいるうちにクーがきた。いつもの言葉。

川 ゚ -゚)「おじゃまします、ブーン君のカウンセリングに来ました。」

もう慣れたものでクーはそのままブーンの部屋へと向かう。
一応ノックをして確かめる。

川 ゚ -゚)「やあブーン君、入るぞ。」

ブーンの返事があるまでクーはその場で待っている。
一度ブーンがトイレに入っていて返事がないときでも
十分ほど待っていたことがあった。
それ以来ブーンはクーが来る時間には部屋で待ったいるようになった。
ブーンがどうぞと声を出しなかに招く。



30 名前: 商人(愛知県)[] 投稿日:2007/03/15(木) 16:00:47.38 ID:f6unWRrT0

川 ゚ -゚)「こんにちは。今日はだいぶ顔色がいいな。
     睡眠を取っている顔をしている。」

クーは一度も調子はどうだと尋ねたことはなかった。
受け取り側がどんなふうにでもとれる質問をきらっていたからだ。
ただこのころブーンは不眠症になっていた。
寝る前にどうしても死を考えてしまうから。
自分は何者だ、自分はいったい何なんだと考え
もうすぐ来る死を思い起こし恐怖に襲われるからだ。
だから寝る前はいつも睡眠薬を服用する。



31 名前: 商人(愛知県)[] 投稿日:2007/03/15(木) 16:02:36.08 ID:f6unWRrT0

( ^ω^)「こんにちわですお。」

挨拶をしてクーを座るように促す。

川 ゚ -゚)「さて今日は何の話をする?」

ここ最近ブーンとクーはよく死について語りあっていた。
お互いに自分が考える死の定義などを話し合い
矛盾した所や、何でそう考えるかを教えあい
理解しあおうとしていた。




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