( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`) 〜ξ゚听)ξハルシオンデイズなようです(^ω^ ) 一気読み〜

( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`)

( ^ω^)ブーン系小説完結作品集('A`)更新情報


TOP ( ^ω^) ('A`) ( ´_ゝ`) (´・ω・`) 川 ゚ -゚) (*゚ー゚) ξ゚听)ξ




当サイトはブーン系小説の完結作品集 です。 読み物系は嫌いって方はご退場ください


下記からブーン系小説のジャンルを選択してください
ギャグ系:
戦闘系:
五十音別:
感動系:
カオス系:
作品一覧:
下ネタ系:
未分類:
その他:
86 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 17:04:47.44 ID:n766GXUk0

――終わったと思っていたのは僕だけだったのだろうか?
君も僕と同じ気持ちだった?
僕を見返す君の瞳が不安定なのをみて、
希望的観測が胸を締め付けていく。

『こんなにも苦しいのなら』などと言う戯言など浮かんでこない。
それらを全て含んで。それらを全て包んで――


          ξ゚听)ξハルシオンデイズなようです(^ω^ )



87 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 17:05:31.98 ID:n766GXUk0
《第一話 繋がっていますか? 繋がっていていいですか?》
短大の受験発表も終わり、 僕らはショボンの親父さんの店(未来的に見るならショボンの店)で
男三人だけの慎ましいパーティーを開いた。
( ^ω^)「ブーンとー」
('A`)「ドクオとー」
(´・ω・`)「ショボンのー」
( ^ω^)・('A`)・(´・ω・`)「「「栄光を願ってかーんぱーい!!」」」
(´・ω・`)「……これ普通のコーラだけどね」
('A`)「……俺一浪したけどね」
( ^ω^)「……大学四流もいい所だおね」
何処行った。栄光。 あれか。実家に帰らしていただきますか。
(´・ω・`)・('A`)「「てめー帰れよ!!」」
( ^ω^)「おおおおッッ!?」 何そのフェイントッ?
グラスのコーラを思わず零しそうになる。

88 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 17:06:24.54 ID:n766GXUk0
('A`)「大学合格したじゃん!」
(´・ω・`)「したじゃん!」
( ^ω^)「しかし四流短大……」
('A`)「一応したじゃん!」
(´・ω・`)「したじゃん!」
('A`)「俺は一ろ……うわぁぁぁぁぁ」
(`・ω・´)「ドクオ! ドクオぉぉぉッ!」
くそ、衛生兵! 衛ー生ー兵ー!!
カウンター側からショボンが叫ぶ

( ^ω^)「ノリに付いていけないんですけどッ!?」
と言うかコーラで酔うなよドクオ。泣き上戸か。
( ^ω^)「……しかし失恋した」
ちびりとコーラをすする。
('A`)「…………」
(´・ω・`)「…………」
あ、静かになった。

89 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 17:07:55.36 ID:n766GXUk0
('A`)・(´・ω・`)「「ブーン……」」
そう露骨に同情されるとムカツクおwww
僕が笑えば。
('A`)「ドクオとぉぉぉぉッッッ!」
(´・ω・`)「ショボンとぉぉぉおおッッ!」
( ^ω^)「……ブーンのぉ」
(´・ω・`)・('A`)「「テンション低きぃんだよ! そんなんじゃ栄光どっか行っちまうぞ!」」
もうどっか行ってます。って言えば多分タコ殴りに会うんだお。
( ^ω^)「解ったお! ここはパーっとやるお!!」
おおお!! 野郎臭い合点の合図がバーボンハウスに響いた。
('A`)「ドクオとぉぉぉぉッッ!」
(´・ω・`)「ショボンとぉぉぉおおッッッ!」
( ^ω^)「ブーンのぉぉぉぉぉぉッッッッ!!!」
( ^ω^)・('A`)・(`・ω・´)「「「栄光を願ってかーんぱぁぁぁぁーいッッッッッ!!」」」
杯を高く掲げて。


90 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 17:08:49.15 ID:n766GXUk0
(´・ω・`)「……僕は裏お酒の管理状態とか見てくるから
何かあったらよろしくー。レジいじくったらぶち殺すぞ」
本気なのか冗談なのか判別つかないから怖い。
(  ^ω^)「解ったお」
('A`)「了解しましたァッ!」
……ドクオのテンションどうなってるんだお。
('A`)「…………」
(  ^ω^)「…………」
ショボンが裏に消えてから、僕らの間沈黙が降りた。
そりゃ、今の僕らには特に話すこともない。
僕はドクオが全く手をつけていないポテチを貪り、
コーラをコップに並々注ぐドクオの姿を特に感慨もなく眺めていた。
('A`*)「うぃ〜〜ヒック」
ドクオはコーラで酔えるようですって小説書けるかな。
そんなくだらない事を思い浮かべてみる。
(  ^ω^)「…………」
(*'A`)「……ブーン」
(  ^ω^)「んお……あ、ああ。何だお?」
また一杯飲み干すドクオ。

91 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 17:09:11.65 ID:n766GXUk0
(*'A`)「ブーン」
(  ^ω^)「何だお」

(*'A`)「……お前さぁ。チャレンジもしてねぇのに何抜かすかなぁ……」

……何言ってんだお?
ポテチをとろうとして伸びた手が止まった。

(*'A`)「いいか。何が何もしてねぇのに『失恋』しただ!」

最悪だ。ドクオは泣きの上に絡み酒か。
……いや、酒? 泣きの上に絡みコーラ?
(  ^ω^)「何じゃそら」
(*'A`)「聞いてんのかブーン!」
――聞きたくない。
僕が何もせずに失恋したからと言って。それは今更戯言だろう。

(  ^ω^)「……ッ……じゃあどうしろって言うんだお!!」
……僕も何熱くなってんだ?

96 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 18:01:28.17 ID:n766GXUk0
(#'A`)「告ってこいやぁぁぁぁ!!」
(  ^ω^)「うっせぇぇ! ツンはもう上京しちゃってこの町いないんだお!?」
(*'A`)「はッ? 上京? ブーンおまっwwww何言ってんだよ!」
(  ^ω^)「ドクオこそ何言ってんだお!?」
(*'A`)「ツンって言やぁ、俺たちと同じクラスじゃねぇかよ!!」
あれか!? お前頭大丈夫か!?
笑いながらドクオが肩を叩いてくる。
はっきり言って痛い上にうざい。そして会話が完全に噛合っていない。
(  ^ω^)「もう何がなんだか意味が解らないお……」
(*'A`)「あん? あれだろ? 今の俺の落第パーティーだろ?」
あ、やっと繋がった。……もし小説を書くなら
ドクオの頭の中が2ヶ月前に戻ってしまったようです。に決まりだ
( ;^ω^)「待てくれお。今日はそれの2ヶ月後……
(*'A`)「バッカでねぇのかブーン! 今は1月だっての!」
……馬鹿はドクオ自身だと気付け。
(  ^ω^)「…………もし告白しても断れると知ってても?」
(*'A`)「じゃああれか? お前告白したんか?」
(  ^ω^)「……してないお」
(*'A`)「じゃあ何で解るんだよ」
(  ^ω^)「…………」
酔っ払いに言いくるめられるのはかなり尺に障ったけれど。
確かに全てドクオの言う通りだ。

97 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 18:03:10.01 ID:n766GXUk0
(  ^ω^)「……後悔する」
(*'A`)「どっちに動いても後悔なんてもんは必ずあるだろ」
ドクオの一言一言が、僕に深く深く浸透していた。
それは、きっと。

(*'A`)「俺も自分の成績から考えるとかなり無謀な挑戦したけどよ……」

苦々しげに語るドクオが

(*'A`)「後悔してるけどよ。それでも諦めて別の大学入ったよりかは――」

『行動した』僕と重なるからで

(*'A`)「いいんか? お前それでいいんか?」
これは酔っ払いのドクオの言葉などではなく
(  ^ω^)「――――解らない」
別の道を選んだ僕からの言葉だと聴く『僕』が思うからで。

98 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 18:04:31.45 ID:n766GXUk0
(*'A`)「――――?」
(  ^ω^)「僕には解らないお。どっちの道を選んでよかったのか、
どっちの道が僕にとって幸福だったかなんて。
ドクオの言う通りなのかも知れない。そうじゃないのかも知れない。
僕だってこれで良かったなんて思ってないお。思ってなんかないんだお。思ってなんか……」
(*'A`)「…………」
長たらしい一人語りは、僕自身の心情を吐露したものだ。
(  ^ω^)「でも解らない。どうすればよかったとか、どうすれば後悔が少なかったとか。
何が悪くて何が良くて。打算が駄目だったのかもっと欲張ればよかったのかとか」 (*'A`)「…………」

(  ^ω^)「じゃあ僕はどうすればいいんだお――?」

答えてくれ。教えてくれ。そう半ば縋るように隣に座るドクオを見た。
(  ^ω^)「…………ドクオ?」
(*'A`)「zzzzzzz」
いや待て。こう言うオチはありなのか?
コーラで酔って挙句寝るとはどう言う了見だ?
いや、コーラ……?
あれ? コーラってこんな高そうなビンに入ってたっけ?

99 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 18:05:36.94 ID:n766GXUk0
ドクオのグラスの中身を確認しようと立ち上がって匂いをかげば。

(  ^ω^)「何だお……これ――」


(´・ω・`)「……やっと効いてきたみたいだね――」
裏口に行っていたはずのショボンがカウンターに舞い戻ってきた。
な、何っ、どう言うことだおッ!?
言われハッとした。体が言うことを効かない、指に力が――!?
(´・ω・`)「フフフフ……悪いがブーン。君のグラスにシビレ薬を入れさせてもらった」
な、なんだとぉ!?
(´・ω・`)「掘りたかったんだよ……ああ愛しのドクオ」
ま、待てッ! どう言う事だお、ショボン!!
(´・ω・`)「君は少し黙ってくれたまえ」
おお……ドクオォォォォォ!!
(´・ω(*'A`)「……ふに? ……あっ……アーッ!」


100 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 18:06:36.84 ID:n766GXUk0
と言うのは悪い冗談だけど。

(´・ω・`)「ん? 何、どうしたのブー……」

何かただならぬ雰囲気を察知したのだろう。
ショボンが裏から戻ってきた。そして言葉を途中で止めて。
(´・ω・`)「ア――――ッ!!」
(  ^ω^)「なになに!? 今度は何だお!?」
肩を大きく一度震わせ、僕はショボンが指を指すビンとショボンを交互に見る。
店に流れる時間がザ・ワールド。
(´・ω・`)「何でそれ飲んでるんだ!? しかも空っぽじゃないかッ」
そして時は動き出す。と言う感じに。
止めた本人が言葉を発することでザ・ワールド解除。
(  ^ω^)「ど、どう言うことでお……?」
(´・ω・`)「アーッもう! それはお酒なんだよ!」
ショボンがいつになく声を荒げて言う。
当のドクオはお休みぐっない。
(  ^ω^)「最初に入れたコーラは……?」
(´・ω・`)「ん? 冷蔵庫に入れた」
解る訳ねぇよ馬鹿。

101 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 18:08:02.59 ID:n766GXUk0

(  ^ω^)「ごめんちゃい」
(´・ω・`)「その顔でちゃい言うな気色の悪い」
(  ^ω^)「っうぇwwww でもドクオどうすんだお?」
カウンターに突っ伏して眠るドクオを一瞥しあってから、
(´・ω・`)「……そのまま転がしておいてくれ」
諦めたように笑うショボンをもう一度見て、
将来のマスターの姿を垣間見た。ような気がする。



102 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 18:09:02.01 ID:n766GXUk0
(  ^ω^)「…………お邪魔しましたお」
気おつけてね。と背中にショボンから声をかけられた。
ドクオは相変わらずカウンターで熟睡している。
成人して飲む機会があってもドクオにだけは酒を飲まさないようにしよう。うん。
(  ^ω^)「……」
暮れ掛けた西の空はオレンジの色合いを残しながらも、夜の訪れを感じさせる藍を含んでいた。
春の気温は、今日に限って少し肌寒いような物だった。

『チャレンジもしてねぇのに何抜かすかなぁ……』

繁華街のネイルを空と一緒に見ながら、『僕』からの言葉を反芻させる。

『いいんか? お前それでいいんか?』

(  ^ω^)「解らない」
呟いた言葉。
もしも奇跡とか、偶然とか。そう言う類の神がかりで
もう一度チャンスが転がって来たなら。僕はどうするのだろう。

103 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 18:10:08.19 ID:n766GXUk0
(  ^ω^)「……解らない」
もしも僕がもう少し大人になったなら
この答えをはじき出せるのだろうか。
(  ^ω^)「解らない」
今はまだ子供でしかないから?

(´・ω・`)「ふ、フフフフフフフ……やっと……やっと二人っきりになれた……」
欲に塗れた男の手が眠る彼に伸びた。

(´・ω・(*'A`)「……ふに? ……あっ……アーッ!」
閑話休題。

《第一話 繋がっていますか? 繋がっていていいですか?》 終  
             《〜その菊門は俺のもの〜》に続(ry)
              第2話に続く。


107 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 18:20:16.41 ID:n766GXUk0
色々なことがぐるぐるぐるぐる頭の中で回って、
昔考えたようなことがくらくらくらくら頭の中で繰り返されて。
そうして僕の手は震えていた。
無言でしかいられなかった。
気を抜くと数年分の思いが一気に溢れ出そうで怖かった。

『もしも奇跡とか、偶然とか。そう言う類の神がかりで
もう一度チャンスが転がって来たなら。僕はどうするのだろう。』

あの日の問題への答えを出すんだ。
               《第二話 必然スクランブル》

ξ゚听)ξ「ブーン……?」
( ^ω^)「ツン――」
僕らは相手の名前を呼んで。訝しげながら言葉を吐いて。
目の前の姿が自分の幻想でないことを悟ってから、

ξ゚听)ξ・(^ω^ )「「久しぶり……!」」
同時にこの声を上げた。
ああ、住み慣れたこの町の空気は僕の胸を締め付けるには十分で。
懐かしい彼女の声色は僕が閉じていた記憶に触れてくるには十分で。

114 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 19:34:00.56 ID:w8io87810
( ^ω^)「ツン……どうかしたのかお?」
彼女の背中に掛けたときと同じ言葉を僕は掛けた。
あ、とか、う。とか。彼女が言いよどむ。
首を傾げればその首に彼女が掛けていたショルダーバックを思い切りぶつけられる。
ボキとか良く聞く擬態語じゃなかった。
何と言うか、ミシ、って言った。ミシ、て。首が。首ですよ。首。

( ゜ω゜)「ほ、ほぉぅぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!??」
普通に唾液とか口から出た。
きったないわね。ツンの言葉が響く。誰の所為だ 誰 の !

ξ゚听)ξ「……私はただバーボンハウス探してただけよ」

その言葉が僕に響いていたかどうかは定かではない。


115 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 19:34:38.09 ID:w8io87810
( ´ω`)「いや、まあ。大事に到らなかったからいいんだお」
ξ゚听)ξ「ええ」
( ´ω`)「ツンの負けず嫌いは知ってるお」
ξ゚听)ξ「ええ」
( ^ω^)「だけど白昼堂々、公開殺人はどうかと」
ξ゚听)ξ「うっさい!」
バン。今度はツンなりに配慮したかは知らないけれど、
例のショルダーバックを顔面にぶつけられた。
乾いた音が響く。金具の部分が額に当った。頭蓋骨って丈夫だったっけ?

ミシ。あ。

( ^ω^)「……ツン?」
ξ゚听)ξ「ごめ」
謝罪の色は見えない。
毎度の事だから、まあいいんだけれども。……随分懐かしい毎度だ。 思いあたって少し笑いが出た。
なんて暖かいのだろう。なんてハルシオンデイズなんだ。

116 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 19:35:29.53 ID:w8io87810
ああ。僕は何度この中でまどろむ夢を見ただろう。僕は何度彼女の笑顔に触れる幻想を抱いただろう。
そして思ったんだ。
『もしも奇跡とか、偶然とか。そう言う類の神がかりで
もう一度チャンスが転がって来たなら。僕はどうするのだろう。』
あの日の答えは。
ξ゚听)ξ「元気にしてた?」
( ^ω^)「お、ま。それなりにですおー」
ξ゚听)ξ「ああ、そうだ。覚えてる? あの、音楽室で弾いた――」
あの時もう、出していたんじゃないか?
                 『ハロー』
( ^ω^)「…………」
ξ゚听)ξ「ブーン?」
                 『アンドグッバイ』
( ^ω^)「……迷惑、なんだお」
ξ゚听)ξ「え……?」
                 『マイハルジオンデイズ』

理解したじゃないか。
ハルシオンデイズに終止符を打つ、って。

117 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 19:37:28.24 ID:w8io87810
( ^ω^)「ブーンにとってツンはもう昔の人なんだお……」
ξ゚听)ξ「ブーン……?」
( ^ω^)「それなのに数年たってずかずかずかずか人の心に入り込んできて――!」
今僕は物凄く自分勝手なことを言っているんだろう。
傍から見ればただの独善の切り売りだ。でも。
( ^ω^)「迷惑、なんだお……!」

これで、いいんだ。

ξ゚听)ξ「っ…………ブーンのバカぁ!」
そう言って走り去る彼女の背中が僕には歪んで見えた。
手を伸ばす事は出来ない。それをしないと決めたのは僕なんだ。
後悔なんて、無い。
彼女にあって、それからああいって。
やっと僕のハルシオンデイズは終わりになるんだ。
これで、いいんだ。これでよかったんだ。
良かったんだろ? なあ。これでいいんだろ?

118 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 19:38:04.58 ID:w8io87810

自問自答。それの度に溢れ出してくるのは
( ;ω;)「何で笑えないんだお……っ!」
なんで笑いじゃなくて涙なんだ。

天下の往来で僕はさめざめと泣いた。……最初の内だけ、だけど。
その内、頭のてっ辺から足の先にかけてコンマ一秒ともかからず走った震え。
顔に回っていた血の気が引きすぎるぐらいに引きすぎた所で、僕のおえつはボリュームをあげ始めていた。
手が仕様もなく震える。
『しようとしまいと こうかいは おこるだろ』
なあ、僕。これがした後の後悔なのかな。
どうしようもなく頭が、手が、心が痛いんだよ。
( ;ω;)「ひっ……うっぐ、うぇ、うえぇっ……っオロローン!!」
泣きすぎて頭痛がして来た。
行き交う人々は僕を避けて何処かへ向かっている。(完全に脳障を見る目だった)
半径1メートル台のサークルの中、ただ僕は泣き声を上げている。
答えはこれであっていたのかな?
僕はちゃんと100点満点だったかな?
ああ、自分に投げつける言葉はひたすらに皮肉まみれだ。
119 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 19:39:33.92 ID:w8io87810
( ;ω;)「ひっく、ツッ……ツンッ……オロローン! オロロロローン!!」
おえつは序々に吐気へと転化されている。
このまま全部任せて吐いちゃえば楽になれるかな、色々と。
なんて、どうせ吐けもしないのに思ったりして。
( ;ω;)「ひっぐ……うぇ゛、え゛っぐ……」
「オイコラ、」
聞こえるが早いか、けられるが早いか。
そんなタイミングでふくらはぎを強かに蹴り付けられた。
う゛ぇ゛、とおえつとも悲鳴ともつかない声をあげ、
僕の体は慣性の法則と全ての物理法則に反する事無く、地面へと突っ伏す。
orz「…………」
「男泣きもここまでくると見苦しいったらねぇ」
背中にかけられた、男の声。
聞き覚えはある。見当もつく。
いつだって、頭の中でリフレインしてた声だ。――さっきだって。
( ´ω`)「ドクオォォッ!」
Σ('A`)「うぉおぉッ!?」

120 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 19:40:23.54 ID:w8io87810
起き上がり、砂利も払わず僕は振り返りざまにドクオにダイブする。
その際少しだけ今の僕らのビジュアル
(いい歳した男がくんずほぐれつ)を想像してみた。
すぐに抹消した。尻の穴がうずいた。やばい吐きそう。
想像してしまったアレ気な物を払拭させようと、
僕は顔(むしろ頭)をドクオの胸板に押し付け、ぐりぐりとえぐる様に首をふった。

('A`;)「は、鼻水がつく! 俺のTシャツに鼻水が!!」
( ;ω;)「う、うっぐぇ……ドクオロローン!」
('A`♯)「っ、オイコラ! やめろ、やろてくれ! 鼻水つけんなバカ!!」
( ;ω;)「オロローン! オロロロローン!」
だぁぁぁあ!! ドクオが叫んだ。
回される腕はなかったけれど(あったら今頃本当に吐いてる)
延髄に来るチョップの痛みが救いだった。

121 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 19:41:16.22 ID:w8io87810
なあ、答えはこれでよかったのかお?
涙は制御でき始めていた。嗚咽だけが漏れた。
顔を離せば、ドクオのTシャツと僕の鼻とをつなぐ銀の橋。
( ;ω;)「ごめんちゃい?」
そして迫り来る延髄チョップ。
だぁぁぁぁ!! ドクオの声だったか、僕の声だったかは覚えていない。

女の意地というものがどうやら私にもあったらしく、
足早に家路へと戻る時、涙は一滴も流れなかった。ただその代わりに、
ξ゚听)ξ『何なのよ何なのよ何なのよ……! ブーンのバカァッ……』
ロール紙のように切れ目ない罵倒が巡り巡っていた。
それは実家の玄関を開け、いかり肩のまま階段を駆け上るまで続き、
(その時少しだけイラついたような母の声が私をけん制したけれど、よく覚えていない)
それから。
ξ゚听)ξ「ブーンの……バカァッ!」

部屋の扉を勢いよく閉めた時には、頭の中だけで収まっていたブーンへの罵倒は声に出ていた。
悔しくて、悔しくて。それで、どうしようもなく悲しくて。
あふれたのは涙だったのだろうか。もしかすると、せき止めていたあの感情だったのかも知れない。

122 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 19:41:38.98 ID:w8io87810


拒絶されても好きな自分がいる。

だから悔しくて、悔しくて。拒絶されたことが、どうしようもなく悲しくて。

私はその日、ひゃっくりをあげて、嗚咽を漏らして。
恥も外聞もかなぐり捨てた子供みたいに泣いた。

ξ;凵G)ξ「ひ、ひゃっく……ばかぁ……」

何十回目かのひゃっくりが出た時だろうか。
ポケットの中にあった携帯が、私を励ますように振動したのは。

《第二話 必然スクランブル》終
          第三話へ続く


127 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 20:33:43.56 ID:w8io87810
《第三話 それは千里に続く細い獣道のよう》
(  ´ω`)「――ハァ」
机の上に放り投げられた処方箋を見つめながら、僕は深く細いため息を吐いた。
デスクワークは嫌いではない(ロードワークに比べれば、だけれど)
超順調! とまではいかないものの、
仕事もそこそこのスピードで消化できている。……と思う。
「クォラブーン! ため息ついてる暇があるんならその手さっさと動かせやコラァ!」
背後から鮫島先輩の叱咤の声。思わず背筋を伸ばす。
(; ^ω^)「すみませんお!!」
もはや反射でかえせるそうになった言葉が
空中に響いて消えるよりも早く、僕が視線をデスク上のパソコンに移せば
「内藤。だだでささぁ、お前つえかねぇんだからさぁ、
ほらぁ、頑張らないとさぁ、営業成績伸びないよ?」
隣のナス先輩の嫌味が飛ぶ。
――ああ。入社2ヶ月目にして、こう思う。
(  ^ω^)「すみませんお」
――僕は一体、ここで何をしているんだ?


128 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 20:36:08.66 ID:w8io87810
重く圧し掛かるようなにび色の雲が、空に覆いかぶさるようにひしめき合っていた。
この分厚い雲のせいかスモッグのせいか、
はたまたドンと落ちた視力のせいか、星ひとつ見れない夜空。

――僕が見上げるこの空はいつだってこんな感じの曇り模様だったような気がする。

(  ^ω^)「最近、空の青色――見てないような気がするお」

公園のベンチに腰掛けながら、仕事上がりのコーヒーを一気にあおる。
待ち人は未だ来ず。
(  ^ω^)「ハルシオンデイズ――」
懐かしい言葉だ。
事がある事に思い出す言葉でもあり、ふとした時に気がつけば呟いている言葉でもある。
(  ^ω^)「ハルシオンデイズ」
まぶたの奥から疼くような、そんな感覚に襲われて僕はゆっくりと目を塞いだ。
脇に置いてあったカバンを手探りでとって、それを抱きしめる。
そのまま腕に力を込めて行く。
カバンの中に入っていた例の紙袋がカサリと乾いた音を立てた所でハッとした。
またゆっくりとした動作で目を開き、カバンの中から処方された薬――
睡眠薬の入った袋を手にとって、数秒見つめる。

129 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 20:38:13.44 ID:w8io87810

「ブーン」
呼ばれた。気がつき、顔を上げれば
いつのまにか目の前に立っていたクーが怪訝そうな顔つきで僕を見ていた。
慎重に気取られないように、処方箋を鞄の中へしまう。
川 ゚ -゚)「待ったか?」
(  ^ω^)「今、来たところだお」
僕の足元に転がる数本の缶コーヒーを一瞥したクーが「そうか」と苦笑いをよこすのと、
それに気がついた僕が苦し紛れに「本当だ」と言うタイミングはほぼ同じだった。
ような気がする。


130 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 20:40:02.34 ID:w8io87810
(  ^ω^)「ほい、超神水」
川 ゚ -゚)「ありがとう」
クーの隣に腰掛けて、僕は本日何本目かのアルミ缶のプルタブに手をかけた。
(  ^ω^)「偉大な大先生への初めてのお祝いがこんな缶ジュースとは申しわけないお」
川 ゚ -゚)「茶化さないでくれ。まだ正式にデビューが決まった訳じゃないんだ」
(  ^ω^)「でも入選したんでお?」
川 ゚ -゚)「…………まあ」
強い否定もなく、気恥ずかしそうに言うクーを見やり

(  ^ω^)「夢、叶ってよかったお」

川 ゚ -゚)「ありがとう」

そうして僕らはアルミ缶でのささやかな祝杯を挙げた。



131 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 20:41:03.60 ID:w8io87810
川 ゚ -゚)「ブーン」
相変わらず曇天ばかりの空を仰ぎ見ていたクーが口火を切った。
少し遠慮がちな口調。
(  ´ω`)「お?」
川 ゚ -゚)「ハルシオンデイズって――」
聞かれていたのか。
どうすることもないけれど、バツの悪い感情がせりあがってくる。
(  ^ω^)「あ、あれは――――」
川 ゚ -゚)「睡眠薬、飲んでるのか?」
は……?
数秒、僕は石になった。いや、いいすぎかこれは。
気を抜けば手の中の缶コーヒーを取り落としてしまうくらいに驚いたんだ。
言い当てられた? いや、しかし――――
(; ^ω^)「なんで知っ……
川 ゚ -゚)「ハルシオンデイズ。あれ、睡眠薬を飲みつづける毎日って意味だろう。
それに、あの処方箋――――」
何かあったのか?
クーの目がそういっていた。
――ああ、隠し通せはしないだろうな。

132 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 20:43:08.88 ID:w8io87810
僕は漠然とだけれど、古い付き合いの中での経験からそう感じ取った。
こういう時、真正面から心配してくるのだ。この腐れ縁は。
何の裏表もなく、真摯な目で純粋な感情を持ち寄ってくる。
だからこそ――こちらもそらすことができない。
もう一人の腐れ縁は、ひねくれた考え方と一緒に不器用なやさしさを見せてくれるのだけれど、
そちらはもう触れれないものだから今はおいて置いて。
とにかく。
(  ^ω^)「いや……うん」
否定と肯定を繰り返して、僕はクーから目をそらした。
それだけの足掻きでは逃げ切れはしないだろうけれど。
川 ゚ -゚)「…………」
クーはきっと、僕がしゃべりだすまで、何時間でもこうして待つのだろう。

(  ´ω`)「ハァ」

のどに詰まった言葉の栓をため息と一緒に出して、僕は空を仰いだ。
相変わらず星は一つも姿を見せないけれど。
(  ^ω^)「実は――――」


133 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 20:44:57.91 ID:w8io87810
それから色々と、現状を含めた説明を僕はクーにした。
これで少しでも荷が軽くなれば良い。僕もクーもきっと同じ考えだろう。
黙然としながら、ただ時折相槌を入れてくれるクーの声を聞きながら、そう思った。
短大在学中、難航を極めた就職活動の中、患った不眠症。
入れたはいいけれど悪条件の会社、先輩の嫌味。頼るようになった睡眠薬。

――そして。飲み始めてから、繰り返し繰り返し見るようになった夢の話――

川 ゚ -゚)「それは、悪夢か?」
クーのその言葉を聞いて、確かに、とうねってしまった。
この言い方では悪夢ととられても仕方がない。しかし――
(  ^ω^)「違うお」
あの夢は――
(  ^ω^)「幸せな夢だお。……夢の世界は、幸せなんだお。だから――」
ハルシオンデイズ。
川 ゚ -゚)「……そうか」
夢は一炊のものでしかない。
僕にとって確実に害悪になるだろう。解ってはいる。
けれど――――――
(  ^ω^)「ハルシオンデイズ」

134 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/10(土) 20:45:37.44 ID:w8io87810
いつまで、なのだろう。
箱庭の夢。平穏な日々。
進むことのない自分。進んで行く世界。

いつまでハルシオンデイズ?
それは、どちらの意味の?

空になった缶を振りながら、僕は空を仰いだ。
ああ、相変わらず星も月も見えない。
街灯の明りを頼りに、僕はコーンスープの空き缶の中を覗き込んだ。
とろりとした液体がおぼろげに闇の中で踊り、
中に残っていたとうもろこしの、最後の一粒が地面へと落ちた。缶の中にコーンはない。

缶の中にコーンは残っていない。

 《第三話 それは千里に続く細い獣道のよう》 終
               第四話へ続く。


218 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 10:02:26.46 ID:Zhpyg8s20
《第四話 そうして――?》
             【side-T】
ξ;凵G)ξ「っ……!?」
ひゃっくりだったのかも知れないし、ただ単に脅ろいただけかも知れないけれど、
突然のバイブレーションに肩が震えた。ああ、こんな時に何よ!
誰そ彼とも付かない相手に転換した罵倒をあびせ、いつもより乱暴な仕草で携帯電話を取り出す。
ピッ。
ξ;凵G)ξ「あ」
手が滑った。ボタンを押してきずいたけれど、着いたのはメールじゃなく通話着信。
なんで、なんでこんな時に他人に私のこんな声聞かせなきゃならないんだろうか。
本当、今日はいい事がない。なさすぎる。

「もしもし、ツン?」

電話口から聞こえたのは、落ち着きを払った声。
ああ、誰とも付かなかった回線の向う側にいる人は――――
ξ;凵G)ξ「クー……?」
川 ゚ -゚)「ん。ああ、実はな、あの件で少し聞きたいことが……」
ξ゚听)ξ「え、あ。う、ん……」
クーの声が遠い。熱病に浮かされた時みたいに、全部が遠い。
出来るだけ平常を装った相槌をして、緩みそうになる琴線を必死に締めた。

219 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 10:02:48.83 ID:Zhpyg8s20
川 ゚ -゚)「なあ、ツン――」
ξ゚听)ξ「うん?」
いつもと変わらないテンポでクーが口火を切った。不意に呼ばれた名前にドキリとする。

川 ゚ -゚)「ないているのか?」

……? 今、クーは、なんて言った?
段々とシナプスが繋がっていく。ないているのか? 泣いているのか。
言い当てられた? ――ううん、けど。私にだってちっぽけなプライドはある。
おえつを押し殺し、精一杯の虚勢を張る。ああ、もうこんなみみっちい努力なんかじゃ隠し通せはしないのは解かりきってる。
ξ゚听)ξ「泣いてないわよ。本当に」
川 ゚ -゚)「嘘だ」
ξ゚听)ξ「泣いてない」
川 ゚ -゚)「ツン」
クーが私を呼ぶ。ああ、何て穏かな響きなんだろう。
クーの声と反比例して心が乱れる。窓から初夏の風が吹き込んでくる。
今の私は熱病患者みたいだと思った。
世界が、遠い。

ξ;凵G)ξ「泣いてなんか、ない……!」

下手をすれば蝉の声にかき消されそうなほど、弱弱しい声量で私はクーに反論する。精一杯否定する。
ツン。もう一度、クーは私を呼んだ。

220 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 10:03:59.18 ID:Zhpyg8s20


川 ゚ -゚)「今からそっちに行くから、待っててくれ」

相変わらず、クーは鏡のように平坦な湖面の声を出していた。それがいつも以上に酷く落ち着く。
回線が切れて、無機質な電子音が耳に届いて、
私は携帯電話を胸で抱きしめ、切れた回線に向け呟く。
伝わりはしない。むしろ伝わったらとてつもなく気恥ずかしいので、伝わらない方がいいと私は思う。

ξ;凵G)ξ「ありがとう――」

それでもおえつは漏れ、部屋を満たしていたのだけれど。




221 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 10:05:01.87 ID:Zhpyg8s20
クーが隣にいる。部屋には静寂がある。
ある程度予想していた通り、部屋に上がって来たクーは私を問い詰めるような事はなかった。
どうしてとか、何で泣いてたんだとか、そう言う疑問符を一切掛けて来ず、ただクーは黙って私の背中を撫ぜた。
ありがたいと思う。こう言う親友を持てて幸せだと思う。
ξ;凵G)ξ「クー……」
川 ゚ -゚)「ん」
静かな相槌。
ξ;凵G)ξ「……のね、っ……あのね――」
ああ、駄目だ駄目だ。言葉にしようとすると途端に涙が溢れてくる。
こう言う時私はどうしようもない歯がゆさを覚える。なんで涙腺如き人間は制御出来ないんだろう。
喋ろうとすればする程この舌は凍り付いて行って。
川 ゚ -゚)「ん」
落ち着いたクーの声がする。その声を聞くたびに世界はクリアになって、
私は一言ずつ(歩みは極めて遅いけれど、停滞なく)言葉を発して。

川 ゚ -゚)「ああ」

おえつが挟まり、聞き取り難い事この上のない声なのに、
クーは聴き返すことをしない。ただ時折相槌をいれて背中をさすってくれている。

222 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 10:05:58.71 ID:Zhpyg8s20


精一杯になりながら、私はクーに伝える。そして答えの提示を暗に促す。
拒絶された事とか、ブーンが変わったってそう言う意味だったの、とか。
私はどうすればいいのか、とか。

川 ゚ -゚)「ツン」

馬鹿馬鹿しくもあり、きっと私が思っている以上に卑怯な方法で、私は暗にクーを責めている。
あの時クーに会ってさせいなければ、こんな思いをする事はなかったのに、と。
今の私はどうしようもなくらいの馬鹿だ。

川 ゚ -゚)「ツン」

苦々しい声でクーが私の名前を呼ぶ。ねぇ、教えてよ。
私の選ぶべき道は、どこにあるの。

241 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 14:58:51.56 ID:Zhpyg8s20
川 ゚ -゚)「本当に、そう思うか」
ξ゚听)ξ「…………」
背中をさする手は、もうなかった。
変わりに、しっかりと私の両腕を掴むクーの繊細な手。
クーの顔を私が見る事はない。……いや、違う。出来ない。
川 ゚ -゚)「ツン。君が選ぶべき道は沢山あると、本当にそう思うか」
ξ゚听)ξ「っ……!」
きっと私は醜い顔をしている。
それを見られるのが今は一番怖い。自覚するのが今は恐ろしい。
だから俯いて、直視しないようにした。クーによって照らされた道を見ないようにした。
私は卑怯だ。道を教えてと頼んだのに、いざその答えを示されると拒絶する。
川 ゚ -゚)「道はいくつもないだろう。それ所か、一つしかない。それをツンも解ってる。ちがうか?」
ξ;凵G)ξ「……そんな、こと……」
ない、とは言えなかった。明らかな嘘で、彼の決意を無碍に塗り潰したくなかった。
でもそれを認めたくない私もいて、アンビバレンスな気持ちに振り回されている私は中途半端なところで言葉を切る。
川 ゚ -゚)「ツン、解ってるんだろう?」
言い当てないで。お願いだから。

242 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 14:59:24.62 ID:Zhpyg8s20
ξ;凵G)ξ「私は、……わたし、はっ」
私は悔しかったのだろう。
あいつが、ブーンが私をおいて進歩しようとするから。
どんなに拙い一歩であっても、アイツは前進しようとしたのだ。
それが物凄く、くやしかった。
いつの間にか、クーの手は背中でも腕でもなく、私の頭の上にあった。
頑張ったな、と苦笑い気味の声が頭上から降ってくる。
ξ;凵G)ξ「クー」
鎌首をもたげて、クーを見た。
てっきり無表情でこっちを見ていると思っていた親友は、声質を裏切らず苦笑いでこっちを見ていて。
ξ;凵G)ξ「クー」
川 ゚ -゚)「ん」
ξ;凵G)ξ「ありがとう」
川 ゚ ー゚)「ん」
どうやら私は、もう一度内藤に逢わなくてはいけないらしい。



243 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 15:01:41.61 ID:Zhpyg8s20

《第四話 そうして――?》
             【side-B】


起きてみるとそこは見覚えのない天井だった。ってこれはベタか。
(  ´ω`)「んお……」
('A`)「起きたかブーン」
(  ^ω^)「……ドクオ?」
('A`)「おう」
薄暗い天井。頭上を漂う煙草の煙。どことなくアンダーグラウンドな雰囲気のここは――
(  ^ω^)「バーボン、ハウス?」
('A`)「正解」
ドクオの声。
のろい動作で僕は起き上がる。段々と全ての感覚が戻りつつあった。
しなやかな皮の感触があって、さっきまで僕が沈んでいたソファーなのだと実感した。
さして役目を果たして内容に思う空調ファンの駆動音と、プラスチック出来た観葉植物の緑。
そして気付く。
(  ^ω^)「今、何時だお?」
('A`)「あ? 夜の7時だけど」
(  ゜ω゜)「会社……!!」
立ち上がろうとすればドクオの手が僕の両腕を押える。

244 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 15:02:00.97 ID:Zhpyg8s20

('A`)「もちつけ。連絡ならショボンがしてくれたよ」
(  ^ω^)「お」
拍子抜けして、ソファーに再度沈む。安心した所為か、後ろ首が痛んだ。無意識にそれを擦る。
('A`)「お、わり。痛むか」
まさかあの程度で気絶するとは思わなんだ。からからとドクオが笑う。

ん?
現在進行形で擦りながら、僕は浮かび上がって来た理論をもう一度咀嚼してみる。
痛む延髄と、僕が今まで気絶していた事の因果関係。
記憶を失う前に感じたリアルな痛み。そして目の前で平謝りするドクオ。
イコール?
(  ゜ω゜)「バッ、馬鹿、もー馬鹿ですかおぉぉぉおお!? 下手すりゃ死ぬちゅーねん!!」
アイデンティーティーでもある語尾すらかなぐり捨て、
泡を飛ばしながら僕はドクオを見やった。涙が出てくる。
('A`)「だから悪いって言ってるじゃーん」
じゃーん、じゃねーお。じわりと広がった涙腺に下唇を噛む。

245 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 15:03:12.47 ID:Zhpyg8s20

('A`)「で、だ。ブーン」
(  ^ω^)「お?」


('A`)「聞かせてもらおうか、なんで泣いてたのかをな」


あー、もう本当。涙が出てくる。




255 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 17:34:35.95 ID:ndFHJSTO0
('A`)「ブーン」
全て説明し終えて、気の抜けた僕の方へドクオの手が伸びる。また例の延髄チョップかお!?
ほぼ条件反射で、両腕を使ってガードする。結局、ドクオの手は――
('A`)「バーロー」
ぐしゃり、と。無遠慮に配慮無しに、頭を手のミキサーでかき回される。
ワックスで整えた髪が無造作ヘヤーになっていく。バーローはどっちだ。

('A`)「道はいくらでもある。違うか?」

銘柄の分からない煙草の香りと、アルコールの匂い。
体重をかけるごとに沈んでいくソファーに移る僕自身の体温。

(  ^ω^)「僕、は――」
('A`)「一つじゃないさ。道は一つじゃない」
ドクオは僕に語りかける。
ただ静かに、二年前と同じように背中を押してくれる。
的確な答えをくれない所がドクオらしく、最高に意地悪だ。

256 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 17:35:16.80 ID:ndFHJSTO0

(  ^ω^)「ドクオ」
('A`)「どれを選ぶかはお前次第じゃねぇか、ブーン」
再度頭をかき回される。常に意志薄弱としたドクオは、こういうとき無駄に大人びるから困る。
('A`)「おい口に出てんぞ」
(  ^ω^)「おっwwwww」
ごめん。ありがとう。
僕は起き上がり、ソファーに深く腰掛けた。

天井を仰げば、這うように漂う煙が見える。
やり直せないわけじゃない。道はいくらでもある――そのどれを選ぶかは、僕次第、か。

どうやら僕は、もう一度ツンに逢わなければならないらしい。


        《第四話 そうして――?》 終
                 第五話へ続く


259 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 18:16:24.94 ID:ndFHJSTO0

≪第五話 思い想いの≫
           【side-B】
僕の思考は、様々な所に飛びうっつては消えていた。
夜の公園でクーと話したこと。
自宅でのあのちっぽけな決意。あの矮小な決心。
昨夜、バーボンハウスでドクオと話したこと。
ツンと離れた後の僕が、ツンを諦めきれなかった僕が、
ツンと再び出逢えた僕にシグナルを送ってくるのだ。
やはり、好きなのだと。
……ツンに遭ったとき、僕はなんと言えばいいのだろう。
どうすれば気の利いた事の一つでも言えるのだろう。そう考えれば考えるほど、舌には雑草が絡まっていく。

僕はとんでもない臆病者だ。


260 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 18:16:46.64 ID:ndFHJSTO0

遭わなければならないと決心してもなお、どこかでツンと再開することを拒む自分がいる。
むしろあそこまで言って許されるのか?
迷惑だと突っぱねて、もう一度顔合わせする事なんて許されるのか?
答えの返らない自問。答えをはじき出すのは自分自身だ。
逃げたい。――――逃げればいい。

ドクオも言ってたじゃないか。道は一つじゃない、って。

(  ^ω^)「……道は、一つじゃないお」

だからこそ僕はもう逃げない。
ツンを拒む事でツンから逃げていた自分からも。
過去とも現在とも、ハルシオンデイズとも。全部と、向き合う。

道は一つじゃないんだから。




261 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 18:17:48.51 ID:ndFHJSTO0
≪第五話 思い想いの≫
           【side-Т】
自室にて、私は例の音楽ノート――ハルシオンデイズのノート片手に窓際にいた。
遠くの方からコオロギが求愛する鳴き声が聞こえてきていて、
今では、昼間喧しいほど恋焦がれ鳴いていたセミはその息を潜めている。
そんな中で私は深呼吸する。
初夏の匂いと、夜の匂い。それらが交じり合い、どこか湿気を含んだ大気が鼻腔をくすぐる。
吹いて来た風で、カーテンがはためいた。
ξ゚听)ξ「…………」
再度深呼吸をして、私は机に向かう。
もう、やる事は決まっているし、迷いは生じない。
机の上に置いてあったペン刺しからボールペンを一本とって、ノックする。
これは、私なりの進歩だ。
ξ゚听)ξ「ハルシオンデイズ」
最後のワンフレーズは、ずっと前から浮かんでいた。
イスに座らないまま、私は音楽ノートにペンを走らせた。
これは、過去ばかり見て、今のアイツを見なかった私への叱咤。

262 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 18:18:24.55 ID:ndFHJSTO0

先に進もう。これからの、新しいハルシオンデイズを見据えて。

携帯を取り、アドレス欄からクーのメールアドレスを引っ張り出す。
普段活用している単語の記憶機能は使わず、純粋に変換だけを使って一通のメールを打つ。
『あの話、受けようと思う』
そして押す送信ボタン。


明日、私はバーボンハウスへ行く。


        ≪第五話 思い想いの≫  終
                 最終話へ続く!


267 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 19:07:05.69 ID:ndFHJSTO0

《最終話 ハルシオンデイズのようです》

メモ帳を握りつぶしながら、私は現在進行形で迷っていた。
うんうん。色々会って忘れていたけれど、私はバーボンハウスの所在地を知らないのだ。
こんな事ならクーにでも聞いて置けばよかったと、今更ながらに頭が痛い。
現在地が繁華街なのは解る。いや、まあ前回もここまでは解ってたわよ。
しかしバーボンハウスが何処にあるのかが解らない。……前回もそうだった。
西の方角、ビルの谷間に夕日が落ちていく。
大きくて、オレンジ色のそれがいつも以上に目に染みた。
ξ゚听)ξ「……どこにあんのよバーボンハウス!」
イラッ、と来た。強烈なデジャビュを感じる。
こんな田舎にまでヒートアイランド現象ですか、とは言わない。意地でも言うか。

「どうかしましたかお」

感じたのは、強烈なデジャビュ。

ξ゚听)ξ「っ……!」
弾かれたように私は振り返って、背後にいた奴を見る。

268 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 19:08:50.61 ID:ndFHJSTO0

ξ゚听)ξ「ブーン!」
(  ^ω^)「お」
少しだけ申し訳のなさそうに、私の背後にブーンはいた。
ブーンだ、と認識してから、私は条件付けされていたみたいに、カバンから一冊のノートを取り出し、
そして
(  ^ω^)「ツン、――僕は……」
ξ゚听)ξ「そぉい!」
あの音楽ノートをブーンに投げつけた。
ビッタァァーン! と小気味いい音を立て
ブーンの顔面に直撃したノートは、以外にもあっさりと地面に落ちた。
ある意味ドリフのワンシーンみたい。

(  ゜ω゜)「っむっほぉぉおお!!??」
ξ゚听)ξ「馬鹿ブーン!」
思い知ったか、と。私は声を上げる。
何を思い知らせたかったのかは、いまいち口に出した本人の私でも解らないけれど。
繁華街の往来はいつもと変わらない喧騒で私たちを包み込んでいく。
時折いぶかしげな通行人の視線が私たちに向けられる。

269 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 19:09:58.97 ID:ndFHJSTO0

(  ^ω^)「これ……」
地面に落ちたノートをブーンが拾う。
パラパラと最後のページから捲り、そして一番最初(あの曲の――)で手を止める。
(  ^ω^)「……僕は音譜読めませんお」
ξ゚听)ξ「…………」
ジリ、と握りこぶしを作りながら私はブーンに近寄った。
気迫に押されてかブーンが後ずさる。
( ;^ω^)「じょ、じょ冗談ですおっ!? ……これ、は」
ξ゚听)ξ「…………」
(  ^ω^)「ハルシオン、デイズ」
ξ゚听)ξ「……覚えてたんだ?」
(  ^ω^)「勿論だお! 僕は、何度この時のことふぉ夢見た事ふぁっ!?」
ξ゚听)ξ「…………」
っ――まるでこれはあの時と同じじゃないか。
ブーンの口が声を発さずそう言っている。あの時……?
デジャビュは感じるけれど、的確に思い出すことはない。ま、既視感なんてそんなものか。

271 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 19:15:05.77 ID:ndFHJSTO0
(  ^ω^)「ツン」
ξ゚听)ξ「何よ」
(  ^ω^)「ああ言った手前、もう僕に弁解の余地は残されていないのかも知れないお」
ξ゚听)ξ「……うん」
(  ^ω^)「それでも、これだけは言わせてくれお」
夕日を背負いながら、ブーンが言う。
なんだかドラマのワンシーンみたいだ。

ξ゚听)ξ「……うん」

一杯一杯の相槌。

(  ^ω^)「好き、だお」

過去形じゃない所にホッとしてしまった。なんか負けた気がする。

272 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 19:15:24.11 ID:ndFHJSTO0

ξ゚听)ξ「……ブーン」
(  ^ω^)「お?」
だから、せめて対抗するために、私はこう答える――
ξ゚听)ξ「けて、いい? ……『新しく』続けても、いい?」
(  ^ω^)「何、お?」
そこを訊くの。声に苦笑いを込めて、不思議なほどよく通る声で私は言った。


ξ゚听)ξ「私たちの、ハルシオンデイズ」


(  ^ω^)「勿論だお!」
間髪入れずに帰って来た返答に、私は口元に浮かべた苦笑いを深めた。

273 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 19:15:52.88 ID:ndFHJSTO0

そうしてまた続いていく。そうしてまた繋がっていく。
数多に別れた三叉路のような、千里に続く細い獣道のような。
偶然と必然の素晴らしさに溢れた、私たちのハルシオンデイズ。


不器用な私たちの日常。
穏やかな、ハルシオンデイズ。


           ξ゚听)ξハルシオンデイズなようです(^ω^ )

            - 完 -


278 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 19:32:23.26 ID:ndFHJSTO0

《エピローグ バーボンハウス》
ξ゚听)ξ「意外と近くにあったのね……」
疲れたようにツンが呟いたのは、バーボンハウスの扉を潜った丁度その時だった。
お? と首をかしげる僕に何でもないわよ、とツンは呟く。
カランカラン、と渇いた鐘の音。
(´・ω・`)「いらっしゃい」
正装したショボンが開口一番そう向かえる。
(  ^ω^)「おー」
ξ゚听)ξ「うわ、マスターっぽい」
(´・ω・`)「マスターだよー?」
昔ぶりのやり取りに僕は息をつく。カウンターの隅にはぐだぐだになっているドクオの姿があった。
(  ^ω^)「ドクオにお酒飲ませたのかお……」
(´・ω・`)「一応止めたんだけどね」
ショボンがその精悍な顔つきを崩した。
キュッ。タオルとグラスの間で気持ちいい音がなる。
(´・ω・`)「さて、来てないのはクーちゃんだけか……」
ξ゚听)ξ「私連絡つけてみようか?」
(´・ω・`)「いや、大丈夫だよ」

279 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 19:34:19.26 ID:ndFHJSTO0

ツンとショボンの会話をぼう、と観ていたら、

(´・ω・`)「今来たから」

ショボンの言葉の直後、腰当りに激痛が走った。
(  ゜ω゜)「ぬほぉっ!?」
川 ゚ -゚)「あ、悪い」
何で僕の周りにはこうも悪びれのない連中ばかりが集まるのだろう。
開いた扉が凶器になり僕に襲い掛かったのだ!
そして飛んだ唾液が掛かったのか、今度はツンが正面からみぞおちパンチ。
クリティカルヒット! なんて凶悪なコンボだ!
(  ゜ω゜)「ぬっほぅぅ!?」
ξ゚听)ξ「ごめん」
周知のとおりだろうけれど、まったく悪びれてない。
川 ゚ -゚)「仲いいな」
ξ゚听)ξ「……クー、なんか上機嫌ね?」
川 ゚ -゚)「ん? ばれたか。やっと入稿が出来たんだよ」
クーが笑う。

280 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 19:34:53.14 ID:ndFHJSTO0

ξ゚听)ξ「…………あれ?」
川 ゚ -゚)「ああ」
ん? 男二人を置いてけぼりに、ツンとクーが話を進める。
アレってなんだお? 訊こうとすればツンの拳が再度締まった。

(  ゜ω゜)「みぞおちだけは、みぞおちだけはァ……!」

川 ゚ -゚)「恋愛小説だよ。ノンフィクションのな」
ξ゚听)ξ「クー!」
川 ゚ -゚)「本人からは了解取ってるぞ?」
なんなら証拠のメールみるか?
あいかわらず僕の目の前で繰り広げられる謎の会話。
(  ゜ω゜)「だ、だだ、題名だけでも教えてくれお」
もしかして美味しいカルピスの入れ方、続編?
地雷踏まないように訊いた僕に、クーがやんわりと首を横に振って否定した。
それからツンを見やる。

287 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 20:46:11.27 ID:Zhpyg8s20

川 ゚ -゚)「ツン」
ξ゚听)ξ「……っ」

川 ゚ ー゚)「ほら」

やがて恐る恐ると言った感じに、ツンが僕が何度も繰り返していた言葉を呟くのと、
酔いつぶれていたドクオがアーッ! とか言う奇声を発するのは同じタイミングだった。

ような気がする。


         《エピローグ バーボンハウス》 終!
          ご愛読ありがとう御座いました!

292 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 20:50:33.29 ID:Zhpyg8s20

《あとがき》
ということで、長くなりましたブーンが初恋の夢はこれにて幕となります。
うざったい程繰り返して来ました『ハルシオンデイズ』はコンセプトでもあり、物語の根幹でした。
ここまで読んで下さった方々には御の字です。ありがとう。本当にありがとう。
・夏から見てくれていた方々へ
半年もまたせてすまなすwwww きっと全員が思っているに違いないですね。むしろ俺自身も思ってます。
『まさか戻ってくるとは思わなかった』
それでも祖母の言い付け通り、なんとか完結できたことが嬉しいです。支えてくれて有難う。長い道のりだったwww
・鏡合わせの似たもの同士
ハルシオンデイズの次に意識したのは、これでした。
ツン編、ブーン・ツン編の題名が微妙にシンクロしているのはこのせい。
クーとドクオのアドバイスが真反対なのも、これが原因な訳ですが、
気づいた方はいらっしゃるでしょうか。あからさまだったかもしれなす。

気づいた方もそうでなかった方も、ご愛読ありがとうございました。
長かったようで短かい月日でしたがこの上なく楽しかったです。
最後に皆さんヘ。 長いあとがきここまで読んでくれてあざーしたァ!
 作者 敬具




【関連】
ブーン編から - 一気読み
第一話 - 第二話 - 第三話 - 第四話【side-T】 - 第四話【side-B】 - 第五話【side-B】
第五話【side-Т】 - 最終話 - エピローグ バーボンハウス


ブログパーツ ブログパーツ
inserted by FC2 system