( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`) 〜ξ゚听)ξツンはメンクイのようです 第三話 波乱の予感!!〜

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105 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:44:12.19 ID:0Kb2zcrw0
年末拡大版スペシャル!!
第三話 波乱の予感!!の巻

至急取り寄せてもらった安眠枕のおかげで、
今日はキモい夢を見ることもなかった。
しかし、今朝はすごく爽やかだ。
目覚まし時計が鳴る前に
ぱっちりと目が覚ます事ができたし、
目覚めに飲んだグリーンティーには
茶柱が立っていたし、
今日の朝食は、私の大好きな
イケメンの男体盛りだった。
朝からハァハァなんて…いやん(はぁと

しかし、彼女の爽やかな気分とは裏腹に、
これから大きな波乱が起きるとは予想できなかったようだ。
その後彼女は、いつも通り、
お抱えの美容師に髪をセットしてもらい、
ディオール特注のセーラー服を着せてもらって、
リムジンで出迎えられて、学校に向かった。

107 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:44:56.83 ID:0Kb2zcrw0
学校につくといつも通り盛大に、私は出迎えられた。
今日は校長が花束を渡してくれた。あの狸め。
そして、私が廊下で、
『イケメン神輿DXバージョン〜花びら大回転桜の舞2006』
に揺られていると、ちょうど『奴』は私の前を歩いていた。
『奴』は普段どおり歩くたびに揺れる、
大腿…え〜っと何だっけ?
とにかく、なんとか筋に見惚れていた。
そしてターゲットは教室に入っていく。
私は前もって『奴』の生態を、
津手グループの工作員に依頼してもらっていた。
『奴』の行動パターンはまるっとお見通しだぁ!!
『奴』は毎朝教室に入るや否や、
教室に一枚だけ残してやった鏡でポーズを決め、
その日の健康状態をチェックする。
大丈夫だ、津手麗子。
私は『奴』の姿を幾度となく見せ付けられて、
もう免疫はできた。決して驚きはしない…決して!!

109 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:45:36.99 ID:0Kb2zcrw0
              (*゚ー゚*)
             __〃`ヽ 〈_
         γ´⌒´-−ヾvーヽ⌒ヽ    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        /⌒  ィ    `i´  ); `ヽ <  あらっ?おはようございます。
        /    ノ^ 、▲__¥▲人  |   \ 津手さん。
        !  ,,,ノ爻\_ _人 ノr;^ >  )    \____________
       (   <_ \ヘ、,, __,+、__rノ/  /
        ヽ_  \ )ゝ、__,+、_ア〃 /
          ヽ、___ ヽ.=┬─┬〈  ソ、
            〈J .〉、|..田 |, |ヽ-´
            /""  |..力 |: |
            レ   :|:..前 | リ
            /   ノ|__| |
            | ,,  ソ  ヽ  )
           .,ゝ   )  イ ヽ ノ
           y `レl   〈´  リ
           /   ノ   |   |
           l  /    l;;  |
           〉 〈      〉  |
          /  ::|    (_ヽ \、
         (。mnノ      `ヽnm

110 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:46:08.42 ID:0Kb2zcrw0
ξ;゚听)ξ「ゴカシャアアアンッ!!!グヴォエッ!!」
私は、ありえない擬音を発しながら血を吐いた。
敵は奴じゃなかったッ!!お前かッ!!椎田ッ!!
アバム!アバム!弾!弾もって〜い!!
えっ…衛生兵はまだかッ!!
ウワアアアアアアアアッ!!!!!!!
彼女の思考が止まったので、筆者が説明する。
どうやら、展開は彼女の予想の斜め上を行っていた様である。
あ…ありのまま 今起こったことを話すぜ!
『シャキンが全裸でポーズをとっている、
 と思っていたら、いつのまにか
 しぃが黒ビキニと「男前」と書かれたフンドシをつけて、
 マッチョになっていた』
な…なにを言ってるのかわからねーと思うが、
俺も何をされたのか分からなかった。
頭がどうにかなりそうだった。
催眠術とか超スピードだとか、
そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。
またまた、衛生兵こと取り巻きのクラスメートが、
彼女を介抱したおかげでなんとか一命をとりとめた。
そして彼女は意識が虚ろなまま、しぃに話し掛ける。

114 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:47:09.64 ID:0Kb2zcrw0
ξ;゚听)ξ「ハァ…ハァ…し、椎田さん?
       その…りりしいお姿は…な…何なのかしら?
       な…何でマッチョが教室に二人も居るのかしら?」
とショックのあまり、翠星石のような口調で語りかける。
(*゚ー゚)「そうね…実は昨日…」

〜〜〜〜〜〜〜ここから回想〜〜〜〜〜〜〜

放課後、しぃは街角をぶらついていたところ、
怪しげな男に声を掛けられた。
(-_-)「…オジョウサン…ダイエットノクスリ…カイマセンカ?」
(*゚ー゚)「…宗教の勧誘なら間に合ってますから」
(-_-)「…ソウジャナクテ…ヤセグスリ…イマナラ1000エン」
(*゚ー゚)「…やせ薬?」

115 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:47:50.41 ID:0Kb2zcrw0
(*゚ー゚)(そういえば…ギコ君は痩せてる子が好きって言ってたわね。
    最近甘いもの食べすぎたし…買ってみようかな?)
(*゚ー゚)「じゃあ1000円ね」
(-_-)「…マイドアリ」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(*゚ー゚)「というわけで、夜に薬を飲んで、
    朝起きていたらこうなっていたわけで…」
ξ;゚听)ξ「…あ、あなた信用しすぎよ!
       あからさまに怪しいじゃない」
(*゚ー゚)「でもついつい飲んじゃったんです。テヘッ」
と昭和のノリでおどけてみせた。

116 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:48:33.84 ID:0Kb2zcrw0
(*゚ー゚)「でも、結構この体も便利なのよね」
そう言うと、彼女は鞄から一個の林檎を取り出した。
そしてそれを片手で持ち、手のひらに力を込める。
(♯゚ー゚)「…邪ッッツ!!!!!!!!」
次の瞬間、握っていた林檎が
彼女の拳から消えていた。
いや、消えてしまったのではない。
握り潰されたのだ。
よく見ると彼女の指の隙間から、
果汁らしき液体がしたたり落ちている。
そして、手のひらを開くと、
その林檎と呼ばれた物体は、
水分を失い、圧縮されていた。
(*゚ー゚)「どう?便利でしょ?これでジューサーを使わずに、
    新鮮なりんごジュースが飲めるんですよ〜」
ξ;゚听)ξ「いや…そういう問題j…」
「しぃッッッツ!!!!!!!!!!」
不意に彼女の言葉が遮られる。

120 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:49:24.01 ID:0Kb2zcrw0
((;,,゚Д゚))「…………うそだ…………」
その後で、わなわなと体を振るわせるギコの姿があった。
手には力が入っておらず、抱えていた鞄を落としてしまっていた。
((;,,゚Д゚))「嘘だッツ!!!!!」
彼は思った。
常にツンにべったりの狂った生徒しか居ない、
このクラスで唯一マトモに話せる相手。
もとい、この物語の突っ込み仲間。それが、しぃであった。
そのしぃが…ボケている。しかも体を張って。
しまいにはいつも突っ込まれる側のツンにすら突っ込まれていた。
…節子…それはツッコミやない…ボケや!!
ワイらは、唯一のツッコミコンビとして、
お笑い界を変えるんやなかったか?
お前のその行動は…コンビとしての解消を意味してるんやぞ!!
( ,,;Д;)「このコンビはもう解散じゃ〜〜〜〜〜い!!!」
と、すっかりキャラが変わってしまい、
教室から駆け出してしまった。
(;*゚ー゚)「ギッ…ギコ君!?違うの!!これには訳がっ!」
しかしもう既に時遅し、である。

122 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:50:14.59 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´) 「グッドモーニング。ミス・レイコ&ミス・シィ。
       ハウワーユー?」
と、空気を読まずに、もう一人のマッチョが二人に話し掛けて来た。
(`・ω・´) 「ミス・シィ、トークはヒヤリングしたよ。
      ユーのバディは、ナイスマッスルだけど、
      バット、メディスンのユージングはノーグッドね
      マッスルイズ………オーガニック!」
とルー大柴ばりに、いやそれ以上に、
訳の分からないことを言っていた。
ξ;゚听)ξ「…この筋肉バカの言う事は置いておいて、
       この状況をなんとかしなくちゃね。
       これ以上おぞましいものを見るのは耐えられないわ」
ξ;゚听)ξ「…とりあえず、その原因はその薬のようね。
       ウチに最新医療の先端技術を集約した病院があるから、
       連れて行ってあげるわ」
(;*゚ー゚)「…わかりました。ギコ君に嫌われるのはイヤだし…」

125 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:50:58.17 ID:0Kb2zcrw0
というわけで、彼女を連れて私は急遽家に戻った。
あのマッチョも先端医療という単語を聞くと、
どうやら最新の筋肉学を学びたいらしく、
どうしても付いてくると言ってきかなかった。
いや、そもそもそんな学問は存在するのだろうか?
まあ、イザとなったら私兵に射殺してもらえばいいや、
と思い渋々それを承諾した。
しかし、あの馬鹿筋肉、もとい筋肉馬鹿を
私のリムジンに入れるのはイヤだったので、
彼には走ってもらうことにした。
とりあえず、県警に公道を封鎖してもらって
猛スピードで帰ったのだが、あの筋肉の固まりは、
徒走にも関わらず付いてきやがった。
…いや、リムジンは時速100キロ以上は出てたぞ!
あの筋肉は飾りじゃなかったのか!?
リムジンで奴を引き離す計画は、残念ながら失敗したようである。
そうしているうちに私たちは我が家の敷地に到着した。
とりあえず私兵に無線で、あとからダッシュで追いかけてくる
マッチョのフンドシ野郎は警告なしに射殺しろと言ったが、
奴は病院の前で無傷で先回りしていやがった。畜生!!

126 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:52:07.07 ID:0Kb2zcrw0
数時間後しぃの検査は終了する。
それを待っている間に、ツンは何処かに電話を掛けていた。
何やら、薬の売人を捜査しろとか、一時間以内で発見しろとか、
誰かに色々なことを言っている。
一方シャキンはというと、
ツンの所有するスポーツクラブで、汗を流していた。
初めは医者に筋肉学のことについて色々と尋ねていたが、
そうやらシャキンの方が知識が上で、すぐに飽きてしまったようだ。
本当にあるんですね筋肉学って。
作者もググるまで、本当にあるとは思っていませんでした。
そして、再び三人は集まり、医師に検査の結果を聞いた。

( ´_ゝ`)「どうやら症状の原因は、飲んだ薬に含まれた成分のせいらしい。
      薬の名前は『APTX(アポトキシン)4869』という」
(´< _` )「兄者が言っている薬の効果は、
      飲んだもの体を子供の状態にする。というものだ。
      言ってみれば『身体は子供、頭脳は大人!』な状態だ」
( ´_ゝ`)「しかし彼女はどうやら、
      りんごジュースと一緒にそれを飲んでしまったせいで、
      逆に細胞の肥大化を起こしてしまったようだ」
ξ;゚听)ξ「…で、その治療法は?」
( ´_ゝ`)(´< _` )『…さあ?』

127 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:53:13.52 ID:0Kb2zcrw0

(※)´_ゝ`)(´< _`(※)『OK。時に落ち着け、お嬢様』
(´< _` )「それは先端医学をもってしても分からんのだ」
( ´_ゝ`)「それを解明するためにはもっと薬の量が必要だが、
      ここにはそれが無いのでな」
ξ゚听)ξ「わかったわ。とりあえず作ったヤツから、
      薬を回収しないといけないってわけね」

と、その時ツンの携帯が鳴る。
彼女は急いでそれのボタンを押し、誰かと喋り始める。
因みに病院内での携帯の使用はやめましょう。作者からのお願いです。

ξ゚听)ξ「もしもし…!?黒幕のアジトが分かったのね!
      …分かったわ。とりあえず私も指揮の為、同行するわ」
ξ゚听)ξ「…とりあえず、椎田さんは病院に残って!
      ここで再検査すれば、また何か分かるかもしれないし」
ξ;゚听)ξ「…でそこの筋肉の醜塊なんだけど…」

129 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:54:11.64 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´)「失敬な。彫刻品のような、と言ってくれたまえ。
      私もドーピング行為をする者は
      ボディビルダーとして許せないのでね。
      そういうわけで、私も同行したい」
ξ;゚听)ξ「…どうせ、イヤって言っても勝手に付いてくるんでしょ?
       まあ、勝手にしなさい。邪魔したら即射殺だけど」
(`・ω・´)「感謝する。助太刀しよう。
      天然から生まれた無添加の筋肉の力、
      それをここで役に立てようではないか」
ξ;゚听)ξ「……もはや、何も言えないわ」

その会話の後に私はリムジンでアジトに向かう。
そして筋肉ダルマは、ダッシュで追いかけてくる。
途中、私兵に極秘裏に奴を暗殺する指令を出したが、そのどれも失敗した。
それにしても、追尾式ロケットランチャーを使って、
失敗ってどういうことだ!?
しかし突然、それとは別に車内に伝令が走った。
先発隊がアジトに突入し、敵兵はほぼ殲滅したのだが、
一番奥の部屋に踏み込もうと試みても阻止されてしまうのだという。
そして、こちらの被害は兵の半分以上だそうだ。

ξ;゚听)ξ「…これはまずいわ…運転手っ!急いで!!」

133 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:55:08.89 ID:0Kb2zcrw0
   ;ヾ、,.、,、.、rツ ッッシ、:':' r':' _,、-'゙_,  や 私 敵 そ
 ,、,、,ミッン、,._        _,、-'゙_,、-'゙.   っ は. の ん
 、ィッ ,:、 ゙''ゞ=ミ、~.: _,、-'゙_,、-'゙  __,  て 急 ア な
 }; ヾ ゙' {!li;:,. _,、-'゙_,、-'゙ _,、-'゙,::|_|  来  い ジ わ
 ゞァ''゙ぐ _,、-'゙_,、-'゙ _,、-'゙,、-''" .|_   た で  ト け
 ,ヘ:'_,、-'゙_,、-'゙..::「┴_,エ ┴  ''"_|_|  の.   に で
  └i'゙-ニ,ニエ,.:|ニ「 _エ ┴  ''"_|_   だ 
    |エ | ニエ, |ニ「 _エ ┴  __.|_|_
    |エ | ニエ, |ニ「 _エ ┴ 「fj.||__|__| _|
    |エ | ニエ, |[8] _エ ┴ └‐_|_|__l__,|⊥ |__
    |エ | ニエ, |二 _.エ 二.._ |__|__| _|_|_
    |エ | ニエ, |┴ _.エ 二.._ |_|__l__,|⊥ |__|
    |エ | ニエ, |工 _.エ 二.._ |__|__| _|_|_
    |エ | ニエ, |工 _.エ 二.._ |_|__l__,|⊥ |__
  -,-=''┷━━|┬ニエ ┬--  .|__|__| _|_|_
   ''ーニ_''ー::、_ ゙┷ 工_二'‐-、,_|_|__l__,|⊥ |__
  二二二`''ーニ`_''ー-、_¨''━、L|__|__| _|_|_
  二二二二二二二`''ーニ_''ー 、_       |⊥ |__

135 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:56:22.47 ID:0Kb2zcrw0
ξ;゚听)ξ「何ここ?…トイレみたいね…」
「お嬢様!!敵はここの地下に潜んでおります!
 現在の人的被害は、後続隊を含めて8割以上です!!」
ξ;゚听)ξ「…思ったより深刻な状況ね…
       分かったわ。私も突入するわ!!」

彼女は先発隊が乗ってきた武装車の中から、一個の拳銃を取り出した。
彼女の取り出した銃は、『ブローニングM1910』
ベルギーのFN社が開発した、自動拳銃で、
そのフォルムは美しいことで有名だ。
そして女性が扱いやすい銃としても有名である。
彼女は、幼少の頃から、格闘術や射撃の訓練を受けている。
それは曽祖父からの代の、自分の身は自分で守れという家訓の影響だった。
日本一の財閥の人間。その立場上いつ命が狙われてもおかしくない。
そこからその教えは来ているようだ。

(`・ω・´)「やあ、レディお久しぶりだね。調子はどうだい?」
ξ;゚听)ξ「アンタ…ホント、空気読まないわね」

不意に背後から声が掛かる。
それは、暗殺命令の標的にも関わらず、生きていた男。
心なしかその体は先程よりも黒くなっていた。

137 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:57:26.14 ID:0Kb2zcrw0
ξ;゚听)ξ「ちなみに、顔が真っ黒だけどどうしたの?」
      (まぁ、大体分かってるけど…)
(`・ω・´)「途中の道のそばで花火大会があったらしくてね、
      その花火が追いかけてきて私にぶつかってきたんだ。
      まあ、花火くらいで壊れるヤワな筋肉ではないけどね」
ξ;゚听)ξ(ロケットランチャー直撃だぞ!!おい!!
       どういう体してるんだよ!!)
(`・ω・´)「しかし残念ながら、私の筋肉のツヤは消えてしまったようだ。
      せっかく来る前にオイルを塗ってきたのにね…
      輝きがないと調子が悪いんだ。私の筋肉は」
ξ;゚听)ξ(もはや、オイルどうこうの問題じゃねぇ!!!)
(`・ω・´)「あっ、そこのナイスなマッスルの君。…そう、君だよ。
      いい筋肉してるじゃあないか。今度私と一緒に腹筋しないか?
      ああそうだ、それはさておいて、一つ頼まれちゃくれないか?
      オイルを持っていないかい?…車の?いや違うよ、体に塗るのさ。
      …なに?持ってないって?それは残念。代わりはないのかい?
      …キャンプ用のサラダ油…?仕方ない。それを一本貸してくれないか?」

彼女の突っ込みをよそに、彼は私兵の一人と会話を繰り広げていた。
どうやらサラダ油を体に塗るらしい。

140 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:58:46.60 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´)「やあ、レディ。しばらく待っていてはくれないか?
      今から、この筋肉の為にオイルでコーティングしないといけないんだ」
ξ゚听)ξ「コードネーム『ツン』、只今から突入します!!」
彼女は無視して中へと突入していった。
(`・ω・´)「…つれないね、レディ。まあいい。
      私の筋肉たちが渇きで悲鳴を上げている。
      早く塗ってあげないと…」

彼は、一人取り残されたあと、
その筋肉に潤滑油を塗りたくっていると、
ふと不思議な感覚を覚えた。
それは体中の筋肉が細胞から震えるような感覚。
まるで、他の誰かの筋肉が
自分の筋肉を呼んでいるようだった。
その共鳴を受けて彼の筋肉はざわつき始める。
それを抑えるかのように彼は右手で、
左手の橈側手根屈筋を押さえつける。
そして彼はこう呟いた。

(`・ω・´)「…居る…私と同じ『筋肉力』を持った者が…
      …ここの近くに…?…感じる!!
      …ッ!?レディが危ない!!
      急いで塗り終えなければ!!」

142 名前:猪(汗かき)[] 投稿日:2006/12/28(木) 20:59:37.17 ID:0Kb2zcrw0
一方その頃、私は、暗い通路を走っていた。
しかし、その道中は何事もなく順調に進んでいった。
ちなみにこの基地らしき施設の入り口は、
トイレの清掃用具入れらしきスペースの床に隠されていた。
そして、そこから一直線に伸びる長い階段。それは地下に続く。
そこを抜けると次に細長い通路。
数百メートルは続いているだろうか?
公園の一角のトイレの地下にあるとは思えない長さだった。
そして、それが終ると、また地下に伸びる階段。
それが3、4回程繰り返される。
敵は私兵たちが殲滅してくれたお陰で、襲ってくる事は無かった。
しかし、その敵の屍は私の視界に入ってくる。
思わずその凄惨さに、私は目を背けそうになったが、
それが命取りになることは知っていた。
目を逸らした隙に、いつ生き残った敵が襲ってくるか分からないのだ。
私は集中の糸を切らさないように、感覚を研ぎ澄ませていた。

144 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:00:26.25 ID:0Kb2zcrw0
しばらくすると私はあることに気づく。
入り口付近は敵の死体が溢れていたが、
進むにつれ少なくなってくる。
それとは逆に、奥に行けば行くほど、
私兵だった者の遺体の数が増えているのだ。
しかも、始めのほうの私兵の遺体には銃痕が見られたが、
奥のほうの遺体は不審な死に方をしていた。
それらには皆共通した特徴があった。
まず、銃痕は全く見られない。その胴体は綺麗なものだった。
しかし、それらは、共通したところから血を流している。
それは臀部、つまり尻の部分である。
そして、銃痕とは思えない大きな穴が戦闘服のその部分を貫いていた。
鋭利な刃物…?
いや違う。服に空いた穴は直線ではなく、丸く空いていたのだ。
恐らく槍か何か棒状のもので貫かれたのだ、と私は推測した。
と、その瞬間。

「アッー!!!!」

と男の悲痛な叫び声が聞こえてきた。
その声は、目の前の扉の奥から聞こえる!!
私は、ドアの横で身構え、そしてドアを蹴破った。

145 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:01:14.15 ID:0Kb2zcrw0
     )     __      r(    ,、_         /を ギ
  あ (_ , ‐''" ̄    ̄ `''‐、 ゞ, rr〜ヅ´ ミ       ,'. 喰 ャ
  あ  /            ヽ フハ    _ ミ        {. ら リ
.  っ  (     i j ///j } ト、} ミ|_.. -'_"-'´\  r'⌒ヽ  { え ッ
   !!   )  ノ}. j/ノノ〃 jノ jハリ ゙i`'''Tjフ   } ミトー } l ! ク
     (   }ノノ _.’- 'ノノ 冫=}  ,' ,.‐'"    { {い) / ノ_    砲
Vヽハj⌒    i〃ー_''ニ ,、:: {ニ'”{ ,'        ゞ゙ f クァ ―`‐- 、.._,、-'´
   l.  f⌒ヽ.{ ”´-'' "    `、 ',〈.、,..        ,.‐'´      `' 、``丶、
    i、 i ⌒>    l!   r, ノ  l  )__.. -ァ   /
    i \((    lj  , ‐--.ィ  !   Y´_   ./   \    \\
     `、  こ、.       {   j  i j   ゙i゙   {     \    \\
      ヽ リ \    `_'二. ,' /ノ   丶、,、イ       \    \\
       V     ヽ      /         {        \    \\


148 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:02:08.06 ID:0Kb2zcrw0
ドアの向こうはホールのような広い部屋。
そこには、私の私兵の上に覆い被さる
ゆったりとしたツナギを纏った姿の男が居た。
その体型は、彼を覆うもののせいで分からないが
がっちりとしているように見える。
と、不意に、ズキューンという音が室内に響く。
しかし、ツナギの男は銃を持っている様子は無かった。
その瞬間、私兵は力尽きてしまったように動かなくなる。
そして彼の臀部からみるみるうちに血が溢れてくる。
それを確認するようにして、彼は私に背を向け、
ジッパーを閉める音を立てゆっくりと立ち上がった。
その体躯は改めて見ると大きい。180センチ後半はあるだろうか?
,,_   _
"゚'` {"゚`「…彼にも俺のギャリック砲は受け止めきれなかったか…」
ξ゚听)ξ「動かないでっ!!動こうとすれば撃つッ!!」
,,_   _
"゚'` {"゚`「…女か…悪いが…俺は女には興味がないんだ」
ξ゚听)ξ「両手を床に付けてうつ伏せになりなさいっ!!」
,,_   _
"゚'` {"゚`「お嬢ちゃんには、俺のギャリック砲は使いたくないんだがね…」
ξ゚听)ξ「今投降すれば、命の保障はするわっ!!」

153 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:03:12.98 ID:0Kb2zcrw0
彼の呑気な口調とは裏腹に、私は何か恐ろしいものを感じ取っていた。
しかも、両手を腰に当てて、そのままカクカクと腰を前後に振っている。
…コイツ…何かヤバイッ!!
,,_   _
"゚'` {"゚`「…ここは遊び場じゃないんだがね」
ξ;゚听)ξ「お…女だからって舐めないで頂戴!?私は本気よ!!」
,,_   _
"゚'` {"゚`「…聞き分けのない嬢ちゃんだ」
ξ;゚听)ξ「ッ!?」

その時、私の目は彼が動こうとするのを見逃さなかった。
標準を彼の心臓に定め、そして引き金に触れる指に力を入れる。
それと同時に、乾いた音がこの空間を埋め尽くす。
よし。標準は1ミリもずれてない。
その指先をちらり、と確認する。
私は勝利を確信していた。
私の私兵を壊滅寸前にまで
追い込んだにしてはあっけない幕切れだ。
だが、次の瞬間。
それは、予期していなかった鈍い音。

154 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:03:49.74 ID:0Kb2zcrw0
ξ゚听)ξ「…えっ?」
次の瞬間、弾は彼の奥の壁に突き刺さっていた。
,,_   _
"゚'` {"゚`「…どうしたんだ?腰が入ってないぜ」
と、彼は相変わらず呑気に腰を振っている。
ξ;゚听)ξ「嘘?…当たって…ない?」

そんなはずはない!確かに私の手には、
いつもの訓練と変わらない感触があった。
決まって、的の中心に当たる前に感じるあの感覚。
それを感じた時は、必ず、次の瞬間には的に穴が空いている。
手元が狂った?…いや、まさか?
ξ;゚听)ξ「くそっ!!」
私は、再び指に力を込める。
今度はそれを二回繰り返す。
さっきと同じく、彼の心臓に標準を合わせて。

155 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:04:37.08 ID:0Kb2zcrw0
,,_   _
"゚'` {"゚`「…どうした?もうお終いか?もっと撃っていいんだぜ?」
ξ;゚听)ξ「………」
彼は、それでも平然と腰を振り続けていた。
奥を見ると、壁には新しく出来た穴が二つ。
私は呆然とそれを見つめる。
,,_   _
"゚'` {"゚`「しかし、その銃の大きさからして、あと3、4発ってところか?」
銃を前にしての、彼のあの余裕…何か変だ。
まるで、当たらないのが分かっているかのような、余裕の笑み。
ふざけているかのようなあの仕草。
これは…いや…待てよ…
何かトリックが?
もしそうだとすれば、
私の屈強な私兵たちが次々に、
いとも簡単にやられたのも合点がいく。
ξ;゚听)ξ「くっ…ならばこれならッ!!」

156 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:05:14.60 ID:0Kb2zcrw0
私は、銃口を彼から天井のほうに動かす。
そして、引き金を引く。
それと同時に一気に銃口を床のほうに下げる。
そして、もう一回引き金を引く。
私は瞬時にその二つの動作を行う。
そして、私は彼の動きに神経を集中させる。
この一見無意味な行動にも、実は狙いがあった。 私が狙ったのは跳弾。
銃口を標的に向けて撃てば、
発射する方向と弾の軌道が分かる。
それで当たらないのであれば、
どこから弾が来るかを分からなくすればいい。
弾の向かってくる方向を判断するのに掛かる時間のロス。
それは、相手に一瞬の動揺を与え、
トリックに要する動作を行うまでの時間を長くする。
その彼の変化を見極めるために私はそうしたのだ。
これで、トリックの謎を解く手がかりが掴めるかもしれない。
私はそう思い、賭けに出たのだ!!
そして放たれた弾は、各々に反射する。
やがてそれは十字に交錯し、
彼の頭と脚にそれぞれ襲い掛かった。

157 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:06:01.16 ID:0Kb2zcrw0
,,_   _
"゚'` {"゚「…もう撃たないのか?…いい加減諦めたらどうだ?」
ξ;゚听)ξ「………」

しかし、次の瞬間も彼は平然と腰を振っていた。
その動作には微塵の変化も、いや、動揺すら見当たらない。
その代わりに、天井と床にはそれぞれ一個ずつ弾痕があった。

ξ;゚听)ξ「…避けられ…た?」

いや違う。彼は一歩も動いてはいない。
神経を集中させてこの目で見ていたのだ。間違いない。
しかし何故か、唯一の切り札でさえ彼に通用しなかった。

,,_   _
"゚'` {"゚「…もうそろそろ、お終いにしようか」

そう言うと彼は、ゆらゆらと、
腰を振りながら器用に歩み寄ってくる。
私は、思考をフル回転させ策を講じる。
残された弾はあと一発。
もう外せない。
…ならば。

158 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:06:36.79 ID:0Kb2zcrw0
ξ♯゚听)ξ「チェリャアアアアッツ!!!!!」
接近戦。
避けられない距離まで確実に近づき、絶対に当てるッ!
私は獣のように吼え、地面を思いっきり蹴った。
その衝撃は私を前へと押し進める。
そして次第に彼に近づき、
その距離は、3メートル…2メートル!
…ここからが私の間合いだ。
私はダッシュの勢いに乗せて、
左脚を軸にして体全体を回転させる。
その回転の一番外で右足がアーチを描く。
そして、そのまま彼を巻き込むようにして振りおろす。
無防備!?…腰を振っている?
…女だから?…油断?……甘いッツ!!
私の蹴りは、木製のバットをへし折る威力がある。
あと数センチ振りぬくだけで、彼の鎖骨は粉砕されるッ!!
,,_   _
"゚'` {"゚「良い蹴りだ。だが…」

161 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:08:00.72 ID:0Kb2zcrw0

ξ;゚听)ξ「ッ!?」

まさに右足が彼に衝突しようとする瞬間、私は違和感を感じる。
本来感じるべき衝撃、それがない。
私の右足は、彼の肩のラインを沿うようにして滑り落ちる。
防御(うけ)られたッ!?…いや、彼の手は腰に置かれたままだ。
まるで、それは脚全体を押されるような感覚。
…否ッ!…それは磁石の同極同士を、
互いに近付けたときに感じる反発力のようだった。
,,_   _
"゚'` {"゚「…これでフィニッシュだッ!!」
そして、その違和感は私の全身に伝わる。
全身で受けるその圧力は、まるで突風のように私を襲う。
その力が一気に頂点に達した時、私の体そのものが弾かれていた。
私が詰めた間合いが開いていく。
そして彼の姿は一瞬にして縮んでいく。
この圧力…このスピードはッツ!?
…壁!?…受身ッ…
否ッ……死ッ!?

162 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:08:42.10 ID:0Kb2zcrw0



ぶつかるッ!!!


…と体をこわばらせた次の瞬間、
私は、予想していたものとは違う感触に包まれていた。


それは、生暖かく、
何かヌメヌメしていて、
それは、汗臭く、
何か気持ち悪い感触。


私は恐る恐る顔を上げた。
すると唐突に聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「…やあ、お嬢さん…お久しぶりだね。」

163 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:09:32.09 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´)「どうしたんだい、急にすっ飛んできて?
      車にでも轢かれたのかい?思わずキャッチしちゃったよ」
ξ;゚听)ξ「………」
そこには、あのマッチョの暑苦しい顔があった。
そして、私の体は彼の腕に抱えられていた。
ξ;゚听)ξ「………」


ξ;凵G)ξ「嫌ァあああああああああ!!!!」
私はこの部屋で、初めて悲痛な叫び声を上げた。
それは、壁に衝突して死ぬよりも最悪だった。
私を抱きかかえていいのは、
白馬に乗った王子様のようなイケメンだけ。
何故、こんな気持ち悪い奴がそれをしているのか?

165 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:10:31.44 ID:0Kb2zcrw0
ξ;凵G)ξ「離せ!離せ!離せ!離せッ!!!
       ってか、ヌメヌメして気持ち悪いわッ!!」
(`・ω・´)「すまない。サラダ油を塗ってしまって、
      肌の滑りが足りなかったようだ。
      いつも使用してるオイルなら、さらにツヤが出るんだがね」
ξ♯゚听)ξ「そういう意味じゃないっ!!それだと一層気持ち悪いわっ!!」
その突っ込みをよそに、やれやれ、相変わらず困ったお嬢さんだ、
と彼は言って、じたばたと手足を動かす彼女を降ろした。
そして、次に彼はツナギ姿の男に視線を向ける。
(`・ω・´)「…さて…と、ところで、そこの君。
      私は君に用があるのだが」
,,_   _
"゚'` {"゚「………」
ツナギの男は黙って腰を振り、彼を見つめている。

166 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:11:15.70 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´)「…君も良い筋肉をしているな」
,,_   _
"゚'` {"゚「…坊やこそ。…まさに俺の好みじゃないか」
(`・ω・´)「…お褒めの言葉ありがとう。
      しかし、私が聞きたい事はそんなことじゃない」
二人の口調は穏やかだったが、
しかし、それは何処か、緊張の走るものだった。
(`・ω・´)「…あの薬…アポトキシンとか言ったかな?
      何故、あんな薬を作ったんだ?
      私の友人が、そのせいで、困ってしまっているんだ」
ξ;゚听)ξ(…いや、椎田さんは絶対友達とは思ってないから)
(`・ω・´)「それにボディービルダーたる、私の血は、
      ドーピング行為を許さないものでね。
      …君は何故そんな人工的に筋肉を増やす薬を作ったんだい?」
それを聞いて、ツナギの男は、くっくっくっ、と笑う。

167 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:12:19.40 ID:0Kb2zcrw0
,,_   _
"゚'` {"゚「…あの薬は、まだ試作段階で、体が縮んでしまうんだが…。
      どうやら、君の友人は何か、別のものと一緒に飲んで、
      そのせいで筋肉が付いてしまったようだな…なるほど、参考になった」
彼は、何か納得したかのように頷き、こう続けた。
,,_   _
"゚'` {"゚「なあに、最近俺がお相手する坊や達の体型が、
貧相なものばかりでね。どっちかというと、
      俺はガチムチな体型のほうが好みなのさ」
,,_   _
"゚'` {"゚「だから、俺は考えた。
      そうだ、薬で彼らをガチムチにしてしまえばいい。
      そこから、そんな素敵なアイディアが生まれたわけだ」
,,_   _
"゚'` {"゚「その名も…

      『世界ガチムチ化計画
       〜女人禁制、麗しき男の薔薇の園〜』ッツ!!
      …俺の部下は間違って女に薬を配っていたようだが」
ξ;゚听)ξ(な…何て恐ろしい計画なの?
       これでは世界の美しいイケメン達まで
       気持ち悪くなってしまうッツ!!
       『麗しきハーレムの園
        〜女王様は私!死ぬまで飼い殺してあげる〜』
       の建設も不可能にッ!!…何て奴なの!?)


168 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:13:58.49 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´)「なるほど。君の意見には一部賛成だ。
      筋肉の良さを広めることはすばらしいからな。
      …だが、まず、薬でのドーピングは良くない。
      体は己で鍛錬するものだ。」
(`・ω・´)「…それに、筋肉は万人に平等であるべきだッ!!
      男女に関係なく、汗を流し、筋肉を創っていく世界。
      君の思想にはそれがないッツ!!
      『男女共同筋肉増進法〜美しき筋肉の世界〜』
      略して男女筋肉法、その考えに反するッツ!!」
ξ;゚听)ξ(コイツのほうがもっと厄介だ〜ッツ!!
       しかも『法』って何よ?法律作っちゃうの?
       法律で筋トレの義務を強制されちゃうのかよ!!!)

三人は、密かに思い思いに野望を抱いているようだった。
この戦いは、三人の熱い思いが交錯する、いわば戦争のようなものであった。

,,_   _
"゚'` {"゚「…そんなことよりも坊や。
      俺は坊やの肉体を見ているうちにムラムラきてしまってね。
      …どうだい。一緒に…

171 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:14:39.71 ID:0Kb2zcrw0

    〃                 i,        ,. -‐
   r'   ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈    /
    !  :l      ,リ|}    |. }   /   .や
.   {.   |          ′    | }    l
    レ-、{∠ニ'==ァ   、==ニゞ<    |    ら
    !∩|.}. '"旬゙`   ./''旬 ` f^|    |
   l(( ゙′` ̄'"   f::` ̄  |l.|   |     な
.    ヽ.ヽ        {:.    lリ     |
.    }.iーi       ^ r'    ,'    ノ    い
     !| ヽ.   ー===-   /    ⌒ヽ
.   /}   \    ー‐   ,イ       l    か
 __/ ‖  .  ヽ、_!__/:::|\       ヽ

(`・ω・´)「だが、断る」

172 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:15:21.93 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´)「私は筋トレ以外の誘いを受けない主義でね。
      どうやら、君の誘いには乗れないようだ」
ξ;゚听)ξ(…あっ、コイツホモじゃなかったんだ。
       てっきりそう思ってたけど。いわゆるナルシストってやつね)
彼女は、新たに、どうでもいい発見をした。

,,_   _
"゚'` {"゚「…それは、残念だ。
      しかし、この沸騰するように熱い俺の血は抑えきれないな。
      俺は、坊やがノンケでも無理矢理喰っちまう人間なんだぜ」
(`・ω・´)「奇遇だね。
      私も、ドーピングを許さない正義の心が抑えきれないようだ」
,,_   _
"゚'` {"゚「嬉しいこと言ってくれるじゃないの。
      それじゃあ、とことんよろこばせてやるからな」
(`・ω・´)「私も君に、己の力のみで、
      筋肉を鍛える喜びを分からせてあげようじゃないか
      …ではそろそろ…」

,,_   _
"゚'` {"゚『  殺  ら  な  い  か  』
(`・ω・´)

175 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:16:33.05 ID:0Kb2zcrw0

二人が、同時にそれを発した時、戦いの鐘は鳴り響いた。
まずは、シャキンは、時速100キロのリムジンを追いかけた、
その脚力で、ツナギの男に向かって駆け出していく。
彼の走った後の地面は、その衝撃で、次々と削れてゆく。
一方、男の方は、ツンと戦った時と同じように、
腰に手を置き、腰をゆっくりと、前後にカクカクと動かしている。
シャキンが一瞬で間合いを詰めると、その脚を大きく振りかぶる。
それはまるで、周りの空間を抉りとるような鋭さ。
彼のその脚は、全身の筋肉の力を受けて男に向かっていく。


だが次の瞬間、彼らのいた部屋に大きな衝撃音が響いた。
それは、シャキンが背を向けていた壁の方からだった。
壁には大きな、クレーターのような窪みが出来ていて、
その周りは、もうもうと、白い砂煙が上がっている。
その中には、何故か先程男の前にいたシャキンの姿があった。
彼の体は、先程の光沢のある小麦色とは違い、赤く染まっていた。
ξ;゚听)ξ「筋肉ダルマッツ!!」
ツンは叫ぶ。

178 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:17:35.25 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´)「…大丈夫だレディ。僕の背筋はそんなにヤワじゃない。
      皮膚は耐えられなかったみたいだがね。
      …それよりもその腰の動き、只者じゃあないね」

彼は、ゆっくりと煙の中から体を起こす。
どうやらその見た目ほど、怪我は大した事がないらしい。

(`・ω・´)「…今の私の一撃を弾いたのも、
      その腰の動きに秘密があるらしいね」
彼は弾かれた瞬間、男の腰からほとばしるように、
溢れ出るエネルギーを感じ取っていた。

,,_   _
"゚'` {"゚「…フッ。ご名答。この衝撃派は私の腰から発生したものだ。
      冥土の土産に説明してやろう。
      私が腰を振るスピードは、なんと毎秒1000回にも及ぶッ!!
      その速さは、速すぎてゆっくりに見えるほどッ!!
      そして、その動きから生じる凄まじいエネルギーは、
      周りの空気を巻き込み、それはやがて渦を作るッ!!
      そして、それは強固な風の壁となり俺を包むッ!!
      いわば、それは、「絶対防御」ッ!!
      如何なる肉弾攻撃も、いや…
      銃弾やミサイルですらそれを通さない!!
      その名も『烈風の障壁(ウインド・ウォール)』ッツ!!」
ξ;゚听)ξ(だから、さっき銃も蹴りも通じなかったのか!!)

179 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:19:18.11 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´)「…タネさえわかれば、どうって事はないね」
彼は先程とは違い、ゆっくりと、自然体で男に歩み寄って行く。
それは静かな動作だったが、まるで巨山が動くような、
そんな重みを感じさせるものだった。
(`・ω・´)「要は、その圧力を上回るパワーで攻撃すれば、
      その壁を突き破れるわけだ」

そして彼はその障壁の外側にまで近づき、
ゆっくりと、右拳を彼の頭の後ろへと振り上げる。

(`・ω・´)「破壊力、とは、どうやって測るかわかるかい?」
彼は、その姿勢で構えたまま動かない。
(`・ω・´)「…それはね…」
彼は、コオオオッ、とゆっくりと、息を吸い込む。
そして、彼の大胸筋は大きく膨らむ。

180 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:20:09.26 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´)「…『握力』×…」
そして彼は思い切り、拳を握る。
まるでそれは硬いハンマーのように。
(`・ω・´) 「…『スピード』×…」
次に彼の上腕二頭筋は、ぼこっ、と、
そびえ立つ山々のように、膨らむ。
(`・ω・´) 「…『体重』…」
そして、全身の筋肉にも力を込める。
その隆起は、波に削られた絶壁の岩のように険しくなる。

181 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:21:00.47 ID:0Kb2zcrw0
(`・ω・´)「…イコールッツ!!
      『破壊力』だァアアアッツ!!!!!!!」
どの格闘技の型とも何ともいえない攻撃。
ただ純粋にッ!、ただ単純にッ!ただ原始的にッツ!!
彼は、思いっきり拳を振りぬいたッツ!!!!
(`・ω・´)「グオオオオオオッツ!!!!」
,,_   _
"゚'` {"゚「ハアアアアアアアアッ!!!」

それは、ただ純粋な力と力のぶつかり合い。
彼の腕は、目の前の見えない壁を突き破ろうとして震えている。
その彼の拳に負けじと、その男の腰はさらに激しくスイングする。
そして、その二つの衝撃が混ざり合った瞬間、
エネルギーの暴発に空間が耐え切れなくなり、
その二人を中心にして凄まじい衝撃波と、
目が眩むほどの眩しい光が広がっていく。
それは周りの床を抉り取り、それは周りの壁を裂き、
ツンが立っていられないほど、激しく地面を揺さぶった。

184 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:22:19.51 ID:0Kb2zcrw0
次の瞬間、部屋の中は激しく巻き起こる砂埃で満たされていた。
ξ;゚听)ξ「…なんて凄まじいエネルギーなの…?
       !!そうだ、ヤツらはッ!?」
彼女は砂煙に咳込みながらも、
目を凝らして周りの様子を伺っていた。
「ウ……ッ……」
そこに聞こえてきたのは、誰かのうめき声。
彼女にどちらのものかは判断できない。
ξ;゚听)ξ「筋肉ダルマッ!?生きてる!?」
彼女がそう叫ぶ。
次第に、周りの視界が明るくなっていく。
するとその煙の中から、うっすらと人影のようなものが現れる。

186 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:23:17.80 ID:0Kb2zcrw0

                    ,_,..,ィヽ,、     (よ う こ そ)
                   /;;::r‐〜-ミ、    WELCOME!
                 4~/へi::::::;/,ヘミ7    
                 '-l||\ :::::| / |i'   
                    l! '●|::::l●`リ    
              /`ー、  ハー;";::i:::ヾイl! ,r'~`ヽ、 
           ,.ィ" ri l i ト、 1:|`丶:;;;:イ' ill!7、 、 y;  ヽ、_
      ,. -‐''" 、 くゝソノリ~i | - 、 , -‐'7ハ ヾニト-    ~` ー- 、_
   , ィ ´      ,ゝ、_ `r'   l |  、レ // `テ三..ノく _ `       ヽ、
  /       , -' ,、  `、_)   l,i,  i //  (/  ...,,;;;;:` 、        ヽ
 ;'       '" ノ ;;;;::::      i !  : //    .....:::::;;イ、_、_\ _    _ノ
 l ..,, __,ィ"-‐´ ̄`i::::: ゙゙゙= ...,,,,,. l | ,//  - = ""::;; :/       ` '''' '"
            ヾ :;;;,,     ,i l,//     ,,..," /         _,,.....,_
   ,. -- .,_        \ :;,.   ;'  V ;!   `;  /;: ノ      ,.ィ'"XXXXヽ
  /XXX;iXXミ;:-,、     ヾ  '" ''' /./!  ヾ   /    ,. - '"XXXXXXXX;i!
 ,!XXXXi!XXXXX;`iー;,、  i   、. / ;:::゙i   ;: , |  ,. r'"XXXXXXi!XXXXXX:l!
 |XXXXX;|XXXXX;|::::::::|`ヽ、    ,! ,': : :|    ,.レ"::::|XXXXXXX|XXXXXXX;l!
 !XXXXX;|XXXXX:|:::::::::i  `   ;! : :  i!  / !:::::::::|XXXXXXX|!XXXXXXX|
 XXXXXx|XXXXX;!:::::::::::!   `. /::    | '"   l:::::::::::|XXXXXXX|XXXXXXX |
 XXXXXx!XXXXxリ:::::::::::!    |::     |    i:::::::::::ゞXXXXXツ1XXXXXXX|
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 XXX|                                      |XXXXX|

189 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:24:18.76 ID:0Kb2zcrw0
ξ;凵G)ξ「嫌ァああああああああああ!!」
そこにはツナギの男の姿は無く、
代わりに、変態的なコスチュームに身を包み、
変態的なポーズを取ったシャキンの姿があった。
(`・)(・´)「やあ、お嬢さん、ごきげんよう。元気かい?」
ξ;∀;)ξ「…あはははは…あはははは…
       おいなりさんが…おいなりさんが…
       ピンクのカバが私の前を走ってるわ…
       …あはははは…あはははは…」
どうやら、彼女は現実逃避の道に走ったようである。

その後この騒ぎに駆けつけた、
生き残った私兵たちの懸命なカウンセリングにより、
意識を取り戻した。
ξ;゚听)ξ「…で、どうして、ツナギ男が消えていて、
       アンタがそんな格好をしているわけ?」

191 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:25:06.85 ID:0Kb2zcrw0
(`・)(・´)「いやね、あの衝撃が凄まじかったせいか、
      どうやら彼とフュージョンしてしまったようなんだ」
Σξ;゚听)ξ「…!!」
私の背筋に寒いものが走った。
冗談じゃない!一人だけでも手の付けられない変態なのに、
その二人が合体してしまっては、
超A級の最強のド変態になってしまうではないか!!
ξ;゚听)ξ「…アンタ、筋肉好きで、
       ナルシストなホモの最強の変態になっちゃったの?」
(`・)(・´)「いや、どうやらそんなに変化はないようだ。
      私が愛しているのは筋肉だけだ。それは変わらない。
      九割九分以上私のままのようだね」
ξ;゚听)ξ「…ならいいけど…って良くはないか。
       んで、そのコスチュームは何なの?」
(`・)(・´)「ああ、これね。これはどうやら
      彼がツナギの下に着ていたコスチュームみたいだね」
ξ;゚听)ξ「……呆れて、言葉も出ないわ」

192 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:26:12.20 ID:0Kb2zcrw0
ξ;゚听)ξ「じゃあ、アンタが被っている女性もののパンツは何?
       それもあの男の持ち物?」
(`・)(・´)「いや、自前だが。砂埃が酷かったんで被ったんだ」
ξ;゚听)ξ「…アンタ、そういう趣味もあったんだ…引くわぁ…」
(`・)(・´)「何のことだい?昨日、咳が酷くて、
      コンビニに行ってマスクを買おうとしたら売り切れててね。
      仕方なくその横の売場にあった、似たような形のものを買ったんだ」
ξ;゚听)ξ「…いや、そこはやめとこうよ…」
どうやら、彼は体を覆うものは嫌がるが、
頭に被るものはどうでもいいらしい。
ξ;゚听)ξ「まあ、いいわ。とりあえず薬を回収して、
       早く椎田さんを戻してあげないとね」
こうして、この男好き(イケメン限定)と、筋肉と、ホモの、
三者の争いは後世へと受け継がれていった。
これが俗に言う『ビッグブリッジの死闘』である。

194 名前:猪(加齢臭)[] 投稿日:2006/12/28(木) 21:27:31.67 ID:0Kb2zcrw0
この後の流れは、年表に載せて説明しよう。
決して作者がめんどくさいわけじゃないぞ。

2006年×月26日
『ビッグブリッジの死闘』終結。
事件首謀者の阿部高和、シャキンとフュージョン。
ツン、精神異常をきたすも、懸命な処置で生存。
2006年×月27日
しぃの容態が回復。
ギコと、ツッコミ漫才コンビ「黒登山部」再結成。
その後、M−1グランプリ予選に参加するも、
惜しくも予備一次で敗退。
2006年×月28日
VIP高校校庭隅で、白骨遺体発見。
歯型から、ドクオ本人の遺体と確認される。
2006年×月30日
津手邸で、
『ドキッ!イケメンだらけの水泳大会
 〜ポロリもあるよ2006〜』開催
観客はツン一人。
2006年○月15日
シャキン、頭に被っていたパンツを脱ぐ。

第三話 おしまい




【関連】
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