261 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 18:17:48.51 ID:ndFHJSTO0
≪第五話 思い想いの≫
【side-Т】
自室にて、私は例の音楽ノート――ハルシオンデイズのノート片手に窓際にいた。
遠くの方からコオロギが求愛する鳴き声が聞こえてきていて、
今では、昼間喧しいほど恋焦がれ鳴いていたセミはその息を潜めている。
そんな中で私は深呼吸する。
初夏の匂いと、夜の匂い。それらが交じり合い、どこか湿気を含んだ大気が鼻腔をくすぐる。
吹いて来た風で、カーテンがはためいた。
ξ゚听)ξ「…………」
再度深呼吸をして、私は机に向かう。
もう、やる事は決まっているし、迷いは生じない。
机の上に置いてあったペン刺しからボールペンを一本とって、ノックする。
これは、私なりの進歩だ。
ξ゚听)ξ「ハルシオンデイズ」
最後のワンフレーズは、ずっと前から浮かんでいた。
イスに座らないまま、私は音楽ノートにペンを走らせた。
これは、過去ばかり見て、今のアイツを見なかった私への叱咤。
262 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/12(月) 18:18:24.55 ID:ndFHJSTO0
先に進もう。これからの、新しいハルシオンデイズを見据えて。
携帯を取り、アドレス欄からクーのメールアドレスを引っ張り出す。
普段活用している単語の記憶機能は使わず、純粋に変換だけを使って一通のメールを打つ。
『あの話、受けようと思う』
そして押す送信ボタン。
明日、私はバーボンハウスへ行く。
≪第五話 思い想いの≫ 終
最終話へ続く!
【関連】
ブーン編から -
一気読み
第一話 -
第二話 -
第三話
-
第四話【side-T】 -
第四話【side-B】 -
第五話【side-B】
第五話【side-Т】 -
最終話